2021新型iMacをDTMパソコンとして購入を考えている人はまった方良い。その理由を4つ解説しています。
ただ今からDTMを始めようとしている人は限定的な使い方であれば使えなくはない。という理由についてもお話しています。
2021新型iMacをDTMで使えるかどうについて気になる人は多いと思います。
結論から言うと少しつずつDTMパソコンとして使えるようになってきるというのが6月末時点での印象です。ソフト面での心配は多少ありますが、デザイン面で見ても2021新型iMacは購入意欲をくすぐるパソコンです。
またCPUスペックでDTMパソコンの購入を悩んでいる人にとっては新しい選択の1つになれるほどのパワーをもったマシンではることは間違いありません。
この記事では2021新型iMacのスペックとM1チップを搭載したMacBook Air Pro Macminiとのスペックと比較して何が変わって何が変わらないのか、そこから見えるDTMパソコンとしての実力、購入必要について説明しています。
2021iMacスペック
デザインが一新された2021新型iMacのスペックは次のようになりました。
![]() | ![]() |
154,800円(税込) | 177,800円(税込) |
8コアCPU | 8コアCPU |
7コアGPU | 8コアGPU |
256GBストレージ(最大1TB) | 256GBストレージ(最大2TB) |
8GBユニファイドメモリ(最大16GB) | 8GBユニファイドメモリ(最大16GB) |
24インチ4.5K Retinaディスプレイ | 24インチ4.5K Retinaディスプレイ |
Thunderbolt / USB 4ポート x 2 | Thunderbolt / USB 4ポート x 2 |
USB 3ポート x 2 | |
ギガビットEthernet | |
Magic Keyboard | Touch ID搭載Magic Keyboard |
デザインが一新しポップでありながら中身はモンスターというとんでもないマシンになっているのですが、スペックでみる限りそれほど大きな違いはないように感じますよね。
ここでざっくりわかるのは、一番安いモデル154,800円は
- カラーパリエーションが4つしか選べない(他は7つから)
- GPUが7コア(他は8コア)
- USB3ポートがX2とギガビットEthernetが搭載されていないということ、
- Touch ID搭載Magic Keyboardではない
画像を見る限りEthernet接続ができないのでネットはWi-Fi環境になると思われます。Wi-Fi環境が安定しない人にとってはちょっとデメリットな要因になります。
またGPUの1コアがどれだけDTMの音源GUIに影響を及ぼすかは限定的だと考えられます。
2021新型iMacのSSDを増設するといくらになるのかは2021年4月22日ではわかりませんが、今までのパターンから見ると2TBは66,000円、1TBで22,000円になると予想されます。

ではここから2021新型imacのスペックを確認しながらDTMパソコン使えるかどうかの話をすすめていきたいと思います。
2021新型iMacのM1チップCPU/GPUは以前と変化していない
13インチ MacBook Air | 13インチMacBook Pro | Macmini | 2021新型iMac | |
M1チップ | M1チップ | M1チップ | M1チップ | |
CPU | 8コア | 8コア | 8コア | 8コア(7コア) |
GPU | 8コア | 8コア | 8コア | 8コア |
M1チップが搭載された13インチ MacBook Air、13インチMacBook Pro、Macminiと比較しましたがスペック的には同じです。若干違うところがあるのかもしれませんが、公開されているスペックによる判断で十分だと思います。
つまりCPUによる機能差はないので、2021新型imacをDTMパソコンように購入してもスペック的な恩恵は受けられません。

2021新型iMacユニファイドメモリはDTMにはまだ少ない
ユニファイドメモリという聞き慣れないメモリですが、ざっくり説明すると効率よくメモリを動かすことでソフトに使うメモリ量を抑えられますよ。というもの。
ただ8GBではやっぱり物足りないという人はオプションで8GBから16GBに増設することが可能です。

ただ、メモリの増設でかかる費用は22,000円と通常のDIMMメモリと比べると割高です。

音源によってはギガ単位でメモリを使うDTMはいくら効率重視にユニファイドメモリが16GBになったところでそれほど多くは変わらないと思われます。

2021新型iMacのOS及びM1にメーカーが対応していない
ここで大切なのはM1対応という文脈には2つの意味があります。
- Native対応
- Rosetta対応
Native対応は文字通りM1の性能を存分に活せるものでいわば対応100%という状態、一方でRosetta対応はメーカー的には問題なく動きます。ただM1の能力を完璧に発揮できますよ!というものではないということです。
DTMをするうえでは正直Rosetta対応であっても問題はありません。普通に動きます。ただスペック的にはNative対応より劣る可能性があるということを理解しておく必要があります。
多少は対応してきているソフトもありますが、まだまだDTM用の多くのソフトがM1チップに正式対応していないため、現状ではプロ機として扱えるものではありません。
Big Sur及びM1チップ対応表(2021年6月30日現在)
Big Sur /M1 | |||
Ableton | Live シリーズ | ○(Rosetta2) | Live11で対応 |
AVID | Pro Toolsシリーズ | ○ | 2021.6で対応 |
Sibelius | 2021.2 | ||
Arturia | V Collection | ○ | スタンドアロンモード |
Bitwig | Bitwig Studio | ✕ | Rosettaでの動作報告あり |
Celemony | Melodyne | ○(Rosetta2) | バージョン5.1 |
FabFilter | ソフトシンセ、プラグイン | ○(Native) | 最新バージョン |
ImageLine | FL STUDIO | ○(Rosetta2) | |
FXpansion | Strobe2/Cypher2/Geist2 | ○(Rosetta2?) | 公式サイトに表記見つけられず |
IK Multimedia | ソフトシンセ、プラグイン | ○(Rosetta2?) | M1Nativeでの動作は保証していない |
iZotope | Ozone シリーズ | Intelのみ確認 | |
Neutron シリーズ | Intelのみ確認 | ||
RX シリーズ | Intelのみ確認 | ||
Nectarシリーズ | Intelのみ確認 | ||
VocalSynth2 | Intelのみ確認 | 一部の製品がLogicProでの検証の失敗 | |
LennarDigital | Sylenth1 | ○(Rosetta2) | 公式での発表はないが、有志による動作報告あり |
makemusic | Finale | ○(Rosetta2) | Finalev26.3.1 |
MOTU | Digital Performer | ✕ | |
Modartt | Pianoteq | ○(Rosetta2?) | 動作報告あり、 公式サイトではNativeの表記は見つからず |
Native Instruments | KOMPLETE シリーズ | △ | サポート非対応 |
MASCHINE Software | ○(Rosetta2) | ||
TRAKTOR DJ 2/TRAKTOR PRO 3 | ○(Rosetta2) | ||
Reason Studios | Reason | ○(Rosetta2) | Reason Suite 11.3.4以降 |
Presonus | Studio One | ○(Rosetta2) | |
Rob Papen | ソフトシンセ、プラグイン | ○(Rosetta2?) | |
Roland | Zenbeats | ○(Rosetta2) | |
Roland Cloud (PLUG-IN) | △ | AU 版:対応 VST 版:検証中 AAX 版:検証中 PLUG-OUT:検証中 | |
Serato | Serato DJ Pro | ○(Rosetta2?) | サポート対応 |
Serato DJ Lite | ○(Rosetta2?) | サポート対応 | |
Spectrasonics | Omnisphere 2 | ○(Rosetta2) | 2021年初頭に無料アップデートでリリース |
Trilian | ○(Rosetta2) | ||
Keyscape | ○(Rosetta2) | ||
Stylus RMX | ○(Rosetta2) | ||
Steinberg | Cubase シリーズ | ○(Rosetta2) | バージョン11.0.20より |
WaveLab シリーズ | ○(Rosetta2) | バージョン10.0.60 | |
Dorico | ○(Rosetta2) | バージョン3.5.12 | |
Nuendo | ○(Rosetta2) | バージョン11.0.20 | |
u-he | Hive | ○(Native) | 2.1 |
他プラグイン | ○(Rosetta2) | Rosetta2での動作報告あり | |
Universal Audio | UAD software | ○(Rosetta2) | サポート非対応 |
Waves | Native software | ○(Rosetta2) | Logicではで正しくロードまたは動作しない |
xferrecords | Serum | ○(Rosetta2?) | サポート対応 |
実際動いても何かあった場合のサポートをしていないメーカーが多いのでDTMパソコンとして使うのはハイリスクです。
追加2021/09/26
2021 iMacによるCPU負荷テストを公開しました。
intel Macと比べてどれほど速くなっているのかひと目で理解できます。
実はLogic ProもM1に対応していない?
Appleのサイトで次のような画像がありますが、この中にLogic Proのアイコン及びガレージバンドのアイコンもありません。

公式のアプリであるLogic Proをここに表示させていないということはメーカーとして正式に対応したものとして発表していないのと同じではないかと考えてしまいます。(あくまで想像です)
またLogic Proの仕様のところにも最低システム条件はmacOS 10.15.7と書いてあるだけで一番の売りにしてもよいはずのM1チップの対応コメントはありません。

また「Appleシリコン搭載のMacコンピュータでのパフォーマンスおよび効率が向上」という文言はM1対応を匂わせるものがありますが、そもそもどこにもM1対応という言葉はなく、「効率が向上」という言い微妙な表現にとどまっているのも気になります。
多くのレビューユーザーがM1チップとインテルチップのCPUをLogic Proで使ってみた検証動画やサイトがありインテルチップの方がM1チップより優れている報告がありますが、個人的にはM1の機能をLogic Proは完全に機能は引き出せていないように思います
2021新型iMac液晶のサイズはこの一つだけ?
DTMをするのであればやはり液晶は大きい方が良いです。今回は21.5インチバージョンが24インチにサイズアップした形になりましたが、M1Xが搭載される次のiMacは液晶サイズが32インチという噂があります。
この新型iMacの発表が6月のWWDCとも噂されていますが、リリースされるのはおそらく早くても来年にくらいになるのではと思っています。
DTMパソコン用途にインテルiMacは買わない方がいい?
今後すべてのmacは自社開発によるM1チップに置き換わると言われていますが、最高機種であるMac Proは今後もインテルチップを使ったものを開発すると言われています。
では今からDTMを始める人が旧型のインテルiMacを買うのはどうなのか?ということですが、買っていきなり使えなくなることはありません。OSのアップグレードも当分は対応してくれるでしょう。
それに今後対応が増えるとは言ってもまだまだ対応していないDTMソフト関連もあります。今出ているインテルiMacを購入しても5年〜6年単位でDTMパソコンとして活躍してくれることは間違いありません。
まとめ
2021新型iMacは素晴らしいマシンだと思います。何よりも長年親しまれてきたimacのデザインからの変化には市場は歓迎するでしょうしユーザーもカラーバリエーションが選べるのは嬉しいと思います。
結論から言えばこれからDTMを始めようと思っている人でしばらくはソフト音源等の購入はしないという人であればM1 imacでもよいと思います。
買い替えを目的にしているのであればまだまだDTMパソコンとして2021新型iMacは様子見ということになりそうです。
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