アナログモデリングとして多くのユーザーに使われているArturiaのVcollectionそのなかでもAnaloglabはすべてのarturiaのソフトウェア音源からいいとこ取りされたものですが、先日発表されたIkmultimediaのsyntronikの登場でその地位はゆるぎ始めているかもしれません。
それではsyntronikとanalog labについて比較してみたいと思います。
Analoglab
arturiaのCollectionに含まれているSynclavier V、B-3 V、Mini V、Piano V、Stage-73VMatrix-12 V、Farfisa V、Solina V、SEM V、Wurli V、Jup-8 V、ARP 2600 V、CS-80 V、Prophet V、VOX Continental V、Modular Vサンプリングゼロのすべてモデリングされたこれの音源から選抜された何千というパッチを使うことができます。
analog labを使うことで17種類の音源をコントロールできます。この画面ではArp2600 のSequenceとカテゴライズされた音源が表示されています。preset 「Sync Seq」と書いてあるところの右にある3つのボタンの右端
↗みたいなボタンを押すことでarpのGUiが表示されエディットすることが可能になります。
しかし、コントロールできる音源はあくまで選抜された音色のエディットということで、それ意外の音色を選択/エディットすることはできません。ここができるとanalog labはすごく使いやすいものになると思うのですが、やはりあくまで選抜音源という立ち位置を役目なのでしょう。
Analog labは二種類の音源をミックスさせて作った「multi」というカテゴリがあります。
かなり作り込まれている音になり、地味ながらここがanalog labのアドバンテージになっていると私は思います。
Syntronik
搭載音源を見ていきます。
- Alesis Andromeda
- ARP 2600
- ARP String Ensemble (Solina)
- Elka Rhapsody 490
- Hohner String Performer
- Micromoog
- Minimoog Model D
- Modular Moog
- Moog Opus 3
- Moog Prodigy
- Moog Rogue
- Moog Taurus I
- Moog Taurus II
- Moog Taurus 3
- Moog Voyager
- Multimoog
- Oberheim OB-X
- Oberheim OB-Xa
- Oberheim SEM (Synthesizer Expander Module)
- Polymoog
- PPG Wave 2.3
- Realistic Concertmate MG-1
- Roland Juno-60
- Roland Jupiter-4
- Roland Jupiter-6
- Roland Jupiter-8
- Roland JX-10
- Roland JX-3P
- Roland JX-8P
- Roland RS-09 Organ/Strings
- Roland RS-505 Paraphonic
- Roland TB-303 Bassline
- Sequential Circuits Prophet-10
- Sequential Circuits Prophet-5
- Yamaha CS-01II
- Yamaha CS-80
- Yamaha GX-1
- Yamaha SY99
収録音源はパッと見たところartruiaの倍以上ですが、minimod、Ola、J-8、pro-v、arp2600、sem、CS-80、strings、元々moogの拡張音源を出していたIKmultimediaだけあってmoogの搭載数が半端じゃありません特筆すべきはSY99が搭載されているということでしょうか元ユーザーだったのでこの搭載はとてもうれしく思います。
先日書いた
TGX-99のクオリティを超える完全移植を切実に望んでいます。音に直接関係はありませんが、各GUIが非常に作り込まれています。光の当たり方やボディの材質感など見ているだけでワクワクできるこれだけでも欲しくなりますw
サンプリング音源+モデリングフィルター
Syntronikは50GB容量と2000以上のプリセットをもつサンプリング音源です、arturiaのような完全モデリング音源ではありません。モデリングでも高いクオリティの音色を作ることができますが、やはりその実機をサンプリングした「音出し一発目のあの質感」はリアルとかそういう世界を覗いても独特の空気感を収録できるのがサンプリング方式だと思います。
しかしこのままだと他社との音源とくらべてメリットがないと感じたIKmultimediaはフィルター部分をモデリングすることでSyntronikの強みとしました。
フィルター部分はアナログシンセの顔と言ってもいい部分なのでそこをモデリングするという発想はユニークかつ合理的なように思います。サンプリング+モデリングフィルターでIKmultimediaは「究極のらしさ」を追求していくようです。
ちょっと気になる点がある
Moogの収録数が多いわけですが、過去にMoogの拡張音源を発売していてわけですが、焼き直しの可能性があるのでは?と勘ぐってしまいます。過去に作った音源を有効活用すること自体に反対はしませんが、単純な焼き直しにならないことを祈ります。
まとめ
syntronikの比較対象はおそらくSynth Anthology2ですね。しかし、搭載音源数ではSynth Anthology2ですが、syntronikはアナログ・シンセフィールを求めている部分もあったのであえてArturiaのmusic labと比較してみました。
music labとSynth Anthology2そしてSyntronik、過去資産を有効に使える環境が増えるのは良いことですが、新しいシンセもどんどん開発してほしいですね。