自分の作った曲を誰かに歌ってもらったときに「下手じゃないんだけれど、いまいち垢抜けない」「プロみたいなパワフルさがない」「サビでガツンと心を鷲掴みにしてこない」こんな悩みがある人は多いです。
上記の悩みはどんなに良いイコライザープラグインやコンプレッサーを使っても解決しません。大切なのはボーカルのピッチと厚みです。
そこで役立つのがピッチ&タイミング補正VSTプラグインのSynchro ArtsのRevoice Pro 4.3です。Revoice Pro 4.3を使うことでボーカルトラックは使う前と比べて何倍もパワフルになり、説得力を持つようになります。
正直に一度使うと使ってなかった音源を聞くと恥ずかしくてたまらなくなるほどです。
この記事ではRevoice Pro 4.3の使い方やメリットデメリットもそうですが、とにかく「かんたんに扱える」という魅力を主観で解説しています。
ボーカルトラックを良くするプラグインエフェクトはたくさんありますが、Revoice Pro 4.3の代わりになるプラグインはそうありません。決して安いわけではないですが、安くなったプラグインを買っても結局使わないプラグインが年間10個もある人は、その金額でRevoice Pro 4.3を買えばお釣りとハイクオリティな楽曲をつくることができます。
買ったら気が付きます「なんでこれ今まで持ってなかったの?」と
音質 | |
操作性 | |
価格 | |
購入のしやすさ | |
安定度(CPU負荷) |
Revoice Pro 4.3とは
Revoice Pro 4.3はクオリティの高いボーカルトラックを制作するための究極の時短ツールです。最近の音楽制作ではほぼ当たり前になったボーカルのダブリングや複数のコーラストラックを重ねることで。ボーカルの存在感をより強調されています。
しかし、複数のボーカルを重ねればタイミングがずれていたり、ピッチがあわないなどのトラブルは熟練したボーカルであっても起こってしまいます。
タイミングやピッチがあっていない複数のボーカルトラックが増えればそこに広がるのはカオスな世界であって、人の心を捉える音楽ではありません。
それらを素早く誰が聴いても自然なレベルで整えてくれるのがRevoice Pro 4.3です。Revoice Pro 4.3ではピッチやタイミング、レベル、ビブラート、シビランスを整えることで、プロレベル以上のボーカルトラックを作り上げてくれます。
以前から技術的に気になるプラグインでは有りましたがいざ使ってみたら、その機能の素晴らしさ(特許取得ずみのART Audio Performance Transfer)をプラグインになれていない人でもかんたんにつかえてしまう操作性の良さ、そこで得られる結果には大満足で、「どうして今まで使わなかったのだろう」と後悔しました。
特に歌ってみたなどをしている人はRevoice Pro 4.3を使うと二度とRevoice Pro 4.3がない世界には戻れなくなります。
VocAlignはUltraとRevoiceによって機能が異なります。それぞれの機能については以下の記事にまとめています。
Revoice Pro 4.3の価格
Revoice Pro 4.3にはいくつかバージョンがあり、そのバージョンによって機能が異なります。今回紹介するevoice Pro 4.3は一番多機能なものなので定価は$623.34(¥70,684)します。それが現在セール中につき$373.47(¥42,349)で購入できます。
決して安くはないです。おそらく多くの人が価格に躊躇するか、そもそも購入の検討すらしない人が多いのではないかと思うほどですが、定価であってもRevoice Pro 4.3で作られるボーカルトラックのクオリティのすば抜けて高いですし、何よりも操作性が本当にかんたんなので、チュートリアル動画見ればすぐに扱えるほどです。
その究極とも言えるピッチタイミング補正ソフトのRevoice Pro 4.3が$373.47(¥42,349)で買えるのはかなりのすごいことです。ミックスの生業としている人達は正直ローンしてでも買った方がいいです(十分にもとがとれます)
それでもいきなりの購入が難しいのであればトライラルバージョンでその機能をしっかりと確認するのがよいでしょう。
Revoice Pro 4.3は日本の代理店でも購入が可能ですがPlugin Boutiqueで購入すると、おまけのプラグインの差額で同じくらいになるので用途に合わせて購入するのが良いと思います。
ちなみに今回のおまけの中にあるSmasherというプラグインは問答無用に激アツなロックサウンドを作ってくれるのでよく使用しています。
Revoice Pro 4.3を作ったSynchro Artsは機能を押さえたツールをいくつか出しています。機能がスゴイのはわかったけれど、やっぱり高いものは高い!「タイミングだけでも合わせてくれるものがあればそれがほしい」という人には
VocAlign Project 5がおすすめです。VocAlign Project 5はタイミングを合わせることに特化したツールです。定価は$161.61ですが、今はセールで$107.27で購入できます。
またアップグレードや分割での購入方法もありちょっとややこしい印象があるので、詳しく知りたい方はこちらのまとめ記事読まれると参考になると思います。
Revoice Pro 4.3のメリット
誰でも基本動作を使いこなせるチュートリアルが便利!
Revoice Pro 4.3は高機能なため使いこなすためにはなれが必要です。しかしそのためには基本的な使い方をしっておく必要があります。Revoice Pro 4.3は基本的を使いこなすためにかんたんなチュートリアルが用意されていますが、このチュートリアルすべてのプラグインが学ぶべきだと思うほど親切で丁寧です。
このチュートリアルが素晴らしいのは英語ではありますが、実際のオーディオ素材を読み込んで「ここのボタンを押してくれ」「次はこれだよ」「するとこうなるよ」というのを実践形式で学ぶことができます。
何千というプラグインを触ってきましたがここまで丁寧かつわかりやすいチュートリアルが導入されているプラグインはRevoice Pro 4.3だけです。
秒で完璧にタイミングを合わせてくれる機能が便利!
ピッチ編集ソフトで有名なのはMelodyneです。Melodyneでは取り込んだボーカルトラックのピッチ編集、タイミング、ビブラートを調整できます。しかし、ピッチとタイミングを一つ一つお合わせる作業は経験者ならばわかりますが、地味で膨大な作業量です。
とくにタイミングを合わせ方の基準はどこまですれば正解かがわからないという人もいます。そんなときにRevoice Pro 4.3を使えば、一発でプロレベルのでタイミング補正を可能にし、なおかつそこから自分での微調整をすることができます。
この辺りの操作性はMelodyneでは考えられないほどシンプルでかんたんです。ピッチ編集はMelodyneを使い、タイミング補正はVocAlign Project 5やVocAlign Ultraを使うユーザーもいるみたいですが、もしMelodyneを持っていないのであれば、Revoice Pro 4.3を購入してしまってもよいと思います。
自然なダブリングトラックを作成
ボーカルトラックの存在感はダブリングによって決まります。ダブリングとは同じメロディを複数回分けて歌いそれらを重ねることで音に厚みをもたらすテクニックです。
ボーカルダブリングに適したプラグインは各メーカーから出ていますが、やはりどことなく機械的な印象を受けます。しかし、Revoice Pro 4.3のダブリング機能は、どこまでも自然で有機的なダブリングトラックをつくることができます。最高のボーカルトラックができたら、Revoice Pro 4.3のダブリング機能を使ってボーカルにクオリティの高い厚みとをもたせることができます。
プロ用ツールとしての風格!「ショートカットを自由にアサインできる」
ボーカルトラックのための時短ツールですが、煩わしい操作に時間が取られるのであればそれは本末転倒です。
しかしRevoice Pro 4.3は機能のほとんどがショートカットにアサインされていてそれらを自由にカスタマイズすることができます。
Revoice Pro 4.3のデメリット
あまりに便利すぎて鍛錬を怠ってしまう
これはRevoice Pro 4.3に限らずすべての時短ツールに言えることですが、あまりにも便利過ぎて、そのテクノロンジーに頼りすぎることで、自力で最高のテイクを作ろう!という意識が弱くなります。
下手でも人の心をうつボーカルもいれば、どんなに上手く処理されたボーカルであっても人の心を打たないものもあるでしょう。そこにはボーカリストのパッション(情熱)が見えるかどうか、そういう部分をしっかりと意識したうえで、Revoice Pro 4.3を使えば、多くの人の心に届くボーカルトラックを作り上げることができると思います。
便利ツールは常にツールを使いこなす側でいなければ…と思うところです。
Revoice Pro 4.3の使い方動画
実際のところ触ってしまえばそれほど難しくいのがわかります。さきほどのチュートリアルメニューでHOW TO WORK WITH YOUR DAWを選択すると公式サイトにジャンプし、使用しているDAWでのチュートリアル動画を閲覧することができます。
色々なチュートリアル動画や公式の解説動画がありますが、各DAWに特化したチュートリアルページを作っているのはかなり珍しいですし、ユーザーへの配慮が見られて嬉しくなります。
Revoice Pro 4.3とDAWの関係性について
RevoicePro4.3はVSTやAUと言ったプラグインではなく、基本的にLogicやCubaseと言ったような独立したアプリケーションとして動作します。その橋渡しとなるRevoiceProlinkでありそれはAUやVSTといったプラグインになります。
ARA2ではオーディオ波形を瞬時に読み取る(ファイルの長さにもよりますが長くても数十秒)ことができます。ARA2と書かれていないプラグインではオーディオ波形の実の長さをかけてRevoice Pro 4.3に取り込むことになるのでARA2に対応しているのであれば、そちらを使うことをおすすめします。
Revoice Pro 4.3は自由にUIの大きさを変更できますが、27インチでLogic ProとRevoice Pro 4.3を並べるとかなり操作はしなくいので、大きい液晶がほしいところです。
ARA2を使うときの注意点
これは初心者がわりとやらかしてしまうところですが、ARA2で立ち上げるときは、必ずプラグインは一番上のスロットにする必要があります。そうしないとARA2が表示されません。
Revoice Pro 4.3の特徴(他のSynchro Arts製品との違い)
Revoice Pro 4.3 | VocAlign Ultra | VocAlign Project |
$623.33→$373.46 | $427.79→$298.78 | $161.61→$107.28 |
APT Music Mode ビブラート編集 ノートピッチのリアルタイム試聴 テンポ・グリッド MIDIファイルからの表示や読み込み 新トランジエント検知機能 進化したピッチと時間編集ツール 新プリセット:ATP及びダブラー・プロセス | タイトネス・コントロール マッチピッチセクション アライメントプリセット 波形・ピッチ表示の強化 ARA2と互換 シンクポイントと保護エリア | タイトネスコントロール Smart Align(スマート・アライン) アライメントプリセット 波形表示の強化 |
Revoice Pro 4.3は最上位版になり、続いてピッチとタイミングの補正をするVocAlign Ultra、タイミングに特化したVocAlign Project という3つのバージョンになっています。
ARA2と互換、iLokクラウド対応、サイズ変更可能なGUIウィンドウなどはすべてのバージョンで共通です。
Melodyneを所持している人からするとRevoice Pro 4.3のピッチ機能はそこまで必要ではないかもしれないので、VocAlign Project でも良いのかもしれませんが、1つのプラグインでピッチやタイミング、ダブリングなどトータルに編集できることで不必要なウィンドウを開かずにすむので私は便利だと思っています。
Revoice Pro 4.3のシステム要求環境
マック
- Intelプロセッサ
- macOS10.7以降
- オーディオファイル形式:ホストエディタでサポートされているとおり
- すべてのProToolsハードウェアで動作します
- iLok 2、iLok 3USBキーまたはiLokクラウド
互換性のあるDAWには次のものがあります。
- Pro Tools 8.1.1〜2019.6
- Logic Pro X 10.0.0〜10.4.8
- Studio One Professional3.0から4.6.0.55605
- Cubase Pro 6.0〜10.0.40
- Nuendo4.3から10.2.0
- Digital Performer 8〜9
- Ableton Live 9.6.1
- FL Studio 12
- Reaper 5.1〜6.02
- Logic Pro 9.1.8
互換性がありません:
- Reson
- Cubase Elements
ウィンドウズ
- Windows 10、Windows8またはWindows7
- オーディオファイル形式:ホストエディタでサポートされているとおり
- すべてのProToolsハードウェアで動作します
- iLok 2、iLok 3USBキーまたはiLokクラウド
互換性のあるDAWには次のものが含まれます
- Pro Tools 8.5〜2019.6
- Studio One Professional3.0から4.6.0.55605
- Cubase Pro 6.0〜10.0.50
- Nuendo4.3から10.2.0
- FL Studio 12
- SONAR PROFESSIONALX3から2017.2
- 刈り取り5.35から6.01
互換性がありません:
- Digital Performer
- Reson
- Cubase Elements
重要な注意事項:
- この製品は、iLokCloudまたはiLokUSBドングルを使用してアクティブ化できます 。
- iLok Cloudを使用するには、常にアクティブなインターネット接続が必要です。
2021年12月13日現在のM1Macへの対応について
Apple社製シリコンを搭載したMacコンピュータ上ではRosettaで動作します。 (この構成では、限られた数のDAWしかテストされておりません)。AppleシリコンのARMアーキテクチャのネイティブサポートについては現在検討中です。
Logic Pro Xに関するご注意
Apple社製シリコンを搭載したMacコンピュータでLogic Pro Xを使用している場合、Audio Unitsプラグインとしてリアルタイムモードでのみ動作します。 ARAバージョンのAudio Unitsプラグインを使用したい場合には、Logic Pro XをRosettaモードで実行する必要があります。
引用:TACSYSTEM Revoice pro4 説明ページより
M1への対応は現状ではRosettaでありNativeではありません。ARAバージョンで時短をしたいという人にとってはM1での使用に少し注意が必要です。
Revoice Pro 4.3のまとめ
Revoice Pro 4.3を使うと今までのボーカルトラックは何だったのか?と強い衝撃を受けるレベルでクオリティが上がります。ピッチ、タイミング、ダブリング、とくにタイミングに関しては思っている以上にクオリティの高さに繋がります。
何度もお伝えしますが、安くなったプラグインを年間10娘程度今までかって使わなくなったものが多数あるのならば、先行投資としてRevoice Pro 4.3を購入することをおすすめします。
Revoice Pro 4.3を使うことで今まで見てきた聴いてきた世界が使うことで一新されます。
「そこまで言われたら気になるな」と思った人はRevoice Pro 4.3はトライアルバージョンもあるので、ぜひ使ってみてください。この価値を見出して投資できるDTMerはこの先、クオリティ重視のプラグイン購入にも繋がります。