往年の名機と呼ばれたサンプラーの質感が手に入るTAL-DACの魅力

ソフト音源とハード音源の音質の違いはDAの差が大きいです。そのDAの質によって「音の太さ」や「抜け」という質感が得られます。ハード音源をソフト音源化したのに「何か違う」のはそのDAの質感を再現していないからという見方もできます。「だったらそういうプラグインがあればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、DAのプラグインはほとんどありませんし、そう簡単にできるものでもないのがDAプラグインの数の少なさの理由です。しかし、その数少ないDAプラグインを作っているのがTAL Audioというデベロッパーです。

今日はTAL Audioが作った数少ないDAエミュレーションプラグイン「TAL-DAC」についてお話したいと思います。

DACエミュって何?

簡単にいうとオーディオインターフェースのアウトプットだと考えてください。パソコンの中に入っているソフト音源をスピーカーやヘッドホンを使って聴くためにはアウトプットから出力する必要があります。その部分の回路がDAC(デジタルアナログコンバーター)といいます。

逆に音を取り込む パソコンに生音を取り込むときはADC(アナログ-デジタルコンバーター)という回路を通ります。録音というプロセスはアナログデータをデジタルデータに変換するということでもあります。

ハード音源(サンプラー)の場合も基本はパソコンでの処理と変わりません。パソコンの中にソフト音源が入っていてオーディオインターフェースのアウトから発音するというプロセスを一気にやっているのがハード音源(サンプラー)というわけです。

今となっては24bitの96khzのオーディオインターフェースは30,000円以下で簡単に購入できますが、80年代〜90年代は12bitでサンプリング周波数もMAX50khzのDACのの回路が何十万もするような時代でした。

どちらにしてもこのDA/ADコンバーターの回路の性能が音質を決定するもので高級機になるものほどこの部分の回路が高性能になります。

TAL-SoftwareはDAコンバーターの音質に特徴のサンプラーで有名なEmulatorIIをエミュレーションし作られたのがTAL-Samplerです。

EmulatorIIについては80年代のシンセ音作りにおすすめ音源2つはこれで決まり! 

TAL-SamplerについてはTAL-Samplerの魅力について

TAL-Samplerは当時の音質をいかに再現するか?というテーマに取り組んだ結果、DAコンバーターに注目しその再現に力をいれた結果、「野太く芯が通った」当時の音質の再現に成功しました。

このおかげでTAL-samplerの音質は他のソフトサンプラーとは一線を画するものになっています。そしてこのDACエミュレーターにバリエーションを作りTAL-SamplerはE-mu2以外にもAKAI MPC60や同社のS1000のDACも選択できるようになりました。

こだれだけを見てもソフトサンプラー界の革命児なのですが、あまりにも地味すぎるDAエミュレーション機能とセールスに力を入れていないため大きく注目されていません。ここでユーザーを含め開発者が思うのは「このDAエミュだけほしい」という思いから作られたのがTAL-DACです。

TAL-DAC

TAL-samplerからDACの部分だけ取り出しています。プリセットもかなり豊富にあってそれぞれのDACのカラーバリエーションをよく捉えている音質になっています。

選べます。

音質こんな感じ

8bit22050hz

AM6070drive

EMUⅡ

S1000

とにかく音の太さアナログ的質感ともに魅力的な音質に変化しています。

ビットクラッシャーではないの?

EmulatorIIは12Bit機なのでビットレートを下げることでビットクラッシャーの機能としても使えますが、ビットを下げ音を汚すだけではなくフィルターやそのほかのパラメーターを使って太さと質感を追求しているので「TAL-DAC=ビットクラッシャー」という見方をするのは必ずしも適切ではないです。

他のDAコンバータープラグインは?

RX950というAKAIのS950のAD/DAをエミュレーションしたプラグインがあります。 こちらはTAL-DACのようにDAだけではなく音の取り込みであるADもエミュレーションしているのが特徴です。実際音を取り込むADの回路は音質に大きな影響を与えます。分厚い音質で有名なEnsoniqのASR10もこのADが音の太さにつながっていると評価しているユーザーが大勢います。

コンプを使わずに簡単に音を太くできるプラグインRX950が使いやすい

さらに音の太さと質感を増加させる使い方

DAエミュレーションとトランスエミュレーションプラグインTrue Ironと合わせて使うことでよりアナログ回路感あふれるサウンドを作れます。True Ironは使いすぎると音の飽和にもつながるのでさじ加減が難しいです。あくまで隠し味程度につかうのがオススメです。

音を太くするプラグインTrue Ironをオススメする理由とは(サウンド比較)

どんな人に向いているプラグイン?

DTM初心者がこれを買ってもあまり意味はないかもしれませんが、ヒップホップや80〜90年代のサウンドに強い憧れをもっている人は使ってもよいかもしれません。ただこれをつかえば「作曲ができるようになる!」みたいなプラグインではなく。あくまで音作りの一環として使うべくものです。

  • HIPHOPが好きな人
  • リズムに厚みやアナログ的な質感がほしい人
  • 上品なビットクラッシャーがほしい
  • ハード音源の質感が気になる人

これらの人は楽しめるプラグインになると思います。

お値段

TAL-Samplerは7,230円

TAL-DACは3,013円ですが、TAL−Samplerオーナーは無償という話です。

TAL-Software

RX950は2,297円

Audio Plugins from Pluginboutique.com

さいごに

使いすぎるのは危険ですが、音の質感コントロールには最適なプラグインです。最近はAD/DAの質感についての議論がTwitter界隈で見受けられます。おそらく10年もしないうちにAD/DAの完全なエミュレーションプラグインとか出てくるのでは?と勝手に思ったりもしていますが、それまではこれらのプラグインでハードウェアの夢でも見ていようと思います。

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