DTMに必要不可欠な打ち込み音源、ここでは打ち込み音源とはなにか?選ぶ場合はどう選べばいいのか?おすすめがしりたい人にわかりやすく解説しています。
DTM(打ち込み)音源とは
DTM(打ち込み)音源とは2つの解釈が可能な言葉です。
音楽制作の過程で使われたツールとしてのもの
音楽制作の過程とはDTMで作曲をするときに使用する音源のことをDTM音源といいます。DTM音源以外にも次のような呼び方もします。
ソフト音源
ソフトウェア音源
打ち込み音源
打ち込み音源にはドラム音源、ギター音源、ベース音源、ソフトシンセ音源、ストリングス音源、マルチ音源等にカテゴリ分けされています。これらを一つにまとめたものが「マルチ音源(総合音源ともいいます)」と呼ばれるものです。
マルチ音源は一つの音源で上記に紹介したすべての音源が収録されているので便利な音源ではありますが、単品でリリースされちている音源と比べるとクオリティの面ではやや劣ります。
特にギターやベース、ストリングスなどの音源は演奏奏法によるリアリティの影響が強いので、クオリティの高い打ち込みを目指すのであれば単品の音源を購入するのがオススメです。
打ち込み音源自体を使って作られた音楽そのもの
例えば、カラオケ用の音源データは生演奏等で再現していないのであれば、「打ち込み音源」とカテゴライズ可能です。
しかし、「ギターだけは生でそれ以外は打ち込み」というケースやソフトシンセをリアルタイムで演奏したものなど打ち込み音源とそうでない音源の境界は曖昧と言えます。
打ち込みによって作られた音楽は「ダサい」「つまらない」「打ち込みバンドが嫌い」などのネガティブな印象と持っている人もいます。
確かに、拙い打ち込みはスーパーで流れている音楽みたいな印象を受けるものがあります。仮にプロが徹底した打ち込みで人が演奏しているようなグルーヴを再現できたとしても、やはり「打ち込み音楽が好きになれない」という人もいます。
この理由として考えられるのは電子音(シンセサイザー特有の音)などが使われすぎためために耳への刺激が強いため、どうしても馴染めないところから、打ち込み音楽は好きになれないという人がいるのものだと考えられます。
英語で「打ち込み」を何というか?
DTMはデスクトップミュージックの略ですが、これは和製英語的なもので海外では通用しません。海外でDTMと言われると車レースの「DTM」が一般的です。
DTMを英語で表現する場合 近いのは「computer Music」です。しかし、これを日本のDTMと同じとするのは少しニュアンスが違います。DTMは宅録的なニュアンスがあります。
その場合世界では「部屋の中で音楽を完結するという」ベッドルームプロデューサーと呼ばれています。さらにそこから生まれた音楽は「ベッドルームポップ」や「ベッドルームミュージック」と呼ばれています。
ベッドルームミュージックには特定のジャンルを表したものではないので、どんなジャンルであっても日本のDTM的に作られた音楽は「ベッドルームミュージック」と呼ばれますが、世界で多いのはChill系やヒップホップ、シンセウェイブなど打ち込み技術で作られた音楽に使われています
打ち込みとはデータの入力をすることなので英語では「Programming」と呼ばれます。
ちなみに、音楽制作のことはcomposing musicと言います。ではなぜ作曲をComposeと呼ぶのかについて気になるかたはこちらの記事が参考になります。
またバンドの中にはパソコンで打ち込んだデータと合わせて演奏する「同期演奏」というものがあります。この動機演奏も「打ち込み音楽 嫌い」の文脈で語れる部分でもあります。コンピューターに合わせることから音楽の窮屈さみたいなものを感じる取っている人がいるのかもしれません。
その同期演奏ですが、こちらは英語でいうと「Synchronization」略して「シンク」と言います。水泳のシンクロはみんなで合わせるという意味合いがあるのでイメージしやすいのではないでしょうか?
VST iについて
DAWの中で使うのがVST プラグインです。(Logic Proの場合はAU(オーディオユニット))という規格です。
ここでは音源に該当するVST iについて解説していきます。上記でも軽く説明していますが、VST iの主な特徴は音色を奏でられる楽器をソフト化したものをソフト音源(ソフトウェア)と呼びます。
VSTプラグインの中のカテゴリVST iはこのようにカテゴライズすることが可能です。
ハードシンセモジュールの名残をうけて複数の楽器を搭載している音源をマルチシンセと呼びますが、最近では独立したシンセエンジン等を搭載しているものも見受けられます。今マルチ音源を正しく表現するのであれば「マルチシンセシス音源)と呼ぶのが適切かもしれません。
- Falcon
- Avenger
- Omnisphere
- Equator2
DTMソフトの中でもソフト音源は選ぶ楽しさ、使う楽しさ、など色々な楽しみがあります。ソフト音源(VST i)の種類は主に次の8種類に分類されます。
- ドラム音源
- バーチャルアナログ音源(シンセ音源)
- ウェーブテーブル音源
- FM音源
- マルチ音源
- オーケストラ音源
- エスニック音源
- キーボード音源
※音源の中にはスタンドアロン(DAWを起動する必要がない)タイプのものも多くあります。
ドラム音源
ドラム音源にはアコースティックドラムとエレクトリックドラムに分けられており、ポップスやロック、メタルにはアコースティックドラム音源、EDM系やシンセウェイブなどはエレクトリックドラム音源がよく使われます。
アコースティックドラムでダントツに使いやすくクオリティの面でも申し分ないのが、ToontrackのEZ DRUMMER 3です。
最新の音源だけあって作り込み度が高く、音作りに苦手な人であってもただ鳴らすだけでかっこいいドラムサウンドがすぐにでてきます。
EZ DRUMMER 3以外にも個性豊かな多くのドラム音源があるので、自分にぴったりのドラム音源を見つけたい方はこちらの記事を参考にしてください。
ギター音源
ギター音源はアコースティックギターとエレクトリックギターの2つのタイプがあります。エレクトリックギターはポップス、ロック、メタル、など幅広く使われ、オーバドライブ(歪み)やコーラスなどでの多彩な音作りが楽しめます。
アコースティックギターはポップスを始め、フォークや、弾き語りではかかせない楽器です。
最初にもお伝えした通り、ギター音源はDAWに最初付属しているギター音源では再現しきれないほど多くの演奏情報を含んでいます。なので「DAWについてるロックギターという名前の音を使っても全然イメージする音と違う」というときは単品でリリースされているギター音源を購入するのがよいでしょう。
個人的にはDTM初心者が一番最初に買うべき有料音源だと思っています。
ベース音源
ベース音源は一見地味に感じる音源ですが、これもまた単品でリリースされているものを一度も聞けばそのクオリティと存在感に驚くものです。
楽興のボトムをしっかりと支えるとそれだけ楽曲のクオリティは3割増しになるほどです。
ベース音源ではポップスやロックなどでよく使われるエレクトリックベースと、ジャズやオーケストラ等で使われるアコースティックベースの2つが基本です。
エスニックワールド音源
和風系の音楽を作りたい!またはエスニックな雰囲気の曲を作りたいとなると、外せないのがワールド音源と呼ばれる世界中の民族楽器を集めたもエスニック音源です。
三味線や琴、さらにはアニメのサントラ系でよく使われるブルガリアンボイスなど、これでしか出せない音源の代表とも言えます。
ソフトシンセ音源
ソフトシンセ音源は発音方式で大まかに種類が別れます。
倍音加算方式 | FM音源 | ||
倍音減算方式 | アナログシンセモデリング音源 | ||
ウェーブテーブル方式 | EDM系に強い音源 |
最近主流なのはウェーブテーブル方式になりSERUMと呼ばれるソフトシンセはプロがもっとも多様するソフトシンセの一つにと言われています。
ピアノ音源
ピアノ音源は最もオーソドックスな音源ですが、打ち込み音源の中ではもっとも種類が多い音源です。「ピアノなんてどれも同じ」と最初は思ってしまうかもしれませんが、ピアノの音の深さを知るとどうしてもこの曲では「スタンウェイのピアノを使いたい」という欲望が出てきます。
ストリングス音源
ギター、ベース、に続いてもっとも音源自体が持つクオリティに左右されるのがストリングス音源です。
ストリングスは主にバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、などの複数の弦楽器が集まった状態の音源を示す言葉です。
マルチ音源と比較して細かいニュアンスや奏法が多く収録されていて打ち込み時に重要な要素となります。
マルチ音源
ピアノやギター、ベースにソフトシンセ、あらゆる音源をまんべんなく集めたものをマルチ音源と呼びますが、それ以外にも複雑な音色を網羅したものもマルチ音源と呼びます。
クオリティの面では単品でリリースされている音源にかなわないとお伝えしましたが、すぐにそれらしい音源を呼び出せるので逆を言えばスピーディーに作曲に取りかかれるのがメリットです。