DTM初心者初めてのソフトシンセ購入はSerumとsylenth1どっちがいい?

DTMをやっていると付属の音源だけでは物足りなくなってくることがあります。そこで「何かよい音源はないかなー」と探しはじめるとsylenth1とSerumの名前がよく出てきます。

  • 「LennarDigitalのsylenth1は軽くていいらしい」
  • 「xfer serumのSerumはEDM最強らしい」

両者ともとても人気の高いソフト音源です。しかし、音源購入の大事なポイントは「自分が何をしたいか?どんな曲を作りたいのか?」明確な目的です。これを考えずにとりあえず巷の評判だけを頼りに購入してしまうと用途に合わない可能性があり、使い込むまでに時間がかかってしまうケースがありますし最悪「良いって聞いたから買ったけどよくわからんわ」ということになってしまいます。

なので、今回はそれらの違いを明確にしながらどちらがあなたが望むソフトシンセなのかをチェックしてもらえればと思います。

Serumとsylenth1の違いについて

オシレーター

一番の違いはwavetable方式かシンプルなVAオシレーターです。

sylenth1は基本オシレーター7+ノイズ1の8つのオシレーターで音を作ります・

これに対してSerumは

145種類のオシレーター(wavetable)187種類のノイズオシレータを使って音作りをします。

そして、さらに自分でwavetableを追加することもできます。

これがsylenth1とSerumの一番の違いです。

wavetableオシレーターの魅力は時間内で変化していくサウンドです。Serumはこの時間変化のサウンドが非常に得意とします。ワブルベースなどの金属的変化はこのwavetableによる音色よるものです。このことからSerumがEDMに強いと言われている一つの要因です。

sylenth1は純粋なアナログモデリングによるオシレーターで時間的な音色の変化はSerumに比べると弱いです。しかし、アクがなく、非常に素直なシンセ音なのでレイヤーサウンドに適していたり、純粋なアナログモデリング音を追求しやすいソフトシンセとも言われています。

Serumはwavetable

sylenth1はVA(バーチャルアナログ)オシレーター

wavetableは連続する音色変化が得意

Skin

両者とも気分転換的な意味も込めてSkinを交換することができます。Serumはデフォルトでは2つだけですが、ネット上にたくさんのSkinがあるので自分好みの外見にすることができます。sylenth1は7つのSkinを選ぶことができます。

またsylenth1もネット上にたくさんのSkinがあるので自分好みに変更することが可能です。日本ではあまりSkinにこだわるユーザーが少ない感じもしますが、世界ではかなりオリジナリティなSkinを使って創作意欲を高揚させているみたいです。

Skinによる大きな違いはない

エフェクト

Sylenth1は

  1. ARPEG(アルペジオ)
  2. DISTORT(ディストーション)(5タイプ)
  3. PHASER(フェーダー)
  4. CHORUS(コーラス)
  5. EQ(2タイプ)
  6. DELAY
  7. REVERB
  8. COMPRESS

の8種類

Serumは

  1. HYPER-DIMENSION
  2. DISTORTION(14タイプ)
  3. FLANGER
  4. PHASER
  5. CHORUS
  6. DELAY
  7. COMPRESSOR
  8. REVERB
  9. EQ
  10. FILTER
  11. 10種類となっています。

エフェクトによる負荷はあまり変わりません。基本オーソドックスなエフェクトですが、ユニークなのはSerumのHYPER-DIMENSIONです。これはSuperSaw的なデチューンサウンドを作れるコーラスエフェクトです。ただ普通のコーラスと違ってナチュラルなサウンドの広がりが得られるので「アクが強くないコーラスサウンドがほしい」という的に重宝します。

sylenth1はエフェクトの中にアルペジエーターが存在します。シンプルな上下系からランダム、コードによるゲート的なものまであります。

一方、Serumはエフェクトの中にアルペジエーターはありません。実はSerumには「アルペジエーター」という機能がありません。その代わりモジュレーションソースであるLFOを使ってアルペジエーターを自分で作ります。

おそらく「気軽にかっこいいアルペジエーター」をSerumに期待すると「えーめんどくさいよー」となってしまうかもしれません。その代わりかなり複雑なアルペジエーターを作ることができるので、ただ上下するだけのアルペジエーターには興味がない人は楽しめるかもしれません。

Serumにはアルペジエーターはない(自分で作ることができる)

sylenth1には10のアルペジエーターがエフェクトとして内蔵している

イニシャライズ機能

まっさらな状態から作ることができる機能です。「まっさらな状態」とはSAW波形だけが選択された状態でエンベロープやフィルターなども何も設定されていない状態のことです。私は常日頃からソフトシンセで音作りをするためにはこの音を一発でイニシャライズできる必要があると思っています。

これがあると

  • 「もともとの波形はどんな波形なのか?」
  • 「フィルターのかかり具合はどんな感じか?」
  • 「エフェクトやモジュレーション系は?」

という感じで構成されている音の要素を細かく見ていくことができます。これがないと自分ですべてのパラメーターを0にしたファイルを作らなければいけないのでイニシャライズ機能は絶対ソフト音源には必須です。そしてこの機能はSerum、sylenth1両方についています。ボタン一つでまっさらな状態から音作りができます。

プリセットをまっさらな無加工状態にしてくれるイニシャライズ機能は両方についている

両者の負荷について

よく「sylenth1は軽い」と言われます。ただこの軽さも客観的な視点で見れば「何をもって軽い重い」とするかによって評価が分かれるところです。「負荷の高い処理ができない音源」という見方ができます。負荷が高い処理できる音源=良い音源というわけではありませんが、一概に「軽いから良い」「重いから悪い」という見方をすると自分にとっての適切な取捨選択ができなくなります。ちなみにこちらはSerumのデフォルトの状態でのドミソの三和音を押した状態です。

一方、こちらはSylenth1で同じ状況にした場合です

ほぼかわりません。しかし、「デフォルト」の状態でシンセを使うことはあまりないと思います。少し話はそれますが、wavesから発売されているElementというソフトシンセがあります。VA方式のソフト音源ですが、その中に「CPU Killer」というプリセットがありそれがとてつもない高負荷なのです。

おそらくソフトシンセのプリセットの中でも5本の指に入るほどなので、気になる人はwavesのElemntをデモで試してみるのもいいかもしれません。ちなみにそのElementを使ってDAWの負荷チェックを行った記事がこちらになるので興味がある人は一度ご覧いただければと思います。

5つのDAWを比較してわかったCPU使用率が1番軽いDAWはどれ?

ソフトシンセの負荷のかかり方はそれぞれですが、ユニゾンをしていくことで負荷が高くなる傾向にあります。ユニゾンモードでは「SuperSaw」などの派手な音色を作るのに向いています。次にそのユニゾンモードを増やして負荷チェックをしてみます。

Sylenth1でユニゾン8ボイスモードで10音同時に発音させた状態です。あまりこういう使い方はしませんが、ユニゾンモードによる負荷でもこの程度です。

ではSylenth1と同じ状況をSerumで再現すると以下のようになります。

これもほぼ変わりません。もちろんここからフィルタリングやらエフェクトやらで音をより作り込んでいと負荷は変わってくるかもしれませんが、「Sylenth1は軽いシンセだ」という結論にはなりません。

それぞれの負荷はそれほど変わらないが音色によって差はでてくる可能性がある

フィルター

Serumはフィルターの種類が50種類近くから選べます。また、エフェクターの中にもフィルターがあり、それを同時に使うことができます。

sylenth1のフィルターはオーソドックスな4種類です。

ただ数が多いから良いというわけではありません。おそらくこれらの中から自分好みのフィルターを選んで使うことになると思います。それらは集約すると基本である4種類に行き着くケースが多いです。

Serumの方がフィルターの種類が多いが基本の4種類があれば問題もない

モジュレーションマトリクス

見た目は似ていますが、LFOの数がSerumでは4とsylenth1では2つとなっています。しかし、Serumではそれらをアルペジエーターとして使うケースもあるのでSerumの方が数が多いという見方は一概にできません。またエンベロープであるADSRもsylenth1は標準で一つは実装されていてMOD EVE1.2でフィルターや他のパラメーターをADSR化するマルチエンベロープとして使います。

Serumの場合はENV1は通常のボリューム変化によるADSRとして使うのでマルチエンベローブとして2と3を使って音作りをすることになります。つまりSerumとsylenth1のモジュレーションマトリクスの数の違いはそれほどないと言えます。

マトリクスモジュレーションの差はほぼない

値段の差

Sylenth1は€139

日本円で16,693円です。

購入の仕方はオフィシャルサイトでの購入になります。また購入方法ですがserum 月々の分割が可能です。およそ15ヶ月の間月額€9.95 (1,195円)を払うだけで使えます。また途中でやめることも可能なので、一ヶ月使い込んで「やっぱり必要ない」と思えば支払いをキャンセルできますですが、払った金額分が戻ってくるわけではないので注意が必要です

Serumは20,614円です。

こちらは日本の代理店等で購入もできるので、楽天などのポイントを持っている人は支払いにポイントを割り当てられるので安く購入できるかもしれません。

またpluginboutiqueで購入するとバーチャルキャッシュがもらえるので次回他のプラグインを買うときに幾分安くできたりもします。

Music Software Bundles from Pluginboutique.com

またSerumもspliceというサイトで購入するとsylenth1と同じように分割購入できます。こちらも支払い金額は月々9.99ドルおよそ1000円で18ヶ月感の支払いになります。もちろんこちらも「途中で購入をキャンセル」も可能です。

基本的にSerumもsylenth1もセールはしないので、ほしいと思ったときが買い時と言えます。

両方とも分割が可能。sylenth1は日本の代理店で売っていない

拡張サンプルパック

Serumもsylenth1も有料、無料を含めて大量のプリセット集があります。sylenth1に使える38000のプリセットが無料で手に入るサイト

https://www.mpcindia.co/download-sylenth1-presets/

Serumとsylenth1の無料プリセット

https://cymatics.fm/2015/09/10/ultimate-list-free-serum-presets/?mc_cid=cb4e46c167&mc_eid=fa5189a545

2000オーバーのサンプル及びSerum及びMassiveのプリセット

https://www.ghosthack.de/free_sample_packs/

しかし闇雲にプリセットを増やすのは音の管理ができなくなる部分もあるので、注意が必要です。ちなみにバンクは128のプリセットから成り立つのですが、上記サイトの38,000の中にはイニシャライズのままのプリセットも多く実際作り込まれている音は38,000もありません。

さいごに

もしSerumとSylenth1のほしい理由がSupsesawだけならば両方のシンセは必要ないと思います。今ではDAWに付属しているソフトシンセでもSuperSawは簡単に出せます。特にLogicユーザーであれば「Alchemy」があればsylenth1は必要ないかもしれないです。さてDTM初心者であれば機能がたくさんあれば良いシンセだと思ってしまうかもしれません。たしかに取捨選択するための情報があまりない状態ではそうなってしまうのも仕方ないかもしれません

しかし、ソフトシンセを買う目的は「それをつかって良い曲を作れるかどうか」です。そこで重要なのは巷の情報を参考にしつつも

「なぜこれを選ぶ必要があるのか?」

「これでないとできないのか?」

こういう客観的な視点をもつことが大切です。でないと買ったはいいもの「やっぱりイメージと違うから…」という理由でDTMプラグイン音源を買い漁れ沼が一直線です。まぁ一度は沼に落ちてみるのもいいかもしれませんが、断言しておきますが、プラグインをどれだけ買い漁っても作曲は上達しませんw

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