DTMをするのに必要な機材ってなんだろう?高い機材とか買わないとDTMってできないのかな?
DTM初心者にとってを機材選びはほんとに大変です。
調べれば調べるほど「パソコンはいいやつじゃないと駄目だ!」「オーディオインターフェイスは必要だ!」「マイクは安いの使うな!」と情報の嵐に翻弄されて「やっぱり大変そうだからやめておこう」となってしまう人もいます。
この記事ではDTM歴28年、DTM講師やゲームやテレビ等の音楽の仕事から学び気がついた「初心者がDTMを楽しめるのに必要な機材」についてQ&A方式で説明していきます。
DTMとは(宅録との違い)
Desk Top Musicの頭文字をとったものです。
よく間違われるのがDAWですが、DAWはDigital Audio Workstationの頭文字をとったもので、こちらはDTMで作曲をするためのソフトです。「DTMをする」という言葉はあっても「DAWをする」という言葉はないのです。
DTMと宅録は使う機材も似ていますが、宅録はボーカルやギターなどの生楽器をパソコンやMTR等に録音する行為です。
一方DTMはパソコンの中だけで音楽制作を完結できることにあります。近年では打ち込み用のギター音源やドラム音源、ボーカルに関してはボーカロイド等のソフトが充実しているため、録音をまったくしないのであれば宅録機材の購入は必要ないともいえます。
パソコン(Mac or PC)
DTMにパソコンは必要ですが、宅録であればMTR(マルチトラックレコーダー)でも問題ありません。
こちらの製品は同時に2トラックまでしか録音できませんが、ギターを録音して、ボーカルを録音して…というふうな録音手順であれば問題なく宅録はできます。
8トラック録音タイプであれば、簡易な録音方法ですがバンド録音も可能です。
DTMに必要な機材は次の7つです。
- パソコン(CPU,メモリ、ストレージ 液晶、グラボ)
- ソフト(DAW)
- スピーカーorヘッドホン
- オーディオインターフェイス
- MIDIキーボード
- 録音するのであればマイク
DTMを始めるのに パソコンはMacとWindowsどっちがいい?
WindowsかMacどちらでも問題はありません。
両者の違いは細かく言えば色々とありますが、基本的にDTMをするうえではほとんど違いはありません。
あえていうならば、使えるソフトの違いです。
例えば私が使っているDTMに必要なDAWはLogic Pro XこれはMac専用なのででWindowsでは使えません。
しかしLogic Pro X以外のDAW Cubase StudioOne Live Protools FL StudioなどはMacとWindows両対応です。
DTMに必要な パソコンのスペックってどれくらい?
5年くらい前までのパソコンであれば使えるとは思います。
パソコンのスペックは主に、CPUの数値、メモリの大きさ、ストレージ(保存先)液晶の大きさで決まります。
現在多くのパソコンに搭載されているCPUはCore iシリーズです。
Core iシリーズは次のスペックです。
Core i7 | ハイスペック(上級者) | 価格 高い |
Core i5 | ミドルスペック(中級者) | |
Core i3 | ロースペック(初心者) | 価格 低い |
しかし、DAWの多くはCore i5からを推奨しています。
CPUスペック的には5年前のものでも大丈ですが、DTMに必要なDAWやソフト音源のバージョによっては古いパソコンのOSだと認識しないもの、全然動かないもの、動作が不安定になったりするものがあるので注意が必要です。
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CPUに関しては価格の差が大きく、大きな出費にもなるので、あまり最初からハイスペックなものを買うより
ミドルスペックあたりから初めてソフト音源等を充実させるのが良いでしょう。
ちなみに私が使っているのはMAC mini2018です。
コンパクトでいいのですが、ディスプレイが別に必要だったりキーボードやマウスも別売りだったりするので、それらを揃える手間を考えるとimacが便利だと思います。
DTMをするのにメモリはどれくらい必要?ユニファイドメモリって何?
32GBは欲しい!
詳しくはこちらの記事で書いていますが、32GBは欲しいところです。最近のOSはかなりのメモリを使用します。また、ブラウザソフトなども大量にメモリを使用します。
メモリが少ないとDAWが不安定になることがあるので、できれば32GBは確保したいところです。
ユニファイドメモリとは少ないメモリ領域を共有できる機能のことです
新しいMacではインテルCPUからM1というアップル社独自のCPUが採用されました。
その中でユニファイドメモリ機能があり、これを使うと小さい容量をソフト音源で共有することで、CPUとのアクセスが高速化します。
ユニファイドメモリは画期的な機能ですが、今までのDTMを包括できるほどの機能ではまだ無いので、今からDTMパソコンを買う人はまだインテルCPU搭載マシンを買うことをおすすめします。
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DTMに必要なストレージはどれくらい?
システム用に最低512GB 保存先用に2TBくらい
最近のMacはボードと呼ばれるパソコンの基盤にSSDが備え付けられています。このおかげでアクセス速度が速く、パソコンの立ち上げも数十秒で終わります。
このアクセス速度はSSDの容量の大きさと比例するのでできれば最低512GBあたりは欲しいです。
また、SSDは大量のデータを書き込み続けると壊れて使えなくなってしまいます。この書き込み容量とはかなりの容量なので初心者が「1年以内に壊れる?」と
心配する必要はありませんが、DTMをするにあたってシステムディスクが入っているストレージにDAWのデータを置くことを推奨されていません。
なので保存先として別途外部にストレージを用意することをオススメします。
こうすれば、備え付けのSSDに負荷をかけずにDTMを楽しむことができます。
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DTMはノートパソコンではできない?
できます。ただし放熱処理をすることをおすすめします。
上記の、CPU、メモリ、ストレージの問題をクリアしているのであればノートパソコンでもDTMはできます。
ただ、ノートパソコンはデスクトップに比べるとかなり発熱します。その発熱が原因でDAWの動きが若干不安定になるケースもあるので、
ノートパソコンの下に隙間をあけるなどの方熱処理をすることで発熱問題を軽減できます。
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DTMパソコンCorei5のMacBookでCUBASE10は動く?
DTMに最適な液晶サイズのってどのくらい?
小さすぎると画面が見にくいのでできれば15インチ以上は欲しいところです。
MacBook Proでは一番小さい液晶は13インチになります。DAWでは必要な箇所を拡大縮小できるので13インチでも工夫次第では使えます。
ですがやはり画面の大きさは作業効率にもつながるので、最低15インチ、imacの27インチサイズであれば非常にストレスなく作業が可能です。
DTMにグラボが必要って聴いたけど本当?
あった方がメリットは大きいですが無くても大丈夫です。
最近のDAWはグラフィカルな表示をしてくれるものが多くなってきました。グラフィカルな表示には本来グラフィックボードのメモリが
その仕事を担ってくれますが、MacMiniや一部のパソコンにはグラボが搭載されていません。
その結果、画像が少しカクカクしたり、またグラボで補える部分をCPUで補うために使えるプラグインの数が変わってくるケースがあります。
しかし、私の環境Mac Mini2018ではソフトシンセを30トラックほど使っても特に問題はありませんので、よりシビアな環境を求める人以外は
とくに気にする必要もないでしょう。
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どのDAWを選べ楽しくDTMができるの?
好きなアーティストが使っているものや好みで選んでOK
DAWはメーカーによって機能が異なります。しかしベースとなる使い方はほとんど変わりません。
「あのDAWは音がいい悪い」という話を聴いたことがあるかもしれません。実際「音質の差」は存在しますが、それがDTM初心者にとって楽しめなくなるほどの大問題か?と言われたら違います。
世の中の多くの作曲家はいろいろなDAWを使っていますが、それで仕事をしているわけです。プロは僅かな音質の差より「いかにクライアントのオーダーに答えられるか?」を常に考えています。
なので基本的には「使いたいDAWを使ってみる」が一番です。
ちなみに2018年のデータですが、日本で一番使われているDAWはCubaseです。
2018年の日本のDAWシェア
2018年のDAWシェア調査結果(DTMステーション調べ)より引用
DAWを選ぶ時に
- 値段の違い
- 機能の違い
- 使っているユーザー
これらを機にする人は多いですし、当然のことだと思います。それについてはこちらの記事が参考になると思います。
機能面については正直「作曲するためにこの機能がないと困る」という機能の違いはほぼないと言っても過言ではありませんがただ最近は、譜面機能がないDAWもあります。譜面に慣れている人からすれば譜面機能で作曲していくのもアリだとは思いますが、なくてもDTMはできます。
DAW付属の音源について
DAWは買ってすぐにある程度作曲できるように音源というものが付いています。最近の付属音源はクオリティが高いものも多く、プロもそれだけで作るケースもあります。しかしどの音源も一般的なピアノ、ギター、ベース、シンセサイザー、ストリングス(バイオリン等)ドラムなどの楽器はどのDAWも入っています。
よく「クオリティの高い音楽は専用音源を買わないとできないの?」という質問を受けますが、そんなことはありませんが、打ち込み技術があれば専用音源でなくもそれなりの音楽は作れます。ただやはり専用音源には専用音源のクオリティがあるので、早く簡単にクオリティの高い打ち込みができるのは事実です。
こちらの記事に付属の音源について書いてあるので参考にしてもらえたら嬉しいです。
オーディオインターフェースってどれを買えばいいの?
DTMの目的次第では必要ありません。
多くの人がこのオーディオインターフェースがないとDTMはできないと思い込んでいますがそうではありません。
オーディオインターフェイスの目的は高品質な音の録音再生、同時録音数です。
結論から言えば、パソコンに搭載しているマイクジャックを使えば最低限音は録音できますし、
マイクだけであれば最近はUSBマイクもあるのでそれを使ってボーカルやアコースティクギターなど録音できます(もちろんエレキギターやベースのアンプも)
しかし、「いや、録音とか別にいいかな?」という人であればパソコンからのヘッドホンアウトにヘッドホンをさせばDAWの音は確認でき、それでDTMを楽しめます。
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オーディオインターフェイスがなくてもDTMができるってホント?
高いのが必要??オーディオインターフェースの金額の違いって何?
インプットの数の違いと使っているパーツの違いで金額が変わります。
例えば「バンドレコーディングをしたい」という場合はドラムだけを録音するならば最低3本(キック、スネア、トップ)のマイクが必要
あとは、ギター、ベース、ボーカル、キーボードこれらにマイクを1本ずつ使って4本。合計で7本のインプットが必要です。
もちろん、個別に録音するあらば4本のインプットがあれば可能です。
このインプットの数がまずは価格の差になるのと、より高品質な録音するためにはオーディオインターフェイスに使われているパーツが
良いものになり、そのパーツによって価格が異なります。
例えば8つのインプットを持つオーディオインターフェイスが50,000円だっとしてもたった2つのインプットしか持たないオーディオインターフェイスが
30十万近くするものもあります。
初心者向きとして8000円から20000円程度のものがありますが、安いものは壊れやすく、私自身も
音がでなくなったノイズがひどいなどの相談を受けることがあります。
今お値段的に強烈におすすめしたいのがこちら
入力数に不満がなければ音質面も操作面も問題なくこれ一台あれば当分困ることはないと思います。
DTMに必要な打ち込みMIDIキーボードってなに?
DAWに音符データを入力するための装置です。
DTMではマウスで音符データを打ち込む方法とMIDIキーボードを使って打ち込む方法と二通りあります。
マウスで打ち込場合は、音符データを打ち込んで作曲していきますが、リアルタイム(メトロノームを使って)演奏するような
方法はマウスではできません。
その場合MIDIキーボードがあれば弾きながら音符データを打ち込めます。
「でも楽器弾けないから…」という人も大丈夫。間違ったデータも「クオンタイズ」という機能を使えば多少ずれて打ち込まれたデータも
ピッタリと合わせてくれます。
MIDIキーボードのおすすめってある?
使いたい環境に合わせるのがポイントです!
小さい32鍵盤くらいのものからピアノのような88鍵盤のものまで色々です。机の上に置く場合大きてくも61鍵盤サイズが限界になるかもしれません。
例えば32鍵盤のキーボード
これな度は弾く用ではなく鍵盤というスイッチを押して打ち込んでいくという作業用と言えます。逆にこちらの2つは演奏しながら打ち込んでいくのに向いています。
キーボードも一般的に鍵盤が多い方が値段が高くなりますが、鍵盤のクオリティや操作パネルによっても値段が随分変わってきます。
[DTM]簡単で使いやすい打ち込みMIDIキーボードを選ぶ5つのポイント
家に電子ピアノはDTMで使える?
MIDI端子またUSBがあれば使える可能性があります。
という質問を受けることがあります。答えはものによっては使えるというもの。
それは電子ピアノにMIDI端子があるかどうかです。
このような端子があればこの端子とオーディオインタフェースについている場合もあるMIDI端子をケーブルで接続すればDAW用の入力鍵盤として使うことができます。もしオーディオインタフェースに端子がない場合はこのような変換ケーブルを使うことで使える可能性があります。
ちなみに上記のキーボードではパソコンとの接続はUSBで接続するので特にMIDI端子の接続についての心配をする必要はありません。
DTMにはスピーカーとヘッドホンどっちがオススメ?
音を出せる環境によって変わってきますが、絶対必要なのはヘッドホンです。
大きな音は出せないという場合はまずはヘッドホンだけでもOKです。
スピーカーを使うメリットは各楽器の音量の大きさのバランスが取りやすい部分はあります。
しかしスピーカーがない=DTMができないと思いこむ必要はなくヘッドホンだけでやってしまっているプロもいます。
なのでどちらに値段をかけるとしたらやはり私はヘッドホンをおすすめします。
イヤホンとヘッドホンDTM作編曲MIXにオススメなのはどっち?
DTMスタジオ定番ヘッドホンCD900STを私が使わない理由
ヘッドホンにはオープンタイプとクローズタイプの二種類があります。
私がおすすめするのはオープンタイプです。
その理由は、音に広がりがあり、また側圧(つけていてしんどい)がクローズタイプより少ないからです
外で音楽を聴くには向きません理由は音が漏れるからですw
しかし一つ注意が必要なのはもし、マイクを使ったボーカルレコーディングをする場合はその漏れた音をマイクが拾ってしまうのでクローズタイプというものを選択するほうが良いでしょう。
私のおすすめはHD598こちらはオープン型になります。
色も形も音も気に入っているものです。ちなみに最近HD599というのが出ています。こちらも評価が高いヘッドホンです。
最近ヘッドホンやマイクがセットになったスターターキットなるものがあります。性能面では必要最低限のクオリティですが、ここを入り口にするのも悪くないかもしれません。ただ、安いものには安いだけの理由がある。ことは覚えておいたほうが良いでしょう。
DTMで宅録を初めたい!どんなマイクがオススメ?
1万円程度のコンデンサーマイクでもOKですが…
宅録に向いている安価なコンデンサーマイクが多数ありますが、私がマイクに関する相談を受けると決まって1万円以下のものがおおいです。
コンデンサーマイクはもともとすごいデリケートな装置です。保管にはデシケーターと呼ばれる専用なBOXが必要だったりもします。
コンデンサーマイクの特徴は広範囲の音を録音できます。そのため家の外の音などの音も拾ってしまいます。
一方ダイナミックマイクはマイクに近い距離の音を録音します。(ダイナミックマイクはカラオケのマイクです)
つまりマイクに近い音をより強くとる傾向があるのでコンデンサーマイクに比べると外部ノイズを拾いにくい面もあります。
DTMをするのに知識や技術は必要?
ありません。多くのプロも最初は音符さえ読めなかった人ばかりです。
私も初めて触った時はそれまで音楽に興味もない人でした。当然、どこがドかもわかりませんでしたし、かなりの音痴でした(今でもw)しかしダラダラと続けて気がつけば20年以上やってますし、ゲーム会社でサウンドクリエイターをしていたこともあります。
音楽経験者だからDTMに向いているとかそんなことはありません。むしろ下手に音楽を知っているとすぐに音楽ルールで自分を縛って身動きが取れない人もたくさんいます。
わからないからスタートして慣れてくればわかることも増えます。しかしまた次のわからないにぶつかります。ここで多くの人は「才能がない」とか「向いていない」と思うわけですが、。でもそれは才能があるなしの話ではなく「わからないことが増えるということは、それだけ成長している証し」です。
私だってこんな生活を続けていたことがあるくらいです。
1年で200曲作ってオーディションに送るも評価されない生活を2年くらい続けた結果
まとめ
DTMを始めたい!最近このような人がたくさん増えています。
しかし同時に
- 「音楽なんか経験ないよ」
- 「作曲なんて難しいに決まっている専門知識が必要なんでしょ。私には無理」
- 「DTMってめっちゃお金かかるんでしょ!」
とこんな理由でDTMを始めることを躊躇している人も多いですが、そんな理由で躊躇するのは実にもったいない。知識や経験があればそれに越したことがない部分もあります。しかし、知識や経験は後からいくらでも付いてきます。
DTMに必要なものは
- パソコン◎
- DAW(ソフト)◎
- ヘッドホンorスピーカー(イヤホン)○
- 打ち込みキーボード○
知識や技術は必要ない続けていれば後からついてくるわからなければ誰かに聞く(SNSを有効に使う)DTMの先にある音楽配信はあなたにもできるさぁDTMを始めましょう。行動する前の悩みは無駄が多いです!