モジュレーション系のエフェクトの中でフェイザーに興味を持つ人はDTM中級者以上でかなりマニアックな人です。なぜならば最近の楽曲で「バリバリ最強フェイザーサウンド」がそれほど求められていないからです。そんな音を真剣に求める人はどう考えても初心者ではありません。
使い方も玄人チックになり、フェイザーサウンドの独特の音の揺れは中毒性が強いので隠し味として使う人が多いです。そんな中級者向きのフェイザープラグインですが、もちろん初心者でも使えます。独特の音の形容詞「シュワシュワ感」は楽しいサウンドです。しかし、初心者中級者に限らず、機種やプラグインによって十人十色以上のカラーがでるため、フェイザーサウンドに出会えるプラグインは難しいです。
そこで今回オススメしたいのがBlue Tubes Analog Phaser APH2Sです。使いやすく音も「そう!これ!」と納得できるフェイザーサウンドです。
先にお断りしておきますが、フェイザーサウンド(モデュレーション)の沼は入り込むとヤバいほどに深いので、あくまで自己責任でこの記事を読み勧めてください。あとで「このやろ!よくも沼にはめやがって!」と言われても96bit-musicは知らぬ存ぜぬでフェイザーサウンドを楽しむだけです。
Blue Tubesとは
Nomad factoryが出している。Tubeサウンド500%のアナログ感あふれるサウンドを目指しているプラグインです。
用途によってバンドル別に販売されているのが特徴です。
Dynamics Pack:コンプ、リミッター、エキスパンダー/ゲート、ディエッサーなど、ダイナミクス系プラグイン6種類のバンドル
Effects Pack:コーラス、フランジャー、ディレイ、オーバードライブからステレオ・イメージャーまで、6種類のプラグイン・バンドル
Equalizers Pack:ブリティッシュ、バクサンダール、パルテック、グラフィックなど、Nomad FactoryならではのEQプラグイン6種類のバンドル
Analog TrackBox:アナログ・コンソール・スタイルのミキシングを可能にする、チャンネル・ストリップ・プラグイン
すべてを一つにしたBlue Tubes Bundle V3はコーラス、ディレイ、イメージャー、コンプ、リミッター、イコライザー、など他19のプラグインをまとめられています。音質傾向は言うまでもなくtubeカラオンリーです。純粋な音を作る気はサラサラないほどにアナログ感があふれています。なのでもし「DAW付属の味気のないプラグインにあきた!ベタベタな色がつくプラグインないか!」と言われたらこれをオススメします。Blue Tubes Analog Phaser APH2SはEffects PackおよびBlue Tubes Bundle Vに含まれているアナログフェイザー専用プラグインです。
フェイザーサウンドってどんな音?
フェイザーサウンドを一言で表すなら「シュワシュワ」です。このシュワシュワのカラーでフェイザーの好き嫌いがわかれるほどです。
DAWに標準でついているフェイザープラグインもそのカラーのバリエーションを変えることはできますが、質感としては当たり障りのないデジタル的なフェイザーサウンドに対して、Analog Phaser APH2Sは「アナログ」と言うだけあってナチュラルながらに程よい色がつくアナログフェイザーサウンドです。
Blue Tubes Analog Phaser APH2Sの使い方
基本的な使い方は左上にある4つのSTAGE(4.6.8.12)からレゾナント・アナログ・フィルターを選びます。数字が高くなればなるほどクセのつよいレゾナンスサウンドになります。あとは揺らしたい量と深さをRATEとDEPTHで選びます。RESONANCEとWIDTHでさらにクセの部分をコントロールします。最後にどれくらい原音とのバランスをMIXで決定してOUTPUTでトータルの音量を決めます。
LIMITERボタンがあるので音割れを防ぐこともできますがこのLIMITERが結構侮れないサウンドになってくれます。Blue Tubesから出ているLimiterとわりかし音質が似ている感じがあるのでここもアナログサウンドをエミュレーションしているのかもしれません。
どんなときにフェイザーを使うと良い?
基本モデュレーションプラグインなのでその目的は音の揺らしです。しかし、フェイザーは揺れるどころか揺れ方に特徴があります。それが「シュワシュワサウンド」と呼ばれるものです。使われ方の多くはギターのカッティングなどファンクな要素を持ち込みたい場合などに多用されます。またエレピにもフェイザーをかけることでこちらもファンキーな雰囲気になります。グルーヴさえも作り出してしまうフェイザーの揺れは音の存在感としてかなり目立ちます。それ故に「使われすぎると飽きる」というモデュレーションの宿命を常に背負っているとも言えます。
ちなみにエレピにかけるとこんな感じです。
ほんの一面でしかありません。音作りはここからいくらでも広げられます。
ファンキーなサウンドの代名詞といえばクラビネットです。フェイザーはクラビネットとも相性がよいです。
まとめ
フェイザーのサウンド好きの人にとっては気になるプラグインだと思います。使い勝手もよくサウンドもよい。私のここ数年間のメインフェイザープラグインとして活躍しています。ただし先程もお伝えしましたが
フェイザーをはじめ、モデュレーションの沼はプラグイン沼と同じように底がありません。とくにギタリストやエレピストがフェイザーにハマるとかなりヤバいです。一日中ファンキーサウンドに酔いしれることになるかもしれません。使い方は計画的にしましょう。
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