音楽制作はあなたの創造性と情熱の現れであり、常に限界へ挑戦していくプロセスです。
しかし、時折、あなたの現在のツールがあなたの可能性を制限しているように感じることはありませんか?たった1つのツールとの出会いがあなたの可能性を一気に開花させるきっかけになります。
その手助けになる可能性があるのが、今回紹介するバーチャルソフトシンセのD16 GroupのLUSH-2です。
D16 GroupのLUSH-2は高度にフレキシブルなシンセサイザーは、あなたが音楽を通じて自分自身を表現するための新たな道を開くかもしれません。
この記事ではLUSH-2の使い方や、それがあなたの音楽制作にどのような新しい可能性をもたらすかについて詳しく探求します。また前作のLuSH-101との比較もあるので、バージョンアップを考えている人の参考にもなります。
D16 Group LUSH 2 概要
メーカー | D16 Group Audio Software |
製品名 | LUSH 2 |
特徴 | 8 トリックのポニー以上のもの Lush 2 のマルチレイヤー アーキテクチャにより、事実上無限のサウンド デザインの可能性と幅広いアプリケーションへのアクセスが可能 1600 を超えるプリセットが付属 4種類のGUIカラーバリエーション パラメトリック EQ、コンプレッション、 レイヤーごとに 3 つのセンド エフェクトを備えたミキサー |
システム | ウィンドウズ Windows 7 ~ Windows 11 64ビット、32ビット インテル x86 / AMD x86 VST2 / VST3 / AAX 対応アプリケーション マック 10.13 – 13 64ビット インテル x86 / Apple シリコン VST2 / VST3 / AAX / AU 対応アプリケーション |
バージョン | v2.0.0(2023-06-28) |
認証方式 | オーソライズファイル認証 |
認証数 | 制限なし |
容量 | 630.3MB |
マニュアル | 英語のみ |
価格 | 185.90ドル(セール価格97.90ドル) |
備考 | 体験版あり |
D16 Group LUSH 2(以後LUSH 2)は、LuSH-101の後継で、人気のあるRoland SH-101のエミュレーションです。SH-101ローランドの代表的なアナログシンセの1つで温かみとアナログシンセ特有のアタック音が特徴的です。
LUSH 2(101も含めて)ソフトウェアでしかできない機能を多く取り入れ、同時発音数やプリセット、安定性を含めハードウェアでは満足できなかったユーザーでも十分に活用できる内容に仕上がっています。
LUSH 2はLUSH-101で好まれていた機能を引き継ぎながら最新のOS環境等でストレスなく使えるようにバージョンアップしました。
D16 Group LUSH 2 レビュー
それでは具体的なレビューをしていきたいと思います。レビュー内ででの帯の色には次のような意味合いがあるので参考にしてください。
- 青帯はメリット
- 赤帯はデメリット
- 緑帯はその中間
音質
アナログシンセに肉薄した温かみがあり馴染みやすい音質
LUSH 2の音質は前作のLuSH-101と比較すると音質的にはあまり大きな違いはありませんが、その僅かなオシレーターの質感の違いは音色にも影響があり、LuSH-101と比較すると、LUSH 2の方が全体的にクリアな印象があります。
またC2のSAW計測で70kHz付近まで出力されハイレゾ環境でも十分に使えます。音質は非常にマイルドでアナログライクな音質といえます。
プリセットだけで2曲ほどデモを作ってみました。
プリセットの出来はLuSH-101のころからよく出来ているものも多く、ファットでありながらクリアな質感が多く、どの音色も使いやすい印象があります。
とくにアタック感はLUSH 2の1つの特徴なのでは?と思うくらい独特の立ち上がりがあり、ドラムやパーカッション系では押しが強いのでLUSH 2でしっかりとしたリズムを組むことが可能です。
また、ループ(シーケンス的)もののプリセットはユニークでありながら使いやすいものが多く、リズムの隠しアクセントとして使えます。
ちなみに私がLuSH-101の中で大好きだったプリセット「Nightrider」はなくなってしまいました。これはショックです
機能性
GUIの変更でテンションアップ!
LUSH 2ではGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)のりサイズにも細かく対応するようになり、液晶画面のサイズに合わせた視認性の良さを最適化できます。またLUSH 2の目玉機能として、GUIのカラーバリエーションが変更できるようになりました。
また、鍵盤だけをカットしたGUIも用意されているのでこれもまた使用する液晶環境に合わせて使うとよいでしょう。
LUSH 2はLuSH-101同様GUIが美しいので私はつい大きめに表示しています。きれいなGUIのソフトシンセはテンションあがりますからね!
インサートエフェクトが2系統に増加
LUSH 2の新機能としてインサーションエフェクトが2系統になりました。私はLuSH-101のVowel Filterがお気に入りなのですが、それと同時にディストーションも良い味を出してくれています。なのでインサートエフェクトが2系統になったのは個人的にはより音作りの幅が広がるので嬉しいです。
それ以外のLuSH-101とLUSH 2の違いは以下の通りです。
LUSH 2 | LuSH-101 | |
インサートエフェクト | 2系統 | 1系統 |
ピッチドリフト | ○ | ✕ |
GUIの変更 | カラーバリエーション4種類 及びサイズ変更 | 簡易なサイズ変更のみ |
クオリティ機能 | リアルタイム時とオフライン時の音質を調整 | ✕ |
マルチアウト数 | 9 | 11 |
ナイトライダープリセット | ✕ | ○ |
各パラメーターはMIDIコントローラーにかんたんにアサインできる
LUSH 2はほぼすべてのパラメーターをMIDIコントローラーの類にかんたんにアサインして使うことができます。
方法はアサインしたパラメーターのうえで右クリックをすると上記の画像のようなウィンドウが開くので、LearnボタンをクリックしてアサインしたいMIDIコントローラーのノブやスライドを動かすだけです。LUSH 2はフィルターのかかり方が気持ち良いので、できればMIDIコントローラー等でグリグリするととても気持ち良い音色変化が楽しめます。
Qualityについての考察
LUSH 2にはオプション機能がいくつか追加されその中にQualityという項目ができました。マニュアルには次のように記載されています。
Quality settings
引用元:D16 Group LUSH 2マニュアルより62Pより
The Quality submenu under Cog icon in upper-left corner allows to choose sound quality for Real-time
or Offline modes.
Quality settings
The higher the quality, the bigger the impact on the CPU
日本語にすると「リアルタイムまたはオフラインモードの音質、またオフラインモードの音質も選択可能」ということであり、品質が高いとCPU負荷も大きくなるというものです。
では、それぞれでどれほどの音質の差があるのかをチェックしてみましたが、イニシャライズプリセットのSAW波形を聴き比べしただけではほとんど差はありません。
そこでスペクトラム・アナライザーを使って192kHz環境で比較したのが次の画像です。
画像を見る限り、ノーマルである白の方が超高域まで音が伸びているのがわかります。これはオフラインバウンスでも同じ結果になりました。
書き出したオーディオファイルを見ると次のような違いがありました。
書き出しのオーディオ波形(タイミング)は別に考えるとしても、ノーマルとハイの違いはどう見ても反対なのでは?と考えてしまいます。またCPU負荷もSAW波形だけではほとんど変わりませんでした。
可能性として考えられるのは、レイヤーによって何かしら効果が出てくるのかもしれません。いずれにせよ、ノーマルとハイの問題については一度メーカーに問い合わせ、新しいことが分かり次第追記します。
操作性
プリセットブラウザはより視認性の高くなり操作性が向上
LuSH-101と比較するとLUSH 2のプリゼットブラウザはタグやカテゴリ、文字の大きさなど大きく進化し、プリセットが格段に選びやすくなりました。
とくにLuSH-101ではマイフェイバリット的な機能としてレーティングがあり星1〜5までをつけることができましたが、ただ星をつけるだけで、それらだけを集めて表示するような機能もないのであまり意味を感じませんでしたが、LUSH 2になってから、ハートマークがつき視認性ががよくなったのも地味ながらに嬉しいアップデートです。
さらにこれも地味なのですが、LuSH-101ではプリセットブラウザを開くためにはプリセット名が表示されている下にあるBROWSEボタンを押す必要がありましたが、LUSH 2からはプリセット名をクリックするとブラウザーが表示されるようになりました。
安定性
LuSH-101とのCPU負荷比較
LuSH-101とLUSH 2の比較です。設定は以下の通り全チャンネル共通の設定です。
使用トラック | 3チャンネル |
同時発音数 | 9 |
ユニゾン | 3 |
SuperSaw | ON |
エフェクト | OFF |
この状態で次のような音符を打ち込みCPU負荷を計測しました。
その結果が次の画像です。
LuSH-101では上記の環境にするとほぼ再生できなかったのに対してLUSH 2はまだ余裕があります。かなりのCPU負荷の効率化ができている状態です。
では次にさきほどのデモソング2のCPU負荷を見てみましょう。
CPU負荷は高いがCPU負荷逃しで対応できる
上記のデモ曲2のCPU負荷です。使用する音色によって負荷は異なりますが、デモ曲2では8トラックのLUSH 2を使用しました。
CPU負荷逃しをしない場合はシングルの負荷が100%になり、ブツブツとなり再生が停止することもありますが、CPU負荷逃しをすることで、マルチコアへの負荷分散が行われ再生が停止することはありませんでした。
音源が刺さっていないトラックを選択することでシングルCPUの負荷がマルチコアに分散されることを「CPU負荷逃し」と私が勝手に命名しています。
CPU負荷を効率化させより多くのプラグインを動作させる方法について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
価格
185.90ドル(セール価格97.90ドル)
100ドル以下で手に入る本格バーチャルアナログソフトシンセ
定価は185.90ドルですが、セール価格で-47%オフの97.90ドルです。独特のSH-101を現代風にリプロダクトした印象のLUSH 2はアナログライクな音質と操作性で自分の求める音色を素早く作り出すことができます。
また、エフェクトの質感も単体レベルで販売していてもおかしくないレベルで、全体としての完成度は高いといえます。
LuSH-101では負荷の高さと私の環境(Monterey)では最新バージョンが使えない(使うとDAWが落ちる)ため使いたくても使えなかったですが、LUSH 2になって負荷の問題、安定性の問題はすべてクリアしました。
またプリセットは最近流行りのKawaii系からEDM、トランス、まで幅広く用意されおり、即戦力レベルです。定価の185.90ドルでは高いという人でも100ドルを切った97.90ドルならばトライしてみる価値はあると思います。
PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。
9月の無料特典はAudiomodern Loopmix Lite または Mastering The Mix の How To Stem Master A Song eBook の無料版
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PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!
D16 Group LUSH 2 に関するFAQ
- ライセンスを他人に譲渡することはできますか?
-
可能です。詳しくはD16 GroupのHPをご確認ください。
- ライセンスに制限はありますか?
-
ありません。1ライセンスで複数のコンピューターで使用可能です。
まとめ
LUSH 2はLuSH-101のと比較するとそこまで機能に大きな差はありません。しかし、LuSH-101使用時に困っていたCPU負荷の高さ、安定性、などが改善されたことで元々使えたソフトシンセがより強固なものになった印象です。
高域の滑らかさに関しては好みが分かれるところもあると思いますが、ハイレゾに特化した他のソフトシンセとはまた違う高域なので逆に使い分けができるのでLUSH 2は十分に活躍できます。
ほぼほぼ不満点はありませんが唯一あるとすれば、プリセットがバージョンアップしたことで私の好きなナイトライダープリセットがなくなりました。
何度もいいますが、ショックです!!これは残してほしかったですね
ちょっと本気系のバーチャルアナログソフトシンセを使ってみたい!という人にオススメです。