Heritage Audio SYMPH EQレビュー:他では真似できない独自サウンドを徹底評価!

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Heritage Audio SYMPH EQってどんなプラグイン?

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高域と低域の2バンドイコライザーでアナログ的なサウンドが特徴手のプラグインだよ

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2バンドしかないなら使えないんじゃ?

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確かに細かい帯域は扱えないけれど、濁りがない低域やクリアな高域が魅力的だよ

メリットデメリット
アナログM/S処理の忠実なエミュレーション
透明感のあるビンテージサウンド
73スタイルのクラスA出力サウンド
細かい帯域調整ができない
CPU負荷が高い
価格が高い
Heritage Audio
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

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Heritage Audio SYMPH EQ

SYMPH EQ(読み方スィムイーキュー)は、1952年にPeter Baxandallが開発したBaxandallイコライザー(正式名Stereo Asymptotic Equalizer)の現代版として位置しており、それをHeritage AudioがClass AハードウェアイコライザーSYMPH EQとして再現したもののプラグインにしたものです。

Asymptotic Equalizer (読み方アスィムトティク イコライザー)のAsymptotic は漸近(ぜんきん)という意味であり漸近の意味は徐々に近づいていくさまということもあって、目標とする音に自然に近づけるという意味合いがありそうです。

主にミックスバスやマスターバス向けのイコライザーとして設計されており低域と高域のシェルビングフィルターを備えています。

特徴的なのは「シリアル・パラレル方式のパッシブEQデザイン」で、一般的なパッシブEQとは異なり、ブーストとカットを同時に適用できる仕組みになっています。この設計により、自然で音楽的なサウンドシェイピングが可能です。

アナログM/S処理の忠実なエミュレーション

Heritage Audio SYMPH EQのM/S処理は、ステレオミキシングとマスタリングにおいて強力なツールであり、ミッドとサイド成分を個別に調整して楽曲の広がりや定位感を最適化し、不要な低域を抑制してミックスの透明度を向上させると同時に、アナログ処理をエミュレートすることで自然なサウンドを維持し、プロフェッショナルな仕上がりを実現します。

独自のEQカーブを忠実に再現

Heritage Audio SYMPH EQはBaxandall(バクサンドール)EQの回路を利用したNeveフレーバーのイコライザーで、非常に個性的なカーブ特性を持っています。このEQの特徴的なシェルビングカーブは、ブーストまたはカットされた振幅が漸近値に達するまで増加するため、SubLowと超高音が常に制御されます

プラグイン版ハードウェア版と同様に、0.5dBの高精度イコライジングコントロールを備えており、詳細な調整が可能です。

Heritage Audio

Heritage Audio SYMPH EQ レビュー

メリット
  • アナログM/S処理の忠実なエミュレーション
  • 透明感のあるサウンド
  • 独自のEQカーブを忠実に再現
デメリット
  • 細かい帯域調整ができない
  • CPU負荷が高い
  • 価格が高い

サウンド

Heritage Audio SYMPH EQは高域と低域2バンドにカットフィルターを組み合わせたイコライザープラグインです

さらにハード版のSYMPH EQではCarnhillのトランスを搭載しておりプラグイン版でもCarnhillのニュアンスもあり、とても音楽的でTight「タイト」かつSweet 「甘美」Natural – 音質が「自然」と評されています。

バンドタイプ選択可能な周波数
Low ShelfシェルビングEQ20Hz, 60Hz, 110Hz, 220Hz, 360kHz, 470kHz
High ShelfシェルビングEQ8kHz, 10kHz, 12kHz, 15kHz, 20kHz, 24kHz
Low Cut15Hz, 22Hz, 47Hz, 82Hz, 160Hz
High Cut10kHz, 12kHz, 18kHz, 22kHz, 30kHz

中域に特化したパラメーターはありませんが、Low Shelfで220 360、470Hzまでカバーできるのでその辺りまでなら調整は可能です。

個人的にHeritage Audio SYMPH EQは細かいイコライジングを施すことよりも、高域と低域にHeritage Audio SYMPH EQ独自の質感を与えることで俗に言うアナログ的なテイストを加えることを目的としているように感じます。

そう感じた理由は、同じようなイコライザーカーブを作っても質感がまるで異なるからです。

例えば、FabFilter Pro Q3を使ってHeritage Audio SYMPH EQとほぼ同じカーブを作ってみました。

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これらを実際音で確認すると次のようになりました。

SYMPH EQ
fabfilter Pro-Q3

fabfilter Pro-Q3の方がモコモコした印象があり同じ設定値にしても使いたくなる音はSYMPH EQ です。

マスタリングツールでもあるOzone11のイコライザーでも似たようなカーブを作って試してみました。

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Ozone11 Equalizer

Ozone11のEqualizerの方が質感的にHeritage Audio SYMPH EQと近い雰囲気を受けます。ただ、Heritage Audio SYMPH EQはアナログサウンドをエミュレートしているプロセスとして倍音を強く出しているのでマイルドに聞こえます。

ちなみにこの倍音の出方は、同社のSUCCESSORとほぼ同じです。実際この2つはThe Master Bus Collection
として販売しているのでその意図するところは理解できます。

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Heritage Audio SYMPH EQの設定は20Hzを8dB増加させている形ですが、それでいても音が濁るような印象はなく、最大10dBにしても、透明感を保った低域のブーストを可能している点においては個人的に評価したいポイントです。

また、高域でもあるHI FREQUENCYは8kHzを4dBブーストしている形ですが、耳に突き刺さるようなことはなく心地の良い高域サウンドを提供してくれます。15kHzをブーストすると天井が抜けたようなエアー感が得られ音の体格がより鮮明に感じられました。

とにかく、シンプルでありながら、これらの音質を提供してくれるSYMPH EQはその価値がわかるユーザーにとってはマストEQの一つになる可能性は大きいように感じました。

Heritage Audio

CPU負荷について

画像はオーディオトラックにHeritage Audio SYMPH EQを1つ使った場合のCPU負荷です。

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一番高いときの負荷の画像ですが、平均してマルチコア分散でもこの負荷はそれなりに大きい部類です。単体トラックにも使用は可能ですが、基本バス・トラックステレオトラック使用を想定しているので、ミックス・マスタリング時に困ることはないと思います。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

まとめ

メーカーHeritage Audio
システムFormats:VST3, AU, AAX (64-bit)
Platforms: macOS: 10.15.7 and up
(Both INTEL and Native Apple Silicon M1/M2/M3 Compatibility)
PC: Windows 10 and 11
DAWs supported:All major DAWs, including Ableton Live,
Pro Tools, Logic Pro, FL Studio,
Cubase, Studio One, Bitwig, Reaper, Reason etc
認証方式iLok認証
認証数2
マニュアル英語
価格$108.90(セール価格$81.40)
すべての SUCCESSOR および/または SYMPH EQ ハードウェア所有者は、SUCCESSOR および/または SYMPH EQ ネイティブ プラグインを無料で入手でき、すべての i73 PRO 所有者は、SUCCESSOR + SYMPH EQ ネイティブ プラグインを無料で入手可能
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

Heritage Audio SYMPH EQは低域、高域ともにクリアに仕上げることができるイコライザープラグインです。超低域の20Hzをブーストしてもこもりすぎることはありませんし、超高域の20kHz付近は開放感のあるサウンドです。

実機のサウンドはわかりませんが、おそらく再現度の高さはそれなりのレベルになっていると思われます。

若干CPU負荷が高めではありますが、最新のCPU環境であればそこまで気にする必要はないレベルになっていると思います。ミックスの全体感にしっかりとフォーカスが当たるような印象があるHeritage Audio SYMPH EQは単体で使ってもいいですが、やはり同社のSUCCESSORと一緒に使うとさらにグレードの高いサウンドを構築できます。

Heritage Audio
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