作曲迷子のDTM初心者は音楽の型を学ぶことで中級者になれる

DTM初心者と中級者、そして上級者は何をもって分けているのか?こんな疑問を持ったことはありませんか?「私はまだまだ初心者だ」「私はもう中級者だ」と主観の答えで考えるのもいいですが、私は「型の存在に気づくこと」これが初心者を卒業できる目安だと思います。

今日は「型」とは何か?なぜ「型の存在」に気づくことが初心者卒業になるのかをお話します。

DTM初心者〜上級者の区分けは守破離で考える

DTM初心者は「守」の段階で何もわからない状態からのスタートです。DTMスクールで学ぶのも教則本で学ぶのもいいですが、基本を身につける段階です。そしてこの基本段階で大切なのが「型」を覚えるということです。これが今回の記事のテーマにもなります。

中級者は「破」です。講師や教則本の内容だけではなく関連情報の見識を含め、カスタマイズする段階です。そのためには「絶対正しい」と思い込んでいたものがそうではない場合も出てきます。

上級者「離」は今まで自分が培ったきた方法で新たな道を切り開くときです。自分が作り出した価値観をもって既存の型から離れる段階です。

これがDTMerを区別する「守破離」の見方です。上級者は違う学びにおいてまた初心者からスタートします。しかし、知識の応用をきかせることができるので、知識習得は最初に比べるとかなり速くなります。

数で見えてくる型?

作曲の数は視点の強化です。多くをこなすことで見える量と広さがかわります。そこで身についてくるのが「型」です。

ロックの場合はどういう型なのか?EDMは?「型=ジャンル」ではなくジャンルを構成している要素と思ってください。「リズム、メロディ、ハーモニー、曲の進行具合、使われている音色の傾向」などです。その型に意識が向き始めたときが「初心者の卒業」だと私は考えています。

これを気づくためには100曲である必要はありません。ジャンル違いの曲を数曲作れば「あーそういうもんね」と分かる人もいます。すぐに気付けてしまう人を「天才」と思ってしまうかもしれませんが、そんなことは気にする必要はありません。

むしろ今この記事を読んで「型に意識を向ける」重要性を気づけたのだとしたら、かぎりなく中級者だと思います。あとはそれを形にできるかどうかの話です。

ジャンルの型

少しだけ音楽の型についてお話しておきたいと思います。

先程「型」とはジャンルを構成する要素であると説明しました。「リズム、メロディ、ハーモニー、曲の進行具合、使われている音色の傾向」とりあえずこの5つをすることで型が見えやすくなります。

歌ものの型について

わかりやすいところアイドル曲の型はイントロ(サビ)があってAメロがあってBメロ、そしてサビ、で構成されています。なぜこの型がになったのでしょうか?ぞくにいう「起承転結」の流れが物語としてもっとも受け入れられやすいからです。

ではAメロが2回続く曲があった場合、メロディの動きはどうでしょうか?1回目のAメロと2回目のAメロでメロディはどう変化しているか?大体同じパターンか3度上げのパターンが見受けられます。

音色の傾向性は1回目のAメロではギターが休みですが、2回目から入ってくるというパターンもよくあります。多くは「パターン」で作られています。このパターンは一度見えてしまえば、どうってことない要素ですが、多くのDTM初心者は音楽全体を一つの大きな流れとして捉えているため細部を見ることが苦手です。それゆえに構成要素がわからなくなってきます。

このように型に気づくためには今ある知識をもって辺りをつけることが重要です。そのために知識が「リズム、メロディ、ハーモニー、曲の進行具合、使われている音色の傾向」です。これだけでも多くの型を見つけられます。

ゲーム音楽の型

歌ものは型は先程お話しましたが、ゲーム音楽の型は歌ものとは随分ことなります。まず大きな違いとして歌もののようにイントロ−Aメロ−Bメロ−サビという構成になっているケースはまれです。なぜならばそのような構成をする意味がないからです。ゲームにおいてBGMはシナリオをよりよくするための演出です。もちろんOPなどでは歌もののような構成をしているものがあるのは、ドラマティックに見せたい意図があるからです。

しかし、例えばキャラクター設定やユーティリティ画面などではBGMのドラマティックな演出は必要ありません。なぜならば、そこから先のシーンに移動したときのインパクトがよわくなるからです。だからユーティリティ画面のBGMは基本1分以下の繰り返しが多く、BGMにも大きな流れがないのはそういうことです。これがゲーム音楽の型です。

このように「型」には「なぜそうなのか?」という目的が存在します。型がわかりにくい場合、その目的から逆算する形で音楽と向き合えば、その型が見えやすくなります。

型通りの音楽には個性がない?

商業ベースで見るとその側面もあるかもしれませんが型通りの音楽があるからこそ個性が求められます。その個性で少しずつ音楽は進化していきます。だから個性がないと考えるのではなく「どれだけ型の世界に個性をいられるか」という視点が重要になります。

「個性」を連呼する多くはいきなりすべてを変えてしまうスキルみたいなものを「個性」と思い込んでいる人がいますが、決してそうではありません。

正しく型をしるためには?

DTMスクールやセミナーなど知識ある人に尋ねるのが一番です。「でもその人本当に知ってる人なの?」なんてちょっと斜めに物事を見てしまう人もいますよね。

時間もお金も無駄にできないという気持ちですよね。こういうときは「今の自分より知っているかどうか」です。あとからみたら「あの先生全然しらんやん」と思うかもしれませんが、それはあなたが成長したから気がついた話です。

だから「まず自分が知らない型を知るために習う」という目的で自分の知識量を増やすようにすれば、独学で型を習得するよりは速くて確実です。

では「独学では出来ないのか?」という話ですが、次のプロセスをこなすだけでも初心者から中級者になれます。

音楽を聴く

例えばブルースを聞いたら「なぜブルースとわかるのか?」これはブルースの型がとてもシンプルだからです。基本3コードで作られているブルースはおそらく十曲も聞けばブルースの最低限の型はわかります。

ダンス系ユーロビートのの場合おそらく、ユーロビート特有のシンセリード(テケテーテケテー」というサウンドがユーロビートらしさと感じる人が多いと思います。他には4つ打ちキックに16分のスネア、これらもユーロビートらしさかもしれません。

では80年代のユーロビートとを聞いてみると、最近でユーロビートと思われているサウンドとはまた違います。では80年代のユーロビートと最近のユーロビートの大きな違いと共通点を探します。

このように「聴く」ことの意識は問題点を明確にすることができます。

ちなみに「聴く」と「聞く」の違いは、意識的に耳を傾けるが「聴く」 DTM初心者の多くは音楽を「聞いている」状態です。そこから「聴く」という意識にどうやってもっていくかが重要になります。

「音楽を説明する」

先程のブルースの話をもう少し掘り下げます。ブルースの3コードは基本)C7-F7-G7という単純なコードです。これが何小節でどのタイミングで切り替わるか?を説明できるかが

音楽の理解です。音楽を聴くという状態は「体で反応している」という状態です。ブルース・ロックなどを聞いてウキウキと楽しくなるのと同じです。そのウキウキのまま作れる人もいますが、そうでない人は「要素を理解する」ことに努めた方が作曲で困りません。

ブルースの進行をピアノやギターでコードだけ打ち込んでみて聴くとおそらくブルースらしさを感じられます。これが「型」です。ドラムもベースもメロディもなくてもそれを感じられるのはブルースにとっての最も重要な「型」はコード進行にあると説明できます。

どこまでも分解出来ないところま「問題」を掘り下げるとシンプルな説明にいきつきます。このように対象となる音楽を分解して「これは〇〇だな」と説明する癖をつけます。

そうすることで音楽の理解が広がります。しかし「ここまで分解すればもうないだろう!」と思っていても必ず新しい要素が見つかります。それが「成長」の瞬間です。

「実際作ってみる」

最初から上手くはできないのは当然としたうえで、真似から始めます。

ユーロビート系が作りたいならば「どうすればユーロビートになるのか」と考えます。さきほどの説明の欄でも書きましたが、「シンセリードだ!」と思えば、「ユーロビート、シンセリード作り方」と検索ができると思います。

このように作ってみて初めて躓いたときに「少しでも対象に対して説明できる力」があると問題解決はスムーズに進みます。DTM初心者は音楽が作れないのではなく、音楽を説明できる力がまだ弱いだけなのです。作ること自体は、センスではなく誰でも学べる知識なので、「とにかく言葉にする」ことが大切です。

間違っていても何も問題ありません。最初から間違いなく音楽の説明できるわけはないのです。大学で作曲を教えている教授であっても常に研究して新しい解釈を見つけ出しているくらいです。

続けていればできるようになる。

よく「続けていれば必ずできるようになる」というのはちょっと語弊のある言い方です。いつまでもただ「聞いている」だけでは成長は実感できません。聞くとはあくまで「ただ聞こえている」という状態です。

「聴く」に変われば「なぜそうなのか?」という理由を考え始められます。「なぜそうなのか?」を意識できれば、あとは気がついた要素を並べるだけです。

これで「ただなんとなく作った」音楽がより意図があるメッセージ性の強い曲になります。

さいごに

DTM中級者とは「型」に気がついた人です。もちろんその型は完璧なものである必要はありません。その存在に気がついているかどうかによって作曲スタイルは変わってきます。

今初心者で「もっと曲がかけるようになりたい」と思う人がいるならば「リズム、メロディ、ハーモニー、曲の進行具合、使われている音色の傾向」から型を理解するようにすれば、あっというまに中級者になれます。