普通の音作りもいいけど、本当に誰もが真似できないような個性的なサウンドを作ってみたい
そんな人にはMCharacterがおすすめです。
MCharacterを使えば「倍音レベル」の音作りが可能で、その音作りの幅はアナログシンセを再現したソフトプラグインが子供に見えるほどです。
でも「そういうのは使い方も大変そう…」と思いますよね。でもこの動画では難しい部分は全部すっ飛ばして効果的な音の変化について説明しています。
MeldaProduction MCharacterとは
MCharacterはマニアックで高機能なプラグインを多数開発しているMeldaProductionが開発した。モノラル楽器の旋律の倍音をコントロールするプラグインです。
倍音って何?
楽器を特徴づける要素です。クラリネットやフルート、ベルなどの音色の違いは倍音の出方の違いという説明も可能です。
またイコライザーで低音の楽器の高域を持ち上げる用途の使い方の多くは倍音を持ち上げる用途に使われることが多いです。
MCharacterの特徴/使い方
少しシンセに詳しい人なら倍音をコントロールするシンセ=FM音源(倍音加算方式)をイメージする人もいるかもしれません。
倍音加算方式で有名ななのはソフトシンセではFM8やDX7 Vなどがあります。これらのソフトシンセは基音であるサイン波に倍音を足していくことで音を作るシンセです。
倍音をコントロールするという点ではMCharacterも似ていますが、MCharacter自体にオシレーターがあるわけではなく、あくまで使用したい音がオシレーターです。
MCharacterは基本「単旋律(メロディ)」に使用するのがメーカーの売りになっていますが、コードに使っても面白い効果が得られます。
クリエイティブな使い方にルールは必要ないので積極的に新しい可能性を見出すことは大切ですよ
MCharacterは3つの機能がメインになる。
倍音のコントロールは、LEVEL、SYNTHESIS NOTESの3つで調整します。
変化の幅は左から倍音列になっています。(倍音列に関しては後述する表を参考にしてください)
LEVELに関しては元の音色の倍音に影響を受けます。サイン波形などではもともと倍音を持っていないので
ここでの増減で変化が起きるのは基音の持ち上げ(一番左)のバーを上下によっておこる音量の変化のみです。
SYNTHESISでは、原音にない倍音を持ち上げることができます。サイン波などではよりその効果がわかりやすいです。
NOTESではノートは、ピッチシフトされた周波数の合成信号の量を制御します。
LEVELとSYNTHESISは基本倍音配列になっているので、倍音の出方を覚えておくとより音作りのイメージの手助けになってくれます。
このタイプのプラグインを使うときのコツは「何がどういう変化をするパラメーターなのか?」という疑問をもつことから始めることで
理解がしやすくなります。
システム環境
Windows
Windows Vista / 7 / 8 / 10 (32-bit or 64-bit)
VST / VST3 / AAX compatible host (32-bit or 64-bit)
Intel/AMD processor with SSE2 support
Mac OS X
- Mac OS X (10.7 and newer, 32-bit or 64-bit)
- VST / VST3 / AU / AAX compatible host (32-bit or 64-bit)
- Intel/AMD processor with SSE2 support
AAX対応なのでProtoolsも安心です。ただ一つ「Intel/AMD processor with SSE2 support 」というみなれない文言がありますが、
SSEは、インテル(Intel)社のマイクロプロセッサ(CPU/MPU)の拡張命令一つであって近年のPCを使っている限りよほど問題にすることはありません。
MCharacterのメリット・デメリット
ドラムやベースにパンチを与えて曲にメリハリを付けられる!
基本周波数。次に、上下に2オクターブあり、1オクターブが強調表示されます。
倍音でオクターブだけを上手に設定すれば、強力なオクターバー/サブハーモニックジェネレーターとして曲のボトムをささえられます。
この場合の設定方法シンプルで、基音足すオクターブの分量と、周辺付近でカットしたい割合と任意で設定するだけです。
たったこれだけでも強烈なボトムを作り出すことが可能です。
もちろん単体でキックに使うのもありですし、スネアを倍音レベルで音作りすることでイコライザーとは違った効果をえることも可能です。
フルートの音がパンフルートにピアノ音がベルになる!
倍音を大きく変化させることでバーチャルアコースティックレベルの音作りが可能になります。
ピアノの倍音をベルサウンドに近くすることで低くすれば学校のチャイムのようなサウンドになり、高く引くとトイピアノのようなサウンドになります。
完全にスムーズに変化するにはもっと調整が必要ですが、これだけの変化を作るのはそれほど難しくはありません。
この動画の倍音量を参考にしてもよいですし、プリセットにも色々な倍音調整のサウンドが入っています。
さらにこれが個人的には驚きもあり、納得もしたところですが、フルートの音色からパンフルートの音色にすることが可能です。
このように倍音構成を変化させることで違った楽器を作り出せるのがMCharacterの魅力です。
フルート系でもっと作り込めば「尺八」系の音も作ることが可能になると思います。
倍音を理解できていないと音の変化が予測しづらい
デメリットというわけではないですが、やはり多少、音色のメカニズムの知識がある方がより使いこなせるエフェクトプラグインであることは間違いありません。
そういう場合は、プリセットを選んでどういう音色の変化があるのかを知ることで、音色に対して倍音の影響を理解できるのでわからない場合はプリセットをしっかりと聴き込むことでMCharacterのみならず、FM音源等の倍音加算方式のシンセサイザーの理解にも役立ちます。
プリセットの保存が少しわかりにくい
プリセットは画面上部の赤く囲っているところをクリックすることで表示されます。
しかし、ぱっとみて自分で作った設定を保存する「SAVE」ボタンが見当たりません。
MCharacterではSAVEではなくAddボタンつまり「追加」という概念で設定を保存します。慣れない間は少し戸惑うかもしれません。
まとめ
MCharacterは
- 強力な倍音加算シンセのエンジン部をエフェクトとして使えるエフェクトプラグイン
- 知識がなくても強烈なサブハーモニックエフェクトとして使用しても効果がある
- 倍音の影響を学べる数少ないエフェクトプラグイン
これらの要素を持っています。
まったくの初心者がMCharacterをつかって思い通りの音色を作れるかと言われるとやはり少しむずかしい部分もありますが、マニアックなサウンドや人とは違う音作りに個性を見出したい人には価値のあるエフェクトプラグインです。
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