ADAM Audio D3Vは、3.5インチウーファーを採用したコンパクトなモニタースピーカーです。
小型なので「DTMのモニターとして本当に使えるのか?」「ADAM Audioらしい音はするのか?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
私はこれまでADAM Audio A7Xを長期間使用してきましたが、D3Vを一聴して感じたのは、サイズやユニットの違いがあっても、しっかりとADAM Audioらしい品格のあるサウンドを奏でてくれることです。
また、同じ小型モニターのiLoud Micro Monitorと比較すると、音の方向性にはかなり違いがあります。
iLoud Micro Monitorは高域の広がり感が強く、「このサイズなのに高音質!」という第一印象ではiLoud Micro Monitorの方が上に感じるかもしれません。
一方、D3Vは中低域の再生解像度が高く、全体的にフラットな印象です。派手さよりも音のバランスを判断しやすく、DTMのモニタースピーカーとしては個人的にD3Vの方が好みです。
結論としてD3Vは、コンパクトなサイズでもモニターらしい解像度とフラットさを重視したい人におすすめです。
この記事では、D3Vを実際に使用して感じた音質やメリット・デメリット、A7XやiLoud Micro Monitorとの違い、接続方法やDSP設定まで詳しく解説します。
ADAM Audio D3Vを実際に使って音質をレビュー

D3Vを実際に使って最初に感じたのは、**「小さくてもADAM Audioらしい音がする」**ということです。
3.5インチというサイズから想像する以上に中低域の解像度が高く、全体のバランスもフラット。小型スピーカーらしい派手さで音をよく聴かせるというより、モニタースピーカーとして音を判断しやすい方向にまとめられている印象です。
一聴してADAM Audioらしさを感じるサウンド
私はこれまでADAM Audio A7Xを長期間使用してきました。
A7Xは7インチウーファーを搭載しているのに対して、D3Vは3.5インチです。また、ツイーターを含めてユニットの仕様も異なるため、再生レンジや低域の量感を単純に比較できる製品ではありません。
それでもD3Vを一聴すると、ADAM Audioらしい品格のあるサウンドをすぐに感じられます。
特に印象的なのは、小型化によって「ADAM Audioの廉価版」のような音になっていないことです。
A7Xと同じ音がするという意味ではありませんが、長くA7Xを使ってきた私でも「これはADAM Audioの音だ」と感じられる方向性がありました。
小型モニターでありながら、ブランドらしい音のキャラクターがしっかり残っている点はD3Vの大きな魅力です。
中低域の解像度が高くフラットな印象

D3Vで特に好印象だったのが中低域の再生解像度です。
3.5インチというウーファーサイズだけを見ると低域性能に不安を感じるかもしれませんが、D3Vは左右それぞれにパッシブラジエーターを搭載しており、小型ながら低域をしっかり再生できる設計になっています。
ただ、D3Vの魅力は単純に「小さいのに低音が出る」ということではありません。
実際に聴いてみると、低域を必要以上に強調して迫力を演出するというより、中低域の輪郭が見えやすく、音のバランスを判断しやすい印象があります。
DTMでは低音がたくさん出ることよりも、キックとベースのバランスや中低域の濁りなどを判断できることが重要です。
その意味でもD3Vは、コンパクトなリスニングスピーカーというより、しっかりとモニタースピーカーとして使える音に仕上がっていると感じました。
iLoud Micro Monitorとは音の方向性がかなり違う
同じ小型モニターとしてiLoud Micro Monitorと比較すると、サイズ感は近くても音の方向性はかなり異なります。
iLoud Micro Monitorは高域の広がり感が強く、最初に聴いたときの**「こんなに小さいのに高音質!」というインパクトはiLoud Micro Monitorの方が強い**かもしれません。
音楽を気持ちよく聴くという意味では、この広がり感を好む人も多いと思います。
一方、D3VはiLoud Micro Monitorと比べて中低域の再生解像度が高く、全体的にフラットな印象があります。
どちらが高音質という話ではなく、音をどう聴かせるかの方向性が違うと考えた方が分かりやすいでしょう。
高域の広がりや小型スピーカーとは思えない華やかさを求めるならiLoud Micro Monitor。
中低域の解像度やフラットさを重視し、DTMで音のバランスを判断するなら、個人的にはD3Vの方が好みです。
ADAM Audio D3Vのメリット
D3Vは音質だけでなく、USB-C接続やコンパクトなサイズ、設置環境に合わせたDSP補正など、デスクトップで使いやすい機能が充実しています。
特に「できるだけシンプルな環境でDTMをしたい」「大きなモニタースピーカーを置くスペースがない」という人には使いやすい仕様です。
USB-CでMac・PCと直接接続できる
D3VはUSB-Cによるデジタル入力に対応しており、MacやPCと直接接続して音を出せます。
オーディオインターフェイスを経由せずに接続できるため、再生を中心とした環境ならMac・PCとD3Vだけという非常にシンプルな構成にできます。
USB-C接続ではDA変換もD3V側で行われるため、オーディオインターフェイスによる音質の違いを気にする必要がないのもメリットです。
ただし、D3Vがオーディオインターフェイスの代わりになるわけではありません。
マイクやギターを録音したい場合や、複数の入出力を使いたい場合にはオーディオインターフェイスが必要です。
「録音はしないので、できるだけ機材を減らしたい」というDTM環境では、USB-C接続はD3Vならではの大きなメリットになります。
コンパクトでデスクに設置しやすい
D3Vは3.5インチウーファーを採用したコンパクトなモニタースピーカーです。
5インチや7インチクラスのモニタースピーカーでは設置が難しいデスクでも置きやすく、ディスプレイ横のスペースを圧迫しにくいのがメリットです。
特に自宅DTMでは、スピーカーそのものの性能だけでなく、適切な位置に設置できるかどうかも重要です。
大きなスピーカーを無理に置くよりも、D3Vを適切な位置と距離で設置できる環境なら、コンパクトさそのものがモニター環境を作るうえでの強みになります。
DSPで設置環境に合わせて音を補正できる
D3Vには、設置場所やリスニング環境に合わせて音を調整できるDSP機能が搭載されています。
デスクトップでモニタースピーカーを使用すると、壁との距離や机からの反射によって低域や中域の聞こえ方が変化します。
D3VではPOSITION、DESK、ROOMなどの設定を使って、こうした設置環境による影響を補正できます。
もちろん本格的なルーム補正そのものではありませんが、置き場所に合わせてスピーカー側で簡単に調整できるのは、自宅DTMでは便利な機能です。
左右を入れ替えられるので設置の自由度が高い
D3Vは左右のスピーカー配置を切り替えられます。
D3Vは片側のスピーカーにボリュームノブや各種接続が集約されているため、デスクの配置によっては操作しにくくなることがあります。
左右を切り替えられることで、デスクのレイアウトやケーブルの取り回しに合わせて、操作しやすい側へメインスピーカーを配置できます。
細かな機能ですが、限られたスペースで機材を配置することが多いDTM環境では、意外と便利なポイントです。
ADAM Audio D3Vのデメリット・注意点
D3Vはコンパクトながらモニタースピーカーとして完成度の高い製品ですが、購入前に知っておきたい注意点もあります。
特にUSB-C接続時の解像度や低域の再生範囲は、DTM用途では確認しておきたいポイントです。
USB-C接続は48kHz/16bit
D3VはUSB-CでMacやPCと直接接続できますが、USB-C入力時は48kHz/16bitで動作します。
そのため、96kHzや192kHzなどのハイサンプルレートで制作している場合、その解像度のままD3VへUSB-C出力することはできません。
一方、TRSアナログ入力では24bitでAD変換され、内部サンプルレートは48kHzです。
普段44.1kHzや48kHzで制作している場合は大きな問題になりにくいですが、ハイサンプルレート環境を重視する人はD3Vの仕様として理解しておく必要があります。
3.5インチなので超低域の確認には限界がある
D3Vは3.5インチウーファーに加えて、左右にパッシブラジエーターを搭載し、公称周波数特性は45Hz〜23.2kHz(-6dB)です。
実際に使ってみても中低域の解像度は高く、サイズから想像する以上に低域を判断しやすいスピーカーだと感じました。
ただし、中低域の解像度が高いことと、超低域まで十分に再生できることは別です。
3.5インチというサイズを考えると、大型モニタースピーカーのように40Hz以下の超低域までしっかり確認したい用途には限界があります。
EDMや映画音楽などサブベースが重要なジャンルでは、ヘッドホンや別のモニター環境と併用して確認した方が安心です。
Bluetoothには対応していない
D3VはUSB-CとバランスTRS入力に対応していますが、Bluetoothには対応していません。
DTMのモニタースピーカーとして使う場合、Bluetoothはレイテンシーや音声圧縮の問題もあるため必須機能ではありません。
しかし、スマートフォンからワイヤレスで音楽を流したいなど、普段使いのデスクトップスピーカーとしての利便性を重視する人にはデメリットになります。
D3Vはワイヤレスで手軽に音楽を楽しむスピーカーというより、有線接続を前提に正確なモニタリングを重視したスピーカーと考えた方がよいでしょう。
ADAM Audio D3Vの接続方法と使い方

D3VはUSB-CとTRSの2種類の入力に対応しています。
MacやPCとUSB-Cで直接接続するシンプルな使い方から、オーディオインターフェイスを経由した一般的なDTM環境まで対応できます。
また、前面のボリュームノブには入力切替や左右チャンネルの入れ替え、ミュート、スタンバイなどの機能が集約されています。
USB-CでMac・PCと接続する

D3VはUSB-CでMacやPCと直接接続できます。
USB-C接続ではD3V自体がオーディオ出力デバイスとして動作するため、音楽再生だけであればオーディオインターフェイスを経由する必要はありません。
機材をできるだけ増やしたくない場合や、ノートPCとD3Vだけでコンパクトな制作環境を作りたい場合には便利です。
ただし、マイクやギターなどを録音するための入力端子は備えていないため、録音を行う場合は別途オーディオインターフェイスが必要です。
TRSでオーディオインターフェイスと接続する
すでにオーディオインターフェイスを使っている場合は、D3V背面の6.35mm TRS入力を使って接続できます。
DTMで一般的な使い方はこちらです。
USB-C接続とTRS接続のどちらが正解というわけではなく、用途によって使い分けるのがおすすめです。
Mac・PCからシンプルに再生したい場合はUSB-C、録音を含む既存のDTM環境に組み込む場合はTRSと考えると分かりやすいでしょう。
USB-CとTRSの入力を切り替える
USB-CとTRSを両方接続している場合は、前面のボリュームノブを2回押すことで入力を切り替えられます。
アナログ入力が選択されている場合はADAM Audioロゴが緑色、USB-C入力では青緑色に点灯するため、現在どちらの入力を使用しているか確認できます。
D3Vの左右を入れ替える
D3Vは左右のチャンネルを簡単に入れ替えられます。
前面のボリュームノブを3回押すと左右チャンネルが反転します。
これにより、ボリュームノブやヘッドホン端子を右側に置きたい場合など、デスク環境に合わせてスピーカーの配置を変更できます。
コンパクトなDTMデスクではケーブルの取り回しや機材配置に制約が出やすいため、左右を自由に変更できるのは便利です。
POSITION・DESK・ROOMで設置環境に合わせて補正する
D3Vの背面には、設置環境による音の変化を補正するためのPOSITION、DESK、ROOMスイッチがあります。
POSITIONは壁との距離などによって増えやすい低域を調整する機能で、400Hz以下を0dB、-3dB、-6dBから選択できます。
DESKはデスクからの反射によって生じる中域の共鳴などを補正する機能です。スピーカーをデスク上に直接置く場合などに使用します。
ROOMは部屋の音響特性に合わせて高域を調整する機能で、6.5kHz以上を0dB、-1.5dB、-3dBから選択できます。
どの設定が正解というものではありません。
まずすべて0dBの状態で聴き、壁際に置いて低域が膨らむならPOSITION、デスクからの反射が気になるならDESK、高域が強く感じられる部屋ならROOMというように、実際の設置環境に合わせて調整するのがおすすめです。
ミュート・スタンバイ・ヘッドホンも前面ノブで操作できる

D3Vの前面ボリュームノブは、音量調整以外にも複数の操作に対応しています。
- 1回押す:ミュート
- 2回押す:USB-C/アナログ入力切替
- 3回押す:左右チャンネル入れ替え
- 2秒長押し:スタンバイ
また、前面のヘッドホン端子にヘッドホンを接続するとスピーカー出力は自動的にミュートされます。
スピーカーとヘッドホンを頻繁に切り替えるDTM環境でも、複雑な操作を必要としないシンプルな設計です。
ADAM Audio D3VとiLoud Micro Monitorを比較

D3Vの購入を検討している人にとって、比較対象になりやすいのがIK MultimediaのiLoud Micro Monitorです。
どちらもデスクに置きやすい小型モニタースピーカーですが、実際に聴き比べると音の方向性はかなり異なります。
| ADAM Audio D3V | iLoud Micro Monitor | |
|---|---|---|
| ウーファー | 3.5インチ | 3インチ |
| ツイーター | D-ART | 3/4インチ・シルクドーム |
| 低域再生 | 45Hz(-6dB) | 45Hz(-10dB) |
| アナログ入力 | バランスTRS | RCA、3.5mm TRS |
| USBオーディオ入力 | 対応 | 非対応 |
| Bluetooth | 非対応 | 対応 |
| ヘッドホン出力 | あり | なし |
| 重量 | ペア3.58kg | ペア1.72kg |
スペックだけを見ると似たカテゴリーの製品ですが、どちらを選ぶべきかはスペック以上に音の方向性と使用目的で判断した方がよいでしょう。
iLoud Micro Monitorは高域の広がり感が印象的
iLoud Micro MonitorとD3Vを比較すると、最初に感じるのが高域の広がり方の違いです。
iLoud Micro Monitorは高域の広がり感が強く、実際のサイズ以上に音場が大きく感じられます。
そのため、初めて聴いたときの**「こんなに小さいスピーカーなのに高音質!」というインパクトは、iLoud Micro Monitorの方が強い**かもしれません。
小型スピーカーでも広がりのある音で音楽を楽しみたい人にとって、このキャラクターは大きな魅力です。
D3Vは中低域の解像度とフラットさが魅力
一方、D3Vで好印象なのが中低域です。
iLoud Micro Monitorと比較すると中低域の再生解像度が高く、全体的にもフラットな印象があります。
D3Vは「小型なのにこんなに鳴る」という派手な驚きより、音のバランスや中低域の状態を確認しやすいモニターらしいサウンドに魅力を感じます。
DTMではキックとベースのバランス、中低域の濁り、各楽器の重なりなどを判断する必要があります。
そのような用途を考えると、個人的にはD3Vの方がモニタースピーカーとして好みです。
接続方法はD3VとiLoud Micro Monitorで大きく異なる
接続方法にも明確な違いがあります。
D3VはUSB-Cによるデジタル接続とバランスTRS入力に対応しています。
MacやPCとUSB-Cで直接接続することも、オーディオインターフェイスからバランス接続することもできるため、DTM環境へ組み込みやすい仕様です。
一方、iLoud Micro MonitorはRCAと3.5mmステレオ入力に加えてBluetoothに対応しています。
そのため、スマートフォンなどからワイヤレスで音楽を再生したい場合はiLoud Micro Monitorの方が便利です。
DTMを中心に有線で使うならD3V、普段の音楽鑑賞も含めてBluetoothの手軽さを重視するならiLoud Micro Monitorという違いがあります。
サイズと持ち運びやすさはiLoud Micro Monitorが有利

どちらも小型ですが、持ち運びやすさではiLoud Micro Monitorが有利です。
iLoud Micro Monitorはペアで約1.72kgなのに対して、D3Vはペアで約3.58kgあります。
D3Vもデスクトップモニターとしては十分コンパクトですが、頻繁に持ち運ぶというより、デスクに常設して使用する方が向いています。
自宅だけでなく出先でも使いたい場合は、より軽量なiLoud Micro Monitorの方が扱いやすいでしょう。
D3VとiLoud Micro Monitorはどちらがおすすめ?
どちらが高音質かというより、何を重視するかで選ぶのがおすすめです。
高域の広がり感があり、小型スピーカーとは思えないスケール感や音楽を聴く楽しさを重視するなら、iLoud Micro Monitor。
一方、中低域の解像度やフラットさを重視し、DTMで音のバランスを判断するためのモニタースピーカーとして使うならD3Vです。
個人的には、DTMのモニタリングを優先するのであればD3Vを選びます。
iLoud Micro Monitorの第一印象の良さも魅力ですが、D3Vは長時間作業しながら音のバランスを確認していく用途で、よりモニターらしい安心感があります。
ADAM Audio D3Vのスペック・サイズ

D3Vは3.5インチウーファーとD-ARTツイーターを搭載した、コンパクトなアクティブモニタースピーカーです。
左右それぞれに2基の3.5インチ・パッシブラジエーターを搭載し、周波数特性は45Hz〜23.2kHz(-6dB)。小型ながら低域までカバーできる設計になっています。
| 項目 | ADAM Audio D3V |
|---|---|
| ウーファー | 3.5インチ アルミニウム |
| ツイーター | D-ART |
| パッシブラジエーター | 3.5インチ×2(各スピーカー) |
| 周波数特性 | 45Hz〜23.2kHz(-6dB) |
| 最大SPL | 97dB SPL(1m/1台) |
| 最大ピークアンプ出力 | 240W(システム合計) |
| アナログ入力 | 6.35mm TRSバランス |
| デジタル入力 | USB-C |
| ヘッドホン出力 | 3.5mm TRS |
| USB-C入力 | 16bit |
| 内部サンプルレート | 48kHz |
| サイズ | 200 × 115 × 150mm(高さ×幅×奥行) |
| スタンド装着時の高さ | 240mm |
| 重量 | ペア3.58kg |
| カラー | ブラック/ホワイト |
D3Vには取り外し可能なデスクトップスタンドが付属し、底面には3/8インチのネジ穴も用意されています。
そのため、デスクへ直接置くだけでなく、対応するスタンドを使って設置することも可能です。
D3Vは2Lペットボトルより一回り小さいサイズ


D3V本体のサイズは高さ200mm、幅115mm、奥行150mmです。
数字だけではイメージしにくいですが、実物を見ると2Lペットボトルより一回り小さく、モニタースピーカーとしてはかなりコンパクトです。
5インチや7インチのモニタースピーカーではディスプレイとの干渉やデスクの奥行きが問題になることがありますが、D3Vなら限られたスペースにも設置しやすくなっています。
付属スタンドを装着すると高さは240mmになり、スピーカーを15°上向きに設置できます。

ツイーターを耳の方向へ向けやすくなるので、デスクへ直接置いて使用する場合にも便利です。
7インチのA7Xと比べるとサイズ差はかなり大きい

7インチウーファーを搭載したADAM Audio A7Xと並べると、D3Vがどれだけコンパクトなのかがよく分かります。
もちろんA7XとD3Vではウーファーサイズや再生能力、想定される用途が異なるため、単純に性能を比較するものではありません。
しかし、自宅DTMで「7インチクラスのモニターを置くスペースはない」という場合、D3Vのコンパクトさは大きなメリットです。
それでいて、実際の音質レビューで触れたように、一聴してADAM Audioらしさを感じられるサウンドに仕上がっている点がD3Vの魅力です。
D3Vの付属品

D3Vには以下のものが付属します。
- D3Vプライマリースピーカー
- D3Vセカンダリースピーカー
- USB-Cケーブル
- USB-A変換アダプター
- 左右スピーカー接続用ケーブル(2m)
- 電源ケーブル
- 電源アダプター
- デスクトップスタンド
- クイックスタートガイド
USB-CケーブルだけでなくUSB-A変換アダプターも付属するため、USB-C端子を搭載していないPCでも接続できます。
D3Vの日本語説明書は公式サイトから確認できる
D3Vの日本語マニュアルはADAM Audio公式サイトからPDFで確認できます。
接続方法、設置方法、前面ノブの操作、DSP設定、ヘッドホンの使用方法などが詳しく説明されているため、購入後に操作方法が分からなくなった場合にも確認できます。
特にUSB-Cから音が出ない場合は、D3Vが入力を自動選択する仕様ではない点に注意してください。
前面ボリュームノブを2回押してUSB-C入力へ切り替え、ADAM Audioロゴがシアン色に点灯していることを確認します。
ADAM Audio D3Vがおすすめな人・おすすめしにくい人
D3Vは「小型だから」という理由だけで選ぶモニタースピーカーではありません。
実際に使ってみると、コンパクトなサイズの中でも中低域の解像度やフラットさを重視しており、省スペースでもDTMで音を判断しやすいモニターが欲しい人に向いている製品だと感じました。
一方で、3.5インチというサイズによる低域の限界やUSB-C接続時の仕様など、用途によっては別のスピーカーを選んだ方がよいケースもあります。
D3Vがおすすめな人
D3Vは次のような人におすすめです。
- コンパクトなDTM用モニターが欲しい
- 中低域の解像度を重視したい
- 派手さよりフラットな音を求めている
- USB-CでMac・PCと直接接続したい
- デスク上のスペースが限られている
- ADAM Audioらしいサウンドが好き
特におすすめしたいのは、5インチや7インチのモニタースピーカーを置くスペースはないものの、DTM用途なので音の判断しやすさは妥協したくない人です。
D3Vは3.5インチというコンパクトなサイズながら、実際に聴くと中低域の輪郭が見えやすく、全体的にもフラットな印象があります。
私はA7Xを長期間使用してきましたが、D3Vでも一聴してADAM Audioらしい品格のあるサウンドを感じられました。
また、USB-CでMacやPCと直接接続できるため、録音を必要としないのであればオーディオインターフェイスを使わず、非常にシンプルなモニター環境を構築できます。
「小さいスピーカーが欲しい」というより、**「小さくてもDTMでしっかり使えるモニタースピーカーが欲しい」**という人にD3Vは向いています。
D3Vをおすすめしにくい人
一方、次のような人にはD3Vをおすすめしにくいです。
- 40Hz以下の超低域までスピーカーだけで確認したい
- Bluetoothでスマートフォンなどと接続したい
- 高域の広がりや華やかな音を最優先したい
- USB-C接続で96kHz以上のハイサンプルレートを扱いたい
D3Vはパッシブラジエーターによって45Hz(-6dB)まで低域を伸ばしていますが、3.5インチの小型モニターである以上、40Hz以下のサブベースまで十分に確認する用途には限界があります。
EDMや映画音楽など超低域の判断が重要な場合は、ヘッドホンやサブウーファーなど別の確認環境を併用した方がよいでしょう。
また、Bluetoothには対応していないため、スマートフォンからワイヤレスで気軽に音楽を再生したい人にはiLoud Micro Monitorなどの方が使いやすい場合があります。
USB-C接続についても注意が必要です。
D3VはMacやPCと直接接続できる便利さがある一方、USB-C入力では48kHz/16bitで動作します。
そのため、96kHzや192kHzの制作環境をその解像度のままUSB-Cでモニタリングしたい人には向いていません。
D3Vはすべての用途を1台でカバーするスピーカーではなく、コンパクトなDTM環境で中低域の解像度とフラットさを重視する人に強くおすすめできるモニタースピーカーです。
ADAM Audio D3Vのよくある質問
よくある質問をまとめました
- ADAM Audio D3VはBluetoothに対応していますか?
-
いいえ。D3VはBluetoothには対応していません。
接続方法はUSB-Cまたは6.35mm TRSバランス入力です。
スマートフォンなどからBluetoothで手軽に音楽を再生したい場合は不便ですが、DTMのモニタリングでは遅延や音声圧縮を避けられる有線接続が基本となるため、大きな問題にはなりにくいでしょう。
Bluetoothが必要な場合は、対応しているiLoud Micro Monitorなどが比較候補になります。
- D3Vはオーディオインターフェイスなしでも使えますか?
-
はい。D3VはUSB-CでMacやPCと直接接続できるため、音楽再生やDTMのモニタリングだけであればオーディオインターフェイスなしでも使用できます。
ただし、D3Vにはマイクやギターを録音するための入力機能はありません。
ボーカルや楽器を録音する場合は、別途オーディオインターフェイスが必要です。
- D3VのUSB-C接続は何bit/何kHzですか?
-
D3VのUSB-C入力は48kHz/16bitで動作します。
そのため、96kHzや192kHzのプロジェクトをその解像度のままUSB-C経由で再生することはできません。
ハイサンプルレートでの制作を重視する場合は、この仕様を購入前に確認しておきましょう。
- D3Vで音が出ない場合はどうすればよいですか?
-
まずD3Vで正しい入力が選択されているか確認してください。
D3VはUSB-Cとアナログ入力を自動的に切り替える仕様ではありません。
前面のボリュームノブを2回押すとUSB-Cとアナログ入力を切り替えられます。
USB-C入力を使用する場合はADAM Audioロゴがシアン色、アナログ入力では緑色に点灯します。
USB-C接続の場合は、MacやPC側のオーディオ出力先としてD3Vが選択されているかも確認してください。
ADAM Audio D3Vレビューまとめ
ADAM Audio D3Vを実際に使ってみて感じたのは、3.5インチというコンパクトなサイズでも、ADAM Audioらしい品格のあるサウンドをしっかり感じられるモニタースピーカーだということです。
私はA7Xを長期間使用してきましたが、ウーファーやツイーターの仕様が異なるD3Vでも、一聴してADAM Audioらしい音の方向性を感じられました。
特に印象的だったのが中低域の再生解像度です。
小型スピーカーだからといって低域を必要以上に強調するのではなく、中低域の輪郭が見えやすく、全体的にもフラットな印象があります。
iLoud Micro Monitorと比較すると、高域の広がり感や「このサイズなのに高音質!」という第一印象ではiLoud Micro Monitorの方が強く感じるかもしれません。
一方、中低域の解像度やフラットさを重視し、DTMで音のバランスを判断するのであれば、個人的にはD3Vの方が好みです。
USB-CでMacやPCと直接接続でき、DSPによる設置環境への補正にも対応しているため、限られたデスクスペースでもシンプルなモニター環境を構築できます。
もちろん、3.5インチなので超低域の確認には限界がありますし、Bluetoothにも対応していません。
それでも、
「大きなモニタースピーカーを置くスペースはない。でも、DTMで使う以上は音をきちんと判断できるスピーカーが欲しい」
という人にとって、D3Vは非常に魅力的な選択肢です。
小型化してもADAM Audioらしさを失わず、DTMで重要な中低域の見通しとフラットさを備えている。
そこが、実際にD3Vを使ってみて感じた最大の魅力です。
