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Pulsar SMASHERレビューノブを2つで作るブリティッシュサウンド

かんたんに迫力のあるドラムを作りたいけれど、どうやっていいかわからない。そんなときはSMASHERの出番かもしれません。

SMASHERはたった2つノブを回すだけで荒く激しいいブリティッシュな香りのするロックサウンドを作ることができるVST プラグインです。

今回はArturiaの1176のエミュレーションFET-76と比較してそのブリティッシュコンプの違いについても調べてみました。

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Pulsar SMASHERとは

SMASHERはFETコンプレッサーの代表ともいうべき1176の「ブリティッシュモード」をエミュレートしてコンプです。ブリティッシュモードとは1176のRATIO変更の4つのボタンすべてを同時に押した状態のこと。ブリティッシュモードの呼び名の他に『all buttons mode』 とも呼びます。

操作するノブはINPUTとOUTPUTとMIXノブのみで、シンプルな操作性でとんでもないコンプサウンドを得られます。

ブリティッシュモードの使い道

その効果は気持ちのよいサチュレーションが特徴でドラムのルームなどに使うと空気感が強調され、音の密度が増し派手なサウンドにできます。ベースやギターに通してもほどよい歪みが「味のある汚れ」となり、音に太さを与えてくれます。ボーカルに使えばどんな爆音にも負けない荒々しいサウンドになると言われています。

Led Zeppelin や Beastie Boysなどのサウンドを求めるのであればこのブリティッシュコンプサウンドは避けては通れない絶対的な存在として覚えておくとよいです。

SMAHSERの倍音の出方について

使い方は人それぞれですが、ドラムバスに推奨される理由は音のまとまりが得られるのと、倍音の出方によるものです。

110Hzのサイン波A1(ラ)の音をSMASHERに以下の画像の設定で通したアナライザーの結果です。

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普段はこのような極端な使い方はしないかもしれませんが、INPUTを最大にしているので倍音がでまくりです。かなり高域まで伸び最大で6.72kHzまででています。

ドラムループで聴くとこんな感じになります。最初の2小節はバイパスで次の2小節がSMASHERを通した状態です。

これはドラムミックスに通していますが、推奨するようなルームだけに通す方がスケールの大きいドラムサウンドになることがわかります。

ArturiaのFET-76との違いは?

一番の違いはオーバーサンプリングです最大で8倍まで設定できます。

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またFET-76は1176を細部に渡るまでエミュレーションしているのに対してSMASHERはブリティッシュモードの再現なので使用用途は異なります。

ArturiaのFET-76ブリティッシュモードとの違い

テストの方法は先程と同じ110Hzのサイン波A1(ラ)の音をSMASHERに以下の画像の設定で通したアナライザーの結果です。

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明らかに高域の伸びがすごいです。FET-76の方が音が明るく感じたのはこれが理由だったのがわかります。しかし、一方で第2倍音を含む偶数倍音はSMASHERの方がよく伸びています。偶数倍音が多いと一般的に音に温かみがありまろやかになり奇数倍音が多いと音に鋭さがでてくると言われています。

SMASHERのブリティッシュモードはFET-76と比べ偶数倍音が多いためか音がマイルドに聞こえます。それゆえにバスコンプとしての使い方が推奨されているのかもしれません。

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FET-76でのドラムサウンド比較です。

CPU比較

FET-76もSMASHERも基本は負荷は高くありません。

左がFET-76で右がSMASHERです。しかしSMASHERの場合オーバーサンプリングをすると負荷が一気にあがります。

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オーバーサンプリング8倍の場合

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まとめ

バスコンプとしてだけではなくトラック用としても使えるコンプです。何より音の温かみがわかりやすいのでアナログライクなサウンドメイクにも使えると思います。ただ、SMASHERは魔法のコンプではありません。使い所をしっかり抑えて気持ちの良いブリティッシュサウンドを堪能するのが一番大切です。

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