DTM BUSとAUXの違いと効果的な使い方について説明します

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BusとAuxの違いがイマイチよくわからない人は多いです。「DTM Busって何?」「Auxとって何?」「なんかやってること一緒のような気がするけど違う気もする」この2つってなんかモヤモヤしてしまうんですよね。そこで今日はBusとAuxの違いとその働きについてまとめてみました。この記事さえ読めば「BusとAux違い」に関するモヤモヤとした疑問は解決できます。

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AUXとは?

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iphoneやモバイルスピーカーにも付いているAUX

主にミキシング時によく使われるBUSとAUXについてまずAUXから説明していきたいと思いますが、そのまえに、実はDAWでなくてもAUXについて私達はよくお世話になっていることを気づいてますか?

AUXとはAuxiliary(オグジュアリー)の略で意味としては「予備の」という意味があります。AUXはメインとは違う予備の出力チャンネルである。と考えるとわかりやすいと思います。

モバイルスピーカーなどについているAUX端子は本来メインのスピーカーとは別に出力できる(予備の端子)という意味になります。Iphoneなどのスマフォなどでもスピーカー端子とは別にイヤホン端子、(最近ではLightningの端子)などもいわばスマホについてるスピーカーとは違う出力先、つまり予備の端子になるので、これもAUXといえます。

さて、あらためてDAWのAUXの話になりますが、AUXとはメインアウトへ行く途中で信号を分けて方法です。ではなぜ分ける必要があるのか?という話になりますが、これは後ほど説明させていただきますが、「原音に特別な効果を加え、その効果の音量を調整できる」のがAUXになります。

これだけは一緒に覚えたいプリフェーダーとポストフェーダーの関係

AUXの話をするときにどうしても避けて通れないのがプリフェーダーとポストフェーダーの関係です。私もミキシングに不慣れな頃には「ポスト?手紙出すの?どこに?」みたいなイメージでかなりパニクったことがあり、覚えるまでにかなり時間がかかった記憶があります。

言葉で説明すると次のようになります。

フェーダーの手前で(プリフェーダー)で信号を分岐させて信号の送る量を調節できる専用のボリュームがつているのがAux

詳しくは後述しますが、フェーダーの後ろ(ポストフェーダー)から信号を出力するのがBusです。

ですが、これでもイマイチよく概要がつかめない場合は

  • Auxはメインアウト以外のチャンネルに送る量が決められる
  • Busはメインチャンネル以外のチャンネルに送る量が決められない

まずこの解釈だけ覚えておいいてください。

DAWのAuxの使い方

DAWにおけるAUXも基本「予備のチャンネル」という考え方をそのまま使って大丈夫です。DAWの場合はインストトラック(Inst1)は普段ステレオアウト(メインアウト)につながっています。

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では、このInst1トラックをAUXに送る場合、SendからAUXチャンネル1であるBUS1を選択します。

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こうすることでステレオアウトの1つ手前に予備のチャンネルAUXチャンネルを作ることができました。ちなみに、ソフト音源などで「マルチアウト」ができるものも言ってみればAUXチャンネルといえます。

Auxの使い方やメリットは?

ドライ音とエフェクト音の音量を調整できる

Auxを使ったリバーブ(空間処理)の使い方

Auxにリバーブなどの空間系のエフェクトを使うことでドライな音(元の音)とウェットな音(空間処理された音)のバランスをとることができます。Inst1にリバーブをインサートしてリバーブプラグインの中で「Dry/Wet」の調整をすることで同じことは可能ですが、そうなるとリバーブを使用したいInstトラックすべてにリバーブをインサートすることになります。

リバーブプラグインはクオリティの高いものになるとCPU負荷が高くなるのでCPU負荷軽減のためにもAUXにリバーブを立ち上げて、センドで送る量をコントロールする方が響きに統一感が出るのでその方がクオリティアップにもなります。

他にもAUXを3つ作り、それぞれにプレートリバーブ(Aux1)ルームリバーブ(Aux2)ホールリバーブ(Aux3)などの使い分けをするのもよく使われます。

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この場合、例えばボーカルにはAux1のプレートリバーブ、ドラムにはAux3のホールリバーブを送ったりもします。その場合もセンド量でどれくらい送るのかをきめらるので、キックにはリバーブを送らないけど、スネアは多く送るなどの調整がセンドを使って調整することができます。

重要なのはリバーブやディレイは空間系でステレオチャンネルなのが一般的です。そのためこれはDAWによって変わるかもしれませんが、LogicProXの場合

ステレオAuxチャンネルを作りたいときはBus1をクリックすることでステレオ化します。そしてBusの設定時に必ず1つ飛ばしてチャンネルを設定します。

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こうすることでBus1-2を1つのステレオチャンネルとして認識します。

ちなみにAuxチャンネルがステレオになっているかどうかは

下記のように◯が2つ重なっていればステレオ、◯が1つであればモノラルになります。◯のところをクリックすればステレオ/モノラルの変更ができます。

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Auxを使ったコンプ(パラレルコンプ)の使い方
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パラレルコンプとはコンプをかけていないトラックとかけたトラックをまとめる方法です。コンプをかけるとアタックが潰れていきます。原音のアタック感を残しつつもコンプによる圧縮サウンドも使いたい場合Auxにコンプをつなぐことでそのバランスをとることができます。

最近はわりとよく使われる手法になりコンプの中あでもパラレルコンプできる機能が増えてきましたが、できないものであればAuxチャンネルにコンプを立ち上げることでパラレルコンプを使うことができます。

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このようにコンプの中にParallelsMixできるコンプもあります。

録音時のキューミックスを作る

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レコーディング時にボーカルやプレイヤー専用のミックスをキューミックスといいます。ギター、ドラム、ベース、ボーカル、などそれらを自分でミックスすることで「自分の声が聞こえにくい」「コードがつかみにくいから歌いにくい」「クリックがもう少し欲しい」などそれらをプレイヤーが個別に調整することで最良のテイクを録音することができます。

「ん?普通にミキサーの出力を変えたらダメなの?」と思うかもしれませんがそれをしてしまうとミックスバランスが変わってしまいます。つまりAUX本来の「予備」という意味を生かした ボーカルやプレイヤーためのミキシング環境を整えることで、本来のミックスバランスを崩さないですむのがAUXキューミックスの目的です。

上記の画像の設定ではオーディオインターフェイスにメインアウト以外の出力を必要としている設定になります。

本来であれば、外部ミキサーにMelodyやDrum Chord Clickなどを個別に取り出し、それらを外部ミキサーでまとめるの一般的ですが、それらがない場合などはオーディオインターフェイスにヘッドホンアウトが2つある場合はそちらに送ることで簡易的なキューミックスを作ることができます。

この場合はボーカルやプレイヤーから「もうちょっとクリック大きくしてー」とお願いされたときに、エンジニアがAUXの量をコントロールすることで最適な音量バランスを作ります。

Busとは?

BusとAUXも使っているチャンネルは実は同じです。これがDTMerが混乱する元でもあります最初にもお伝えしたようにAUXはメインアウトの一歩手前に作られた予備のチャンネルです。そこにたどり着くプロセスが違うだけなのです。

  • AUXはセンドによって送る量をコントロールできる
  • Busはセンドがなく送る量は常に一定

これらを踏まえたうでBusのメリットについて考えてみたいと思います。

Busの使い方やメリット

ステムミックスを作る

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一番オーソドックスな使われ方は複数の素材をまとめることにあります。ドラムで言えば、キック、スネア、ハイハット、タム、OH、ROOMなどこれらを2mixにしてしまうのがBusの使い方です。他にも、複数のギターをまとめたり、ベースなどもDIとアンプサウンドをまとめたり、バイオリン、ビオラ、チェロ、などをまとめたりします。

これらのメリットはバランスのとれたトラックをBusトラックで調整できることにあります。ドラム全体にコンプをかけたい場合、全トラックにコンプをかけるよりBusにかけた方がCPU負荷軽減にもつながります。

かけ取りができる

生楽器を録音するときにアンプシミュやプラグインを使って録音しても、録音されたオーディオデータにはそれらのエフェクトプラグインがかかったものではなくドライなサウンドが収録されます。録音の段階でエフェクトプラグインを多用するのには賛否両論はありますが、アンプシミュなどのサウンドはかけても問題はないと思いますし、ボーカルレコーディング時にコンプを使うケースもあります。

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Auxを1つ用意し、そこに録音したいオーディオトラックを入力します。そしてこのAuxにエフェクトをインサートして、録音用のオーディオトラックに出力するすることでプラグインのかけ取りが可能になります。

まとめ

AUXとBUSの違いは送られ方の違いであってチャンネル自体は同じものを使う

AUXは

  • センドで送る量を調節できる(リバーブやパラレルコンプなど原音+効果)
  • 録音時のキューミックスを作れる
  • エフェクトプラグインをまとめることでCPU負荷軽減につなげられる

Busは

  • 送る量は調節できない
  • 素材をまとめる

といった使われ方をします。もちろんこれら以外にもいろいろな使い方があったりもしますが、まずはオーソドックスなAUXとBUSの違いを理解することで理解できていないことへの苦手意識をなくすことで、さらにミックスのクオリティをあげられます。

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