オケ音源を選ぶのは大変です。音質でよければ空気感が悪かったり値段が高いからといって決して使いやすい音源でなかったりと色々とバランスが取れない音源であると私は思っています。私はここ十年くらいはEAST WESTのSYMPHONIC ORCHESTRA EAST WEST QUANTUM LEAP略してEWQLそれのplatinum plusを使っていました。
めちゃめちゃ素晴らしい音源でいかにもエアー感たっぷりのオーケストラ音源なのですが、残念なのはそのエアー感つまりリバーブ成分が強すぎてどうしてもカラッとした音に仕上がらないなのが難点でした。一応、platinum plusはクローズマイクも収録されていますが、それでもやはりどこかしっくり来る音源になりませんでした。それ以来もずっとオケ音源は注目していましたが、イマイチなものが多く諦めていたときに出てきました。どストライクなオーケストラ音源それがオケ音源の超老舗VIENNAが出した
Smart Orchestraです。今回はSmart Orchestraの使い勝手と音質について色々とレビューしてきたいと思います。
音質が本当にすごい
今までVIENNAはさわったことがなかったのですが、音の評判が良い理由がわかりました。とにかく非常に使いやすいです。いままでは使った音源は次の5つです。
- Kompleteの付属のオケ音源
- Mach Fiveの付属オケ音源
- ガーリタンオーケストラ
- EWQLです。
そのどれよりも使いやすいです。印象としてはカラットした音です(実際残響なしという話ではありません)音のダイナミクスが気持ち良いです。EWQLPはもともとの残響感が強いので良くも悪くもEWQLPの音って感じですが、Smart Orchestraはどんな音にも化けそうな
使いやすい音質といえます。
ロード時間がめちゃめちゃ長い
普通のオケ音源は1インストに付き1つの楽器(バイオリンやトランペット)ですが、Smart Orchestraは一気にすべての楽器を立ち上げます。というか個別のプリセットがありませんそのためロード時間がHDD経由だと1分30分かかりました。二度目からはキャッシュが聴いてるのか速攻で立ち上がります。
一応Userプリセットを作れば個別のインストを作ることもできます。
アーティキュレーションのバランスが良い
ざっくり分けるとLONGとSHORTと言うとかなりざっくりすぎますが、特殊なものはなくイメージを形にするために必要最低限のアーティキュレーションが揃っています。
空間処理がすごい
この画像は各楽器のポジションとそのポジションで聞こえる残響感なんですが、例えばstrginsの位置をHornsの位置に変更することが可能です。
各音源のコントロールは一発で出来る
エクスプレッションやADSRの調整も非常に簡単にできます。そしてCC1のVelXFをオンにして使うと、全楽器のピアニッシモ〜フォルテッシモまでコントロールできます。これはすべてのオケ音源を1つのインストで立ち上げているからこそできる芸当といえます。
当然ながら重たい
- Macpro2009
- OS Sierra
- CPU3.46ghz6コアX2
- メモリ64GB
- 使用DAW Logic 10.4.2
- 48khz 24bitF
- バッファ512
- オーディオインターフェイス Motu896HD
この管渠で1つのCPUがすぐにてっぺんに付きます。確かに分散処理をしているわけではないのでシングルCPUの能力が問われる音源です。
まとめ
入門機としてもまたプロのスケッチ音源とも即戦力となる音源で非常に使いやすいと思います。ただ個人的にはハープは欲しかったですし、パーカッション類は一通り揃ってはいるものの、ティンパニが無いのはマイナス点です。しかし、誰でも簡単にVIENNAクラスの音質のオケ音源を23000円程度で買えるのはかなりお買い得です。
各パートを一つ一つ凝るような使い方には向かないかもしれませんが、パッと聴いたときに「わ!スゴい!」と思わせられるだけのインパクトはあります。非常にオススメですよ。