ゲーム会社で作曲するためにこれだけは守りたいデモテープの送り方

大きいゲーム会社では多ければ一日に何十何百というデモテープが送られてきます。さながらどこかの音楽事務所です。私がいたのは中小クラスのゲーム会社でしたがそれでも多いときには一日に十本程度は届くことがありました。DTMをやっている人の中にはゲームサウンドクリエイターになりたい人もいるでしょう。やっぱりゲームのBGMは花形の仕事のイメージがありますからね。

ゲームサウンドクリエイターになるためには当然作った曲を会社なりに聴いてもらわないといけませんが、送ってきた音源は冗談抜きで最初の数秒が勝負です。その数秒を乗り越えられる音でないと本当に聞き続けてもらえません。

なぜなら一応8時間という労働中にデモテープの良し悪しをジャッジするわけですから、無駄な時間をかけることができません。

そこで今日は過去に送られてきた曲の中から聞いた瞬間に止めた曲についてお話したいと思います。これがどこの会社でも同じとは言いませんが、「聴く側」の気持ちを考えればある程度理解できると思います。

シネマティック(トレーラー)系

なぜ?と思うでしょう?ちょっと考えてみてください。ソフト音源ではトレーラー系の音源が溢れかえっています。一音鳴らせばそれらしい音楽がてきてしまいます。果たしてそこにあなたの実力を見せつけられるほどの力量はあるでしょうか?

誰にでもできるサウンドはすぐにプロは見抜けます。ハリウッドの本場で通用するレベルならともかく便利なトレーラー系の音源を使って作った曲では個性は出ません。あなたが超絶に忙しい立場として何十本とあなたのもとに送られてきたデモ音源をすべて聞きますか?一本手を伸ばした音源がありきたりのトレーラー音源だった場合あなたはその人と一緒に仕事したいですか?

音楽は相手の時間を奪います。もし聴いてもらいたいのであれば相応の(クオリティ)をもつのが礼儀です

汎用曲(日常系)

ゲームで一番使われやすい汎用曲(日常系)ですが、言ってしまえば汎用曲は誰でも作れるくらいの気持ちでプロは思っています。もちろん汎用曲の中にも個性は出せますが、それなりにテクニックが必要です。私が会社にいたころ私は汎用曲が大好きだったのですが、

「メインテーマ書けないんやったらいらんよ」と言われました。確かにゲームの顔はメインテーマです。いくら一番使われるからといってメインテーマをかけないようでは大きなプロジェクトに参加はできません。もし汎用曲に自分を見出したいならあらゆる汎用曲を作れるレベルでなければ厳しいです。

技術面 音が大きすぎる

多いのが、とにかくパツンパツンの曲。トレーラー系やストリングスが多様されている曲でパツンパツンにするとかなりの確率で音割れします。そんなにパツンパツンにする必要はありません。RMSで-10くらいでも問題ありません。そもそもデモ音源を聞くときは他の音源と聴き比べするような聞き方はあまりしません。

ミックスが下手

論外なのですが、音が大きすぎるのと同じくらい問題です。ミックス技術は最低限のレベルは習得している必要があります。先日書いた記事のレベルは卒業しておきましょう。

ミキシングソフトを使うメリットは何?DTM初心者は使うべき?

意識しておくべきなのは何を聞かせたいのか?という意識です。

初音ミク(ボーカロイド)

ダメとは言わないのですが…その会社が求めているサウンドを提出せずに初音ミクを送っても会社からすれば「なんでうちに送ってきた?」となります。あらゆる自分を見てもらいたくて…という気持ちがあるのかもしれませんが、その会社が何を作っていてどういう傾向のサウンドを送ればよいのか?という下調べをせずに自分の作品を送っても、「あーこの人うちの会社のことよくしらんね」と思われてしまいます。相手が求める傾向を調べるのも礼儀ですね。

さいごに

ゲーム会社のサウンドクリエイターはデモ音源からどんなことができるのか?(得意/不得意)どれくらいでできるのか?(制作期間)を探ります。なんでもできる人というのは重宝されそうな感じもしますが、実際の「なんでもできる」というのは相当なレベルの人である必要があります。まずは自分の強みを作り上げそこからいくつかパターンの違う曲を送るとよいでしょう。

絶対送ってはダメという話ではありません。あなたがそのジャンルで絶対的な技術を持っていて誰もが認める技術であるならば評価されやすいとは思います。

ゲーム会社はサウンドクリエイターを募集していても実際は表向きということもあります。そういう場合はすぐに採用は難しいかもしれませんが、曲を送り続けることで名前を覚えてもらえる可能性もあるので、送り続けているとコンタクトがあるかもしれません。

大事なのはあなというサウンドクリエイターが楽曲の中にきちんと存在して好き以上の思いが楽曲からにじみ出ているかどうか?です。