DTMをするのにオーディオ・インターフェイスは必ずしも必要ではありません。その理由について詳しく解説しています。DTM入門キットを買う前にこの記事を読むことで自分のスキルにあったコスパの高いDTMライフをスタートできます!
DTMをやるのにオーディオインターフェイスって絶対いるの?なければできないの?
DTMには必要不可欠といわれるオーディオインターフェイスですが、それは正しくはありません。
結論を先に書けば「オーディオインターフェイスがなくてもある程度はDTMはできます」
ポイントはこの「ある程度」ですね。このある程度に自分が当てはまっているかどうかを知るのが重要です。
ここではオーディオインターフェイスの必要性についてお話します。
オーディオインターフェイスがなくても出来る理由

DTMには必要不可欠と言われきたオーディオインターフェイスですが、紅白に出場したYOASOBIのAYASEさんは以下の環境で作り上げていることが話題になっています。
最近DM等で作曲機材は何を使ってますか
的なご質問を多く頂くのでPC↓
・MacBook pro (2010)
ヘッドフォン↓
・audio-technica(ATH-M40x)
DAWソフト↓
・logic pro xだけです。
ご飯食べるテーブルに
PC置いて作ってます。
最低限すぎる質素な環境だけど
やる気さえありゃ
なんとでもなるかな、と pic.twitter.com/LiZCVQyyWK— Ayase (@Ayase_0404) September 2, 2019
このことからオーディオインターフェイスは絶対的に必要な存在ではなくなりました。ですが企業側からするとあまりうれしくないニュースでもあります。なぜなら「DTMスターターキット」として販売している安価なオーディオインターフェイスが売りにくい状況を作り出すからです。
オーディオインターフェイスのメリット
オーディオインターフェイスで得られるメリットは以下の3つです。
- 高音質の再生環境
- 高音質の録音環境
- DSPエフェクトの有無
パソコンだけでも録音、再生、は可能です。それ以上に拘るときにオーディオインターフェイスが必要になってきます。逆にいうと「作曲で音さえ出ればいい」のであればオーディオインターフェイスは必要ありません。
では、パソコンだけで再生するのとオーディオインターフェイスを使った再生ではどう違うのか?それを見ていきたいと思います。
「高音質の再生環境」
結論から言うと、実はパソコン本体にもオーディオインターフェイスは内蔵されています。どういうことかと言うとイヤホンジャックのすぐ近くにマイク入力というものがある場合これがパソコンに内蔵されているオーディオインターフェイスになります。スペック的には「モノラル入力、ステレオ再生」1IN 2OUTという形になります。
まずは音楽の再生に必要なステレオ再生(DA変換)から見ていきましょう。
イヤホンジャックであっても音楽は聴けます。市販のオーディオインターフェイスと比較しても「聞くことができないほどひどい音」というわけではありません。
私が以前勤めていたゲーム会社にはオーディオインターフェイスはありませんでした。ゲーム会社としてイレギュラーな環境ですがパソコンにLogic8と多少のソフト音源、入力用のMIDIキーボードにヘッドホンだけです。
ヘッドホンに変換端子を使ってイヤホン使って音楽を聴きながら音楽を作っていましたw
そしてその環境で楽曲を納品していましたが、社外/社内から音質についてのクオリティを指摘されることは一度もありませんでした。私の友人でCM関係の仕事をしている人もいますが、イヤホンジャックにこちらのスピーカーを使って音を確認していました。
一人で何でもできてしまうのがDTMのメリットでありデメリットでもあります。高いクオリティの音楽を作るには「正しい再生環境をもつべき」かもしれません。しかし、パソコン内蔵の音源だけで作ったものを聴くという環境であればオーディオインターフェイスもつ重要性はありません。
また最近はUSBタイプのヘッドホンがあります。こちらの場合はデジタル端子を使っているのでイヤホンジャックよりノイズも少なくはるかに高音質です。またiPhoneについているUSB変換端子を使えば手持ちのヘッドホンを使うことも可能です。
ただその場合ヘッドホンの多くは「プラグ端子」なのでプラグ端子をミニジャックに変換するためのパーツが必要になります。
これらの環境より優れた再生環境を望む人が「オーディオインターフェイス」の恩恵を受けることになりますが、こ2万クラスのオーディオインターフェイスと同等のものと思って間違いないので、さらに高音質再生環境を手に入れるためには5万以上のクラスのものを必要とします。
「高音質の録音環境」
イヤホンまたはイヤホンジャックに変換できるヘッドホンとピンマイクがあれば再生/録音できます。
最近はイヤホンジャックとマイク入力のパソコンが少なくなりつつありますが、その場合USB端子を使ったデジタル入力楽器で生楽器や歌を録音できます。
有名なところとしては
音質にも問題なく、非常に使いやすいマイクとして定評があります。もはや「オーディオインターフェイスがないと高音質でマイク録音ができない」という時代ではありません。
ただボーカル録音する場合はマイクは吹かれと呼ばれる「ボッ」という息の音が入りやすいので、それらを防ぐポップガードとアコースティックギターを録音する場合はマイクスタンドは必要になります。
「DSPエフェクトの有無」
これは作曲というよりミックス/録音環境の話になります。
DAWを使ってギターやベースにボーカルを録音したい場合、エフェクトをかけながら録音することで演奏しやすい環境を作ることができます。プロの現場ではあまり使用されていませんが、ボーカルにリバーブをかける方法などがわかりやすい例です。
またパソコンのスペックがあまり高くない場合などはVST(Cubaseなどのプラグインフォーマット)AU(LogicProX]のプラグインフォーマット)を使うとパソコンに負荷がかかるケースがあります。
そのようなときにオーディオインターフェイスのエフェクトプラグインを使うことで負荷を弱めるられます。ただ、たとえばWavesといった市販されているプラグインをオーディオインターフェイスのDSP機能を使って負荷を落とす使い方をするのではなく、あくまでオーディオインターフェイスにもとから内蔵されているエフェクトを使用する使い方になります。
では、これらがないとDAWはできない?DTMはストレス環境になるのか?と呼ばれたら決してそんなことはありません。40万〜80万くらいする超プロ用オーディオインターフェイスにはエフェクト機能はついていないのがほとんどです。便利な側面もありますが、そらがなくてもDAW付属のプラグインでプロクオリティのミックスはできます。
録音と再生環境を一緒にしたマイクが人気!
ヘッドホン用にUSB端子1つマイク用にUSB端子を1つ、合計2つのUSB端子を占領することになります。これを回避するためオーディオインターフェイスでもありますが、実はマイクにヘッドホン端子をくっつけてしまったものがあります。それがこちらの商品です。
音の遅延もなく、音質もそれなりに良いと評判のマイクです。
こちらも同じタイプの遅延ゼロのマイクにヘッドホンをさせるタイプです

USBとマイク入力の音の差
マイク入力はアナログ入力です。それに対してUSB入力はデジタル入力になります。デジタルの方がノイズも少なく高音質で取れる傾向あります。傾向という言葉を使うのはUSBはデジタル環境ゆえアナログのノイズ干渉は強いですが、OSレベルで誤作動する可能性があります。なのであまり安いものを買うと上手く動作しないというケースもあります。
音質に関して「10万レベルのオーディオインターフェイスと比較すると音は良くはないです。しかしそれがまったく使えないというレベルのものではありません。
使用環境別オーディオインターフェイス使い分け
初音ミクをするのにオーディオインターフェイスは必要?
初音ミクなどのボーカロイドとDAWの音源やギター音源などを使ってDTMをする場合、正直オーディオインターフェースはなくてもOKです。
再生環境もパソコンのイヤホンジャック及びUSBによるヘッドホンなどで再生はできます。また、生レコーディングによる遅延(音が遅れて聴こえる)などのデメリットもありません。
生バンド系でオーディオインターフェイスを使う場合のスペック
録音環境でオーディオインターフェイスを必要とするのは弾き語りでボーカルとギターを同時に別々のトラックに録音する。バンドのようにたくさんの楽器を一度に同時に録音する場合は入力チャンネルの多いオーディオインターフェイスが必要になります。
バンド録音などの場合は、最低限の録音方法としてドラムにマイク3本(キック、スネア、トップ)ギター1本、ベース1本、ボーカル1本 キーボードああれば1本、合計6〜8本が必要になります。
パソコン内蔵オーディオインターフェイススペックについて
いくら録音できるといっても録音スペックのクオリティが低いとどうにもならない!と思う人はかなりの情報通です。おっしゃるとおりソフトウェアレベルで
どのような音質で録音できるかはOS側のスペックに委ねられます。ちなみにMACの内蔵オーディオインターフェイスのスペックは入力出力ともに24bit/96khzです。

CDのクオリティが16bitの44.1kHzです。そして24bitの96kHzとは最近流行りつつあるハイレゾ環境です。パソコン内部のレコーディング環境はハイレゾ環境に対応しているということになります。
オーディオインターフェイスよりも大切にしたいもの
個人の制作環境がMTRと言われる録音機器からパソコンベースにシフトして、そこからアマチュアでも手が届くほどのリーズナブルな値段で整い出したのはここ数十年の話です。その昔はカセットデッキの録音ボタンをおしてギターと歌を録音して作曲するのが当たり前の時代でしたし、それ以前はピアノと楽譜が当たり前でした。
つまり制作環境ばかりに拘っても曲はいっさい作れないです。(私も機材オタクなので常に自戒を込めてます)
大切なのは今の創作の感情をもっともっとより良い音で作りたい。という気持ちです。そこからすぐに機材に飛びつくのではなく、そこからまた切磋琢磨して頑張ってより良い音を追いかけることこそクリエイティブなDTMライフと言えます。
なので、まずは機材より情熱です。
読み方オーディオインターフェイス オーディオインターフェースどっち?
いきなりですが、質問です。
「オーディオインターフェイス」
「オーディオインターフェース」
どちらが正しいかご存知ですか?正解はどちらも正解です。その昔「カメラCamela」を「キャメラ」と読んでいた人がいる。その程度の読み方の違いでしかありません。
しかし、ネット上では「オーディオインターフェイス」「オーディオインターフェース」のどちらでも検索している人も多いのが現状です。それゆえに「どちらが正しいの?」と思ってしまう人もいますが、あくまで読み方の違いでしか有りません。
まとめ
DTMをはじめるにあたって、
- 「高音質の再生環境」
- 「高音質の録音環境」
- 「DSPエフェクトの有無」
これらの環境を渇望してないのであればオーディオインターフェイスはなくてもDTMはできます。人を感動させる曲を書くのは機材ではなくその人の情熱です。
最初から全部無理してそろえる必要はありません。オーディオインターフェイスがなくてもDTMはできる DAWも動く パソコンにもオーディオインターフェイスはついてる
参考にしてもられば嬉しいです。