最近アルペジエーターをいろいろ試してるんですけど、どれも似たり寄ったりで…何か物足りないんですよね。
普通のアルペジエーターって、基本的なパターンを繰り返すだけで、単調になりがちです。でも、Eternal Arpsならその悩みを解決できるかもよ
Eternal Arps?普通のアルペジエーターと何が違うの
Eternal Arpsは単なる繰り返しじゃなくて、もっと自由でクリエイティブな「音楽的な表現力」があるフレーズを簡単に作れるよ
それ、めっちゃ気になる!!どんな特徴があるんですか?
Eternal Arpsは、単調なアルペジエーターとは一線を画す、クリエイティブなフレーズ作成を可能にする音楽ツールです。
特徴は、複雑なリズムや進行を簡単にプログラムできる点で、通常の上昇・下降パターンだけでなく、多層的で動きのあるアルペジオを生成可能。ジャンルを問わず活用でき、Eternal Arpsを使えば、単なる伴奏ではなく、楽曲全体の雰囲気を支えるクリエイティブな要素としてアルペジオを活用できます。
Eternal Arpsとは
Eternal Arpsは、Pitch Innovationsが開発した次世代のアルペジエーターです。従来の機械的なアルペジエーターとは異なり、人間味のある自然なアルペジオを生成することが特徴です。
Eternal Arpsにはいくつかのカテゴリがありますが、アルペジオ再生に重要なのは以下の3つになります。
モード | 目的 | 動作 |
---|---|---|
TRIGGER | 単一の音から和音を生成 | – INPUTドロップダウンから入力インターバルを選択 – 単音を演奏 – その音から始まる和音または音程セットを計算し、アルペジエーターに送る |
SEQUENCE | 和音の進行やパターンを時間とともに変化 | – 複数の和音を時間経過とともにシーケンス再生 – 和音は1小節ごと、または新しい音が入力されるたびに変化 – Pattern Oasisからパターンをドラッグ&ドロップしてシーケンスに追加可能 |
LIVE | アルペジエーションをリアルタイムでコントロール | – 演奏中にアルペジエーターの音入力をリアルタイムで変更可能 – 単音を演奏すると、その音でアルペジオが実行される – 複数の音や完全な和音を演奏すると、アルペジエーションがそれに適応 |
主な特徴
- 人間らしいアルペジオ生成: 本物の楽器をモデルにし、生きているような自然で音楽的なアルペジオを生み出します。
- Magic Dice機能: クリック一つで無限のアルペジオパターンを生成できます。
- Pattern Oasis: 豊富なプリセットライブラリから最適なパターンを選択できます。
- 300種類以上のプリセット: シネマティック、エレクトロニック、アンビエントなど、様々なジャンルに対応したプリセットを用意。
- 高品質サンプルライブラリ: ハープ、マリンバ、サントゥール、ギターなどの楽器を緻密にサンプリングし、リッチで本格的なサウンドを提供。
Eternal Arpsレビュー
ランダマイズではない自然なアルペジオを生成
Eternal Arpsの最大の特徴は、今までのアルペジエーターにはない自然なアルペジオです。この自然なというのは、本来のアルペジオはドミソと押せば、下から順番に再生するもの、上から順番に再生するもの、そしてそれらをランダムに再生する。この3パターンでした。
しかし、。Eternal Arpsは1音押すだけで、従来の機械的なアルペジオパターンとは異なるパターンの再生が可能であり、またアルペジオの発音タイミングの微調整や、AIによってさらにそのパターンを変化させることが可能です。
本来であれば任意のコードボイシングが必要ですが、Eternal Arpsでは単音であってもINPUTとOUTPUTで指定した情報をもとにアルペジオを生成可能です。
INPUTからコードを指定し、OUTOPUTではキーとScaleを指示することで、コード進行に合わせたアルペジオパターンを発音させられます。
アルペジオのパターンは5つあり、それらをエディット保存することも可能なので、自分のお気に入りのリズムパターンで好みのアルペジオを再生できるのも大きな特徴と言えます。
またアルペジオパターンはMIDI生成が可能であり、DAWにドラッグアンドドロップも可能です。
MIDI情報にするためには、画面右下にあるRecord MIDIををクリックすると、Recording MIDIという表示にかわります。DAW上で上記のような和音及び単音を再生するとアルペジオパターンをMIDIで生成しますので、任意の長さでDAWを停止しするとDrag&Drop MIDIという表示になるので、あとは全方位矢印ボタンをDAWにドラッグアンドドロップするだけです。
アルペジオパターンは楽器名で表示されたプリセットが用意されていますが、名前に束縛されることなく自由に扱ってもよいと思います。
Eternal Arpはアルペジオ生成プラグインではありますが、いくつか音源も用意されているので、ソフト音源としても利用可能です。音色は、ハープやシンセ、民族楽器系などが用意されていますが、ベロシティレイヤーも多く取られているので、ベロシティ変更による音色変化も楽しめます。
Eternal Arps デメリット
Eternal Arpsは使いこなすと唯一無二となるアルペジオジェネレータープラグインですが、各パラメーターの表記が少しわかりにくいです。
例えば、pattern oasisのScatterとVariationは理解が難しい表示です。
マニュアルでは以下のように解説されています。
Scatter: このパラメータは、ノート入力で選択されたノート間の距離を変更します。
Variation: このパラメータは、奇数ノートと偶数ノートの間の距離を変更することで、ノート入力内の奇数ノートを移動します。これにより、既存のプリセットに微妙または大幅なバリエーションが追加され、音楽のコンテキストに合わせてアルペジオをカスタマイズできます。
しかし、両者のパラメーターは0〜1000という数値で管理されていますが、どれくらい動かせばどのようなリズムになるのか?というのがわかりにくいです。
個人的にはこのパラメーターは音符情報で表示すればよりわかりやすいものになったのではないかと思いますが、とりあえずその要望案はメーカーに提出しました。
また、INPUT情報の0.3.7と書かれた数値ですが、これらは主にノートナンバーだと思われます。
例えば、Emであれば、ミ、ソ、レという情報であるように思いますが、MIDI情報として吐き出してみると下記の画像のようになります。画像は、発音数を3、5、7と変更したものですが、一度もセブンスにあたるレ(D)情報は出てきません。
このあたりについて仕様なのかバグなのかもう少し触り込んで正しく理解ができれば追記したいと思います。
また、Variationは数値入力とスライダーをドラッグすることで変更できる2つの調整方法がありますが、数値入力したあとに他のアルペジオパターンに変更すると、設定が変わってしまうバグが確認できています。
なお、このバグに関してメーカーに問い合わせたところ、メーカーも認識しているとのことで、次回のバージョンアップで改善されるとのことです。
システム
Eternal Arpsのシステム要求は以下の通りです。
- DAW Compatibility : Ableton Live 9 and above, Logic Pro X – AU (Instrument & MIDI FX), Cubase, FL Studio, Studio One, Reaper, Bitwig Studio
- Format : AU (Mac Only), VST, VST3
- Hardware : Intel, AMD, Apple Silicon
- Operating System : OS X 10.13+ – Windows 10+ (64 bit)
価格セール情報
Eternal Arpsの価格はメーカー価格$86.90ですが、現在はセール中で$53.90です。
価格的に見てもそこまで高くありませんし、何よりここで得られるオリジナリティは大きく、楽曲作成に大きく貢献してくれる要素が高いです。操作性の部分については少しなれが必要かもしれませんが、セール価格での購入はおすすめできます。
また、メーカーに問い合わせることできちんとした返答をいただけるのも好印象でした。
まとめ
Eternal Arpsなかなか珍しいプラグインです。機械的になりがちなアルペジオを有機的にしてくれることで、ワールドミュージック的なニュアンスをもつPRGのフィールド音楽や映画のサウンドトラックとの相性は大きいので楽曲制作に大きく貢献してくれるでしょう。