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AudioThing Type Bレビュー音が埋もれるのを防止するマジックプラグイン

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ディストーションギター等の音を鳴らしたらどうも音が抜けない、音が埋もれる。なんだか暗く感じる。もっと明るくはっきりと派手な音にしたい。。そういう場合にまずチェックしたいのは「同じ帯域に音が多すぎないかどうかをチェックすること」です。しかし、それでも納得行く音抜けが得られない場合もあります。

そういうときに便利なのがAudioThing Type Bです。

AudioThing Type Bを使えば、イコライザーやコンプで調整しきれなかった音抜けを実現し、その結果、音が明るく音の輪郭がもはっきりと分かる存在感のある音をになります。

効果が抜群過ぎて正直「一度使うと元に戻れない」ほど中毒性が強いプラグインですが、容量用法をしっかりと守れば、プロのようなギターサウンドや、音抜けの悪いエレピなどを全面に押し出してくれます。

総合評価
音質
操作性
価格 
購入のしやすさ
安定度(CPU負荷)
評価の根拠について
AudioThing
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
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AudioThing Type Bとは

Type Bはビンテージエキサイターエフェクトを再現したエフェクトプラグインです。効果としてイコライザーとは違う抜けのよいサウンドを簡単に作りだせます。非常に効果がわかりやすく「それっぽい音」(かっこいいと感じやすい音)になるので使いすぎ注意なエフェクトプラグインです。

エキサイターとは?

サウンドに整数倍音を付加するプラグインです。ハーモニックジェネレーターとも呼ばれ、一言で言うならば音がすごく派手になるサチュレーターです。その効果は次の2点です。

  • 音が明るくなる
  • 抜けがよくなる

DTMerの多くが悩み続ける音の2大悩みと言っても過言ではないその2つを改善してくれます。

エキサイターの誇張表現

エキサイターの説明にはよく「失われた倍音を取り戻す」や「音源には本来含まれていなかった倍音成分を作り出すことができる」という文言が使われますが、これは的確な表現とは言い難い部分があります。なぜならば倍音がまったく含まれていない音色サイン波などの場合エキサイターが反応しません。厳密にはTypeBの帯域幅(500Hz〜5.0kHz)に倍音がないと反応しないということになります。それについてはあとで詳しく後述します。

現行のエキサイターは低域と高域の両方を操作できる仕組みですが、Type Bに関していえば「特定の周波数帯域幅の倍音のみをドライブするエフェクター」であるといえます。

エキサイターとイコライザーの違いについて

イコライザーで高域をブーストすると高域のみ音量が上がります。その結果その高域がピークとなりクリップの原因になります。その対処としては音量を下げることで解決するわけですが、そうすると相対的に低域も小さくなってしまうので音圧をかせぐことはできません。しかしエキサイターの場合はレベルは変化せずに特定の周波数帯域のみに倍音を付加することで音質の変化を作り出すことで音が抜けないなどの問題をクリアすする1つの方法として使うことができます。

WAVESのエキサイターとの違いは?

Wavesのエキサイターは現存する数が少ない激レアなエキサイターをモデリングしていてこちらのType Bは未だにその後継機種が作られ続けるほどメジャーな存在です。

Type Bパラメーターと効果について

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上段

  • DRIVE          倍音の量を調整します。
  • TUNE           倍音を発生させる周波数を決めます(500Hz〜5.0kHz)
  • COLOR        倍音の出方を調整します。(0%で奇数倍音のみ数値をあげると偶数倍音が付加される)
  • INPUT           exciterに入ってくる量を決める DRIVEのレベルオーバーにつながる要素を持つ
  • MIX               左に回すとDRY 右に回すとWET
  • OUTPUT       exciterを通った最終出力
  • SoftClip           アナログリミッター的なサチュレーション

下段フィルター&オプション

上段の左下の矢印タブで表示

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  • MODE           PRE POST
  • TYPE             HP BP
  • SLOPE            12dB 24dB
  • EMPHASIS   (シンセでいうところのレゾナンス)
  • DIRECT        ONにするとMIXにWETとDRY両方を混ぜて出力する
  • WET BOOST WETだけを12dB増加できる
  • ENV   NOISE   OFFにすると常にノイズがのり、ONにすると音がなっているときはノイズがオフになる。

サウンドデモ

クランチ系のギターにかけてみます。

最初の2小節はバイパスであとの2小節がオンの状態です。設定は以下の画像の通りです。

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モコモコした部分がなくなってすっきりしたのがわかります。

ただこれはなくなったのではなくTUNEで設定した5.0kHzの倍音を強調したこと抜けがよくなったために感じている状態で実際はほとんど中低域に影響はありません。

次にクリーンギターにかけてTUNEを変化させ続けてみます。クリーンギターなどは特に倍音がキレイに響くので使いすぎない程度であれば非常に効果的なサウンドメイクが可能になります。

エレピの場合にかけた場合はクリーンギターより倍音が少ないので反応する帯域が絞られます。

使用するうえでの注意点

Type Bが作動するTUNEの幅(500Hz〜5.0kHz)の間で倍音がある音色にしか作動しません。つまりその帯域幅以外での使用できないということになりますが、SoftClipがONの場合はサチュレーション的な歪みは付加されます。

なのでこの帯域幅以外でエキサイターを使いたい場合はマルチエンハンサーの類を使う必要があります。

マルチエンハンサーで有名なのはWavesのVITAMINやizotopeのexciterなどがそれに当たります。

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設定を追い込めば似たような音質にはなりますが、Type Bはやはり往年のエキサイターの音質です。

LOGIC付属のエキサイターについて

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LOGICにも付属のエキサイターはあります。周波数帯域も20Hz〜20kHzまで対応しカラーバリエーションも選べます。ただインプット量については決められないのでGAINなどの音量調整プラグインを挟むことように使うのが望ましいです。使い勝手もよく音質もよいプラグインですが、インプット/アウトプットバランスがほしいところです。

誰のためのプラグイン?

  • こもった音を明るくしたい
  • 抜けを良くしたい
  • 派手にしたい

こういう要望がある人にはType Bのサウンドは喜ばれる結果になるかもしれませんが、最初にもお伝えしていますが、非常に中毒性が高い音質の変わり方をするので、どれにでも使ってしまう可能性が非常に高いプラグインです。

またエフェクト的に使う場合などは80年代に流行ったメタルギターの派手な音質を作るのにも向いています。

使い方のポイント

  • Driveがレベルオーバーにならない(レッドランプを点灯させない)
  • 狙ったTUNE(帯域幅)にどんな音色があるか意識する

レベルオーバーは正直なところ痛いだけのサウンドになるのでそこの微調整はある程度はできると思うのですが、重要なのはTUNEで5.0kHzをドライブさせた場合そこにどんな音色があるのかを意識します。もちろん5.0kHzに限ったことはではありませんがその周波数の倍音が強調されるわけなので、必ずその結果が現状の楽器とぶつかるなどの問題がおきます。なので

基本は「塩ひとつまみ程度」「ちょっと少ないかな?」と思えるくらいがエキサイターは一番よい仕事をしてくれます。

TYPE Bの特徴

  • ヴィンテージエキサイター
  • 強調されたHP / BPフィルター
  • 調整可能なユニットノイズ
  • 最大16倍のオーバーサンプリング
  • サイズ変更可能なウィンドウ
  • ランダマイザー付きプリセットシステム

システム要求

Windows 7、8、10
2GHz CPU、4 GB RAM
VST2、VST3、またはAAX(64ビット)

OS X 10.7 – macOS 11 Big Sur
2GHz CPU、4 GB RAM
VST2、VST3、AU、またはAAX(64ビット)

アクティベーションについて

  • 1ライセンスで最大3台のコンピューターをアクティブ可能
  • iLok等のドングルはなし
  • ネットへの接続はなし

アクティベーションって地味に手間のかかる作業ですし、iLokは便利といえば便利ですが、サブマシンでも使いたい場合などはわざわざiLokを指し直すのは手間になります。アクティベーションがカンタンであればあるほど創作への時間も多くなります。TYPE Bに限らずAudioThingの製品はそのあたりのことをよく考えられています。

まとめ

おそらくエキサイターを知らない世代が使うと感動するレベルの音質変化です。

ですがエキサイターに限らず変化のレベルはほんの僅かであるべきです。なぜなら必要以上の変化には作曲の意図さえ壊してしまう可能性があるからです。「音色がこもる」のをなんとかしたいから「エキサイター」を使う前にアレンジから見直した方が総合的に楽曲クオリティは上がります。エキサイターを使うことでどんな効果と目的を見誤らないように注意しましょう。

exciterは効き目の強い薬みたいなものなので使用容量をしっかり守りたいですね。

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