Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderレビュー 高品質なアナログサウンドを再現

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Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderは、アナログテープの温かみと豊かなサチュレーションを再現するプラグインです。テープスピードやバイアス調整機能により、音に深みと厚みを加え、プロフェッショナルな仕上がりを実現します。高品質なエミュレーションで、音楽制作に柔らかさと深みをもたらします。

マスターという名前ですが、個別トラックに通してももちろん使えますし個別トラック用のプリセットも用意されています。

CPU負荷は低いので個別トラックからマスタートラックまで多数使用可能です。

かつてアナログテープに触れたことのない世代でも、その豊かなサウンドが心に響くことでしょう。このプラグインは、実機のAmpex ATR-102の特性を徹底的にモデリングしており、テープのサチュレーションとカラフルな周波数特性を完全に再現しています。

価格はリリースセールもあって通常$383.90が現在$42.90で購入できます。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
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Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorder サウンドレビュー

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderのサウンドは、思わずガッツポーズをしたくなるようなテンションがあがるサウンドです。

マスタリングテープという名前なので、マスターに使ってみました。

dry

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderでは音質を変化できるパラメーターがいくつかありますが、音質変化が一番わかりやすいのはテープスピード。こちらは30〜3.75まで変化でき、数値が大きいほど高音質と解釈して大丈夫です。

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tapespeed30
tapespeed15
tapespeed7.5
tapespeed3.75

30はとにかくハイファイというか画角が強い音です。すべての音にピンが合う印章です。マスターからバスチャンネルでどこでも使えます。

ちなみにAmpex ATR-102 Mastering Tape Recorderを使ってみて思ったのはすべて30にする必要はなく、ドラムなどは15の方がハマったりしますし、ローファイ用途ではなく距離感的なアプローチとして7.5や3.75を使うのも面白いです。

機能性および操作性

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorder にはいくつかのパラメーターがあり、一見するだけではわかりにくい部分もあります。ここではおもに音質変化がかんたんに得られて効果がわかりやすい部分について解説します。

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音質を左右するTAPE、CAL、HEADモードについて

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderの各テープにはそれぞれの特徴と用途があります。

GP9は高い録音レベルに対応し、クリアでクリーンな音質を提供します。456はノスタルジックで温かみのある音質が特徴で、ロック音楽に適しています。900はモダンで高音域がクリアです。

AMPEXと書かれたTAPEというボタンをクリック。または名前が書かれた箇所をクリックするとテープのグラフィックが変化します。

(CAL)キャリブレーションレベル+3〜+9まで調整可能です。高すぎる設定するとクリッピングや歪みが発生しやすくなり、録音が不自然に聞こえることがあります。低すぎる設定するとノイズが増え、録音が平坦でパワーが不足することがあります。

個人的にここでの音質変化はキャリブレーションについての知識が求められるため、6dBに設定しておくのがよいでしょう。

HEADモードでは3つのヘッドタイプを変更できます。それらの変更にもどついた音質変化は次のようになります。

ヘッド幅音質の特徴推奨用途
1/4インチ高音質と低ノイズ高音質とクリアな録音を重視する場合に最適
1/2インチバランスの取れた音質中周波数帯域のバランスが良い録音を求める場合に最適
1インチ力強い低音と厚みのあるサウンドパワフルな低音と豊かなサウンドを求める場合に最適

ローエンドをガッツリ出したい場合は1インチにすると肉厚サウンドになります!

SYNC, INPUT, THRU, REPRO の意味と機能

モード機能音質の特徴
SYNC録音ヘッドを再生ヘッドとして使用し、リアルタイムでモニタリングを可能にする周波数特性が正確ではないが、オーバーダビング時の遅延を最小限に抑える
INPUTテープを通さずに機械のエレクトロニクスだけの音を再生テープの影響を受けず、純粋な機械の音が聞ける
THRUプラグインをバイパスし、メーターが動作する状態で信号を通過させるプラグインの影響を受けず、入力信号そのままの音質が得られる
REPRO再生ヘッドからの出力信号を再生高い周波数特性と音質の正確さがあり、マスタリングや高品質な再生に最適

最もおすすめのモードは「REPRO」モードです。REPROモードは、再生ヘッドからの信号を再生するため、最高の周波数特性と音質の正確さを提供します。このため、マスタリングや高品質な再生が求められる場面で最適です​

ATR-102 Mastering Tape Recorder のオーソドックスな使い方

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderの設定がわからない!という人はプリセットを頼るのが良いですが、、オーソドックスな設定方法として次のようなものがあります。

テープフォーミュラ456
HEAD1/4
キャリブレーションレベル:+6dB
AUTO CAL有効にする
REPRO

これらの設定の根拠は次の3つです。

  • テープフォーミュラ456は、広く使用されるテープで、温かみのある音質を提供します。多くのジャンルに対応しやすく、信頼性が高いです。
  • キャリブレーションレベル+6dBは、ノイズフロアを低く保ちつつ、適切なヘッドルームを確保する設定です。多くのレコーディングシナリオでバランスの取れた音質が得られます。
  • AUTO CALの有効化は、テープとハードウェアのキャリブレーションを自動的に調整し、初心者でも簡単に最適な設定を維持できます。

これらの設定によって次の3つの効果が得られます。

  • 音量とダイナミックレンジ: 適切な音量レベルが保たれ、録音のダイナミックレンジが広がります。
  • ノイズの最小化: ノイズフロアが低くなるため、クリアな録音が可能です。
  • 歪みの防止: 過度な歪みを防ぎつつ、温かみのある音質を実現します。

この設定を使用することで、初心者でも手軽に良質な音質を得ることができます。

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その他にもグラミー賞エンジニアが制作したプリセットなども注目すべきポイントですし、何より「なぜその設定にしたのだろう?」という視点で見ることでエンジニアとしての技術を磨くきっかけになります。

Studer A800 vs Ampex ATR-102について

Studer A800とAmpex ATR-102はそれぞれ独自の強みを持つ優れたテープシミュレーションプラグインです。使い分けのポイントとしては結論から言うと 個別トラックの処理にはStuder A800が適しており、各トラックに自然なアナログの質感を加えます。

一方、Ampex ATR-102はミックスバスやマスタリングにおいて、サウンドに深みと立体感を加える効果が高いです。用途に応じてこれらのプラグインを選択することで、最高の音質を実現することができます。


Studer A800の特徴とユーザー評価

音質と用途: Studer A800は、主に個別トラックに適用することで、その真価を発揮します。特にドラム、ベース、ボーカルなどに使用すると、音に自然なアナログの色付けを加えることができます。多くのユーザーが、A800を使用することでトランジェントが整い、全体的なサウンドがプロフェッショナルに仕上がると評価しています。

使いやすさ: A800はCPUリソースの消費が少なく、複数のインスタンスを同時に実行することが可能です。これにより、各トラックに手軽に適用できる点が高く評価されています。また、プラグインのインターフェースもシンプルで直感的です。

ユーザーの意見: 一部のユーザーは、保守的な設定では大きな音質の違いを感じないことがあると述べています。これは、選択するテープの種類や設定によって音質の変化が異なるためです​


Ampex ATR-102の特徴とユーザー評価

音質と用途: Ampex ATR-102は、主にミックスバスやマスタリングに適しており、サウンドに深みと3D効果を与えることで知られています。多くのユーザーが、ATR-102を使用するとミックスが立体的になり、オフにするとその効果が明確に感じられると評価しています。特に、キックドラムの音を丸めたり、ミッドレンジを引き締めたり、ハイエンドを滑らかにする効果が高く評価されています

使いやすさ: ATR-102は、多機能性に優れています。テープディレイやドップラー効果(コーラス)としても使用でき、幅広いテープ速度やトラック幅、テープの種類を選べる点が高評価です。しかし、一部のユーザーは、出力ゲインを調整する必要がある点について不満を持っています

ユーザーの意見: ATR-102の「Stephen Smith – Ultralinear」プリセットが特に優れているとされ、マスタリングEQがすでに設定されている場合に効果的です。また、プラグインを使用することで、ミックスが「レコードのように」聴こえるとの意見もあります​


総合評価と適用シナリオ

個別トラック vs. マスタリング: Studer A800は、各トラックに適用することでその効果を最大限に発揮します。特にドラムやベース、ボーカルに対して自然なアナログの質感を加えることができます。一方で、Ampex ATR-102はミックスバスやマスタリングにおいて、サウンドに深みと立体感を加える効果が高いとされています。特に、ミックス全体を一段とプロフェッショナルに仕上げたい場合に有効です

結論: どちらのプラグインも優れた特徴を持ち、用途に応じて選択することが重要です。個別トラックにはStuder A800、マスタリングにはAmpex ATR-102が推奨されます。それぞれの強みを理解し、適切な場面で活用することで、最高の音質を実現することができます。

詳しいレビューやユーザーの体験談については、以下のリンクをご参照くださ

これらの意見は海外フォーラムの (Gearspace)​ を参考にしています。

まとめ

メーカーUAD
システムシステム要求
macOS 10.15
Catalina、11 Big Sur、12 モントレー、13 ベンチュラ

Windows 10 または Windows 11 (64 ビット版のみ)
Intel、AMD、またはAppleシリコンプロセッサ

DAW互換性
Pro Tools 2022 (AAX)
Logic Pro (オーディオユニット)
Ableton Live 11 (VST 3、オーディオユニット)
Cubase 12 (VST3) について
スタジオワン5(VST3)
LUNA レコーディングシステム
認証方式UA Connect
認証数2
マニュアル日本語
価格$383.90
備考目立って使用者がいればその名前やコメントも追記
体験版の有無
アンインストーラーの有無
ATR-102 Mastering Tape Recorder
総合評価
( 4 )
メリット
  • アナログ音質
  • 豊かなサチュレーション機能
  • 4つのテープメディアを選択
  • CPU負荷が低い
デメリット
  • DSP版と一部機能が異なる
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

とにかく使えばテンションがあがります。UADからはいくつかテープエミュレーターがリリースされていますが、UAD Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderはそのどれよいも気持ちよい音質にしてくれます。

ちなみにこのプラグインは新製品ではなくすでにリリースされているものです。Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorderを使用するためには今までUADのDPSハードウェアが必要でしたが、今回はPCのCPU版であるネイティブ版のリリースということで注目されています。

DSP版ではテープディレイを設定できるパラメーターがありましたがネイティブ版ではそれらが省略されているのが少し残念ですが、マスターテープのサチュレーションサウンドはやはり気持ちよくテンションが上がります!

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