
アンプシミュのワウペダルを本当のワウペダルみたいに扱いたいな



そういうときはBOSS EV-1-WLがおすすめ、USB/BluetoothでPCと接続してDAWやアンプシミュのワウペダルを操作できるし、DAWのエクスプレッションもコントロールできるよ
BOSS EV-1-WLはワイヤレス(USBも可)で接続し、任意のMIDI CC情報を自由に扱えるエクスプレッション・ペダルです。この記事では実際使ってみた印象、コストパフォーマンスなどを解説していきます。
メリット | デメリット |
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ワイヤレスで接続できる DAWでMIDI CC11をスムーズに書き込める 専用Editorソフトでカスタマイズできる スイッチ方式で別のMIDI CCをアサインできる | 専用のEditorソフトがスマホ版しかない カチッとした押し心地がない BOSS FS-1-WL |
BOSS EV-1-WLとは
2021年10月16日にリリースされたBOSS EV-1-WLは、Bluetooth・USB・TRS接続に対応したワイヤレスMIDIエクスプレッションペダルで、ソフト音源やエフェクト、ハードウェア機材のパラメータをケーブルレスかつ静音で直感的にコントロールできる多用途なコントローラーです。
バッテリーの使用時間はアルカリ電池で約 30 時間、自宅などで使用する場合はACアダプター接続も可能なので、バッテリー切れの心配をすることはありません。
特徴 | 説明 |
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ワイヤレス対応 | Bluetooth MIDI(BLE-MIDI)でケーブル不要の操作が可能 |
多様な接続方法 | Bluetooth / USB / TRS(ステレオミニ)対応で幅広い機材に接続可能 |
汎用性高いMIDIコントロール | MIDI CCを割り当ててDAWやソフト音源、エフェクト、ハードウェアなどを操作 |
コンパクト設計 | ボードやデスクにも置きやすい省スペースサイズ |
静かな操作感 | フラットな踏み心地で、ノイズが少なくライブにも◎ |
スマホで操作するEditorソフトを使用すると以下の項目をカスタマイズ可能です。
項目名 | 設定可能な内容 |
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エクスプレッション・ペダル(オン) | CC# 1〜127、値 0〜127 |
エクスプレッション・ペダル(オフ) | CC# 1〜127、値 0〜127 |
つま先部のスイッチ(EXP SW) | CC# 1〜127、値 0〜127 |
外部フットスイッチ1(CTL1) | CC# 1〜127、値 0〜127 |
外部フットスイッチ2(CTL2) | CC# 1〜127、値 0〜127 |
MIDIチャンネル | 1〜16 |
エクスプレッション・カーブ | Normal/Slow1/Slow2/Fast |
EXP SW・CTL1・CTL2のモード | ラッチ(切替)/モーメンタリー(一時押し) |
BOSS EV-1-WL レビュー
- ワイヤレスで接続できる
- DAWでMIDI CC11をスムーズに書き込める
- 専用Editorソフトでカスタマイズできる
- スイッチ方式で別のMIDI CCをアサインできる
- 専用のEditorソフトがスマホ版しかない
- カチッとした押し心地がない
- BOSS FS-1-WL
ペダルの動きはスムーズでイメージ通りの効果が得られる
BOSS EV-1-WL のペダルは重くもなく軽くもない丁度よい感じの踏み心地です。また、踏み心地の重さは本体右側にあるトルクネジ(六角ネジ5mm)で調整可能です。個人的には重たくもなく軽くもないデフォルトの状態で十分快適に使用できる印象です。


また、専用Editorを使えば好みのペダルのカーブタイプを4種類から選択可能です。


ワイヤレスでの使用時にも特に途切れやすいという印象はありません。バッテリー駆動とBluetoothによるワイヤレス使用にすれば、足元をスッキリさせることができますし、フットペダルではありますが、卓上の上において手を使っての作業も可能です。
スイッチ方式でMIDI CCを切り替えられる
BOSS EV-1-WLはペダルの先のほうを強く踏み込むことで違うMIDI CCに切り替えて使用できるのが強みです。
例えば、通常はCC11(エクスプレッション)、切り替えたらCC1をコントロールできるといったものです。




切替時には2つあるライトの上の部分が白いに点灯します。
ただ切り替えにペダルを踏み込む強さで切り替わるものでスイッチ的なものがあるわけではなく感度で反応します。その部分で「スイッチ的なわかりやすい切り替え感がほしい」と思う人もいるかもしれません。ちなみにその感度は、専用Editorを使うとどれくらいの強弱でスイッチが反応するのか設定できます。


また側面にある端子に FS-6等を入力すればスイッチ拡張できます。例えば、アンプシミュのエフェクトのON/OFFを操作できたりするのでさらに使い勝手がよくなります。


専用Editorを使用して自由なMIDI CCおよびペダル設定が可能
BOSS EV-1-WLは通常のエクスプレッション・ペダルより高機能なペダルでありその機能をコントロールするのが専用のEV-1-WL Editorです。EV-1-WL EditorはiOSとAndroid OSのスマートフォンを使って操作します。




ペダルのMIDI CC設定はどの機能にどのMIDI CCの自由な割当とMINとMAX(最初の値と最大の値)を任意で設定できます。
またメイン機能として、ペダル自体のMIDI チャンネル設定、ライトのカラー設定、エクスプレッションカーブ、ペダルスイッチの踏み込みの深さなどを調整できます。
使ってみて思ったのは、例えばエクスプレッションカーブを変更する場合、PCでペダルを認識させている場合、スマフォにペアリングをし直して、そこで調整、再びPCでペアリングという流れになります。
このあたりの作業は少し手間に感じたので、できればBOSS FS-1-WLの専用EditorのようにPCアプリとしてリリースしてほしいところです。
BOSS EV-1-WLの使い方(DAWやプラグインをコントロール)
ここではBOSS EV-1-WLを使って実際にDAWやプラグインのコントロール方法について解説します。
まずは、大前提としてペダルをPCに認識させる必要があります。接続方法はBluetooth、USB、MIDIとあります。MIDIは基本MIDIに対応したエフェクトペダル用の機能だと思われるので、ここでBluetoothとUSBについて解説します。
- EV-1-WLの電源をオンにする
本体の電源スイッチを入れます。 - Bluetoothインジケーターの状態を確認
インジケーターが青点滅していることを確認します。- 白点滅の場合:Bluetoothボタンを素早く2回押して、青点滅に切り替えます。
- 青点灯の場合:他のデバイスと接続中です。接続を解除するか、Bluetoothボタンを長押ししてペアリングモードにします。
- ペアリングモードにする
Bluetoothボタンを押して、インジケーターが青高速点滅になることを確認します。 - Macで「Audio MIDI設定」を開く
「アプリケーション」>「ユーティリティ」>「Audio MIDI設定」を起動します。 - 「Bluetooth構成」を開く
「ウィンドウ」メニューから「MIDIスタジオを表示」を選択し、表示されたウィンドウのツールバーからBluetoothアイコンをクリックして「Bluetooth構成」を開きます。 - EV-1-WLを選択して接続
表示されたデバイス一覧から「EV-1-WL」を選び、「接続」ボタンをクリックします。 - 接続確認
EV-1-WLのBluetoothインジケーターが点灯に変われば、接続完了です。


USBの場合はとくに何もする必要はなく、USBケーブルとPCを接続すれば繋がります。BluetoothおよびUSBによるバッテリー供給等はないので、バッテリーまたはパワーサプライ等による電源確保が必要です。
エクスプレッションコントロールはやりやすい?
DAWで使用する場合はすでにBOSS EV-1-WLは割り当てたMIDI CCを何もしなくても使用可能です。ただ個人的にストリングスのエクスプレッションをコントロールするのにやりやすいか?と言われると人によるとは思います。
使ってみるとわかるのですが変化が急すぎます。カーブタイプを使ってもそこまで大きくは変わらない印象です。快適に使うにはそれなりの技術をみにつける必要があるかもしれません。
DAWで使用する際に1つ注意点があるのは、3つのトラックがあって、
ワウペダル(プラグイン)をコントロール
本領発揮するのはやはりエフェクトプラグインのワウペダルです。
ただ、エフェクトプラグインをBOSS EV-1-WLでコントロールする場合には1つ注意があります。
MIDIでコントロールするためにはエフェクトプラグインではなくMIDIエフェクトプラグインである必要があります。
Logic ProではAU MIDI制御エフェクトという項目に表示されているプラグインになります。


例えばギター録音時にアンプシミュを使いその中のワウペダルを使いたい場合は、オーディオトラックとは別にインストルメントトラックを立ち上げ、そこから上記のMIDI制御エフェクトとしてアンプシミュを立ち上げます。


そして、アンプシミュのサイドチェーン設定から、任意のインプットを選択することで使用できるようになります。


次に具体的な設定です。IK MultimediaのAmplitube5にはいくつかのワウペダルが搭載されています。


任意のワウペダルを選択肢、ペダル上で右クリックするとASSIGN MIDIという項目が出てくるので、Wah→Learn Wahを選択してBOSS EV-1-WLを動かせば反応したら、ワウペダルとして使用できます。
さて、この段階でギターを録音すると、オーディオトラックとワウの動きが録音されたMIDIトラックの2つのトラックが完成します。
ですが、ここで再生してもワウ等の音は再生されません。
再びサイドチェーンで、今度はINPUTから今録音したオーディオトラックを指定する必要があります。
少し手間ではありますが、このようにすればワウペダルで動かした挙動がオーディオトラックに反映されるようになります。
別にペダルでなくても任意のコマンドをBOSS EV-1-WL でコントロールできるので色々と試してみると楽しいですよ!
それ意外の使い方としてboss ev-1-wl 説明書にわかりやすく書かれています。アプリ上からマニュアルページを呼び出せますし、こちらの公式のサポートページから説明書等を閲覧可能です。
BOSS EV-1-WLの外観および購入理由
ここでは開封の儀的な流れと購入理由をお話します。






箱はシンプルな段ボール緩衝材的なものは入っていませんが、とくに問題はないです。付属品は単三電池2本と説明書等
ケーブル類はありません。






重量は600g(電池込だと650g)




バッテリー駆動時間はアルカリ電池:約30時間です。


全体像として500mlのペットボトルより少し小さい程度。


背面は左からBluetooth認識ボタン、パワーボタン、電源ポート MIDI OUT USB(角形)が配置されています。
本当はUSB電源供給できれば最高なのですが、それはできません。そうなると使用にはバッテリーか電源の確保が必要です。私はKP-10というパワーサプライを使用していますが、PSA-100Sというのが純正品として別途購入可能です。




BOSS FS-1-WLもそうなのですが、Bluetoothの切り替えが背面にあるためスマフォとPCのBluetooth認識を変更するために毎回BOSS EV-1-WLを持ち上げるか何かする手間が地味にしんどいです。
では、どこに設置するべきか?と言われるとここしかないというメーカーの結論はよくわかります
まとめ
メリット | デメリット |
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ワイヤレスで接続できる DAWでMIDI CC11をスムーズに書き込める 専用Editorソフトでカスタマイズできる スイッチ方式で別のMIDI CCをアサインできる | 専用のEditorソフトがスマホ版しかない カチッとした押し心地がない BOSS FS-1-WLと連動はできない |
おそらくUSB/BluetoothでDAWやプラグインのMIDI操作ができるペダルはBOSS EV-1-WLしかないと思います。またやはりワウペダルをエミュレーションしたプラグインは外部デバイスのハードウェアがあってこその存在です。
自分でオートメーションを書き込むのと足元でペダル操作でワウを使うのとでは自然さが全然違いよりリアルになります。
踏み心地的な操作感は人それぞれの好みがありますが、カーブタイプもプリセットから選択できるので、ある程度は自分のイメージしたワウサウンドをコントロールできそうに思いました。
しかし、ストリングスなどの抑揚調整するためのMIDI CC11をBOSS EV-1-WLでリアル調整するのは想像以上に難しいので練習が必要です。
価格が16,500円というのはエクスプレッション・ペダルだけの機能から見れば割高ですが、BOSS EV-1-WLはUSB/Bluetoothで操作可能なMIDIコントローラーとして使えますが、「えっ?ギター録音してモジュレーションで自分で動かしても同じじゃない?」って思いますよね?
同じです!
しかしペダルでアンプシミュのワウを動かすというロマンです!そのロマンにプラスアルアの機能がついているのがBOSS EV-1-WLです!