Tape MELLO-FI メロトロンの質感でLo-Fi系サウンドを極める

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程よく劣化して音がユラユラしている。これはLo-Fi系サウンドの特徴の1つです。この音を再現するためにいろいろメーカーから「Lo-Fi系プラグイン」なるものがリリースされています。

しかし、使ってみると「なんか違う」と思う人も多いのではないでしょうか?

そこで試してみてほしいのがLo-Fi サウンドに特化したVSTプラグインのTape MELLO-FIです。

WAVESの汚し系プラグインとはまたひと味違うLo-Fiがかんたんに手に入ります。

リリースされて間もないわけですが、ざっくりと触ってみた感じをレビューしてみたいと思います。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
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Tape MELLO-FIとは

Tape MELLO-FIは往年のシンセを独自の技術でモデリングしているArturiaが作ったメロトロンサウンドエミュレーションプラグインです。

音の質感は好みがあるもののこのクオリティを期間限定(12月31日まで)とはいえ無料配布してくるあたりArturiaありがとう!って感じです。

メロトロンの音について

メロトロンの音について

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1963年に発売されたメロトロンは、すべてのキーの下にテープ再生メカニズムを備えたキーボードでした。Tape MELLO-FIのサウンドと動作は、この伝説的な楽器をソフトウェアで再現したMellotronVに触発されています。

オリジナルのメロトロンのテープベースの機能は、以前は考えられなかった方法でオーケストラサウンドをキーボーディストの手に渡した。この機能は、私たちが知っているように音楽に革命をもたらし、その影響は今でも感じられています。

引用:Arturia公式HPより

Tape MELLO-FIの機能と使い方

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Tape MELLO-FIはPREAMP TAPE で音色を作り、OUTPUTで音量調整、FILTERで整えるという感じです。

おすすめはPREAMPのDRIVEとTONE、そしてNOISEです。DRIVEの下の爆発ボタンみたいのを押すと3dB近くゲインが上がります。レッドゾーンギリギリに入る辺りのサチュレーション感はかなり病みつきになります。

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TONEはBand Pass FIlter的なもので、スイッチを入れると起動します。

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正直Tape MELLO-FI の音の8割はここで決まっているような感じもします。

NOISEでは以下の画像のようなノイズが負荷されます。このノイズはあインプット後つまりDRIVEより後に付加されるものなのでDRIVEでノイズの量が変わることはありません。

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ノイズ成分をキャプチャ
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TAPEでは主に、テープ速度による揺れの再現とテープサウンドで発生するノイズをエミュレーションしています。

ユニークなのはWEARというMECHANICSというノブです。MECHANICSはテープが動いている音を数秒間サンプリングして作られたものだと思いますが、後述するテープストップとも連動してくれるのが楽しいです。

MECHANICSもPREAMPのNOISEと同じように、独立した仕様になっているのでノブでノイズ量を調整できます。

WEARは入ってきた音に付加するノイズであり、劣化したテープの音をシミュレートします。

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220Hzのサイン波にWEARノイズを付加したもの
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テープストップ速度を8段階で変更できます。この速度はDAWのテンポとSYNCするのでより意図したテープストップ速度を得ることができます。ただ、テープ速度のカーブは調整できないので、そのあたりで気に入る人とそうでない人は出てきそうです。

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FILTERはハイパスローパスともに12dB.左に回せばローパスフィルターとなり右に回せばハイパスフィルターになります。ただ12時ではBYPASSということではなくおそらく若干のローパスフィルターが入っているような挙動になります。

Tape MELLO-FIサウンドデモ

Tape MELLO-FI BYPASS
Tape MELLO-FI ON

中域にほどよく音が集まり心地よいLo-FIになります。テープの揺れがベタな打ち込みに味わいをつけてくれています。

この質感好きな人はたまらないと思います。

Tape MELLO-FIを使うときの注意点

バウンス時の書き出しに注意!

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Logic Pro には”オーディオディテールを含む”というバウンスオプションがあり、それをONにすると、書き出したい小節が終わってもすぐに音が切れることがなく、余韻を含んだ部分まで書き出してくれます。

しかし、その機能を使ってTape MELLO-FIを使って書き出すと、30小節くらい多めに書き出されてしまいます。なので、Tape MELLO-FIを使ったトラックやマスターで使った場合は最後にオートメーションでボリュームをゼロにしておく必要があります。

テープスタートはない

テープストップはありますが、スタートがありません。メロトロンは鍵盤がスタートスイッチみたいなものなので、わからなくはないですが、個人的にはスタートボタンも欲しかったなーといところです。

まとめ

Arturiaは相変わらず良い仕事をしてくれます。

音の善し悪しや好き嫌いはありますが、これはLo-FI好きは持っておいて損はないと思います。メロトロンの質感を再現しているということですが、PREAMPだけでもかなり音が作り込めるので、フィルター的な意味合いで音作りプラグインとして持っておいてもいいかもしれません。

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