Abbey Road Collectionを使うと、ビートルズや往年のロックサウンドを再現することが可能です。パワーがあり音の存在感がぐっと増すことができるのでぜひ使いたいプラグインです。
ミックスをしているときに「音抜けが悪いなー」って困ることありませんか?原因はいろいろあります。ミックスのバランスが悪かったり同じ帯域に楽器を詰め込みすぎているとか、コンプをかけすぎているとか音抜けが悪いということは楽曲に透明感がなくなっていることになります。そこで透明感を与える方法として「8khzをブーストするとよい」という話があります。ではなぜ8kHzをブーストすると良いのでしょうか?
魔法の周波数8kHz
8kHzブーストする理由は往年の名機コンソールREDDシリーズのイコライザを補強するためにプレゼンスボックスという形で付け足された高域専用のイコライザーのひとつRS135が始まりだとされています。
REDDコンソールとは?
Abby Road Studioは世界でトップクラスのレコーディング・クオリティーにこだわり続けるために革新的な技術で最高の音を録音するために作られたミキサーです。REDD.1 REDD.8 REDD.17 REDD.37 REDD.51と5種類のREDDシリーズが存在していますが、なんとEQが搭載されたのはREDD17からでした。
ではイコライザーついていないREDD.1 REDD.8はどのように音を作ったのか、そこでRS135という外部ボックス型のイコライザーが作れました。しかし、今のように何バンドも周波数を操作できるわけではなく、広域のみのブーストがおもな役目です。
当時は高域が出せる=良い音であるという認識されていたのかがわかります。
余談ですが、CDとレコードの音がどちらがよいという話は再生周波数に限界がないレコードの方になるのは今となっては当たり前の話ですが、実はCDプレイヤーが発売されたときレコードと音の差を明確にするためにCDプレイヤー内部(誰も操作できない)にイコライザーをつけられ高域がブーストされていました。そうしないと新しいメディアのインパクトが弱かったんですね。
高域の存在はそれだけ人に耳に透明感を与える力を持っています。そのなかで往年の抜けのある音を追いかけるべく語られているのが魔法の周波数8kHzなんです。
RS135エミュレータ
そのRS135をプラグイン化したのがSofttubeから販売されているAbbey Road Studios Brilliance PackのRS135です。これ昔は単体で販売されていたんですが、今ではパックになっています
Abbey Road Studios Brilliance PackはRS135のほかに2.7 3.5 10khzを操作できるgrey RS127と green RS127があります。
「8kHzブーストするんだったら付属EQで良くないの?」と思う人たくさんいると思います。確かにそれでも可能です.しかし、。付属のEQで8kHzをブーストしてもRS135でブーストした感じにはなりません。やはり特化したプラグインにはそれだけの魔法があるのでしょう。
さて、Abbey Road Studios Brilliance Paはこのボックスだけを再現したプラグインですが、最初にお伝えしたWaves Abbey Road Collectionを使えば、R135も含めたAbbey Roadサウンドを手にすることができます。
Abbey Road Collection
定価という話をするほどバカバカしいものはありませんが定価$1199が $199はい、もう値段の話は終わりにしましょうw
softtubeのAbbey Road Studios Brilliance Packはプレゼンスボックスだけで99ドル(セール価格)ですがAbbey Road Collectionは
これだけついて199ドル!安いよといってもRS135の8khzだけを味わってみたいという人にとっていらないものもあるかもしれません(いや、全部持っておいた方がぜっったい!いいんですけどねw)このなかでEQ搭載のプリアンプエミュレーターはREDD EMITG123456 RS56 Passive EQになります。
REDD
についているイコライザはRS135の8kHzではなくRS127の10kHzなんです。
- 伝説のREDD.17, REDD.37, REDD.51コンソールを再現
- 1960年代のクラシック・ブリティッシュ・サウンド
- コンティニュアス・EQコントロール
- アビーロード・スタジオが全面的に開発に協力
- Amp Type:アンプのタイプを選択(REDD .37-.51のみ)
- Channel Select:チャンネル・コンフィギュレーションの設定
- Bass Lift:双指向性コンデンサー・マイク使用時の低域のロスを補正する9dB ローシェルビング・コントロール
- EQタイプの選択。ClassicトレブルEQ10kHzをシェルフでブースト・カット。Pop EQは約5kHzをセンター周波数にピーク・ブースト、10kHzをセンター周波数にシェルビングでカット。両EQともにセンター周波数100 Hzで10dBブースト・カット(REDD .37-.51のみ)
- Tone High:高域のシェルビングEQをコントロール
- Tone Low:低域のシェルビングEQをコントロール
- Monitor:モニター出力のソースを設定
- Spread:ステレオ処理のモード選択(ステレオ信号のみ)
- Drive:信号に付加するドライブ量をコントロール。値の上昇に伴い歪み量が増加。
- Analog:モデリングしたノイズ、ハムの量をコントロール
- Output:出力レベルをコントロール
- VU Meters:出力レベル(VU)を表示
EMI TG12345
のイコライザは
TREBLEは5kHzのポイントでブーストするベル・カーブと、10kHzのポイントでカットするシェルビング・カーブが用意されており、−10〜+10dBで調整可能です。次のPRESENCE(kHz)ツマミでは、EQポイントを500Hz〜10kHzから選び、その下のPRESENCE(dB)ツマミで−10dB〜+10dBのゲイン調整ができます。最後はBASSで、50HzのシェルビングEQを−10〜+10dBの範囲で調整できます。最下部にあるのはEQのバイパス・スイッチです。
こちらにも8kHzは存在しません。
RS56
ありましたね。8kHz周波数帯域。これをいじれば雰囲気は近づくはず…ですが、やはり独特のRS135のカーブとは微妙に違う部分もありますが、雰囲気は近いサウンドになります。
まとめ
ミキシングの基本はバランスです。帯域別に楽器が並んでいれば、ミックスが濁るということは回避できることが多いです。それでも、もういっちょ!!というときの出番になるのが8kHzです。なんでも感でも8kHzを足せばよいという話ではありませんのでご注意くださいね。