この記事では、IRDX Coreがどのようにギタートーンを進化させるかを詳しくレビューします。
ギタリストだけでなく、ギター音源を使うDTMユーザーにも効果的なこのツールは、リアルなサウンド再現や深みのある音場を作り出すための強力なサポートとなります。
従来のIR技術を超えるパフォーマンスで、まるで本物のアンプやスピーカーを使っているかのようなサウンドを実現。プロフェッショナルな音作りを求めるすべてのユーザーに向けた、革命的なツールです。
IRDX Coreとは
IRDX Coreは、ギターアンプシミュレーターのインパルスレスポンス(IR)のクオリティを底上げするプラグインです。
IR(インパルス・レスポンス)は、ギターアンプシミュレーターでスピーカーの音の特徴を再現するために使われる技術です。簡単に言うと、音がどのようにスピーカーから出て、部屋でどのように響くかを「録音したデータ」のようなものです。
ギターアンプシミュレーターでIRを使うと、ライブハウスやスタジオなど、音が響く場所の特性を再現できます。IRがないと音が平坦でつまらない感じになり、使うことで深みや広がりのあるリアルな音になります。
アンプシミュレーターやIRローダーの後段に配置するだけ実際のスピーカーが発するダイナミックで立体的なサウンドを提供します。これにより、アンプから鳴るようなリアルなトーンと、エネルギッシュなギタープレイを実現します。
IRだけでは得られにくい空気感的な密度を上げるのを得意とするため、IRではないアンプシミュではIRDX Coreのポテンシャルをフルに発揮できないというのがメーカーの考え方ですが、シンセ等に使用することで面白い効果が得られるケースもあります。
IRDX Coreの魅力
IRDX Coreを使用することで、ギターの音が「生きている」かのように感じられるため、演奏時のフィーリングが劇的に変わります。
たとえば、ピッキングのニュアンスがより鮮明に表現され、サウンドが自然に息づくようになります。また、ミックスの段階でも、ギターが他の楽器と一体感を持って混ざり合い、サウンド全体がグッと引き締まります。
ギタリストにとって、プロの現場で使われるサウンドを自宅やスタジオで手軽に手に入れたいなら、IRDX Coreはまさに理想的な選択肢です。
一方で打ち込みギター音源とアンプシミュレーターの組み合わせであってもIRDX Coreは効果的な結果をもたらします。
下記のデモソングはKontaktのギター音源、Session Guitarist – Electric SunburstとSession Bassist – Prime Bassに
NEMNEMBRINIのアンプシミュレーターでIRを使用しそこにIRDXを使ったものです。
ぱっと聞いて「音が良くなった!」と思うかどうかはギターにどんな要素を求めているかによって異なります。正直なところその違いは誰もが一聴してわかるレベルかと言われるとそうでないと思います。
しかし、IRDXを通した後ではギターの体格というかよりフォーカスが鮮明になるケースが多く、微妙な違いながら使用前後では後のミックスに大きな影響を与えます。
この僅かな違いを感じた人にとってはIRDXは強い味方になります。
IRDX Coreのデメリット
IRDXは個人的にそこまでデメリットがないように感じる製品ですが、以下のような環境ではそこまで効果が見込めない可能性もあるので、それについて解説していきます。
効果の限定的な適用
IRDX Coreは主にギターアンプシミュレーターやIRローダーと組み合わせて使用するため、それ以外の用途では効果が限定的であるか、ほとんど感じられない場合があります
Bogren Digital製品との併用不可
Bogren Digitalの他のプラグインには既にIRDX技術が組み込まれているため、それらと組み合わせても効果が重複しないため使用が推奨されません。他社製のプラグインにのみ適用する必要があります
微細な効果
効果は微妙で、特に最初は違いを感じにくいことがあります。細かい音質改善を求めるユーザーに向いていますが、即座に劇的な変化を求めるユーザーには不向きかもしれません
まとめ
IRDX Coreは、単なるギターアンプシミュレーターやインパルスレスポンス(IR)を超えた、プロフェッショナルなギタートーンを求めるユーザーにとって欠かせないツールです。
Jens Bogrenによる技術は、従来のIRが持つ「静的な音色キャプチャー」を超えて、実際のスピーカーが発するダイナミックで立体的なサウンドを提供します。これにより、アンプから鳴るようなリアルなトーンと、エネルギッシュなギタープレイを実現します。
もし、アンプシミュにもっと迫力ある音を出したい!というのであれば、IRDX Coreを使用してみることでイメージに近づける可能性があります。