
DTM機材の電源、今まで適当な順番でON/OFFしてたけれどやばい?

めちゃくちゃやばい!最悪機材が壊れる

えー!ほんとに?どうすればいいの?正しい電源の順番とかあるの?

大丈夫かんたんに覚えられるしイラスト付きで解説するからしっかりと覚えよう!
機材の電源の順番を守らないと一発アウト!というわけではありませんが、機材を良い状態で保つ方法の1つとして知っておくと便利です!
DTMの電源を入れる順番が重要な理由

DTMの電源を入れる順番が重要な理由(目的)はずばり機材の故障をふせぐことです。電源によるトラブルは思ってもみない故障につながるのでしっかりと理解していきましょう。
機器の故障につながる
重要度
DTM機器を適切な順番で電源を入れないと、電気回路に過負荷がかかり、最悪の場合、機器の故障や短絡が発生することがあります。特に、スピーカーやオーディオインターフェースや外部機器は、電源が急激にオンになることで高い電圧や不安定な電流を受けてしまい、内部の回路が損傷することがあります。
機器同士の接続が不安定になる
重要度
機器を順番に電源を入れることにより、各機器への負荷を分散させることができます。
例えば、コンピュータとオーディオインターフェースを同時に起動すると、両者が同時に大きな負荷をかけあう可能性があり、電力供給が不安定になることがあります。最初にコンピュータを立ち上げ、その後にインターフェースやスピーカーを順番に起動することで、電力供給がスムーズに行われ、過剰な負荷を避けることができます。
パソコンを立ち上げたのにオーディオインターフェイスが認識しないというトラブルはわりとこれが原因になることがあります。
ノイズやハム音の発生を防ぐため
重要度
DTM機器を正しい順番で電源を入れないと、ノイズやハム音の原因となることがあります。特に、オーディオインターフェースとモニタースピーカーが同時に電源オンになると、接続部分でグラウンドループが発生しやすく、これが音質に悪影響を及ぼします。
最適な電源順番では、まずPCなどのコンピュータを起動し、次にオーディオインターフェースやミキサーを入れ、最後にモニタースピーカーやアンプをオンにすることで、これらの問題を最小限に抑えることができます。こうすることで、オーディオ信号の安定性が保たれ、ノイズが発生しにくくなります。
DTM電源のON/OFFの順番
電源をOFFにした状態では、突入電流が発生しても機材に大きな負担はかかりません。そのため、電源はスピーカー側からではなく、反対側から順番に入れるようにしましょう。
DTM機器の電源を入れる正しい順番

コンデンサーマイクなどがある場合はオーディオインターフェイスの電源の後にファンタムスイッチを入れるようにします。
上記の順番で電源を入れる理由は、機材への負担を最小限に抑え、ノイズや電気的なトラブルを避けるためです。
トラブルの原因としてスピーカーを最初にONにしてしまうと、「ボン!」と大きな音が出てしまって驚いたことがある人は多いでしょう。これは凸電流が原因です。
凸電流を簡単に解説
スピーカーを最初に電源を入れると、大きな電流が一時的に流れることがあります。これはスピーカー内のアンプが起動する際に、電流を急速に吸収するためです。この瞬間的な電流の増加(突入電流)が、他の機材に影響を与える可能性があるため、スピーカーは最後に電源を入れることが推奨されます。
この凸電流によってスピーカーにダメージを与えてしまうことを避けるために、スピーカーは最後にスイッチをいれるわけです。
近年のスピーカーはアンプ内蔵だけではなくパソコンのようなDSP回路が入っているものもあります。凸電流はこのようなDSP回路にもダメージを与えてしまうので、注意が必要です。
実際下記の記事で扱っている内容の故障原因は電源部にあることが多いです。

DTM機器の電源を切る正しい順番

DTM機器の電源を切る正しい順番は入れるのとは逆にしていくだけで問題ありません。
DTM機材、電源の順番を間違えると壊れる機器は?

パソコン、オーディオインターフェイス、スピーカー(アンプ内蔵)の中で、電源の順番を守らないことで最も壊れやすい機器はスピーカー(アンプ内蔵)です。以下に理由を説明します:
- スピーカー(アンプ内蔵)の特性:
- スピーカーには内蔵アンプが含まれており、このアンプは大電流を扱うため、電源のオン・オフによって急激な電圧変動が発生しやすいです。
- アンプはスピーカーのドライバーを駆動するために設計されており、特に電源投入時や切断時に大きなスイッチングノイズ(ポップノイズ)が発生します。
- 電源の順番の重要性:
- 一般的には、まずパソコンを起動し、次にオーディオインターフェイス、最後にスピーカーをオンにする順番が推奨されます。逆に、終了時はスピーカーを最初にオフにします。
- この順序を無視すると、特にスピーカーが先にオンになっている場合、接続されたデバイスからの信号がない状態でアンプが動作し、ノイズや過電圧がスピーカーに到達する可能性があります。これにより、スピーカーのドライバーや内蔵アンプがダメージを受けることがあります。
- ダメージの具体例:
- スピーカー(アンプ内蔵)にとって、突然の電圧上昇やノイズはドライバー(スピーカーのコーンやツィーター)の変形や破裂を引き起こす可能性があります。また、アンプのトランジスタやその他の電子部品にも影響を与え、故障につながることがあります。
このため、電源の順番を守らないことで最もリスクが高いのはスピーカー(アンプ内蔵)であり、これによる故障の可能性を最小限に抑えるためにも、適切な電源管理が重要です。
次に壊れやすいのはオーディオインターフェイスです。
次に壊れやすいのはオーディオインターフェイスです。以下に理由を説明します:
- オーディオインターフェイスの特性:
- オーディオインターフェイスは、デジタル信号をアナログ信号に変換したり、その逆を行ったりするデリケートな電子機器です。特に、電源投入時のサージ電圧やノイズに対して敏感です。
- 内部にはA/DコンバーターやD/Aコンバーター、プリアンプなど精密な電子部品が含まれています。これらの部品は電源の不安定さに弱く、過電圧やノイズが原因で故障することがあります。
- 電源の順番の影響:
- オーディオインターフェイスが先に電源を入れると、パソコンやスピーカーからの信号が不安定な状態で接続される可能性があります。これにより、インターフェイスの内部回路がノイズや過電流にさらされるリスクが増します。
- 特に、電源が入った状態で他の機器が接続・切断されると、信号の急激な変動が生じ、インターフェイスの内部部品にストレスを与えることがあります。
- 具体的なリスク:
- 電源の順番を間違えると、インターフェイスの内部の電子部品が破損する可能性があります。例えば、ADC/DACの故障、プリアンプの損傷、あるいはデータ転送のためのチップが壊れることも考えられます。
このように、オーディオインターフェイスは電源の管理が不適切だと、比較的壊れやすい機器の一つです。適切な順序で電源をオン・オフすることを心がけることが重要です。
DTM電源の管理ツールと便利なアイテム
DTMの機材の電源を一括で管理できるディストリビューターを使用している人もいるかもしれません。
パワーディストリビューターを使用することで、クリーンな電源を確保し、機材のポテンシャルをい正しく引き出しやすくなるので、おすすめです。

ディストリビューターは各メーカーが扱っていますが、オーディオマニアからプロのスタジオまで圧倒的人気と支持を得ているのがAV-P250です。
私も、所持していますが、AV-P250によって音質がクリアになったことを実感しています。


3万以下のディストリビューターとして最高クラスと言っても過言ではありません。電源によるノイズの違いを感じ取れる素晴らしいディストリビューターであり、私も使っています。
さらにもう1ランク上のAV-P250Sになると、電源を切る順番を制御するシーケンサーが内蔵されています。シーケンサー内蔵だけで倍以上の価格になってしまうところは個人的に割高な印象ですが、機器の電源ON/OFFの順番を意識しなくてもメインスイッチのON/OFFで自動制御してくれるのはありがたいです。

まとめ
DTMの電源の正しい順番は理解できましたか?
再度以下に電源順番のイラストを貼っておきます。


電源の順番を守らない壊れる確率は高まります。電源によるトラブルは一瞬で機材を故障させるので、DTMの電源の順番は徹底して覚えましょう!