この記事では、DTM(デスクトップミュージック)に関する書籍を探している方々に最適な選択肢をご提案します。市場には様々なDTM関連の本が溢れており、どれを選べば良いのか迷ってしまうことはよくありますね、ある程度基礎スキルがみにつき始め、次のステップに進めるDTM本がほしい!こんなこと思ったりしていませんか?
そこで、私たちはプロとアマチュアの音楽家17人にアンケートを実施し、実際に使ってみて「これは良い!」と感じたDTM関連の書籍だけを厳選し、16冊を紹介します。参加してくれた音楽家の中には、オリコンチャートで名を馳せる作曲家も含まれています。彼らの専門知識と実体験に基づいた選択は、DTMに情熱を注ぐあなたにとって最適なガイドとなるでしょう。
この記事を読むことで、DTMの世界におけるあなたのクリエイティブな旅が、より豊かで効果的なものになることを願っています。
今回紹介しているものはDTM初心者の方でも読める本もありますが、少し難しいものもあります。その場合こちらの記事で紹介しているDTM本の方がわかりやすいので参考にしてください。
アンケートの詳細
おすすめの本と同時に使用楽器とDTM歴についてもアンケートしてみました。
使用楽器はやはりキーボード(シンセ)が圧倒的に多いですね。その次はギターになりますが、ストリングスとピアノをメインで使っている人はDTMをやる前から音楽をやっていた人が多いのでは?と思います。
ボーカルを降臨術と捉えるセンスなかなかステキだと思いますw
ベースが集計結果に反映するほどいなかったのはちょっと意外でした。
DTM歴に関しては10年〜20年が一番多く35.3%ハードウェアからソフトウェアの過渡期を経験した世代と思われます。
次に多かったのが1〜3年でと一年未満17.6%DTM歴3年未満というカテゴリにすると10年〜20年のDTM歴と同じくらいになります。
次が5〜10年とPCを使ったものは半年だけどそれ以前から宅録的作曲活動はしていたの11.8%となりました。
キーボード・バッキングまる覚え 織原洋子
メイン使用楽器:ギター
DTM歴:PCを使った物は半年。過去に8トラックMTRを使ってました。
キーボードを使う曲の時に参考にしてます。
8小節くらいの色んなジャンルのフレーズが沢山収録されてるので参考にしてます。収録フレーズから、構想をふくらませる事も出来ると思います。王道的なキーボード伴奏(バッキングパターンやフレーズ)が138種類掲載されています。
ギタリストの人はキーボードの伴奏パターンがわからなかったりする人も多いので重宝される人は多いと思いますが、キーボード奏者から見ても覚えておけばフレーズの引き出し拡大に役に立つと思います。
掲載されているフレーズは王道的なものが多く上級者近くになると「知っているフレーズが多いなー」と感じるかもしれません。なのでキーボードの伴奏にあまり詳しくないギタリストやキーボーディストにおすすめです。
コンプリートMIDI プログラミングブック 高橋信之
打ち込みに特化した内容の書籍です。
ドラム、ベース、ギター、キーボード ストリングス、ブラスなどの打ち込み技術について詳しく書かれています。ただ、使用DAWがDigital performerなので画面の意味などがちょっとわかりにくい部分があるかもしれません。
プログラミングブックは打ち込みの仕方、演奏の表現方法の参考にしてます。
打ち込み方法(ベロシティやデュレーション、ピッチベンド)を覚えたいDigital performerを使っている人(使っていなくても解る内容にはなっています)
決定版 コード進行スタイル・ブック 成瀬 正樹
メイン楽器:キーボード
DTM歴:20年
たくさんコードが載っている。使われている曲も紹介されているので参考にしやすい
普通にコードがたくさん掲載されいているだけではなくコードが使われている楽曲の紹介や、「Aメロで使うと効果的」など使用目的についてもわかりやすく言及されています。
コードにはディグリーと書かれているのでディグリーネームを覚えるにも最適です。
ディグリーとは?
(C-F-G)なら(Ⅰ−Ⅳ-Ⅴ)といったコードをキーの順番に並べて表したもの
そして、このコード本ほとんどテンションが出てきません。これは初めてコード本を買って勉強する人にもわかりやすくよいと思います。
テンションがいっぱい入ったコード進行本は難しそう初心者用からちょっとだけステップアップしたコード本がほしい
そういう人におすすめです。
アレンジャーが教える編曲テクニック99 マニュアル・オブ・エラーズ
メイン楽器:キーボード(シンセ)
DTM歴:1〜3年
アレンジに関するテクニックが具体的に楽譜で記載されている為応用しやすい。99シリーズでお馴染みの本ですね。
この本の特徴は編曲のためのプロセスをわかりやすく言葉にしてくれているということ譜面は時々出てくる程度です。そのため楽譜が読めない、まだ始めたばかりの人でも「おーなるほどね」と思えることが多いです
また「大体のことは知っているよ」と上級者と思っている人でも読み直すことで勉強になることが多いです。この本は99個のTips集みたいなものなのですが個人的にここを是非読んでほしいと思うのは
見出しの下につている部分の表現がアレンジするときの意識に実に有効だと思っています。こういうことを意識できているかどうかでアレンジが迷子になることがなくなるのでこの小見出しを読まれることをオススメします。
言葉でわかりやすく書いてある本を求める人アレンジのプロセスを知りたい人
コード編曲法 ~藤巻メソッド~ 藤巻 浩
メイン楽器:キーボード(シンセ)
DTM歴:5〜10年
他の方もオススメしています。
チャイコフスキー:の弦楽セレナーデ異なる12のジャンルの曲に編曲する実例が乗っており、音楽ジャンル毎に特徴と音楽理論を利用した作曲のアプローチについて解説されるため、
実践的で音楽理論の活用の仕方が非常に分かりやすかった。また、取り扱っている内容も多岐にわたり、一般的なコード理論に加えて、
「テンションノート、アボイドノート、ボイシング、スケール、ブルーノート、近親調からのコードの借用、アッパーストラクチャー」等を網羅しており、初心者脱却に非常に役立ってくれている。
コード編曲法→音声番組と曲のMIDI、伴奏のみ伴奏なしのMP3まで ついているため、とてもわかりやすかったです。
ボサノバ、ロック、ソウル、ジャズなどのオーソドックスな形の 曲の作り方が書いてあり、勉強になりました。 実際に音声を聞きながら打ち込みすると覚えやすかったです。
藤巻メッソドはどれもわかりやすいだけではなく奥深い書籍が多いです。役に立っている理由でも書かれていますが、コード編曲法はチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」の冒頭の7小節を使ってボサノバ、トランス、ロック、ファンク、ソウル、ディスコ、テクノ、レゲエ、サルサ、ハウス、アンビエント、ジャズといった12のジャンルに編曲する方法を学べます。
まったくの初心者にはとっつきにくく感じる部分もあるかもしれませんが、これを入り口に編曲を入ればかなり勉強になります。
なので、初心者や中級者でも頑張って楽譜を見ながら打ち込むことをオススメします。1年間これをやり続ければ相当スキルアップできること間違いなしです。
ひとつのメロディに対して様々なコードワークをつけることを目的としている一つのメロディから多種多様なジャンルへの編曲の糸口をみつけたいまた著者の藤巻さんはとてもユニークで面白い人です。
ツイッターでもわからないことがあって尋ねてもとても丁寧に教えてくれますし、オンライン上で対位法についてもレッスンしていますので、気になるかたはフォローされることをおすすめします。
リハーモナイズで磨くジャンル別コード・アレンジ術作曲&編曲に役立つ音楽理論を実践形式でマスター 杉山 泰
使用楽器:キーボード(シンセ)
DTM歴:32年
コード理論の本をなどは色々あるけど、メロディーに合うコードの乗せ方書いてる本って少ないのです。で、この本はその上を行く内容で何故この選択肢もあるのにあえてこっちを選んだのか、どこに問題があるのかなど実践的な取捨選択の方法が書いてあります。
一見難しく上級者向けっぽく見える本ですが、最低限の知識としてダイアトニックコードさえ知ってれば、この本から始める方が結果的には早く力が付きます
メロディに合うコードの乗せ方というところがポイントの書籍です。たしかに私もこの部分に特化したDTM書籍はあまりしりません。上記のコード編曲法はメロディよりジャンルに特化(リズムアレンジ)にした内容ですが、こちらはメロディに特化したものと個人的に解釈しています。
つまりこの2つがあればより高度なアレンジを学んでいけるように思います。また、最低限の知識としてダイアトニックコードさえ知っていればわかるというのも安心して読むことができます。
実践と理論がバランスよく共存している教則本を探している
リハーモナイズについてより詳しく知りたい
作曲基礎理論: ~専門学校のカリキュラムに基づいて~ 井原恒平
使用楽器:キーボード(シンセ)
DTM歴:5年〜10年
良い復習になるから
専門学校に勤めていたときのカリキュラムを参考にして書かれているので、
この本を全部理解すれば、
作曲の基本理論はほぼすべてマスター出来ます。
(実際はもっと多くの内容が書いてあります) ブログより
専門学校の教師の経験から作られた作曲のための実践本です。ページ数がA4サイズで514ページ!!なるべく平易に簡単に書いたつもりではありますが、真剣に作曲を学ぶ気持ちがないとちょっと難しいかもしれません。
という著者の言い分からもわかるように確かに誰でもすぐに読み取れる!というものではありませんしかし!非常に高度な知識を学ぶことができる書籍なので、本腰を入れて勉強したい人には頼もしい相棒になってくれるかもしれません。
本気で音楽理論を勉強したい。市販の音楽理論本は難しい。音楽専門学校で学ぶのと同レベルの基礎理論の知識を身に付けたい。作曲を勉強したいけど先生がいない。独学で音楽理論の勉強をスタートしたい!
汎用アレンジ
井原恒平のアレンジに特化した内容となっています。こちらも上記のA4サイズで510ページと大ボリュームですこちらも本腰を入れて取り組みたい人向きです。
DTMでのアレンジを学ぶための体系だったまとめ本が欲しい
。ボカロ(ボーカル)曲を作りたいので基本からアレンジを勉強したい。色々なBGMを作るための基礎的な楽器の使い方が知りたい。アレンジを学びたいけど、どこから手を付ければ良いのかわからない。市販のアレンジ本は難しい。音楽専門学校で学ぶのと同レベルの基礎アレンジの技術を身に付けたい。
アレンジを勉強したいけど先生がいない。独学でアレンジの勉強をスタートしたい!
転調テクニック50 イマジネーションが広がる実践的コード進行集 梅垣ルナ
上記と同じ
転調に特化した珍しいDTM書籍トランスポーズ転調ではなくコード進行からの転調を見つけることができます。
転調の引き出しを増やしたい
こちらも12/25日現在 kindle書籍が半額になっています。
この他にもこの方は上記で紹介した。藤巻浩著聞くだけシリーズなどをオススメしています。
「イメージした通りに作曲する方法50」梅垣 ルナ
コード編曲法 ~藤巻メソッド~ 藤巻 浩をオススメしている人がオススメしているもうひとつの書籍です。
タイトル通りの内容で、筆者の工夫やアイデアが50例記載されており、イメージを形にする際に非常に役に立っている。
作曲とは作曲者の感情が具体化されている部分なので、イメージの共有は難しいものがあります。この書籍は梅垣ルナさんが一般的にはこのメロディならこういう解釈が可能であろうという考えをもとに書かれています。
なのでこのまま打ち込んでも「んーそうかなー」となる人も多いかもしれません。しかしこの書籍から学べるのはそういう解釈が可能であるという部分を自分がどう解釈するかということでもあるので、一通り勉強したあとは「もっとよい解釈はないか?」という考えをもって勉強することでさらに深い思考を身につけることができるように思います。
ゲーム音楽などでイメージ通りのBGMを作りたいイメージという解釈の捉え方について勉強したい
背徳のマイナー作曲術 堀井塾の作曲講座 堀井勝美
メイン楽器:キーボード(シンセ)
DTM歴:10年〜20年
とにかく背徳的で興奮する内容のオンパレード!目次迄で既に情報インフレを起こす勢い!マイナー作曲術マイナー進行の事なのでしょうか?とても気になります。
マイナーの作曲技法をとことん追求したい人作曲の幅をグンと広げたい人思いもよらなかったメロディが作れるようになりたい人
聴くだけ作曲入門~藤巻メソッド~藤巻 浩
メイン楽器:ギター
DTM歴:10年〜20年
中級者向け。実際に音で言ってることがすぐ確認できる。全部マスターできればポップス分野なら作編曲者と名乗れそう。藤巻メソッドの本は人気ですね。
音の濁りの原因となるアボイドノートに対して言及されているのも実に興味深いです。ただの作曲教則本ではなく、作曲の本質のところに迫る内容が人気の秘訣だと思われます。
「音の濁り」の原因のひとつとして「コードを正確に理解し、アボイドノート」を攻略したい作曲の基本から、スケールや旋律など、より音楽的な曲を作りたい
ゼロからの作曲入門~プロ直伝のメロディの作り方~ 四月朔日義昭
初心者向け。実際に曲が作れそう。挫折しないですむ分量。メロディの作り方にについて詳しく書いてあり分量がほどよいのが特徴的詳しく書いてあるものもいいですが、初心者にとっても文章量というのが教則本に対する苦手意識の一つにもなるのでほどよい文章量というのはいいですね
「何から始めていいのかわからない」
「音楽の理論を知っておかないといけないの?」
「コードが理解できていない」
これらに苦手意識を持つ初心者
ミュージッククリエイターハンドブック MIDI検定公式ガイド
メイン楽器:キーボード(シンセ)
DTM歴:1年〜3年
作編曲ではなく、ミュージッククリエイターを目指すうえで必要な知識が身につく本MIDI検定を中心にかかれてい本です。よりMIDIに詳しいクリエイターになるためには良い一冊かもしれません。
MIDI検定受験者
MIDI等についての知識を深めたい
ジャズスタディ 渡辺貞夫
メイン楽器:ギター
DTM歴:10年〜20年
昔に買った昔の本ですが、コード(進行・テンション)、スケール等ポップス作曲の基礎が学べました。
日本が世界に誇るサックス奏者 渡辺貞夫 の作編曲本基本はジャズをベースに書いていますが、ポップスにも十分転用できる内容です初心者にもオススメ!とはいいきれないので、しっかり基礎を固めたうえで腰を据えて挑戦することで高度な知識が身につきそうです。
ジャズを作ってみたい
渡辺貞夫の思考を覗いてみたい
ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 松浦 あゆみ
メイン楽器:その他ストリングス/ピアノ
DTM歴:1年未満
CDつきで、音を聞きながら 本を読むというスタイルです。ストリングスとブラスの様々な奏法や、アレンジの例 奏法による、MIDIコントロール(モジュレーション、ピッチベンドなど)も書いており、勉強になりました。
ブラスとストリングスの鳴らし方や打ち込み方法について書かれている本ブラスを効果的に鳴らすタイミングやフレーズ、
ストリングスを打ち込むときはどこに注意すればよい?音をレイヤーするときはどうすればいいなどDTMerがブラスとストリングスを打ち込むときに役に立つ情報が網羅されています。
発音原理、奏法の種類、演奏特性を知りたい
ブラスやストリングスを使ったアレンジをしたい
MIDIプログラミング時における実際の奏法のシミュレーションしたい
DTM本が無料で読める方法
ただ、DTM教則本は平均して一冊1500円くらいしています。そこでおすすめなのがKindle Unlimitedです。これは月額980円で120万冊以上の書籍をよめるアマゾンの電子書籍サービスです。
すべてのDTM教則本が読めるわけではありませんが、それでも多くの教則本を読むことができます。
そして、初回登録に限り30日間は無料体験が可能です。
私も登録していますが、Kindle UnlimitedのおかげでDTMのみならず多くの知識を常にアップデートし続けています。「DTMがうまくなりたいなー」と思いながらスマホゲームを10分やるならばKindle Unlimitedでその時間DTMの知識を深めるほうがよいと思いませんか?
Kindle Unlimited初回登録に限り30日間は無料体験が可能なので多くのDTM本を無料で読むことができます!
まとめ
メジャーなものからマイナーなものまで色々な教則本がありましたが藤巻メソッドシリーズはその中でも人気でした。私も数多くのDTM関連の書籍を持っていますが、そんな私から究極のアドバイスを一つだけさせてください。
それは
読んで実践する
もっていけるだけでは役にたたないですw