Hollywood Fantasy Orchestra Bundle レビュー 中世ファンタジー系の世界を作り出せる最強音源

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“Hollywood Fantasy Orchestra”って、普通のオーケストラ音源と何が違うの?

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現代オーケストラにファンタジーの血を混ぜた音源”だ。リュートやハーディガーディ、民族フルートのような楽器が自然に溶け込む

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でもそういう特殊な音源って汎用性が低くないですか? 一曲しか使えなさそう…

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確かに汎用性は高いわけじゃないけれど、これでしか出せない世界観がありハマれば唯一無二の音楽を作ることができるのが大きな魅力だよ!

メリットデメリット
独特で即戦力なファンタジー音色
録音空間の統一性とブレンドのしやすさ
Orchestrator による制作効率の向上
大きなストレージ/メモリ負荷
ピッチやニュアンスでのゆるさ
汎用オーケストラの代替にはならない部分
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

タップできる目次

Hollywood Fantasy Orchestra Bundle とは

項目内容補足・解説
製品名Hollywood Fantasy Orchestra Bundleファンタジー・オーケストラ音源ライブラリ一式
メーカーEastWest Soundsオーケストラ音源でも有名なメーカー
構成モジュールStrings, Brass, Winds, Percussion, Voices + Orchestrator全 6 モジュールがバンドル
対応音源エンジンOpusEastWest の新世代エンジン
録音スタジオEastWest Studios(Studio One)Hollywood Orchestra と同じスタジオ
マイクポジション4 ポジション(Close, Mid, Main, Surround)各モジュールとも 4 種類のマイク混合(レベル・パン調整可)
“ムード”プリセットClassic / Soft / Epic各モジュールに「ムード (Mood)」モードがあり、選ぶとマイク混合・リバーブ・スクリプト等のパラメータが切り替わる
ストレージ容量約 145 GB 以上(Bundle 全体)
発売時期2023年 10 月以降
価格例¥41,618¥66,689購入サイト各モジュール単体販売もあり

Hollywood Fantasy Orchestra Bundleは、EastWestが手がけるファンタジー音楽特化の総合オーケストラ音源です。中世や神話世界を想起させる民族楽器や合唱、荘厳な金管・弦・打楽器を収録し、Opusエンジンで統一的に操作可能。映画音楽やRPGサウンドに最適で、同社のHollywood Orchestraと自然にブレンドできるのが特徴です。

Hollywood Fantasy Orchestra Bundle レビュー

Hollywood Fantasy Orchestra Bundle
総合評価
( 3.5 )
メリット
  • 独特で即戦力なファンタジー音色
  • 録音空間の統一性とブレンドのしやすさ
  • Orchestrator による制作効率の向上
デメリット
  • 大きなストレージ/メモリ負荷
  • ピッチやニュアンスでのゆるさ
  • 汎用オーケストラの代替にはならない部分

Hollywood Fantasy Strings

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項目内容
主な収録楽器 / 構成要素Hardanger fiddle(ハルダンゲル・フィドル)Viola da gamba(ヴィオラ・ダ・ガンバ)Lute(リュート)三重奏Dulcimer(ダルシマー)Hurdy-gurdy(ハーディ=ガーディ)さらに、オクターブ重ねされた現代弦アンサンブル群
サンプル容量・比率61.27GB
価格情報¥9,861¥16,547購入サイト

音質/表現力が非常に印象的です。ハルダンゲル・フィドルやヴィオラ・ダ・ガンバなど中世系弦楽器と、現代的なバイオリン/ビオラ/チェロ/コントラバスを適切に融合させた構成により、「古風さ」と「厚み・奥行き」のバランスが取れた響きを出せます。

一方でピッチの緩さ(合奏時の僅かなズレ)も感じます。ただ、このゆるい調律もまた、一つの味的な要素を含んでいると感じるため、デメリットと決めつけるのには注意が必要です。ただ他の音源と組み合わせると違和感を覚える人も少なくはないでしょう。あとEAST WEST製品特有のダイナミクス変化の少なさはあります。

収録パッチやアーティキュレーションの数は、伝統的な大手オーケストラ音源と比べるとやや抑えられていますが、そもそもそのような用途で使うものではなく、出音から感じる中世ファンタジー感としての存在はおそらく唯一無二レベルと感じます。

Hollywood Fantasy Brass

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項目内容
主な収録楽器 / 構成要素Wagner tuba(ワーグナー・チューバ)Flugelhorn(フリューゲルホルン)Alpenhorn(アルペンホルン)低域金管群(トロンボーン、Cimbasso、チューバ等)
サンプル容量・比率18.32GB
価格情報¥9,861¥16,547購入サイト

Hollywood Fantasy Brass は、伝統的なオーケストラ金管とは異なる “ファンタジー風・異世界風の金管音色” を目指す作曲やスコアリングにおいて非常に魅力的な選択肢です。特に、優美さと重厚さを両立できる質感、ダイナミクスレンジの広さ、モード切替による使いやすさが強みです。

一方で、オーケストラ本流の金管音色(明るいトランペットや高音のホルンなど)を求める人には物足りなさを感じる可能性があり、明瞭な高音表現やミックス上での制御が求められます。

Hollywood Fantasy Wind

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項目内容
主な収録楽器 / 構成要素Irish whistle(高音 / 低音)Renaissance flute(ルネサンス・フルート)Uilleann pipes(ユリアン・パイプ)アンサンブルOcarina(オカリナ群)
サンプル容量・比率11.65GB
価格情報¥9,861¥16,547(購入サイト

このモジュールには、アイリッシュ・ホイッスル(高音・低音)、ルネサンス・フルート、ユリアン・パイプ(Uilleann pipes)、オカリナ等、伝統/民俗寄りの木管/管楽器が中心に収録されています。

典型的なオーケストラ木管ではなく、民族色の強い楽器を採用しているため、トラディショナルなオーケストラ音源では出せない「ファンタジー/ケルト風の雰囲気」を即座に演出できます。特にホイッスル群は雰囲気がよく遅め・速めどちらのパートにも適用できる汎用性があります。。

一方で楽器によってはダイナミクス変化が滑らかではなく、フォルテとピアノの中間あたりで制御がやや不自然になる印象もあり、ピッチのゆるさ / 微妙なズレがきになる人もいるように感じます。

また、普通のフルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットといった「オーケストラ木管」がないため、このあたりは別途音源を用意する必要があります。

Hollywood Fantasy Percussion

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項目内容
主な収録楽器 / 構成要素太鼓(大・中口径ドラム類)シンバル / ゴング / 各種金属打楽器木打楽器 / 金属打楽器 複雑奏法(ロール、フラムなど)
サンプル容量・比率9.7GB
価格情報¥9,603¥16,114購入サイト

太鼓系から細かい金属打楽器、シャカー系、民族的打楽器(Bodhran など)まで幅広く揃っており、ファンタジー音楽や異文化的リズム表現に対応できるように感じます。

用意されている打楽器は太鼓(Taiko/Gran Cassa/Nagado など大型系)、ボーラン (Bodhran)、シンバル・ゴング・金属打楽器群、シャカー類(Shaker/Goatnail Shaker/Metal Shaker など)、クロタル (Crotales)、オーケストラ金属楽器群 (Orchestral Metallurgy / Bell Ensemble)になり。壮大な世界を一発で演出できます。

ただ、ティンパニやマレット系の楽器は収録されていません。マレット系はともかくティンパニは欲しかったところです。

Hollywood Fantasy Voice

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項目内容
主な収録楽器 / 構成要素Merethe Soltvedt による Elvish(エルフ語)単語歌唱男女混声合唱(男性/女性/混合)持続音/レガート歌唱
サンプル容量・比率37.22GB
価格情報¥9,603¥16,114購入サイト

Hollywood Fantasy Voices モジュールは、幻想・神秘的・叙情的な雰囲気を曲に添えたい場合にとても効果的な声素材です。フレーズ集も用意されているためお手軽にファンタジー感あふれる歌唱世界を作り出せます。

ただ、エルフ語語句・フレーズは 60 語ほどしか用意されておらず、さらに自在に言葉を生成するわけではないため、「任意の歌詞で歌わせたい」用途には向かない印象です。

ただ個人的にはキースイッチに対応したプリセットを適当に切り替えるだけでもそれらしい雰囲気は出せて楽しめます。

Hollywood Fantasy Orchestrator

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項目内容
機能 / 収録要素他モジュールの楽器を活用し、入力された MIDI データを元に自動で編成/配分を行うスコアリング補助エンジン複数プリセット(Ensembles, Ostinatos, Scores など)を内包
プリセット数474 プリセット(Ensembles/Ostinatos/Scores を含む)
価格情報¥9,861¥16,547購入サイト

単体では機能せず、Fantasy Orchestra の全モジュール導入が前提

Hollywood Fantasy Orchestrator は、Strings / Brass / Winds / Percussion / Voices の各モジュールを素材として用い、MIDI 入力に応じて自動的に編成・アレンジを生成する “スコアリング補助エンジン” です。Sonuscore(スコアリング・ライブラリ開発会社)と共同で開発された機能で、簡単なコードや旋律入力をもとにリアルタイムにアンサンブルを築くことを目的としています。

470 を超えるプリセットは、Fantasy 各モジュールの特色(中世・民族風楽器を含む)を活かす構成で構築されており、複雑な編成を一から手で書く手間を大きく削減でき、コード進行を入力するだけで各セクションに自動割り振りされたアレンジが得られるので、理論等がわからなくても即席で音色にマッチしたファンタジー感を出せます。

Orchestrator 経由で複数セクションを同時に使うと、CPU・RAM 使用率が高くなるため、パソコン性能が低めだと動作が重くなる可能性があります。

まとめ

メーカーEastWest Sounds
システムMac
OS X 10.13 (or later)
Memory: 16 GB
CPU: Quad-core (four cores), running at 2.7 GHz (or above)
Plugins: VST-2, VST-3, AU, AAX
Windows
Windows 10 with ASIO sound drivers
Memory: 16 GB
CPU: Quad-core (four cores), running at 2.7 GHz (or above)
Plugins: VST-2, VST-3, AAX
認証方式シリアル
マニュアルソフト内で呼び出し可能(英語のみ)
価格¥40,528¥64,943
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

Hollywood Fantasy Orchestra Bundle 触って改めて思ったのはこれでしか出せない世界観にあふれた音源セットであるということ。逆を言えば、この音源は「これしかできない」というほど一点突破的な音源でもあるということです。

もちろんポップスに使ったりテクノに使ったりと使い方は自由ですが、それでも中世ファンタジー感という舞台においては攻撃力は通常の3倍になる聖剣のようなチート音源です。

バンドルセットということですが、それぞれは単体での購入も可能です。

しかし、どれか一つだけで使うよりバンドルとして使う方がより説得力の高い音楽を作れるので、セール時の今、バンドル購入することがおすすめです。

デメリットではありませんが、EAST WEST特有のピッチの甘さ等はありますし、CPU負荷の高い部分やプリセットによってはメモリに余裕がないと厳しいと感じるかもしれません。しかし、それを補えるだけ存在感があるので、「ロードオブザリンクのような中世ファンタジー系の曲を作りたい」という場合は、何も考えずに購入しても満足できるでしょう。

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