かんたんにLo-Fiサウンドを作れるプラグインが欲し!値段は5000円くらいまでならなんとか出せる!
だとしたらREELSが最強です。ただのテープレミュレーターではなくLo-Fiマシマシなサウンドを通すだけで作ってくれます。
私は普段「これは絶対持っておいた方がいい!」という言い方はしませんが、これはストライクにハマってしまって全力でおすすめしているVST プラグインです。

AudioThing REELSとは
REELSはアイルランドのダブリンに拠点を置くAudioThingによって作られたテープエミュレータープラグインです。
普通のテープエミュレータープラグインの多くは高音質でふくよかなアナログサチュレーションが売りなのですが、REELSは真逆のプラグインで、音の劣化具合を楽しむプラグインです。そのためLo-Fiなサウンドを好むユーザーからは高い評価を得ています。

モデリングもとのオープンリールマシン high fidelity MODEL402
ちなみにブラックモデルもあります。市場ではほぼ5000円程度で取引されていますが、どれも走行不可能なジャンク品ばかりのようです。

とにかく作るプラグインがマニアックながら「ほしかった!」というものばかりでユーザーのことを常に考えている姿勢が嬉しいです。
システム環境
Windows:
- Windows 7, 8, 10 (64 bit)
- Intel Core 2 Duo or AMD Athlon 64 X2, 4 GB RAM
- VST2, VST3, or AAX, 64-bit host
Mac:
- OS X 10.7 – macOS 10.15
- Intel Core 2 Duo, 2 GB RAM
- VST2, VST3, AU, or AAX, 64-bit host
AAX対応でProtoolsユーザーも安心して使えます!
AudioThingが作ったTYPE AとBのエキサイタープラグインは聴けば一発でそれ!とわかるほどの音質になります。
もし、「いやいやテープエミュレーターにそんな機能は求めてないよ!高音質なテープエミュはない?と言われたらこちらがよいでしょう。
REELSの特徴
- 3つのTAPE TYPEを選択可能
- TAPE ECHOの搭載
- GUIのアニメーション&REC&STOPによるテープエフェクト
TAPE TYPEについて
TAPE TYPEは以下のようなカテゴリで分けられています。

日本(JP) | イタリア(IT) | フランス(FR) |
使用済みテープ、全体的に周波数応答が優れている | 新しい古い在庫ですが、周波数応答が制限 | 使いすぎ、保存不良、周波数応答が非常に悪い |
JPが基本一番音が良いという位置づけですがHI-FIではなくLo-Fiの中では比較的キレイというだけで、実際はかなり汚れます。あとはTAPE SPEEDとTAPEのパラメーターで音作りをします。ユニークなのはTAPE TYPEとパラメーターは連動していてJPにするとJPの変化具合、FRにするとFRの変化具合が再現できます。このあたりにもかなりテープサウンドにに対して深い拘りが感じられます。
TAPE ECHOについて
個人的にはここを一番推したいほど優れたTAPE ECHOサウンドが得られます。また最近Twitter界隈で「ボーカルに最適なDelay設定186ms」が話題になりました。これはもともとはとあるオープンリールの再生と録音ヘッドの距離のことです。これをREELSで試すことでデジタルディレイで同じ設定をしたディレイとはまったく別物と言っていいほどの独特の質感を手に入れることができます。
決してHi-Fiではない味がありすぎるエコーサウンドはギターやボーカルどんな楽器にもハマります。
GUIのアニメーション&REC&STOPによるテープエフェクト
ただの飾りでアニメーションしているわけではなくオープンリールが動いています。RECとSTOPによるテープエフェクトスピードも変更できるので任意のテープエフェクト効果を得られます。
REELSメリット・デメリット
良い意味で音が汚い!!
REELSは本当に良い意味で劣化します。テープエミュなどはキレイに飽和感を出すことで暖かみを出すことを目的としているものが多いですが、REELSはそんなことは考えていないというくらい気持ちよく劣化します。そしてふとバイパスにしたときに「何かつまらない」と感じるほど暖かみなどという一般的な言葉では形容できない魅力がREELSにはあります。
TAPEの交換で汚れ具合を微妙に変化させる!
どのタイプを交換しても基本は「汚い」です。しかしその微妙な劣化具合がLo-Fiユーザーの心を鷲掴みにします。
フルートやストリングスを使うことでメロトロン風に変化させることもできるのは隠れた使い方と思います。
REELSをダブリング(ADT)として使える!
先程もお伝えしましたが、デジタルDelayではなくかといってアナログDelayとも一味違うテープエコーは未だにプロの間でよく使われるエフェクトの一つです。
REELSのテープエコーの質感は「チープ」ですが、それが曲の中で使われたときの存在感は特別な音になります。
BUSで使うと昔ならではテープによるダブリング効果を得られます。
ひとくちメモ
ダブリングはビートルズのジョンレノンが「ねー何回も歌うのめんどくさいからさーなんか一回録音して後はなんとかしてよー」というアイデアをあービロードスタジオのケン・タウンゼントが「しゃーねーなー」という話からできました。めんどくさいは発明の母なりですw
REELSはアクティベーションにiLokを必要としない!
地味なところですが、多くのプラグインがiLokを必要としているのに対してREELSは1Licenceにつき3台のコンピュータで使うことが可能です。
パソコンの使い分け等をしている人にとっても嬉しい配慮です。AudioThingは「私達はiLokは嫌いだ!」と言っているあたり好感が持てますね
まとめ
REELSの汚しっぷりはかなりのものです。決して「うまく使えばHi-Fiに」というものではなくLo-Fiにしかなりません。しかし、そのサウンドは今まで聴いてきたテープエミュレーターのどれとも違う音になります。万能薬というものではありませんが、ここぞというときに聴かせたい場所には是非使いたいサウンドです。
個人的にはADTプラグインとして使うのもありだと思っています!

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