UVI Synth Anthology 2を買う目的はずばりハードウェアサウンドの補完です。ありとあらゆるハードウェアのサウンドをサンプリングして作られたSynth Anthology 2は音の万国博覧会と言われています。この記事ではSynth Anthology 2の魅力とメリット・デメリットについて説明しています。「みんながいいから買う」ではなく「私が求めているものなのかどうか?」見極められているから購入を検討することの参考になると思います。
Synth Anthology 2とは?
- 77の実機ハードウェアシンセサイザーからサンプリング
- 2518のプリセット
- 8.22GBの容量
モデリングではなく、実機からのサンプリングなので、機種ごとの音質差までを含めた音色を楽しめます。
Synth Anthology 2のメリット・デメリット
音作りが簡単
77のハードサンプラーをサンプリングしたものとはいえUVI Falcon(UVI Workstation)というエンジンで再生する1つのオシレーターという見方もできます。それゆえに音の作り方はサンプルを選んで、エンベロープとフィルターによるアナログシンセのようなシンプルな音作りが可能です。これは初心者であっても自分の想像どおりの音の時間変化を簡単にコントロールできるということです。
音色の特徴「勢いがある」
誰もが一度は耳にしたことがある音が満載です。すべての音色に勢いがありナチュラルなコンプ感があってパワー溢れる音色が多いです。ベース音源などは低域にパワー感があり、しっかりと楽曲の芯を支えるボトム感を作ってくれますし、リードは痛すぎず、ハードの質感を残した雰囲気で曲にマッチしやすい音が多いです。
またDTMerが一度は憧れるJD-800のピアノの音もかなりのクオリティで収録されているので、それだけでも買いになる人はいるかもしれません。
またポップスを作る人に必要なシンセベルもかなり搭載されているので「シンセベル」の補完用としても使えると思います。
ドラム音源とオケヒットは入っていない
マルチ音源的な立ち位置ですが、ドラム音源は収録されていません。ハードウェアの質感があるドラム音源を使いたい場合はBeatbox-anthology2がオススメです。記事に関してはこちらが参考になります。
またDTMerにとっての困ったときのアクセント音色「オケヒット」も搭載されていません。
リアルではない
ピアノやストリングスの生系の音色も入っていますが、お世辞にもリアルではありません。しかしこの時代の音色は決められた音域のみものすごい個性を放つサウンドが多いです。
つまりその個性をいかに把握して使い所を間違えずに使えるかがSynth Anthology 2の使い方のポイントの一つとも言えます。
王道な音の集まり
Synth Anthology 2は有名ハードの音源をかき集めているのである意味「王道サウンドの宝石箱やー」状態ですwしかし逆の言い方をすると「どこかで聞いたことがある音」=「使いつくされた古い音源の集まり」とも言えます。
それらをただ並べて作った場合間違いなく「なんか古い感じでイケてない曲」になります。もちろんそれを狙ってするのはありだとは思いますが、無個性にただ音色をセレクトとしてしまうのだけは避けたいところです。
使い方が試されるある意味玄人向けの音源
誰もが聞いたことがる音源ということは先にも紹介しました。それだけにこの音源の使いこなしは難しいともいえます。例えばJD800のピアノの音はR40にとってはTK臭しか感じませんw「やっぱりJD800のピアノはどこまでいってもTKサウンドだね」となるのか「えっ?これJD800のあのピアノ??すごいなこんな使い方できるんだ!」
後者の評価が得られるようなサウンドを作れる人は確実にサウンドクリエイターとしての資質が高いといえます。そしてこういう考え方ができるDTMerはオリジナリティの高い楽曲を作ることができます。
「王道」をいかに使いこなせるか?というセンスそのセンスを鍛えるという意味でも「王道サウンドの玉手箱である」Synth Anthology 2をもっておくことはDTMerとしてのスキルアップに役立つとも言えます。
「もう使い古されたサウンドには興味ないわ」なんていう食わず嫌いをせずに「まだ可能性があるかもしれない!その可能性を自分が見つけてみせる」ぐらいのDTMerはぜひ手に入れることをオススメします。
逆に「とりあえずセールだから買う」という中途半端な気持ちだと買って「わーいいろんな音が入ってるすごいなー」と思うも数日も経てば飽きてしまう可能性があります。
まとめ
レビューサイトで言わない本当のことそれは「王道サウンドの玉手箱」であるがゆえに「使い古されたサウンド」でもあるということです。使い方にはかなり明確な目的を持って使わないと諸刃の剣になってしまう可能性が高いです。ですが、この音源は買いです。
Synth Anthology 2の中の音色はJPOPが一番勢いがあった時代のサウンドがてんこ盛りです。音色の傾向からJPOPサウンドとは何かを学び直すことで普遍性のある音楽を作るよい勉強材料になります。
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