「サウンドレコーディングマガジンって読んだ方がいいの?」「読んだらミックス技術や作曲が上手くなったりするの?」こんな疑問を持っている人は多いです。最新の技術や機材についての考察から得られる知識はぜひ学ぶべきところだと思います。
ですが、私は最近の記事と同じくらい昔の記事を読んでほしいと思います。
なぜなら、40年前のエンジニアやミュージシャンが今でも通用する話をしていることからそれがどれだけ「音楽をよくするための真理」として機能しているからを改めて理解できるからです。
サンレコが公式サイトで有料会員になることで創刊号から読めるようになりました。今日はその会員登録の方法と過去の記事には具体定期にどんなことが掲載されているのかについてお話したいと思います。
巨匠たちのマインド(哲学)を学べる
40年前-良い音、良い個性、サウンドクリエイターの時代がやってきた
このコピーはSound & Recording Magazine 1982年05月号にかかれているものです。
ここでのサウンドクリエイターとは「サウンドに質と個性が要求されている」と説明されています。最近でこそ「エンジニアとミュージシャンとの区別がなくなりつつある」というのは多くの人が納得しているところだと思います。
当時のミュージシャンもやはり同じことを考えていて、ミュージシャンであってもエンジニアであっても音楽に関して良い音を求める「総合的な視点をみにつけるべき」と語っています。
自作エフェクター界の人間国宝と呼ばれる若かりし頃の大塚明さんは
「自分の機材を持つ傾向が増えている。それはそれで良いけれど、そういった機材を持ったからと言って自分の音が出せるわけではない楽器や機材は自分の音楽の表現の手段でしかない、使い込んで表現して初めて自分の音が出せる。
取説を読めば使い方はわかるけど使いこなし方は自分で自分で体得するかしない最近は何事も努力しない人が多い。自分の音を追求する第一歩は機材を買う計画を立てるのではなく、手持ちの機材を120%引き出す努力をすることだろう〜
私も含めて多くのDTMerにとって耳の痛い話ではないでしょうか?コンビニ間隔で気になるプラグインがあればセールだけで買ってしまう。
自分で考え尽くすのではなく、すぐに情報を探してしまう。
もちろんこれらは今にあった使い方なのでそれ自体を悪いこととは思いません。ですが、「自分の音は自分で見つける」というのは今の私達に問われているクリエイターとしての資質だと私は考えます。
新しいサウンドを生み出すのに新しい機材は必要ない
新しいもの使えば必ず新しい音がでるというのは今私達がやってしまう思い込みかもしれません。そもそも、EDMのサウンドは最新の機材によって作られているイメージがあります。しかし、その中でもよく使われるウェーブテーブルによるサウンド自体はこれも30年以上前のテクノロジーの応用でしかありません。
考え方も同じで、目新しいものにばかりに答えを探すのではなく、そのルーツを探してその音に歴史を感じることができれば、1つの音色への理解も今とはまったく次元の違う深いものになるのは間違いありません。
40年前であってもエンジニアには音楽性を求められていた
これも今でこそ、作編曲、ミキシング、マスタリング、という作業はDTMという言葉でくくられてしまうものですが、昔のエンジニアは「音だけとればいい」という発想をしている人も少なからずいたようです。
しかし、良い音と求めるうえで「エンジニアもミュージシャン、アーティスト的な思考をもつことの大切さを今と同じレベル、いや今以上のレベルで求めています。
機材の使い方を学べる
アナログシンセなどの使い方や、普遍のミキシングテクニックなどを時代を超えて学ぶことができます。最近のアナログシンセブームにとってサンレコのバックナンバーはもっとも詳しい教科書です。
ソフトシンセの使い方を学ぶだけならばネットで情報収集が一番ですが、この時代は「なぜそうするのか?」という「Why」の部分がとても丁寧かつ熱くかられています。
名曲の裏側を覗ける
あの、名曲はどうやって作られたのか?どんな機材だったのか?これらを読み取ることができるのはDTMerにとっては貴重な経験です。
特に今の若い世代の人達からすると考えられないような手間暇をかけて音楽を作っていたことに驚くのと同時に、今の自分に足りていないは機材ではなく情熱だったことがわかると思います。
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公式サイトサンレコから右上の会員楼録をクリックして任意のサービスを申し込むだけです。あとはバックナンバーを読み漁るだけですが、雑誌を読むにあたって、キーボードでページを送りをできる機能が見当たりません。
ページをめくるときにはマウスでページ送りボタンを押さなければいけないみたいです。このあたり少し不便だと感じました。
まとめ
新しい情報には常にアンテナを貼るのはクリエイターとして大切なスキルですが、歴史に学ぶというわけではありませんが、古き時代、サウンドクリエイター創成期の巨匠たちの哲学やその時代の機材やシンセの使い方など、サンレコのバックナンバーとおなじレベルの情報をネットで探すのは不可能です。
「古臭い情報からは何も学ぶことなんかないわ」と思わずに一ヶ月だけでも100円セールを使って昔のサンレコを読んでみてください。多くのことに気がつくこと間違いなしです。