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DTM ボーカル 宅録クオリティを上げるために意識したい2つのこと

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DTMでボーカル録音してもミックス時にコンプやイコライザーをつかってもなんかイマイチやっぱり良いマイクを使うべきかな?

DTMでクオリティの高いボーカルレコーディングをするときに大切なのは音程等は基礎的なことですが、

  • ボーカルの帯域を意識する
  • タイミングを合わせる

この2つを意識するだけでクオリティの高いボーカル録音が可能になります。特別高いマイクでなくてもこれらを意識するだけで全然変わります。

今回は具体的なボーカルの音域と他の楽器との関係、ボーカル録音のときに気をつけたいこと、この2点について詳しく書いています。どちらも覚えておいて欲しいですが、どちらか1つをとるならばボーカルの周波数帯域だけでも覚えておくとボーカルのクオリティアップにつながります。

UG
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ボーカルの周波数帯域をチェックする

いきなりですが、私はボーカリストのキーは調べると出てくる「MIDなんとか…とか」「LOWなんとか」「Hiなんとか」が嫌いですw ボーカルさんはこれらを見たらすぐにわかると思うので私の慣れの問題かもしれないのですが、でもそれより自分の音が周波数でいうとどれにあたるのか?という具体的な数値を知る方がイコライザーやプラグインを使うときに便利です。

というわけでここではMIDなんとかという書き方はしません。すべて周波数と音程表記にします。

男性(女性)オペラ歌手の音域から周波数を確認してみると次のようになります。

  • バス     D2(82.407Hz)〜D4(294Hz)男性 低い
  • バリトン   G2(98Hz)       〜G4(392Hz)男性 中間
  • テノール      B2(123Hz)      〜B4(494Hz)男性 高い
  • アルト    E3(165Hz)      〜E5(659Hz)女性 低い
  • メゾソプラノ G3(196Hz)     〜G5(784Hz)女性 中間
  • ソプラノ   B3(247Hz)      〜B5(988Hz)女性 高い

これをポップスのキーに当てはめると次用になります。

  • 男性ではテノール  B2(123Hz) 〜B4(494Hz)男性 高い
  • 女性ではメゾソプラノ〜ソプラノG3(196Hz)〜G5(784Hz)女性 中間

よく男性は女性に比べて1オクターブ低いというのがこの音域からも見てわかりますね。これをアナライザーでみると次のようになります。

青が男性、黄色が女性です。

画像

このように表示すると思った以上にボーカルの帯域って狭く感じるかもしれませんね。もちろんこれは一切倍音を含まない音なので実際はもっと上に周波数が伸びてきますが、音域に関してはこの幅でしかありません。

この帯域を理解すれば「ボーカルの居場所を明確にすることができます」つまり他の楽器をイコライジングするときに「B2(123Hz)  〜B4(494Hz)は男性 のボーカル帯域だから少しその帯域だけあけておこう」という考え方ができるようになります。

ちなみに、各楽器をスペクトラム・アナライザーで実音域の表示すると上から順に次のようになります。

  • 男性ボーカル(青)
  • ギター(緑)
  • キック(赤)
  • スネア(オレンジ)
  • ベース(白)
画像

男性ボーカルに多くの帯域が重なっているのがわかります。これがいわゆるマスキングされた状態です。あくまでこれは音域幅を表したものなので、つねにこのようなかぶり方をし続けているわけではありませんが、イメージとして覚えておいても間違いではありません。

いってみればこれが音がこもる原因でもあります。

これらを踏まえたうでイコライザーなどのプラグインをどう使うかを考えることでボーカルトラックのクオリティがあげられるわけです。

使うプラグインについて

定番なのは次の3つです。

  • コンプ
  • イコライザー
  • リバーブ(ディレイ)

これらをどのように使っていくかを正しく考えることでクオリティの高いボーカルトラックになります。

録音時にコンプをかけるメリット/デメリット

録音時にコンプをかける人とそうでない人もいますが、かけるメリットはレベルを整えることで安定したボーカルになるからです。しかし、ガッツリかけすぎると、後で修正ができなくなります。間違ったコンプの設定で歌詞が聞こえにくくなってしまうので注意が必要です。

録音時のかけ取りはジャンルやテンポにもよりますが、レシオは4:1〜6:1程度でリダクションは3〜5dB程度にしておくくらいにします。アタックタイムが速すぎると言葉の頭が潰れてしまうので速い→遅いという形で動かして頭が潰れないようにします。

リリースは余韻を作るためなので、遅い状態→速くする という動かし方でムリのない余韻を作るように心がけるといいかもしれませんが、

もしわからないのであれば無理してコンプをかける必要はありません。レベル管理だけしていれば大丈夫です。

ボーカルトラックだけで聴いている分にはそのように感じないかもしれませんが、オケにのせると潰れてしまった音はかなり奥に引っ込んでしまい前にでてこなくなります。こうなるとボーカルトラックのクオリティは上がりません。

イコライザーの使い方と考え方

取りの段階では積極的な音作りはせずに、ローカットでノイズ対策として使うことが多いです。ラジオボイスなどのような積極的な音の加工を目指しているのであれば話は別になりますが、ボーカルトラックで派手にブーストはしない方がいいです。そこまでしなければいけないのは録音時に問題があることになります。

基本はブーストより被り対策(マスキング対策)的な意味合いで作る方が自然なボーカルトラックになります。

リバーブ(ディレイ)の使い方

オケとのなじみや空間演出による使い方が主な使い方になります。一般的によく使われるリバーブはルーム、ホール、プレートの3つですが、ボーカルにプレートリバーブが多く使われます。その理由は存在感を出しながら明るい響きを作ることができるからです。

ディレイの場合

ディレイに関してはエンジニアによって考え方が違う場合があります。音が何度も繰り返されるというのは本来自然にはない存在です。(やまびこは特殊な例です)なのでその人工的な音の繰り返しをどう扱うかというのは1つのアクセントとして理解するのがよいかもしれません。

ディレイもリバーブもかけ取りはしません。ボーカルはドライな音で録音するのが基本です。またボーカル録音時に自分だけの返しにリバーブを送る人もいますが、タイミングのズレなどの原因にもなるので推奨しない人もいますが、気持ちよく歌うことで得られるサウンドの良さもあります。

私個人としてはそれでもあまり使わないようにしています。その方が経験上ボーカルトラックのクオリティが高くなることが多かったので

ダブルボーカル(ハモリ)の処理

ダブルとは音程を変えずに歌う方法で、ハモリはハーモニー(ドとミ)の関係になるような歌い方です。ダブルをすることで音にパワーがでるようになるのでサビはダブルにするというのがよく使われる方法です。

ただ、ダブルをする場合はリズムのタイミングを大切にしないとダブルの効果は弱くなります。正しいタイミングで歌ってこそダブルが効果的になります。しかし、「やっぱりタイミングがずれてしまう」という人はメロダインやDAW付属のピッチ編集ソフトを使うことである程度修正できます。

またVocALign Project 3というプラグインを使うことで自動で長さやタイミングを修正してくれる便利なものもあります。

画像
Audio Plugins from Pluginboutique.com

ボーカルコンディションの維持

録音は一日で!

アマチュアで多いのが「今日はAメロだけ」というふうにバラバラで録音していまう人が多いですが、これはやめた方がいいです。なぜならばマイクのセッティングも変わりますし、体調やその日の気温などによっても変わってきます。

とくにマイクセッティングによる変化はかなり音が変わるので、ボーカルの録音は一日で終わらせるほうがトラックの安定感は維持されます。

ノイズ処理

きちんとした録音ブース出ない限りいろんなノイズがマイクに入ります。

  • エアコン
  • パソコンのファンの音
  • 外の喧騒音
  • ヘッドホンから漏れたクリック
  • 足でリズムを取る

これらは少量でもトラックでの音作り時において音量をあげていくことで不必要なノイズも増えます。これらは音の濁りの原因にもなるのでノイズ対策はできる限り徹底的にするのが良いです。トリートメントを前提にする

まとめ

ボーカルの帯域を理解できればコンプやイコライザーの使い方も変わってきます。その結果ミックスや作編曲で役に立ちます。そしてその大前提としてクオリティの高いボーカル録音は必須です。

「アマチュアだからそこまで気にしなくてもいいよ楽しめればそれでオッケー」という気持ちは痛いほどよくわかります。私もそうでしたから、でも少しだけクオリティを意識することであなたの音楽は大きくクオリティアップするのは間違い有りません。

「でもわからないことだらけ出し失敗したらいやだよ」と思うかもしれませんが、全然失敗してもいいんですよ。失敗の数だけ知識が増えますから、そうやっていろんなことを試していくことでテクニックが身につきます。

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