次世代ダイナミックマイクASTON Stealthの機能とサウンドチェック!

今回は3月にローランドさんがASTON Stealthのマイクモニターを募集していたのを応募した所、選ばれたのでそのレビューをします。

ASTON Stealthというマイクを知っていますか?次世代のダイナミックマイクですが、音質がよいのは当然ながら、インパクトのある外見が目をひくマイクです。

ASTON Stealthに限らず「マイクって色々あるけどぶっちゃけ何が違うの?」って思いますよね。今日は有名なマイクをいくつか聴き比べてしながらASTON Stealthの見どころ聞き所について語ってみたいと思います。

ASTON Stealthとは?

Aston Stealthはボーカル録音から楽器の録音まで対応可能な次世代型ダイナミックマイクです。

ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違い

ダイナミックマイク:電源を必要としない、マイクに近づかないと音を拾わない。頑丈

コンデンサーマイク:電源を必要とする マイクから離れている音でもよく収録する 繊細、壊れやすい

厳密にはもっと違いがありますが、とりあえず一番大きな違いをあげてみました。

ASTON Stealth開発経緯

開発には約9か月
多くはフィールドでの広範なテストに費やさす
92名のエンジニアとアーティストのパネルを募集し、ダイナミックカプセルの候補を絞り込む
1​​4の異なる声と7つの他の基準音源を使用して、さまざまなマイクの「ボイシング」を比較および最適化する前に、すべて二重盲検テスト形式で客観性を確保
結果のデータは、9000のテストポイントになる
その結果、強力で一貫した設定が明らかになマイクが誕生

マイクにとれだけの人員と経費が注ぎ込まれているかはわかりません。ですが、多くのエンジニアとアーティスト募集すれば好みは当然別れます。その多くの好みをバランスの良いところでまとめるのは簡単ではないことはわかります。

良いマイクを作ろう…といった安易なものではなくもっと哲学的な「これでしかできない音を作ろう」といった意思を強く感じるマイクです。

ASTON Stealthの魅力①CLASS Aマイクプリを内蔵

Aston Stealthのがなぜ次世代型かというと、マイクの中マイクプリアンプが内蔵されているからです。普通のマイクにはマイクプリは内蔵されません。そしてこのマイクプリアンプがCLASSタイプAの本格的なマイクプリを内蔵しています。なのでオーディオインターフェイスに接続したときに「Gainが足りない、音が小さい」というということに悩まされることがありません。

またマイクプリを通ったから音が悪くなるということはありません。とてもクリアで明瞭な音です。

ASTON Stealthの魅力②マルチボイスパターンで音質切り替え

普通のマイクは音質を変化させることはできません。それゆえに多数のマイクを使い分けます。ところがStealthは以下の4つのパターンで音質を変化させることができます。

  • V1:男性ヴォーカル
  • V2:女性ヴォーカル
  • G:ギター
  • D:ダーク(リボンマイク)

The options are two different vocal tones, a response tuned for acoustic guitars, and a darker tone reminiscent of a ribbon mic.からもわかるように、

V1.2はボーカルトーン、Gというのはエレキギターでも可能ですが、基本はアコースティックギター用に調整されたものです。そしてDはおよびリボンマイクを連想させる暗いトーンです。

 



これらの音質の切り替えは主にイコライザーなどで味付け程度にしてしまうことがありますが、ASTON Stealthはディスクリート方式によって回路レベルでその特性を作り上げているのでとても自然で嫌味がなく音質を変化させることができます。

ダイナミックマイク&コンデンサーマイク比較

ASTONの音質を分かりやすく比較するために手持ちのマイクと音質の聴き比べをしたいと思いますが…ここで1つ残念なお知らせがあります。本来はスタジオでミュージシャンにお願いして、ギター、ベース、ドラム、ボーカルのレコーディングでの比較を予定していましたが、コロナ騒動によってすべてが流れてしまいました。というわけであくまでマイクの雰囲気だけしれたら…という感じで、スピーカーモニターにマイクを立てるという非常識な方法で音質の違いを楽しんでいただければと思います。

音源は適当なギターリフを弾いたものをASTONは4種類のパターン切り替えたものと他のマイクはそのままに録音していきます。

ASTON Stealth V1:男性ヴォーカル

ASTON Stealth V2:女性ヴォーカル,

ASTON Stealth G:ギター

ASTON Stealth D:ダーク(リボンマイク)

ASTON Stealthのサウンド比較について

入力度合いによってかなり音がかわる気がしました。また、今回は全体的にレベルを整えていますが、V2の場合ゲインが他のパターンより大きい気がしました。

音の傾向としては、

V1は男性ボーカルを意識しているだけあってふくよかさがありますが、オーソドックスな音ではありますが、高域の抜けも良い感じです。

V2はゲインが高い印象があるのですが、下記の表を見る限りそこまで増えるような要素はありません、周波数的な抜けがそう思わせるのかもしれません。キャラクター的には87に近い印象があります。

Gは良い身で軽い音に感じます。軽いと言っても安っぽいというわけではなく、音のスピード感を感じる印象です。

Dは個人的に一番好きな音です。ダークな音ながらに粘りもあってオールド感を感じます。ブルースやジャズなどには相性が良いような気がしました。ハイゲインすぎるギターの音をなだめるのにもいいかもしれません。

 

RE-20

夜もヒットパレード(懐かしい)でMCの赤坂さんが手持ちで有名になったダイナミックマイクです。ふくよかな低音を取るのに向いていてキック専用としている人も多いですが、決して低域だけに特化したものではなく、ある程度の高域も取り込むマイクです。

また、ASTON Stealthを開発にあたり、やはり形状音質から意識したマイクとのこと、たしかにRE-20の音はRE-20でしか出ない音です。そこをリスペクトする気持ちがありながら、自分たちのサウンドを作り上げていったASTONの技術魂には頭が下がる思いがあります。

今回の録音で聴いてもわかるようにもっとも低域が出ていますが、低域のコントロールさえ上手くできれば良い音になってくれます。

U87

コンデンサーと言えばこれ!というくらいド定番のノイマンU87 私が持っているのはU87iに当たります。よく聞く「これこれ!」というギターサウンドが確認できます。そつなくこなすサウンドに若干物足りなさを感じる部分もありますが、さすがの音質です。

NT1A

コンデンサイーマイクの低価格化の道を切り開いたRODEのNT1A「ハイがキツイ」と言われますが、そのわかりやすい音質から多くの人が使うある意味での定番サウンドになりました。

今回の録音でも以外に高域〜低域までドンシャリではっきりとしたサウンドを聴かせてくれています。

SM57

ワールドスタンダードのダイナミックマイクSM57の音もU87と同じくらいに「これ!」と思えるほど定番の張り付くような元気のある音です。

マイク比較してみてわかったこと

ASTON Stealthの音は定番的な音を感じさせながらも新しいスタンダードの音色を求めているように思いました。当然マイクの音質には好みがありますし、今回の録音環境でASTON Stealthの音質のすべてを表現できたとは思っていませんが、パターン切り替えによる音質の変化はとてもユニークで実用的なレベルのように思います。

またレコーディングのみならず見た目のインパクトは動画受けするので有名Youtuberが使ったりすると一気に火がつきそうな予感もあります。今回はギターだけでの比較になりましたが、元々パターンの変化は男性と女性の声を最適にするためものです。

これ一本あれば何でもできるか?と言われたら答えはNoです。しかし、マイク選びに迷ったときなどは「ちょっとパターンを変えてみよう」という遊びココロで新しい発見が得られる可能性は大きいです。

ざっくり使ってみて思ったこと(メリット・デメリット)

とにかくでかい!見た目のインパクトがすごいw

実況系などでコンデンサーを使う人もいますが、コンデンサーだと周りの音を拾いすぎて逆に聴きにくい音質になっていることがありますが、ダイナミックは一番近い音のみに焦点を当てて取れるので、環境によってはダイナミックマイクの方がよいかもしれません。

マイクはSM58系と比べると重たいです。SM58は200gですが、Stealthは692gと3本分強の重たさです。なので、マイクスタンドによっては重量に耐えられないケースもあるのでスタンドを使用するときはしっかりとしたスタンドが必要になりそうです。

ASTON Stealthの値段

お値段は41,848円、ダイナミックマイクとしてはかなり高額な値段です。ですが、音質パターンの切り替えやCLASS Aのマイクプリアンプを搭載していることを考えるとコストパフォーマンスが優れています。

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コンデンサーのように幅広く音を取らないのが近年の宅録事情にも向いているように思います。いくらノイズ除去ソフトがあると言っても必要以上に入った音を取り除くことはできません。ASTON Stealthならダイナミックマイクの特性を活かしながらも、クリアでフォーカスがあった音で収録できます。人とは違う個性で勝負したいミュージシャンやYoutuberは持っておいてもよいのではないでしょうか?

さいごに

ASTON Stealthの魅力は

音色パターンの切り替え

  • V1:男性ヴォーカル
  • V2:女性ヴォーカル
  • G:ギター
  • D:ダーク(リボンマイク)

CLASS Aのマイクプリ内蔵

この2つによって得られるサウンドクオリティにあります。ですが、良いマイクを持てたら良い演奏ができるのか?良い喋りができるのか?というとそれは違います。良いマイクに負けない技術を磨くことこそ良いマイクを使いこなす秘訣です。