最強音質と操作性!Spectrasonics Trilian レビュー

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「ロックな曲を作ったけどいまいちな雰囲気の原因は何?」と思ったらベースを疑ってみるのがよいかもしれません。ベースは曲の土台です。ルートだけを演奏するにしてもその音色1つで楽曲の雰囲気は大きく変わります。

DTM初心者などはベースの音色に拘る人が少ないのですが、それは大きな間違いです。ロックな曲はベースの音色が肝と言っても言い過ぎではないほど重要です。

そこで今日は10年経っても色褪せない総合ベース音源Trilianの紹介とあまり使われることがないTrilianの2つのパラメーターの使い方についてお話します。この2つを使うことでよりベースの存在感が増して肉厚でアグレッシブなベースサウンドを簡単に作ることができます。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
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Trilianとは

発売から10年以上経っても第一線で使えるベース音源としてプロ・アマから熱く支持されているベース総合音源です。

音色は、シンセベースからアコースティックベースにエレキベース(フィンガー、ピック、フレットレス)と幅広く収録されてそのどれもがベースに必要な音圧、音質のクオリティが高く圧倒的な存在感を誇ります。

MODOBASSなどと比べると軽さと操作性の良さに劣る部分もありますが、それでもサンプリングという質感においてはまだまだモデリングベースであるMODOBASSは出音一発の存在感が弱いので、サンプルならではのリアルさがほしいときはTrilianは重宝されます。

Trilianのメリット/デメリット

メリット①贅沢にメモリを使ったアーティキュレーションの数々

メリットはその音色の豊富さと贅沢にメモリを使用したアーティキュレーションの多さです。一番大きいパッチでは2GBを超えるものがあり、そのメモリに恥じないリアルで存在感がある奏法が収録されています。

またシンセはMoogやArpなど往年のアナログシンセから丁寧にサンプリングされたデータを元にしてベース音を作れます。

メリット②2レイヤーサウンドによるハイブリッドサウンド

1つのレイヤーに付き8パートまで音を重ねることができます。それがもう一つあるので現実的な音作りではありませんがAとBのレイヤーを合わせると最大で16レイヤーのベースサウンドをつくることが可能です。

もちろんフルで使う必要はなく、1つのレイヤーに1音色という使い方がオーソドックスになります。例えばレイヤーAはエレキベース。レイヤーBはアナログシンセベースと言ったハイブリッドベースを作ることが可能です。

このような作り方はマルチソフト音源であればさほど珍しいことではありませんが、Trilianはサンプルのクオリティが高いので本当にクオリティの高いハイブリッドサウンドを作ることができます。

メリット③Omnisphere2でも読み込める

Omnisphere2を持っている場合そちらでもTrilianを読み込むことが可能になります。Trilianは2レイヤーですがOmnisphere2は4レイヤーなので最大4レイヤーベースサウンドを作ることも可能ですし、Omnisphere2とのレイヤーベースサウンドも作れます。

デメリット①読み込みに時間がかかる

動画は2.2GBのパッチをCrucial SSD 500GB MX500で読み込ませていいます。だいたい5秒くらいで読み込みが完了しますが、HDDの場合かなりの時間がかかります。

なのでTrilianを使う場合はSSDを使うことを強く推奨します。

デメリット②容量が35GB

35GBのサンプルを誇るので容量の少ないSSDなどでは多少容量が大きいと感じます。増

デメリット③アーティキュレーションの幅が少ない

Trilianを使う場合の一番のデメリットはここかもしれないと思うのがアーティキュレーションです。とくにスライドの速度が一定なのが致命傷です。この辺りはMODOBASSに軍配が上がります。MODOBASSはスライドの時間を細かく調整できます。

Trilianでサウンドの幅を広げる2つのパラメーター

弦の質感をティンバーで変更できる

画像

ティンバーはサンプルの再生速度を変更するためのパラメーターですが、ここをうまく使うことで使い込んだ古い弦のような質感にすることが可能です。それに伴いスタートポイントを変更することでさらにアタック感を調整し太く暖かい音色を作ることが可能です。

このような方法はフィルターLPFを閉じることでサウンドが暗くなることで似たような雰囲気を出すこともできますが、ティンバーを変更する方がより自然な音色変化を得られます。

この方法を使うことで、60年〜70年代のオールドなベースサウンドを表現できるので、質感にこだわりたい方はアンプシミュレーター等を考えるまえに、このパラメーターでの音作りを意識するとよいでしょう。

ただ一つだけ注意点があります。それはティンバーを変えることでサンプルの再生速度が変わるので、グリッドにベタ打ちでは意図しない「後ノリ」「前ノリ」になってしまうので、しっかりと意図とするタイミングをコントロールするようにしましょう。

弦のビビり感をレイヤーで再現する

レイヤーBにベースの高域がよく出ているパッチを選びます。今回はHardcore Funkというスラップ系の音を選びましたが、お好みでよりアタック感が得られるSlap系の音を選ぶのもいいです。

レイヤーBではフィルターにHPFフィルターを使いローカットすることで「弦のビビリ」だけを抽出します。この方法は他のベース音源においても応用がきくのでベースサウンドをもっとアグレッシブにしたい場合には役立つテクニックです。

まとめ

10年以上経っても使える音がお多いベース音源Trilianはモデリングに出来ないサンプルの良さを包括しています。至らない部分や時代的に「もう少しこの部分を…」という機能もありますが、使えるベース音源であることは間違いありません。

もっとゴリゴリに特化したベース音源だとSR5BASS2があり、こちはゴリゴリ言わすことに目的をおいたメタル系のベース音源です。そのクオリティは最近のものだけあって非常にクオリティが高いです。

しかし、トータル的にみると収録音源とコスパを考えるとTrilianは便利で融通がきくベース音源だといえます。めったにセールもやりませんし、セールしても30%オフ以下になることはほぼないです。

アーティキュレーションさえ気にしなければこのベースを音源で作れない音はほぼないといえるほど万能なベース音源です。

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