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ZEN GO Synergy Coreの使い方と価格以上の魅力を徹底解説

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Antelope Audio ZEN GO Synergy Core レビュー

音質4.5
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)3
安定性2.5
価格(セールバリュー)4.5
総合評価3.7
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それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。

  • 青帯はメリット
  • 赤帯はデメリット
  • 黒はどちらでもない

音質

4.5

AD/の音質は文句なしのレベル

Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは高品質なコンバーターを搭載し最大で24ビット/192kHzの高音質な録音が可能です。さらにSynergy Core DSPプラットフォームにより、リアルタイムで豊富なエフェクトを利用しながら録音可能です。

Antelopeの音質の良さはディスクリート回路にあります

ディスクリートとは

個別半導体とのこと、1つの半導体素子で構成するチップのことを指す。

複数の半導体素子を1つのチップに搭載したものがIC/集積回路

集積規模が大きいものはLSI

ディスクリートになるとなぜ音が良いか?それは部品の選定など高音質達成のために最適化したものになるというのがわかりやすい答えになります。わかりやすく言うと

最高の料理(オーディオインターフェイス)作るために最適な具材、調理環境等それがディスクリートです。

とにかく、録音ということであればZEN GOの音質は同価格帯のオーディオインターフェイスでは得られない音質が得られます。

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少しでも良い音で録音したい!

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そういう人にこそZEN GOは強い味方だよ!

マスターの音質やヘッドホンの音質については特になんの問題もなく素直な音質のように感じますが、ヘッドホンの音質には若干レンジが狭いのかな?と感じるような気もしましたが、このあたりはヘッドホンとの相性もあるかもしれません。しかし、総じて元気でスピード感が速い万能な音質であると言えます。

エフェクトプラグインの音質については素晴らしく、そのどれもトップレベルの品質であり、それらの多くが無償でついてくることには本当に驚きです。

Drum dry
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好みのエフェクトを選択して使用可能
Drum wet

ギターアンプシミュレーターも数多く搭載し、付属レベルとしてはDAWに付属しているものより使いやすく音質も好みでした。

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すべてのエフェクターはアウトボード的な解釈なのですべてかけ取り(録音時にその効果が加えらる)になります。この場合レイテンシーは発生しないので音の遅れやCPUリソースを気にする必要はありません。

どのエフェクトも素晴らしいのですが、コントロールパネルで操作するAuraVerbというリバーブの質感は本当に素晴らしくボーカルレコーディングがより楽しくなる質感です。

なおリバーブはかけ取りではないので、DAWで好みのものに切り替えられるのもポイントが高いですが、AFXで使用も可能です。

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機能性

4

Synergy Core DSPによる多数のエフェクトプラグイン

Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreの素晴らしい機能としてDSPエフェクトプラグインを搭載しています。

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別にそんなに珍しいことじゃないと思うけれど?

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そう思うよね?

確かにエフェクトプラグインを搭載しているオーディオインターフェイスは増えています。しかし、ZEN GOのすごいところはその数と質です。

イコライザーやコンプ、マイクプリ、ギターアンプシミュ、リバーブなどのエフェクトプラグインが搭載されています。そしてそれらを録音時に使用(かけ取り)することで、数十万クラスのハードウェアを使ってレコーディングをしているような状態になります。

そしてこれらは超低レイテンシーで動作するので、DAW上でエフェクトプラグインを使ったときに悩まされるレイテンシー問題から開放されます。

バッファを下げることでレイテンシーは小さくできますが、ソフトシンセを多数立ち上げている状態ではバッファを調整すれば再生がうまく行かないなどの問題が発生しますが、Antelope Audio ZEN GO Synergy CoreではDSPで処理されるので、バッファを調整する必要はありません。

この超レイテンシーを一度でも経験すると、どれだけバッファを調整してレイテンシーを下げたとしても別次元の心地よさ得られます。音が遅れないということがどれだけ大事か改めて認識させられるレベルです。

公式サイトではさらにクオリティの高い往年のマイクプリをモデリングしたプラグインを機能拡張として購入できます。しかし期間限定公式サイトで販売している90以上のプラグインすべてがZEN GOについてきます。

さらには、ピッチ修正でおなじみのAuto-TuneやBit wig Studio 4が提供されます。多くのメーカーがオーディオインターフェイスにオプションでプラグインやDAWの簡易版をつけることがありますが、サービスのクオリティの高さと満足度はAntelopeが最も優れていると言えます。

これらのプラグインはafx2dawというオプション機能を追加することでDAWでも使用可能です。ただ、オフラインバウンスには対応していないので、これらのプラグインによる効果を反映させる場合はリアルタイム書き出し(オンラインバウンス)が必要になります。

別電源を確保できるが注意も必要

Antelope Audio ZEN GO Synergy CoreはUSBバスパワーによる電源供給で動きます。これもコンパクトなオーディオインターフェイスでは一般的な仕様ですが、環境によっては電源パワーが足りない可能性があります。そういう場合には役立つのが別途電源供給端子になります。

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背面 アップ2

画像の雷マークがついているのが電源供給端子になりますが、Thunderbolt端子でマークがほぼ同じです。そのため「これってThunderboltでも使えるの?」と思う人がいるかもしれません。具体的な情報のためにサポートに連絡をとったところ以下の返答がありました。

TBポートに、USBケーブルで接続すると動作しますが、TBケーブルで接続するとどうなるか検証したことがございませんので、ご遠慮いただけますと幸いです。

実際知らずにつないだところZEN GOから高周波が発生し続けていました。

しかし、この電源供給端子のメリットは大きいです。その理由は次の3つです。

  • 外部 USB 電源で Windows または macOS コンピュータに接続できる
  • 外部 USB 電源でスマートフォンやタブレットに接続できる
  • モバイル端末を充電しながらスマートフォンやタブレットに接続できる(リバースチャージ)

ノートパソコン等で使用する場合USBバスパワーを使用するとそれだけバッテリーの減りが速くなります。そういった場合にオーディオインターフェイスに外部電源を供給することでそれらの問題を解決できます。

また、普通の人にはわからないかもしれませんが、オーディオインターフェイスに電源が供給されることでよりグレードの高い音質で録音再生が可能になるケースもあります。

ヘッドホン端子が2つなのはホームレコーディングに最適!

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正面

Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは全面にヘッドホンアウトが2つあります。最近は少しずつ増えてきていますが、コンパクトサイズでヘッドホンが2つある場合、部屋でボーカルレコーディングをする場合、エンジニアとなる人とボーカル(ギターやベース)とヘッドホンを分けられるのには大きなメリットがあります。

それは、エンジニアとボーカルとでは聞きたい音量が違うからです。例えばドラムをもう少し下げてほしい、リバーブをもっとほしいなどの要望を叶えることでレコーディングクオリティは上がります。

優秀外部クロックとして使用可能

Antelopeはクロックメーカーとして有名です。そしてAntelopeのオーディオインターフェイスに搭載されているクロックはかなり優秀なものもが搭載されており、S/PDIFを使うことで手持ちのオーディオインターフェイスに高品質なクロックを与えられます。

例えば手持ちのオーディオインターフェイスにS/PDIFの端子(IN)とAntelope Audio ZEN GO Synergy CoreのS/PDIF(OUT)を接続すると、ZEN GOに搭載されている高品位なクロックジェネレーターを使用できます。

(再生したいサンプルレートに合わせる必要がありますitunesの場合では44.1kHzにしないと音が出ません)

正直今まで外部クロックなるものを使ったことがなく「そこまで変わるのか?」という気持ちがありましたが、Apogee Ensemble TBにAntelope Audio ZEN GO Synergy Coreのクロックをつないで見ると、音のフォーカスが上がり明らかな音質向上を感じました。

正直な気持ちとして「こんなにも変わるのか!???」と思いクロックのためだけに購入する価値もありかなと考えてしまいました。これは入ってはいけない沼に片足をいれた気分です。

ループバック機能搭載

ネット配信においてオーディオインターフェイスは欠かせないツールの一つです。しかしその中でも最も重要なのがループバック機能です。

Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreのコントロールパネルにはループバックが搭載されているので配信用オーディオインターフェイスとしても使えます。

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設定方法についてはRock Onさんのこちらの記事が参考になります。

実は配信でも活躍しちゃう。ループバック機能

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操作性

3

コントロールパネルの操作には癖がある

コントロールパネルはオーディオインターフェイスを認識させるランチャーとセット動かします。

ランチャーでAntelope Audio ZEN GO Synergy Coreが認識されないと録音等を管理するコントロールパネルが開きません。このあたりの操作性は「煩わしい」という印象を持つ人も多く。認識でトラブルが起きれば録音ができないことになるので、少し注意が必要です。

コントロールパネルでのUIには少し手こずりました。まずコンデンサーマイクで録音を行うために48Vのボタンをクリックしても反応しません。

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なんで!と思うわけですが、実は一番右にあるマイクボタンをクリックしそこでPHANTOM POWERをONにすることでコンデンサーマイクを使用できます。

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この並びだと普通はボタンだと思うよね

しかし、48Vを解除するときはこの赤色に点灯している部分をクリックできます。

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バグなの??こういうのモヤモヤする

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こういうところはきちんとしてほしいよね

わかってしまえばなんてことはないわけですが、おそらく多くの人がこのUIに引っかかったのではないかと感じています。

48Vボタンについてサポートより以下の返答をいただきました。

リボンマイクなどを傷害する可能性があり、間違いクリックを防ぐため、CMD/CTRLクリックが必要となっております。 これは、48Vのボタンに1‐2秒程度マウスホバーすると、ツールチップも出ますが、マニュアルにも記載されておりますが、それでも少し分かりづらいかと存じますが、記事に書いていただけますでしょうか。

これはマニュアルの読み込みが足りませんでした。

ちなみにプリアンプがHi-zになっている場合は当然ながら48Vは起動しません。

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リボンマイク等への配慮だったんだね!

ステレオ録音を想定した使い方としてリンクボタンがあります。これは2つのマイクプリのゲインを調整する機能になりますが、はAFXエフェクトプラグインはリンクされいないので左右別々のプラグインが使える状態です。

しかし、この状態ではエフェクトプラグインはリンクされいないので左右別々のプラグインが使える状態になっています。

エフェクトプラグインを統一するためにはミキサーのLINKボタンをクリックする必要があります。

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ミキサーのLINKボタンを押すことで
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AFXもリンクされる

優れた機材は取説を見なくても感覚で触れてしまうものです。その点からみると些細なこのUIには若干ストレスを感じました。

液晶の明度を調整できる!

ANALOG IN S/PDIF IN HP1などが表示されいている本体の液晶は気持ち薄暗いですが、Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreはコントロールパネルで明るさを調整できるので見やすい明度に変更できます。

私が普段使っているオーディオインターフェイスはApogee Ensemble TBですが、こちらは薄暗く明度の調整できないので、Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreのこの機能は嬉しく思います。

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部屋が明るいと見にくい場合があるから明度調整は実は便利

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安定性

2.5

不要なコントロールパネルが立ち上がる

これは私の環境のみで起こったことであってすべての環境でおきるとは限りません。

使用環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.6

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

ランチャーを立ち上げ、ZEN GOを認識させるプロセスを行うとなぜかコントロールパネルが2つ立ち上がります。

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原因はよくわかりません。そして例えば再起動をした場合コントロールパネルには何も表示されません。これはランチャーとコントロールパネルが連動しているからなのでしょう。

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再度、ランチャーからコントロールパネルを認識させるプロセスを行うと今度は3つ目のコントロールパネルが起動します。

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再度お伝えしますが、これは私の環境下で起こっている問題です。上記のバグと思われる内容についてはシステムとの連携がとれいない可能性があると考えています。またすべてのコントロールパネルが起動するのではなく、一つだけ真っ黒の状態で他の2つは立ち上がる等の状態にです。

また、起動中であってもランチャー認識プロセスを行えば行うほどコントロールパネルが起動します。

これらは起動するだけメモリを持っていかれてしまうのであまり良くない問題のように感じます。

とりあえず間違え立ち上げてしまった場合使用しないコントロールパネルは停止するようにしましょう。

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増殖を防ぐ方法としてはシステム終了時にランチャーを終了させておくのが良いのですが、それでも複数立ち上がることがあります。

それ以外にもまれに、再起動やシステム終了時にランチャーを強制終了しなければ先に進まない状態になったこともあります。今後はシステムとの兼ね合いによるランチャーのバージョンアップに期待したいところです。

びっくりするくらいに熱くならない

Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreを触って思ったのは本当に起動しているのか?と思うほど個体が熱を持ちません。液晶パネルを触ってもまったく温度を感じませんし、その周りの個体は起動しているとは思えないほどひんやりしています。

サイドに両サイドに熱対策用と思われるスリットがありますが、それだけでは説明がつかないレベルです。

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あつすぎると「壊れないかなー」と不安になることもありましたが、ZEN GOに関しては「壊れているのか?」と思うほどの温度でした。

熱を持たないということはそれだけ電力消費を抑えられているということですから、外部でのレコーディングにおいて歓迎されます。そのうえで電力供給ポートも搭載しているので、電力不足等の問題はほぼないと考えてよいでしょう。

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価格

4.5

582ドルドル (メーカー価格)

機能面、音質、付属品の価値が他社のオーディオインターフェイスを上回る

Antelope Audio ZEN GO Synergy Coreは、他社のオーディオインターフェースと比較して、グレードの高いコンバーターと豊富なエフェクト処理を備えています。とくに、Synergy Core DSP機能は他のメーカーが真似でいないユーザーがもっとも喜ぶ機能といえます。

また、コンパクトなサイズは持ち運びに優れています。一方で、入出力の数が少ないことが欠点に感じるかもしれません。もし、より多くの入出力が必要な場合は、他のオーディオインターフェースを検討する必要があるでしょう。

Antelopeは本体を超えるキャンペーンを実施するので有名です。今回でいうと、3月31日まで以下のオプションがついてくる太っ腹なキャンペーンです

  • 90 以上の Synergy Core FX
  • Auto-Tune Synergy
  • Bitwig Studio DAW

またAntelopeは有名なマイクをエミュレートしたモデリングマイクがあります。音質に関しては当然モデリングなわけですから本物と比較すると違う部分も多くあります。しかし、下手に安いコンデンサーマイクを買うのであれば、往年のマイクをモデリングしたEDGEを購入する方が録音クオリティは上がるように思います。

すべてを別途購入すると数千ドルはするのでかなりお買い得感があります。

これらを踏まえて、入門機としては申し分ないクオリティですし、セカンド機や持ち運び用途、さらには外部クロック機として使用できるところから非常に幅広いユーザーを満足させられる製品だと言えます。

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ここからはAntelope Audio ZEN GO Synergy Coreのレイテンシーやネットで見る「炎上」の正体、使い方にトラブルシューティングについて解説していきます。

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