KORG Collection 6 レビュー|TRINITY復刻・SGX-2搭載の魅力を解説

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KORG Collection 6 が出ましたね!TRINITYまで来るなんて、正直びっくりしました。

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個人的にはSGX-2の追加が一番の衝撃だったよ。まさかKRONOS級のピアノを、ここで使える日が来るとは思ってなかった

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そのSGX-2の音、めっちゃ良くないですか?特にGerman Grandの立ち上がり…まるで硬質な空気まで録れてるみたい

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あれは実機でも人気のモデルだね。しかも今回のCollection 6は新旧の個性が並んでるのが面白い。TRINITYの90年代らしいドライなサウンドと、SGX-2の超リアル路線が同居してる。

TRINITYやSGX-2そしてダークホースであり伝説級アナログの怪物 PS-3300が実際どのような音色なのか、レビューしてきいきます!

結論からいえば、Korg Collection 6は買いです!

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

タップできる目次

KORG Collection 6 とは

KORG Collection 6は、「シンセの歴史をまるごと自分のスタジオに召喚する」ようなワクワク感に満ちたバンドルです。

区分音源名タイプ/特徴
シンセ/ワークステーションTrinity(KORG Collection 6で追加)1990年代のPCMワークステーション
PS-3300(KORG Collection 6で追加)1977年のアナログ超ポリ・シンセ(3ユニット構成)
ARP 2600セミモジュラー・アナログシンセ
microKORGコンパクトなバーチャルアナログ/シンセ+ボコーダー
miniKORG 700Sミニサイズのアナログシンセ
Prophecyソロ・シンセ(物理モデリング等)
TRITON Extremeワークステーション(TRITON系)
TRITON古典的ワークステーション(PCM)
ARP Odysseyデュオフォニック・アナログシンセの復刻版
MS-20伝説のセミモジュラー・アナログシンセ
Polysix6ボイス・アナログポリシンセ
Mono/Poly4VCO アナログシンセ(ユニゾン/クロスモジュレーション可能)
M1PCMベースのワークステーション(ピアノ、ストリングス等多数)
WAVESTATIONウェーブシーケンシング対応シンセ(デジタル)
ピアノ/キーボードSGX-2(KORG Collection 6で追加)Kronos/Nautilus由来の高品質ピアノ音源(グランド・アップライト)
EP-1MDS(マルチ次元合成)によるエレクトリック・ピアノ音源
オルガンVOX Super Continentalクラシックなコンボオルガン音源
ビート/リズムELECTRIBE-Rリズム・シンセ/ビートボックス音源
エフェクト/ユーティリティKAOSS PADタッチパッド操作で使えるリアルタイムFX プロセッサー
MDE-Xマルチエフェクト・プラグイン(さまざまな空間系、モジュレーション系など)

今回の6になったことで追加されたのは伝説級アナログの怪物 PS-3300、90年代サウンドを象徴する TRINITY、そしてKRONOSの極上ピアノ SGX-2 が新たに加わり、合計20種類の名機が最新のDAW環境で自由自在に鳴らせます。


KORG独自のCMTモデリングによる圧倒的な再現度は、単なる懐古ではなく“当時の質感をそのまま現代でアップグレードして使える”楽しさそのもの。クラシックなアナログの太さも、90sデジタルの輝きも、モダンでリッチなピアノも、ひとつの世界に集結。


作曲のアイデアが止まらなくなる、まさに“音の遊園地”のようなコレクションです。

KORG Collection 6レビュー

KORG Collection 6
総合評価
( 4 )
メリット
  • 伝説的な名機がひとまとめ
  • 高精度モデリング
  • 現代制作への最適化
デメリット
  • 価格が高め
  • 興味がないシンセもついてくる

TRINITYについて

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私は過去にTRINITYのラックバージョンであるTR-RACKを所持していましたが、当時48kHzによるサンプリング音源はTRINITYの強みでもあり、他の音源にはない高級的な質感は思い出補正があるにしてもKORG Collectiron6のTRINITYにも再現されているように思いました。

TRINITYの音色はアタックに特徴があるピアノを始め、太く腰があるベースにギター、リッチなストリングスやパッドなどマルチ音源としての高いレベルで完成しています。リアルであるかどうかというより「個性的で主体性の強い音色それでいて当時としてリアルな音色である」というのが私の意見です。

しかし、その特徴故TRINITYは90年代的な透明感・デジタルの煌びやかさが強く、そのままだとY2K感やJ-POP初期の匂いが強く、現代Trap/Hyperpop/K-pop/シネマティックでは浮きやすい側面もあります。

TRINITYのサウンドには、未来へ向けた可能性と、過去を呼び覚ます魅力の両方が宿っています。若い世代がこの音色をどう現代化していくのかを楽しみにしつつ、自分自身は90年代J-POPを思い出させてくれる“音のタイムマシン”として堪能しています。

操作性については当時TR-RACKしか持っていないため、TRINITYとKORG Collectiron6のTRINITYの操作性について語ることはできません。そもそも、TR-RACKは音色を選ぶことに特化したTRINITYという位置づけでTRINITYのタッチパネル等による操作性の良さはまるでありませんでした。

しかし、TR-RACKはTRINITYより多くのROMを搭載していたことでTRINITYにはないパッチも存在していました。

Trinity は基本 24MB、TR-RACKは32MB の PCM ROM を搭載。Trinity 初期型よりサンプル量が多い

KORG Collectiron6のTRINITYにはTR-RACK拡張分も収録されているので、私のようなTR-RACKユーザーも不満なく扱うことができます。

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KORG Collectiron6のTRINITYを触る限り、大画面でのパラメーターの認識や、好みの音色をチェックできるフェイバリットシステムや一発で音色をイニシャライズできたり、音色選びから音色エディットまでストレスなくできるのがKORG Collectiron6のTRINITYの特徴とも言えます。

PS-3300について

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PS-3300は当時としては画期的な全鍵盤ポリフォニックアナログ・シンセサイザーでした。今となってはどのようなアナログシンセであってもPC上でモデリングできてしまい、ポリフォニック(同時発音数)を気にする必要は仕様を除いてありません。

KORG Collectironにはいままで、KORGを代表するMS-20、Polysix、Mono/Poly、ARP Odyssey、miniKORG 700S / 700などのアナログシンセをモデリングしてきたので、そこにPS-3300が加わることはもはや満を持して登場といったところだと思います。

PS-3300は近年に復刻版でリリースされたハードアナログシンセのソフト版という位置づけでもあるため、ハード版のPS-3300とデータのやり取りが可能です。

個人的にはPSシリーズについての思いれは坂本龍一さんの千のナイフで使われていたというくらいしか認識がありません。そもそも製造台数も50台くらいと少ないため、注目されるまもなく消えてしまった不遇の国産ハードシンセです。

個人的にはパイプオルガンの音が素晴らしいです。最初はPCM(サンプル)なのか?と思ったほどでした。

使用頻度としてはどこまで向き合える覚悟があるか?という強い気持ちがないとやはり使いこなせない音源ではあると思います。全力で使いたいと思えるような気持ちになったときに向き合いたいと思います。

SGX-2について

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SGX-2はKORGのKRONOS等に搭載されていたピアノ音源エンジンであるSGX-2抜き出したものです。

ハードウェアとして高い完成度を誇ったKRONOSは様々なエンジンを搭載しており、下手なソフトシンセよりはるかに高音質でした。

私も88鍵盤タイプのKRONOSを所持していましたが、起動に1分以上かかる以外は文句のつけようがなく特にピアノに関しては「これがハードシンセからでるのはすごすぎる」と当時思いました。

SGX-2は全鍵ステレオ・サンプリング、ノン・ループ処理、12段階のベロシティ・レイヤー、ダンパー・レゾナンスやメカニカル・ノイズ等の再現、ウナ・コルダ専用オシレーターを搭載というPCのピアノ音源にも負けず劣らずの高機能で、5種類のピアノ・モデルを収録されています。

ダンパー・レゾナンスはモデリング技術によるもの

  • ドイツ・グランド(German Grand)
  • 日本・グランド(Japanese Grand)
  • イタリア・グランド(Italian Grand)
  • 日本・スモール・グランド(Japanese Small Grand)
  • 日本・アップライト(Japanese Upright)

個人的にはItalian Grandがお気に入りです

さきほどのTRINITYのデモのピアノをItalian Grandに置き換えてみました、

SGX-2のインストール容量は実容量で11.2GBなので、1つのピアノあたり200MB強といったところです。

音質に関してはクラシカルなものあらポップスに合いそうなものまであるのでこれ1台あればある程度そつなくこなせるタイプです。

CPU負荷について

それぞれのTRINITYの負荷は6〜10トラック使っても、マルチコア分散も聞いているのか、10%以下、SGX-2は基本単体で使うことを想定しているのため、1トラックの使用時は5〜10%、PS-3300はリリースの長い音色を使うと50%を超えることがありましたが、全体的にCPU負荷は余裕がある印象でした。

まとめ

メーカーKORG
システムMac
Mac OS X 11 Big Sur or higher (latest update)
Intel Core i5 or better (Core i7 or better recommended) (Apple Silicon Native supported)
8 GB RAM (16 GB or more recommended)
16 GB free disk space (SSD recommended)
AU, VST, VST3, AAX (Supported 64bit plug-ins only)
An internet connection is required
PC
Windows 10 64bit or higher (latest update) (32bit environment is not supported)
Intel Core i5 or better (Core i7 or better recommended)
8 GB RAM (16 GB or more recommended)
16 GB free disk space (SSD recommended)
VST, VST3, AAX (Supported 64bit plug-ins only)
An internet connection is required
認証方式シリアル認証
マニュアルソフト内で呼び出し可能(日本語)
価格¥50,662¥67,606
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

KORG Collection 6素晴らしいです。とくにTRINITYに関してはもう言うことがないくらいの完成度です。PS-3300は名前くらいしか知りませんでしたが、パイプオルガンの音色の美しさに惚れました。調べてみるとPSシリーズ自体がオルガンの技術を用いて作られたらしいのでパイプオルガンの音色が美しいのも納得です。

SGX-2に関しては多くのプロが「これが来るとは思わなかった!けれど最高だ!」と手放しで褒めるほどのピアノ音源です。ただ、ふと思ったのはここでSGX-2がきたということは、KRONOSはCollction入りしない可能性があるではないかということです。

まだ新しい音源でもあるため、殿堂入り的なポジションにはないですが、多機能であるがためにKRONOSは現在のKORG Collection6シリーズとかぶる部分も多いため、難しいポジションになっているかもしれません。

KORG Collection 6があればゲーム音楽や歌もので使える音色が多いため、あらたにマルチ音源の購入を考えているならば、UVIやKontact音源で悩むならばこちらを購入するのが良いように感じます。

デメリットでは必要のない音源がついてくると書きましたが、これはマルチ音源では仕方ないこと。Naitive InstrumentのKompleteシリーズなどはそれの最たるところです。それと比較するとKorg Collection6の音源はどれも使いやすさと汎用性においてはどのマルチ音源よりも優れていると言っても過言ではありません。

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