
Trackspacerってすごいってよく言われるけれど何が凄いの?

32バンドのダイナミックイコライザーを使ってトラック同士の音のかぶり(マスキング)を簡単に軽減してくれるものだよ

モコモコしなくなる?

音のかぶりを減らせばモコモコなミックスを回避できる可能性は大きいね!
メリット | デメリット |
---|---|
シンプルな操作性 32バンドによる解析 CPU負荷の軽さ | 自然な処理の限界 細かな設定の制限 |
Trackspacer
2021年10月にリリースされたWavesfactoryのTrackspacerは、ミックス内で特定のトラックに必要な周波数帯域をリアルタイムで他のトラックから削減し、音の重なりを解消するプラグインです。
機能の簡易解釈
アタック(Attack): これは、Trackspacerがサイドチェイン信号を検知してから効果を適用し始めるまでの時間を指します。
- 短いアタックタイム(例: 1~5ms): サイドチェイン信号に即座に反応し、迅速に周波数を抑制します。これにより、パンチのある効果が得られます。
- 長いアタックタイム: 効果の適用が遅れ、より滑らかな反応となります。
リリース(Release): これは、サイドチェイン信号が減少した後、Trackspacerが効果を解除するまでの時間を指します。
- 短いリリースタイム(例: 1~10ms): 効果の解除が迅速で、サウンドがすぐに元の状態に戻ります。これにより、タイトで明瞭なミックスが可能です。
- 長いリリースタイム: 効果の解除がゆっくりで、より自然で滑らかなサウンドを維持します。
これらの設定は、楽曲のテンポやジャンル、使用する音源に応じて調整することが重要です。例えば、速いテンポの曲では短いアタックとリリースが適しており、遅いテンポの曲では長めの設定が効果的です。また、Trackspacerは通常のコンプレッサープラグインのように、スムーズまたはパンチの効いた効果を作り出すことができます。
最適な設定を見つけるためには、耳で確認しながら微調整を行うことが推奨されます。具体的には、AMOUNTを大きめに設定し、アタックとリリースの値を少しずつ変化させて効果を確認し、最適なポイントでAMOUNTを適量に戻す方法が有効です。
リアルタイム周波数カット
サイドチェイン信号を解析し、必要な周波数帯域のみを即座に削減します。 これにより、音質を損なわずにトラック間の干渉を最小限に抑えます。
32バンドEQによる精密制御
広範な周波数帯域を細かく制御でき、特定の帯域のみをターゲットにした調整が可能です。 Waves Factoryこれにより、ミックスの透明感と明瞭さを向上させます。
簡単な操作性
直感的なインターフェースで、初心者からプロまで幅広いユーザーが容易に使用できます。 サイドチェインの設定もシンプルで、迅速なミキシング作業をサポートします。
Trackspacer レビューレビュー
- シンプルな操作性
- クリアな音質
- CPU負荷の軽さ
- 自然な処理の限界
- 細かな設定の制限
- ゲインが存在しない
32バンドダイナミックイコライザーによる解析
Trackspacerの魅力は32バンドダイナミックイコライザーによる解析とシンプルな操作性でトラック感の音の干渉を取り除く点です。
そのため動作は軽く、気軽に使えるというのがメリットの一つだと感じます。また発音した後のリリース感が割とナチュラルな印象があります。
早速効果を確認してみましょう。
中央のメインノブのかかり方がわりと大きいのか、個人的には30〜40%くらいで使うのがよいように感じました。
音質的にはクリアさで原音のニュアンスを保っています。リリースされた当社
また、機能としてアタックとリリースがあるため、効果の適用の速さと解除のスムーズさを調整できるので、よりこだわりたいという人には嬉しい機能かもしれません。リリースされて4年近くたちますが、質感と操作性が多くのユーザーから信頼感を得ているのもわかる気がします。
ただ、トラック同士のかぶりを解決する方法の結果としてゲインが変化してしまいます。Trackspacerにゲインがないため、変化したゲインはミキサーかゲインを調整するプラグインに頼ることになります。
CPU負荷はかなり低く、オーディオ、ソフト音源時の併用はまったく問題ないレベルだと言えます。
類似製品との比較
Trackspacerと比較されることが多いFireSpacerですが、両者ともサイドチェイン信号に基づいて特定の周波数帯域を動的に調整する仕組みを採用していますが、その処理はTrackspacerとは異なるアルゴリズムを用いています。以下に違いを詳しく説明します。

以下は、TrackspacerとFireSpacerの違いを分かりやすく比較した表です:
項目 | Trackspacer | FireSpacer |
---|---|---|
処理方法 | 32バンドのEQによる周波数削減 | スペクトル処理を使用した動的なアルゴリズム |
アルゴリズムの種類 | 固定のEQ処理 | 4種類のアルゴリズム(Spectral 1/2, No Latency 1/2) |
柔軟性 | シンプルで直感的な操作 | 詳細な周波数帯の調整や複雑な処理が可能 |
CPU負荷 | 比較的軽量 | アルゴリズムによって変動(モード切替で調整可能) |
用途 | 標準的なサイドチェイン処理 | 精密なサウンドデザインや高度なミキシング |
価格帯 | $64.90 | $81.40→$31.90 |
主な特徴 | 長年の定番プラグイン | 最新のアルゴリズムで高精度な処理を実現 |
- TrackspacerはEQ処理に特化しており、長年の信頼性がありますが、FireSpacerは最新のスペクトル処理アルゴリズムにより柔軟性が高く、幅広い用途に対応可能です。
- FireSpacerは用途に応じたモード切り替えが可能なため、処理の重さと精度のバランスを調整できます。
Trackspacerが32バンドEQを軸にしているのに対し、FireSpacerはスペクトル処理を重視した設計で、EQに縛られない幅広い処理を提供します。その結果、FireSpacerはより複雑なアルゴリズムを使用し、状況に応じたカスタマイズ性が高いと言えます。どちらを選ぶかは、ユーザーの求める精度や柔軟性、使用環境によります。
価格面で比較すると、Trackspacerの最大割引は昨年のBFの50%であり、価格は$29でした。それと比較するとFireSpacerは今回大きなセールはお買い得に感じます。
まとめ
メーカー | Wavesfactory |
システム | Mac OSX: 10.9 or higher (64-bit only) Big Sur & Silicon compatible DAW capable of hosting VST or AU, or Pro Tools (AAX Native). DAW with sidechain functionality. Intel/Apple Silicon processor. Windows: Windows 7, 8, or 10 (64-bit only) DAW capable of hosting VST plugins, or Pro Tools. DAW with sidechain functionality. |
認証方式 | シリアル |
認証数 | 制限なし |
マニュアル | 英語 |
価格 | $64.90 |
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Intel Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
Trackspacerは、シンプルな操作性と効率性で初心者からプロまで幅広く支持されています。特定の周波数帯をリアルタイムで処理し、ミックス内のトラック同士の干渉を効果的に解消します。操作が簡単でCPU負荷も軽く、複数のトラックに適用しても快適です。
主なメリット
- 直感的な操作性: 設定がシンプルで、即座に効果を得られます。
- リアルタイム処理: 入力信号に応じて周波数帯を動的に調整。
- コストパフォーマンス: 手頃な価格で高品質な結果を提供。
- 特化型設計: ボーカルやキック、ベースなどの競合解消に最適。
使用例
- ボーカルとバッキングトラック: ボーカルのクリアさを確保。
- キックとベース: キックのアタックを優先。
- 映像音楽: ダイアログとBGMの干渉を防止。
Trackspacerはシンプルかつ効果的で、特に初心者や中級者に適しています。FireSpacerの多機能性が不要な場面では、Trackspacerの方が効率的にミックスを最適化できます。