IK MultimediaのMixBoxは、音楽制作における多彩なオーディオプロセッサとエフェクトを一つのプラグインにまとめた革新的なツールです。
MixBoxを使えばDAWのプラグインスロットの簡素化、多数のプリセットから目指したい音色イメージを選択するだけ、そして何より無限に近い音作りの可能性を感じ取ることができるエフェクトプラグインです。
MixBoxのCPU負荷も小さく、ソフトシンセとの併用も問題ありません。
このレビューでは、MixBoxの主な特徴、使用感、利点と欠点、そして同社のT-Racksプラグインとの音質差について解説しています。
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IK Multimedia MixBox サウンドレビュー
実際に使用した際の感想としては、MixBoxは非常に使いやすく、直感的な操作が可能です。
プリセットは細かく設定され、ドラムであれば、キック、スネア、ハイハット、などをかんたんにバランスのとれた音質に調整してくれます。
MixBoxにはギターのアンプシミュレーター系も用意されています。個人的には同社のAmplitube5には及ばないものの、雰囲気を出す程度によい音質に感じました。その中でもワウエフェクターはわたし好みの開閉音が得られるのでこれはワウが欲しい的にはメインで使いたいです。
どのプリセットも一般的に使いやすいと言われるタイプの音質です。
ドラッグ&ドロップでエフェクトチェーンを構築できるため、クリエイティブなプロセスがスムーズに進行します。音質についても高く評価されており、特にギターアンプシミュレーションやモジュレーションモジュールは優れたサウンドを提供します。
T-Racksとの音質の違いについて
MixBoxには同社のミックスプラグインT-Racksと同じプラグインが用意されているものがあります。そこでそれらの音質差について調べてみました。
以下の動画ではMixBoxとT-RackのBLACK 76を比較し、それらを逆相にしたら打ち消し合って消えるのかどうかをチェックしました。
最初はMixBox、次にT-Racks、最後にMIXBOXを反転して逆相にしたものです。
いくぶんブツブツとしたノイズは聞こえますがほとんど消えてしまっている部分もあります。またPlugindoctorによる検証でもほとんど差がないことがわかりました。これらの結果から、Black76に関してMixBoxとT-Racksのエンジンによる違いはあっても両者はほぼ同じ音質であるいえるように感じます。
MixBox の長所と短所について
MixBoxを触って感じたメリット・デメリットをまとめます。
メリット | デメリット |
---|---|
エフェクトの豊富なラインナップ ドラッグ&ドロップで簡単にカスタムエフェクトチェーンを作成可能 CPU負荷が軽く、効率的なパフォーマンス スタンドアロンモードのサポート 個別のドライ/ウェットコントロールによる詳細なエフェクトブレンド | モジュール間の内部ルーティングが制限されている 一部のエフェクトはフルプラグイン版と比べて基本的なものにとどまる 自動ゲイン補正がない マスタリングモジュールはない |
一番のメリットはやはり、70を超えるエフェクトを最大8つまでのチェインを組めること、これの組み合わせは膨大でタイトルにもあるとおり482兆のパターンが存在することになります。またこれらをDAW上で行うとなるとプラグインスロットの大半を占領することになります。
その結果大量のプラグインエフェクトで埋め尽くされたミキサー画面は視認性が損なわれ、プラグインの切り替えなどに不要な時間が発生します。
これらを解消できるのはある意味で音質以上のメリットであり、楽曲制作に必要な貴重な時間を無駄にすることがなくなります。
一方でデメリットとしては、ルーティングが基本直列、左から右に向かっていくだけであり、特殊な副業パラレルのようなルーティングは不可能です.
これは言ってしまえばDAWのプラグインスロットと同じ解釈なので、一部のルーティングマニアでもない限りこの使用がユーザーにとってネガティブなものではないと感じます。
あと、MIXBOXでは自動ゲイン補正は非搭載になるので、ミックス使用前後の音量差をなくしてMixBoxの音質差について調べたいときは別途自動ゲイン補正プラグインが必要になります。
また、MixBoxは名前からもわかるようにミックスに特化したプラグインでありマスタリングクラスのモジュールもプリセットもありません。そのあたりはT-Racksとの使い分けになりそうです。
IK Multimedia MixBox の特徴と利点
MixBoxは、70以上のエフェクトモジュールを搭載し、これにはダイナミクス、EQ、フィルター、モジュレーション、リバーブ、ディレイ、ディストーション、アンプシミュレーターなどが含まれたマルチエフェクトプラグインです。
各プロセッサには個別のゲインおよびドライ/ウェットコントロールが付いており、ユーザーはサウンドを精密にコントロールできます。スタンドアロンモードもサポートしており、ライブミキシングに便利です。
MixBoxは非常にコストパフォーマンスが高い製品です。70以上のエフェクトモジュールが含まれており、これだけの機能を持つプラグインが税込みで€99.99(モジュールプラグイン1つあたりの価格は約€1.39)で提供されているのは非常にお得です。
特に、T-RacksやAmpliTubeなどのIK Multimedia製品をすでに持っているユーザーにとっても、これらのエフェクトを一つのプラグインで利用できる点は大きな利点です
カテゴリ | モジュール数 |
ダイナミクス | 8 |
EQ | 4 |
フィルター | 10 |
モジュレーション | 17 |
リバーブ | 14 |
ディレイ | 3 |
ディストーション | 5 |
アンプシミュレーター | 9 |
サチュレーション | 3 |
チャンネルストリップ | 4 |
MixBoxのCPU負荷について
MixBoxのCPU負荷は低いです。
今回のプロジェクトではEZDrummer3を立ち上げパラアウトしたキックやスネアにMixBoxを6つ、ギター、ベース、キーボードに1つの合計9つ使用しましたが、CPU負荷分散も効果的に機能していることもあり、CPU負荷は低く抑えられています。
MixBox と他のプラグインとの比較
MixBoxは、Slate DigitalのVirtual Mix RackやSoundToysのEffect Rackなどと比較されます。これらのプラグインも高品質なエフェクトを提供しますが、MixBoxは70以上のモジュールを一つのパッケージにまとめており、特にギターアンプシミュレーターを含む点で優れています 。
IK Multimedia MixBox まとめ
- 豊富で使いやすいプリセット
- インターフェースが直感的
- プラグイン数が豊富
- CPU負荷が軽い
- 比較機能ボタンがない
全体的に、IK MultimediaのMixBoxは非常に優れたプラグインです。多彩なエフェクトと高い音質、使いやすさが特徴で、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応しています。
またSunsetreverbプラグインが拡張モジュールとして有料リリースされていることから拡張モジュールの充実が今後のMixBoxの課題になるかもしれません。
価格も手頃で、特にコストパフォーマンスに優れている点が評価されます。音楽制作の幅を広げたい方には、ぜひお勧めしたいプラグインです。
MIX BOX単体で購入するよりはバンドルセットで買ったほうが以下の特典を受けられるので、圧倒的にお得です!
製品名 | 定価 (USD) | セール価格 (USD)(税込み) |
---|---|---|
AmpliTube 5 MAX v2 | $329.99 | $109.99 |
T-RackS 5 MAX v2 | $329.99 | No sale |
SampleTank 4 MAX v2 | $329.99 | $54.99 |
Syntronik 2 MAX v2 | $219.99 | No sale |
ARC 3.5 | 記載なし | No sale |
Hammond B-3X | $110.59 | No sale |
Lurssen Mastering Console | $110.59 | No sale |
Miroslav Philharmonik 2 | $221.20 | No sale |
MixBox | $109.99 | No sale |
MODO BASS 2 | $219.99 | $54.99 |
MODO DRUM 1.5 | $299.99 | $49.99 |
SampleTron 2 | 記載なし | No sale |
TONEX MAX | $329.99 | $109.99 |
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