- グリッチ系のエフェクトを使ってみたいけど画面が難しそうでよくわからない
- シンプルな画面で効果もわかりやすいグリッチ系エフェクトプラグインを使ってみたい!
こんな悩みに対応してくれるのがTimeShaper 2です。スタッター、テープストップ、スクラッチなどを簡単に扱え自分でもかかり具合や変化の深さを調整できるのがポイントです。
TimeShaper 2とは
Time Shaper 2は6つのエフェクトが一つに集まったShaper Box2というマルチエフェクトの1つの機能ということです。
その機能はおもにテープストップや、スクラッチ、スタッターになります。
Time Shaper 2を使うことで、リズムを変化させ味気なかったメロディやリズムを有機的に変化させることができます。
というわけで簡単なデモを作ってみました。20小節のループを切り貼りした曲です。一周目はTime Shaper 2なし
2周目でTime Shaper 2をありにしています。
難しいことは一切なし!。効果とそのかかり具合を選んだだけです。メロディはまるで最初からそうであったような自然な雰囲気になりますし、コードのリズム的なアプローチもユニークかつ自然で「これ使ってみたいな!」と思わせるポップでキャッチーなものです。
大量のプリセットから選んでも「こんなのどう使うの?」みたいな苦労はしなくていいのがTime Shaper 2の魅力の一つです。
Shaper Box2とは??
TImeには時間系変化に特化した機能がありテープストップや、スクラッチ、スタッター
FilterにはLPF,BPF、HPFなどの28種類のエフェクター搭載しています。
PANはオートパン機能を任意に設定可能
Volumeはサイドチェイン、コンプ、ノイズゲート的なトリムヒット
Widthはステレオを時間変化でコントロールできます。
そしてこれらはモジュラーごとに購入できるユニークな仕様になっています。
今回セールで取り上げられているのはテープストップや、スクラッチ、スタッターなどがメインの機能となる。Time Shaper 2になります。
なお、各ボックス(モジュラー)の価格は次のようになります。
TIme Shaper 2 | CrushShaper | PanShaper 3 | WidthShaper 2 | VolumeShaper 6 | FilterShaper Core 2 | |
価格 | 4,671円→1,592円 | 4,671円 | 3,609円 | 2,548円 | 3,609円 | 4,671円 |
全部合わせると、23,779円になります。
今後も各ユニット追加されていく可能性があるのが楽しみです。
グリッチ系エフェクトとは?”]
あらゆるエフェクトを使って時間的変化を機械的に変化させる。それがグリッチエフェクトの特徴です。
有名なのは
Gross Beat(windowsのみ)MRhythmizer、stutter Edit 2やGritch 2
TimeShaper 2の機能
- 波形編集ツールによるエフェクト編集
- 3バンドマルチLFO
TimeShpaerの機能は主にLFOです。LFOの速度をコントールすることで、スクラッチなどの効果も再現できるわけですが、
3バンドに分かれているのが注目すべき点です。任意の周波数に好みのLFOを設定することで特定の周波数のみに時間変化的なエフェクト効果を与えることができます。
そしてこの3バンドという機能は後述する他のプラグインにもすべて当てはまります。
使用環境
- Mac
- Mac OS X 10.8以降(64ビットのみ)
- VSTまたはAU
- Windows
- Windows 7、8または10(32および64ビット)
- VST
AAXには対応していないのでProtoolsで使う場合はブリッジ系のソフトが必要になります。
TimeShaper 2のメリット
誰でも簡単にEDMな雰囲気の曲を速攻で作れる!
上記のデモでもそうですが、オーディオを貼り付けてTimeShaper 2をさし、後は適当にパラメーターをいじるだけで
びっくりするくらい簡単にEDMな世界観を垣間見ることができます。
「でもやっぱり専門知識を知らないと使えないのでは?」と思うかもしれません。確かにあればより深みがあるサウンドを作ることができるのは間違いありませんが、それはこのプラグインに限ったことではありません。
プラグインに重要なのは音質とGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)です。
複雑なパラメーターによって音を作り込むのもよいのですが、シンプルな操作性でかっこいい結果が私の求めるよいプラグインの定義です。
TimeShaper 2を使用する際に重要なのは中央の画面にある線の描き方です。これがパラメーターの変化度合いになります。
TimeShaper 2ではこの線のタイプをツールで選択することで簡単に設定できます。
stutter Edit2にもこのように曲線を描ける同等の機能はありますが、TimeShaper 2では取り込んだ音のダイナミクス表示がされるのに対して
stutter Edit2そのような表示がありません。どちらかというと無味乾燥的な表示です。このあたりの機能がプラスなのかマイナスなのかはクリエイターの価値観によってかわるところだとは思いますが、私は、TimeShaper 2の方がキャッチーなカラーと操作性が好みです。
よく出来ているのが「今書いた線やっぱりなし!」というやり直しについてもUNDO/REDOがあるのが便利です。そして気に入らない場合はゴミ箱ボタンをクリックでデフォルトの状態にすることが可能です。ちょっとしたグラフィックソフトを触っている印象です。
イメージ通りの音を描くという表現がぴったりの機能です。
フィルターとボリュームの機能がすごすぎる!
さて現在セールになっているのはTime Shaper 2だけですが、実はフィルターやボリュームがものすごく多機能です。
- フィルターは28種類から選べ、エンベロープジェネレーターを内蔵
- フィルターもコンプもシングルバンドから3バンドのマルチバンドに対応している
- フィルターもコンプもステップレベルで音の変換を作り出すことができる
一つずつ説明していきます。
フィルターは
6dB〜24dBカーブにつきLPF〜HPFにNotchとPeakを内蔵
さらにNOTCH PHASERとPEAK PHASERには2〜8のPhaserタイプを選択可能
質感が本当に素晴らしく「THE フィルターサウンド!」という音を聴かせてくれます。もちろんレゾナンスもビンビンです。
さてここからすごいのがTimeShaper 2です。
まず帯域別にフィルターのタイプを変更可能です。
低域には24dB Warm LP、中域にはClean LPなどといった使い方が可能になります。そしてレゾナンスも帯域別に設定できます。
フィルターとレゾナンスをあわせたいかにも!なフィルターサウンドから、キックの周波数をレゾナンスで発振させることでサブベースを作り出すことができます。
そのためaddictive DRUMS2などの「かっこいいけど音が少し軽い」ドラムサウンドに強烈なボトムを作り出すことも可能です。
また帯域別にわけたフィルターにはすべてエンベロープジェネレーターでコントロールできます。エンベロープの設定次第ではダイナミックイコライザーならぬダイナミックフィルター的なかかり方もできるので通常のフィルタープラグインにはないサウンドを作ることができます。
ここまでできるとグリッチ系のマルチエフェクターという感覚ではなくなり、高機能なサウンドシェイププラグインです。
ボリュームでは音量の変化をコントロールできます。
主にサイドチェイン的な使い方が一般的ですが、コンプをONにすることでボリューム変化曲線の中でコンプが起動するという使い方になります。
フィルター同様、帯域別に設定が可能で3バンドのマルチバンドコンプとして使うことが可能です。
圧縮に慣れていない人でもコンプ量(圧縮度合い)と音量変化がわかりやすく表示されるのでコンプの学習にも大いに役立ちます。
TimeShaper 2のデメリット
MIDIアサインの癖が強い!
TimeShaper 2は他のグリッチ系プラグイン同様MIDIキーボードで変化のパターンを切り替えられます。
MIIDアサインは赤印で囲ったところで設定します。
このように任意のボックすから任意のパラメーターをアサインするわけですが、TImeでScratchが選択されている状態でFilterのパラメーターを動かすと
2つのパラメーターが同時に反省されます。どちらが一方を切りたいとなった場合、デフォルトである横線のモードをアサインすることで片方をON、片方をOFFといった形で使い分けますが、ちょっと手間を感じます。
また、FilterモードでTImeモードをのパラメーターを表示すると本来TImeモードは緑色ですが青色(Filterモード)でTimeモードが表示されます。
↓以下の図はTimeモードでScratchを選んだ状態で、Filterモードにしておくと、色が青色のままになる。
初心者には少し戸惑ってしまうポイントになるので注意が必要です。
また、MIDIキーボードにアサインできる数が9つしかないというのがStutter 2などに比べると多少見劣りします。ですが、逆に増やしすぎて「何がなんだかよく分からない!」ということにもなりかねないので実はこれくらいのアサイン数の方がしっかりと音の変化具合をコントロールできるのでちょうどよいのでは?と思ったりもします。
イニシャライズ機能が少し使いにくい(地味に大事なこと!)
「自分だけのプリセットを作るためにわざわざいろいろな機能をオフにしていく煩わしさを」創作以外の時間は本当に無駄です。1分1秒のひらめきをキャッチするのがクリエイターの勝負どころです。そういった意味でもマルチエフェクト系にはイニシャライズ機能が必要不可欠です。
TimeShaper 2のイニシャライズ機能はプリセット選択画面の中にあります。
しかし、イニシャライズパッチは1ページ目にありますが、プリセットページをめくっていったときに「イニシャライズしたい!」と思ってもまた1P目に戻らないといけないのが少し残念です。ユーティリティモードがどこかにあって一発でイニシャライズできればより使い勝手がよくなると思います。
TimeShaper 2の負荷
- パソコン Macmini2018
- CPU Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
- メモリ 32GB
- システム OS10.14.6 Mojave
- Audio/IF Motu896HD
- バッファー 256
- DAW LogicProX10.4.8
この環境で負荷はほとんどなしです。
もともとはMIDIエフェクトの部類なのでCPUソースを消費することはほとんどありません。
グリッチ系プラグイン価格比較
stutter Edit2 | 21,400円 | Mac/Win |
Gross Beat | 8,392円 | Winのみ |
Glitch 2 | 5,999円 | Mac/Win |
MRhythmizer | 5,736円 | Mac/Win |
他のグリッチ系プラグインと比べても比較的安いです。ですが、安い=悪かろうではない 非常にユニークマルチエフェクトプラグインだと言えます。
まとめ
Time Shaper 2は
- 5つのモジュールから成り立つグリッチ系マルチエフェクトプラグイン
- 使いやすいGUIとかかり方を自由にコントロールできる曲線を任意で描けるのがポイント
- フィルターやボリューム機能ではダイナミックマルチバンドフィルターやマルチバンドコンプ機能が優秀
- MIDIアサインに癖があり少し慣れが必要
9月30日までのセールなので、この価格ならば楽しめる以上の価値を与えてくれるプラグインです。
ShaperBoxは、ループベースの音楽を扱うすべての人にとって不可欠な存在になってくれる可能性が大きいマルチエフェクトプラグインです。多くのEDM系アーティストからの評価も高くその品質は満足のいくものになるでしょう。
もし、どうしても「世界で一つだけのグリッチ系のエフェクトサウンドを作るんだ!」と豪語する人にはStutter 2の方がいいかもしれませんが、
「シンプルで難しい操作が苦手な私でもそれらしい音が簡単に作れてなおかつ深いところまでも音作りができるものがほしい」ならShaper Box2です!
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