「アンプシミュのクオリティ=ギタートラックのクオリティ」と言い切れるほどアンプシミュの音質は重要です。
DAWにも付属のアンプシミュは搭載されていますが、専用(有償)のものと比べるとクオリティが低いのではないか?と考えている人もいます。
確かに専用のアンプシミュはそれだけで何万もするものと比べると見劣りするところもありますが、最近のDAWのアンプシミュは使い方次第でよいアンプサウンドを鳴らしてくれます。
今回はなクリーン系のギターカッティングでDAW付属のアンプシミュを比較してみました。
StudioOne Ampire
Ampireは、PreSonus社のDAWソフトウェア「Studio One」に搭載されているギターおよびベース用のアンプシミュレーター・プラグインです。独自の状態空間モデリング技術を用いて、クラシックなアンプやキャビネットのサウンドを高精度に再現します。
主な特徴:
アンプ・モデル: Marshall JCM800やMesa Boogie Dual Rectifier、Vox AC30、Fender Twin Reverb、Ampeg SVTなど、5種類のクラシックアンプをモデル化しています。
キャビネット・シミュレーション: 17種類のキャビネットを選択可能で、アンプとの組み合わせにより多彩な音作りが可能です。
マイク設定: ダイナミック、コンデンサー、リボンの3種類のマイクを組み合わせ、音の質感や奥行きを調整できます。
エフェクト: オーバードライブやコーラス、ディレイなど13種類のエフェクトを搭載し、アンプの前後に配置して音作りを行えます。
ユーザーインターフェース: 直感的な操作が可能で、プリセットの保存や呼び出しも容易です。 ノート
Ampireは、ギターやベースの録音だけでなく、ドラムなど他の楽器の音作りにも応用できる柔軟性を持っています。
アンプシミュ無し
アンプシミュ有り
最大の特徴はキャビネットIRを搭載されていることやはりIRがあるかないかかなり印象が変わってきます。さらにampireはIRを読み込ますこともできるので自分でIRを収録or購入し取り込むことができるので音作りの幅が桁違いともいます。普段は私はAmplitube4を使うことが多いですが、ampireにはかなりお世話になりました。
Cubase Vst Amp Rack
VST Amp Rackは、Steinberg社のDAWソフトウェア「Cubase」に付属するギターアンプシミュレーター・プラグインです。多彩なアンプやスピーカーキャビネット、エフェクトペダル、マイクの組み合わせにより、幅広いギタートーンを再現できます。
主な特徴:
アンプ・モデル: 複数のクラシックアンプモデルを搭載し、さまざまなギターサウンドに対応します。
キャビネット・シミュレーション: 多様なスピーカーキャビネットを選択可能で、アンプとの組み合わせにより独自の音色を作成できます。
エフェクト: オーバードライブ、コーラス、ディレイなどのストンプボックスエフェクトをアンプの前後に配置し、音作りを細かく調整できます。
マイク設定: マイクの種類や位置を設定し、録音時の音質や空間感をシミュレートできます。
ユーザーインターフェース: 直感的な操作が可能で、プリセットの保存や呼び出しも容易です。
実に自然で使いやすい音色のように感じますが、逆にいうと味がないような印象も受けます。マイクのミックスコントロールがかなりツボで気持ちのよい距離感を作ることができます。
Logic pro10.4 Amp Designer
Logic ProのAmp Designerは、ギタリストや音楽プロデューサー向けに設計されたアンプシミュレーター・プラグインで、20種類以上の有名なギターアンプと対応するスピーカーキャビネットをエミュレートします。
主な特徴:
アンプ・モデル: 1950年代から1960年代のクラシックなアンプを含む、多彩なモデルを搭載しています。
キャビネット・シミュレーション: 各アンプに対応するスピーカーキャビネットを選択でき、組み合わせにより多様な音色を再現可能です。
マイク設定: マイクの種類や配置を調整し、録音時の音質や空間感をシミュレートできます。
エフェクト: オーバードライブやリバーブなどのエフェクトを組み合わせ、独自のサウンドメイクが可能です。
ユーザーインターフェース: 直感的な操作が可能で、プリセットの保存や呼び出しも容易です。
音の印象としてはデジタル傾向が強いように感じますし、音が細いような気もします。クリーンは硬い音を出せるので今回のデモ曲では力を出すことができます。GUIが良く出来ているのでモチベーション維持にもつながるのではないかと思っています。
PT11 Sansamp PSA-1
PT11にはEleven Freeがあるのですが、ちょっとインストール手違いで検証できていません。ほかにあったのはSans Amp PSA-1アンプシミュの先駆け的なエフェクターでもともとはハードウェアですが、protoolsに移植されました。
アンプシミュだけでキャビネットシミュがないので、それほど変化は感じられませんが、中域に特徴があり、粘り気のあるサウンドはさすがSansampといったところです。
追加 2018/06/20
PT11 Eleven Free
- アンプタイプ 2種類
- クランチとオーバードライブ
- キャビネットは 4X12 のタイプ別 2種類
正直このアンプシミュだけでは音作りの幅はほとんどありませんが、Sansamp-PSA-1と合わせることでなんとかできないこともありません。PSA-1で音を作ってクランチタイプのアンプを選びのゲインを下げてやればクリーンとは言い切れませんが、、味のある音を作ることができます。
DP9.5 Custom59+Room G
MOTUのDigital Performer 9.5(DP9.5)には、ギタリスト向けのアンプシミュレーター「Custom ’59」とキャビネットシミュレーター「Live Room G」が搭載されています。
Custom ’59:
このプラグインは、以下の3つの象徴的なギターアンプをモデル化しています。
- Fender Bassman
- Marshall JTM45
- Marshall JCM800
これにより、幅広いクラシックなギタートーンを再現できます。
Live Room G:
このプラグインは、ギター用に設計された物理的な空間をモデル化し、9種類のアンプキャビネットを提供します。
- キャビネットの選択: 9種類のキャビネットから選択可能
- マイクの配置: マイクの位置を調整して音質をカスタマイズ
- ドライブコントロール: サウンドに適切なドライブを追加
これにより、録音やミックス時に多様な音響環境をシミュレートできます。
音の傾向としては優等生といった印象です。イメージ的にはCubaseとLogicの間くらいでしょうか?個人的な好みとしてはこのアンプシミュが一番好きです。
まとめ
DAWのアンプシミュレーターもリアルな空気感を作り出せるので使い方次第では有償のアンプシミュに迫る音色を作り出せそうですね。
またアンプシミュはキャビネットIRを使っているかどうかも大きなポイントです。近年の有償アンプシミュのほとんどはキャビネットIRを使用しているので、DAW付属のアンプシミュとの音質の違いはキャビネットIRの違いとも言えます
有償のアンプシミュはキャビネットIRはもちろんのこと、アンプヘッドの豊富さ、マイキングの自由度、メーカーによっては有志が作った大量のプリセットをネットからダウンロードできる機能のあるので、よりリアルで望むアンプサウンドを手にできます。