DTM初心者から中級者の皆さん、最新のダンスジャンルの制作において、ソフトシンセの操作性や音作りで悩んでいませんか?
理想のビートやドロップを作ることの難しさ、特にドラムパターンやシンセサウンドの精度が求められるこのジャンルでは、サウンドの広がりや存在感が思うように表現できないという課題があります。
Vengeance Sound Avenger 2は、こうした最新のダンスミュージック制作における課題を解決するために最適化されています。
直感的な操作性と先進的な機能を備えたAvenger 2は、初心者でも簡単にプロフェッショナルなサウンドを実現できる強力なツールです。
またAvenger 1からのアップグレードを検討している方にとっては安定性の問題についても気になるところだと思います。この記事では、初めての人にはAvenger 2がいかに現代のダンスミュージック制作の悩みを解決し、音楽制作の新たな地平を開くかを詳しく説明しAVENGER 1のユーザーには気になる安定性について解説します。
- 最新のダンスサウンドに特化したプリセットや音色数の増加
- ソフトが安定するようになった
- プリセット選択時に自動でサウンド再生してくれる
- フィルターやエフェクトの増加
- 期間限定50ドルオフのセール
- エフェクト選択の方式が少し分かりづらい
Avenger 2 概要
メーカー | Vengeance Sound |
製品名 | Avenger 2 |
特徴 | サウンドのスペクトル成分を細かく操作できるSpectral Granular モジュール 1500個の新しいドラムループを含むライブラリが付属するドラムループモジュール 250の新しいプリセット、サンプル、ウェーブテーブルを備えたファクトリーライブラリ モジュラースタイルのランダムなメロディー生成を強化するピッチクオンタイザーと ARP ランダマイザー サウンドの表現力を高めるための多彩なエフェクトとリバーブが追加 プリセットのオーディオプレビュー スムーズな60fpsのインターフェイス、安定性とCPU効率の向上、読み込み時間の短縮 |
システム | マック macOS 10.15 以降 (Intel / M1 Apple Silicon 対応) (64 ビットのみ) Intel 2.8 GHz または Apple Silicon 16 GB RAM VST2、VST3、AU、および AAX 準拠のホストが必要 (64 ビットのみ) ウィンドウズ Windows 7 以降 (64 ビットのみ) Intel Core 2.8 GHz (AVX 拡張機能付き) OpenGL 3.2対応GPU 16 GB RAM VST2、VST3、および AAX 準拠のホストが必要 (64 ビットのみ) |
バージョン | v2.0.2 (2023-12-01) |
認証方式 | キーファイル認証 |
認証数 | 3 |
容量 | 197.7MB |
マニュアル | 英語 |
価格 | 273.90ドル→183.70 |
備考 | 豊富でハイクオリティな拡張音源がある 12回の分割払い(分割利息ゼロ円)で購入できる |
「AVENGER 2」は、Vengeance-SoundとKeilwerth Audioによって開発された、非常に強力なシンセサイザーです。
AVENGER 2はEDM系や最新のダンス・ミュージックを制作するために必要なあらゆる機能を有しており、クリエイターのイメージを素早く形にしてくれます。
収録されているプリセットは複雑なアイデアにも対応し、各コンポーネント(オシレーター、LFO、フィルター、エフェクトなど)はタブを通じて簡単に追加や削除が可能です。またジャンル毎に特化した拡張音源vps avenger expansionは世界中のサウンドクリエイターから高く評価されています。
これにより、多くの創造的な方法でサウンドをリンクし調整することができます。さらに、すべての波形はインターフェイス上から直接操作でき、周波数成分(FFT)はモジュレーション・ソースを使用して調整が可能です。また、CPUの使用率は非常に低いため、効率的に使用できます。
AVENGER 2はかんたんにEDM系ジャンルをつくりたいユーザーや、音色の変化に貪欲にこだわり抜きたい人まで幅広いユーザーが「買ってよかった!」「近年の買い物ではこれが最強!」と言いたくなるソフトシンセサイザーです。
Avenger 2 レビュー
近年の流行を強く意識した派手めなダンスサウンド系
このシンセサイザーの主要な特徴を捉えています。Avenger 2は、現代の電子音楽制作に必要な要素を豊富に備えており、特にダンス、エレクトロニカ、EDMジャンルにおいて強みを発揮します。
Avenger 2はその多様な音色、洗練されたエフェクト、高度なモジュレーションオプションを通じて、単にダンスサウンドに限定されず、映画音楽やアンビエントなどのより繊細で深みのある音楽スタイルにも対応しています。
また、ユーザーフレンドリーなインターフェースと柔軟なプリセット管理も、Avenger 2の特徴として重要です。これらの要素は、様々な音楽制作のニーズに対応するためのAvenger 2の多様性と適応性を示しています。
音作りに特化したソフトシンセなので、GUIのパラメーターの多さに少し複雑な印象を持ち「自分のような人にAVENGER 2は宝の持ち腐れなのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、初心者であってもAvenger 2はかんたんに複雑かつクールで聞く人の耳に満足できるクオリティのプリセットが多数用意されています。
その中でも便利なのがSEQUENCEと呼ばれるプリセットでこれには、ドラムパターンとベースとコードと演奏が可能なメロディ音が1つのプリセットに収められています。
このようなトラックを作ろうとすると、ドラムやベース、シーケンスフレーズなど多くのトラックを作らなければいけませんが、Avenger 2ではそれ1つのトラックで完成します。
では実際どのようなことをやっているかというと、以下の画像のようにベースの音程を抑え続けて、あとは適当にメロディを弾くだけ。
非常にシンプルでかんたんにそれっぽいトラックが完成します。このようなSEQUENCEと呼ばれるプリセットが100以上用意されジャンルもEDM系〜HIPHOPなど多くのジャンルをカバーしています。
また、このサウンドにアルペジエーター系のプリセットを足したり、メロディをSuperSaw的な音色で補うと、こんな感じになります。
このデモではメロディを他の音色でユニゾンさせ、空いているところにアルペジエーター的な音色割り当てただけです。なので、初心者でも簡単にプロフェッショナルなサウンドを操れます。
また拡張音源が豊富というか膨大すぎるほどあり、自分がより作りたい!と思う拡張パックを購入すると間違いなくハッピーになれます。実際多くのプロもVPS AVENGER 2の拡張音源を所持している人は多く、「仕事するときには大事な相棒レベル!」と豪語する人もいます。
なので、「EDM系とかやってみたいけれど、理論とか作り方とかわからない」という人にはAVENGER 2があればそれらの悩みはすべて吹き飛んでしまいます。ただ、気をつけたいのは気持ちの良い音質が豊富なため驚くほど時間が溶けていきます。なので触り始めて気がついたら朝になっていたということにならないようには注意したいですね
AVENGER 1と比較
ここではAVENGER 1と2の機能について解説します。
AVENGER 1と比較してわかるのはプリセットや音色数の増加しているのがわかります。膨大なプリセットや音色数を見て「そんなに使うの?」と思う人もいるかもしれませんが、多くの絵の具をもっているとそれだけカラフルな絵が描けるのと同じで「使わないような音色」と思っていたものがあるとき、思いもよらない効果を生み出すことは当たり前のようにあります。
AVENGER 2の音色はそのどれもが使いやすいように考えられている音色ばかりなので、ただ多いだけではなく実用に耐える音がより充実したといえます。
機能 | AVENGER 1 | AVENGER 2 |
---|---|---|
ファクトリープリセット数 | 900以上 | 1180以上 |
ドラムキット数 | 168 | 182 |
ドラムシーケンス数 | 168 | 182 |
ドラムループ数 | 不明 | 1500 |
マルチサンプル数 | 620 | 735 |
特別なサンプル数 | 218 | 230 |
OSC形状数 | 数千 | 867 |
ウェーブテーブル数 | 596 | 610 |
リサンプラーウェーブ数 | 154 | 154 |
グラニュラーサンプル数 | 219 | 243 |
ギターループ数 | 不明 | 55 |
エフェクトタイプ数 | 30種類 | 39 |
フィルタータイプ数 | 47種類 | 56種類 |
最大演奏OSC数 | 1つのノートで最大1000 | 不明 |
ベクタライズされたGUI | 4k対応 | 4k対応 |
アルペジエーター追加数 | 8 | 8 |
アンプモジュール追加数 | 5 | 5 |
フィルターモジュール追加数 | 5 | 5 |
ステップシーケンサー追加数 | 8 | 8 |
シェイパーモジュール追加数 | 5 | 5 |
エンベロープジェネレーター追加数 | 8 | 8 |
サブアウト数 | 16 | 16 |
マクロコントローラー | 4 | 4 |
外部MIDIサポート | あり | あり |
LFO | 5 | 5 |
ユニゾン機能 | V-Saw等 | V-Saw等 |
サンプルのインポート | 可能 | 可能 |
また音質面でも少し触れていますが。これらに加えクオリティの高い拡張音源が多数用意されているので、自分が作りたいと思えるジャンルを強化する目的で拡張音源を購入すればAVENGER 2はより強力な武器となり描きたい世界観をより強固なものにしてくれます。
リアルタイムにアルペジエーターをMIDIデータとして書き出せる
AVENGER2にはモチベーション&創作意欲を激刺激してくれるアルペジエーターが数多く搭載されています。しかし、中には「このアルペジエーターを他のソフトシンセ音源で鳴らしてみたい!」」という人もいると思います。
そういえば、Xにも動画をアップできるのでは…ということでテストを兼ねて。。。
— DAW LESSON (@dawlesson) November 25, 2023
VPS Avenger 2のアルペジエーターですが、VST環境だとMIDIデータとしてDAWソフトに取り込むことができちゃいます! pic.twitter.com/OVyBrru77d
残念なことにAU環境(Logic)では使用できません。今後のアップデートに期待したいところです。
PCのキーボードでプリセット変更可能
AVENGER 2に限らずソフトシンセでこれができないとつらい!と思うのがプリセットの高速切替です。プリセットウィンドウから次のプリセットを選んでダブルクリックというのはストレスですよね。AVENGER 2ではPCキーボードの矢印ボタンを使うことで上下に移動させ、右ボタンを押すと選択したプリセットが読み込まれます。
これで高速でプリセットを切り替えることでプリセットの概要を素早く確認し、好みのプリセットを見つけられるようになります。
また、好みのプリセットを見つけたらFAVと書かれている部分をクリックすることで星マークが出現しそれを点灯させることで好みのプリセットを見つけやすくなります。
プリセット選択などはかんたんな操作性ですが、個人的に「これは迷う人がいるのでは?」と思うのがエフェクトの選択方法です。エフェクトは1つのエフェクトにつき最大で8つまで組み込めるようになっています。このあたりはDAWのプラグインスロットと同じように考えても大丈夫です。
ただ、そのエフェクトを呼び出す方法がマウスの右クリックになるため少し注意が必要だと感じました。エフェクトに関してはクオリティ種類や豊富さから求める音色をAVENGER 2のエフェクトだけで完成させられます。
AVENGER 1より安定している
AVENGER 1の時代にはライセンスが勝手に外れるなどのバグがありました。実際私もそのバグには泣かされた立場なので、そのように考えている人、それが理由で購入を思いとどまっている人の気持ちはよくわかります。しかしAVENGER 2を触ってしばらく経ちましたが、それらのバグは起こらず、非常に安定度の高いソフトシンセに生まれ変わったのがよくわかります。
SEQUENCEなどの複合的な音色はCPU負荷の高いものも未だにありますが、それでも1の頃比べると抑えられている印象があるので、安定度が懸念材料となっていた人には今回のアップグレードは価値のあるものだと思います。
CPU負荷に関してはDAWによって異なりますが、特定のDAWではCPU負荷逃しをすることでシングルコアCPUにかかる負荷をマルチコアに分散することが可能です。
音源が刺さっていないトラックを選択することでシングルCPUの負荷がマルチコアに分散されることを「CPU負荷逃し」と私が勝手に命名しています。
CPU負荷を効率化させより多くのプラグインを動作させる方法について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
12月15日まで50ドルオフのセール
AVENGER 2通常価格は273.90ドルですが、期間限定で現在50ドルオフの183.70ドルです。この価格帯のソフトシンセでEDMやダンスサウンドに特化したソフトシンセで比較されるのがNEXUS4です。実際多くの人が何が違うのか?という点に悩んでいる人も多いです。
EDM系の音楽を作るならどっちが最適なのかは以下の記事で詳しく解説しています。
基本的に機能面での大きな違いはシンセサイズ(音色エディット)がAVENGER 2の方ができることが多いといのが最大のメリットです。NEXUS4は初代に比べるとできることは増えていますが、基本音を再生することを目的としたサンプラー的な立ち位置であって音を作ることにはそこまで重要視していません。
なので、音色にこだわりたいのであればAVENGER 2の方がよりクリエイティブでオリジナリティの高いサウンドを作ることができます。
PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。
4月の無料特典は
Audiified U78 Saturator または Excite Audio VISION 4X Lit
注意点
- Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外
- Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
- 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
- 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
- 取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
- このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
- この製品のコピーを別の製品と交換することはできません。
- この製品のコピーを再販することはできません。
- このプロモーションでは、製品の 1 コピーを請求する資格があります。
- 1 回の取引につき 1 つの無料製品のみを請求できますが、複数の無料ギフトの場合は、すべての無料ギフトを取得するまで個別のトランザクションでこのオファーを引き換えることができます。
U78 Saturatorについてはこちらで詳細を確認できます。
PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!
Avenger 2に関するFAQ
ここでは使ってみて気がついたわかったことをFAQ方式でまとめています。
- Avenger 2とAvenger 1.8.7は共存させられますか?
-
不可能です。2をインストールすると1.8.7は自動で2に置き換わります。ただ、プリセットはバージョンごとに分けられているので、とくに問題なく使用できます。
- 認証方式はなんですか?
-
キーファイルを用いてアクティベーションを行います。これにより、コンピュータ上で3つのアクティベーションが可能になり、ユーザーはAvengerのアカウントページからこれらをアクティベートまたは非アクティベートすることができます。
- 2にアップデートするメリットは?
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CPU負荷と安定性が向上しているので1のときに「ライセンスが外れた!もういい!」というようなストレスから開放されます。
- NEXUS4とAvenger 2はどちらがおすすめ?
-
拡張音源はまったく同じものなので、その部分は心配はいりません。AVENGER 2はNEXUS4と比べるとできることが多いため、CPU負荷が少し高くなります。拘った音作りをしない、多少他人と音色が被っても気にしない、軽さを求めたい!という人はNEXUS4がよいかもしれません。
まとめ
AVENGER 2はEDMやダンス系に強いソフトシンセです。1のときに感じた不具合や安定性の悪さは解消されたので、その部分だけでも1ユーザーの人はアップデートする価値があります。
また、地味ながらプリセットを自動再生してくれる機能も搭載されたため、プリセットの傾向を確認しやすくなったのもすばらしいです。
所持していない人におすすめするポイントしてはやはりプリセットの音質の良さです。SEQUENCEプリセットを指一本で演奏するだけで自分の創作モチベーションが刺激され、そこから自分のオリジナル曲を作るきっかけにもなります。
また、音色エディットの内容が豊富なため、「もう少しこの部分のモジュレーション効果が大きかったら」「フィルターとLFOをより細かく調整して楽曲に合わせたい!」など「エンベロープを他のパラメーターとリンクさせてダイナミックに音色を変化させたい!」などのわがままな要望もAVENGER 2なら問題ありません。
AVENGER 2があれば、ただEDM系の音をかんたんに作れるようになるのではなく、自分がイメージしている世界観をより明確に素早く構築できるようになり、さらに自分では思いもしなかったイマジネーションの可能性を開放してくれます。
「私もはソフトシンセ初心者だから」という不安な気持ちに負けずに好きな気持でAVENGER 2を触ってみてください。これがあれば自分の好きな気持ちに真正面から向き合って楽しい創作世界に一歩踏み出してください。