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Kiive Audio Distinct Pro! レビュー 独自性の強いサチュレーションサウンドが魅力!

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またサチュレーションかよ!どうせそんなに変わらないだろ?テープサウンドとか言ってそれっぽい歪みをチョロっと乗せただけだろ?」こんな風に思っている人がいるならば、この記事を読み進める価値があります!

今回紹介するKiive Audio Distinct Pro! はドライブセクションとダイナミクスセクション、そして3つの異なるサチュレーションタイプを選択できるプラグインであり他の飽和系プラグインと比べて音質、機能性、操作性で1つ上を行く存在です。

繊細なサウンドから極厚なサウンドまで幅広くサチュレーションサウンドを作り込めるDistinct Pro!。この記事では実際の音質を聴きながら、触った印象について解説していきます。

皮肉にも飽和しているサチュレーションプラグイン界隈に一石を投じるKiive Audioの実力を体験してください。

Kiive Audio
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
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Kiive Audio Distinct Pro! 概要

メーカーKiive Audio
製品名Distinct Pro!
特徴高度な
3つの切り替え可能なハーモニックディストーションとダイナミクス処理
サチュレーション、Comp、EQセクション
オーバーサンプリング機能
ユーザーインターフェースが直感的で、さまざまなプリセットが用意されている。
システムマックOS
OS X 10.7以降(macOS 10.14以降を推奨)
プロセッサー: 1 GHz Intel Dual Core 以上
画面解像度:1024×768以上
フォーマット: VST、AU、AAX
64ビットDAWのみサポート

ウィンドウズ
Windows 7以降
プロセッサー: 1 GHz Intel デュアルコアプロセッサーまたは AMD 同等品
画面解像度:1024×768以上
フォーマット: VST、AAX
64ビットDAWのみサポート
認証方式シリアル認証
認証数記載なし
マニュアル英語
価格$109.99→$65.99

Distinct Pro!(ディスティンクトゥ プロ)はKiive Audioから提供される先進的なディストーションおよびダイナミクス処理プラグインです。

サチュレーション、EQ、ダイナミクス(コンプ&トランジェント)などの機能を備え、ユーザーが音楽制作において細かい音質調整を行えるよう設計されています。

オーバーサンプリングやユーザーフレンドリーなインターフェースも特徴。オーディオの暖かさや深みを加えたり、特定のトラックに独自のキャラクターを持たせる際に有効です。

Kiive Audio Distinct Pro! レビュー

音質4
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)3.5
安定性(CPU負荷)3.5
価格4
総合評価3.8

音質4

フルカスタマイズできるサチュレーションサウンド

Distinct Pro!の音質は気合一発ぶち込んだれや!と言わんばかりの豪傑、熱血、熱盛サウンドです。もちろん繊細なセッティングでナチュラルなアコースティックなサウンドをコーディネートすることも可能ですが、個人的にはガッツリとしたギターサウンドに使うのがオススメです。

以下のサウンドはドラムとギターの状態でギターだけにDistinct Pro!を使ってみました。

画像
Distinct Pro! dry
Distinct Pro! wet

Distinct Pro!を使うとギターアンプにゲインをMAXにした状態にもう一歩追加でゲインをつけてもらったような印象になります。

また、サチュレーションユニットに搭載されているMFのかかり方が個性的でかなりガッツリとブーストカットが可能です。音に厚みをつけるとなるとLFをすぐに操作しがちですが、MFをうまく適用すれば少ないトラックでも音に厚みを出すことが可能です。

以下のサウンドではMFを一小節毎に0-10+10 0という形で切り替えています。

Distinct Pro! wet MF

では、サチュレーションといえばドラムに使いたい!という人も多いと思います。実際バスエフェクトとしてサチュレーションは効果のあるエフェクトプラグインです。

画像
Distinct Pro! Drum dry
Distinct Pro! Drum wet

肉厚なドラムがさらに肉厚になったのがわかると思います。

なお、このドラムには同社リリースしたNFuseも使用しています。

同じメーカーだけあって音の相性はよく、2つで1つとまではいいませんが、お互い素晴らしい仕事をしてくれるプラグインです。

Distinct Pro!を使えば、もう一歩厚みが欲しい!もう一歩迫力が欲しい!他のサチュレーションプラグインではなく1つのプラグインの中でイメージするサチュレーションおよびダイナミクスを作り上げたい!という人に最適なサチュレーションプラグインだと言えます。

Kiive Audio

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機能性3.5

異なる3つのサチュレーションタイプを装備

私がDistinct Pro!を気に入っている機能の1つがメーターセクションです。メーターセクションのOUTPUTにはODDEVENDIGIT。こ3つの異なるサチュレーションタイプが用意されており、それらを選択することで異なるサチュレーションタイプを楽曲に取り込むことが可能です。

画像

ODD: 奇数倍音導入することでよりアグレッシブなサウンドを生み出すODDタイプのサチュレーション。フェンダーのバスマンアンプやマーシャルアンプなど、クラシックなロックギターアンプの特徴的なサウンドに似ています。これらのアンプは、そのパンチのあるドライブと強烈なプレゼンスで知られており、ギターのエッジを際立たせます。

EVEN: 偶数倍音スムーズでメロディアスなサウンドを実現するEVENタイプのサチュレーションは、真空管を使ったオーディオ機器やテープマシンのサチュレーションに近いです。例えば、テレフンケンやスタダーのテープマシンは、暖かく滑らかなサウンドで知られており、音楽に豊かなハーモニックコンテンツと深みを加えることができます。

DIGIT: ソフトクリッピングアルゴリズムを用いてデジタルクリッピングに似た効果を生み出すDIGITタイプは、デジタルオーディオワークステーション(DAW)やデジタルエフェクトプロセッサ内蔵のサチュレーションエフェクトに似ています。これらのデジタルデバイスは、音のピークを緩やかに丸めることで、ハードなクリッピングの代わりによりマイルドな歪みを提供することが可能です。

これらの例えは、各サチュレーションタイプが生み出す効果を現実の機材のサウンドに基づいて理解するのに役立ちます。ただし、実際の機材とデジタルサチュレーションは、物理的な特性や操作感において異なる点も多いため、これらの比較はあくまで参考程度に留めておくことが重要です。

この3つを任意に選択できるということは、真空管/TAPE、トランジスタタイプ、デジタルクリッピングを自由に切り替えられので、歪みの好みが違ったときにすぐに他のサチュレーションをサウンドを試せます。それは創作において時短効果も上げられるので私はこの機能が気にっています。

ドライブ機能の詳細について

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次に気に入っているのがドライブセクション。3バンドのフィルターとサチュレーション、そしてディストーションで構成されています。

周波数帯域中心周波数調整範囲効果
HF (高周波)6350 Hz-10 〜 +10ミックス中での明るさと存在感
MF (中周波数)550 Hz-10 〜 +10サウンドの知覚される暖かさとボディに影響
LF (低周波数)140 Hz-10 〜 +10ローエンドのパンチとふくよかさを軽減または強化

なかなか絶妙な周波数設定です。LFはもう少し下でもよかった気がしますが、もっちりとした感じはこのあたりの方が感じやすいので使い方次第の気がしています。

Distinct Pro!はデフォルトでチェインの順番がサチュレーション→ダイナミクスになっているため、ブーストするとその分ダイナミクスの調整がシビアになります。なので、用途によってチェインの順番を変更するのがオススメです。

変更方法はModeのDrive>Dynをクリックして、Dyn>DriveにするだけでOKです。

画像

トランジェントシェイパーを搭載したダイナミクスセクション

画像

Distinct Pro!にはトランジェントとコンプレッサーが搭載されたダイナミクスセクションでアタック感やリリース等を細かく調整可能です。

トランジェントに関しては先日執筆したTechivation M-Puncherと比較すると大味な部分もありますが、用途によっては使えるポイントもたくさんあるように感じました。

このダイナミクスセクションは他のコンプ等にはない機能があります。それがフィードバック圧縮とフィードフォワード圧縮です。

フィードバック圧縮は、自然でアナログ感のあるサウンドを好むエンジニアに向け、フィードフォワード圧縮は、精密なコントロールと明確な圧縮効果を求める場合に適しています。

どちらもミックスのダイナミクス管理とサウンドのキャラクター形成に欠かせず、エンジニアはプロジェクトの目的に合わせて適切な方式を選びます。

詳しいことについては以下の記事のフィードバック-圧縮とフィードフォワード圧縮についての項目で詳しく解説しています。

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操作性3.5

ABコピー機能は見送られた

画像

NFuseでも同じことを取り上げていますが、AtoB(逆もしかり)機能はぜひ早急につけて欲しい機能です。

比較するときには同じ設定から少し変更したい場合はAの設定をBにそのままコピーできればよいのですが、残念ながらこのコピー機能は今回も実装されませんでした。

NFuse同様にバージョンアップデートを検討されていることを祈るばかりです。

SHIFT+クリックで数値入力が便利!

画像

Kiive Audio製品すべてに共通するポイントですが、SHIFT+クリックで数値管理できるパラメーターを数値入力が可能です。このあたりは耳で判断、数値入力はそこまで気にならないという人には不要かもしれませんが、パラメーターの可視化することでどの程度の音色変化が起こるのかを理解できるので便利です。

セクション毎にパラレル処理が可能

画像

Distinct Pro!はドライブセクションとダイナミクスセクションの2つから成り立つサチュレーションプラグインですが、これら2つのパラメーターを独自にパラレル処理が可能ですしリンクすることも可能です。

複合処理ができるエフェクトプラグインは多くありますが、このようにセクションを独立してパラレル処理できるのは珍しいような気がしています。

ドライブは10%程度にして、ダイナミクスを90%といった処理ができる操作性は他にはない大きなメリットです。

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安定性4

CPU負荷はそこまで高くないがオーバーサンプリングによって異なる

オーディオステレオファイルに1つだけDistinct Pro!を使った状態の負荷です。

画像

マルチコアの分散の効いているのでそこまで負荷高い印象はありませんが、オーバーサンプリングのレベルによって負荷は大きく異なってくるので注意が必要です。

画像は左上ば2倍、右上が4倍、左下が8倍、右下が16倍になります。

48kHz環境で16倍で使うということは、768kHzで処理しているということですから、確かに負荷が高いのは納得できます。個人的には2倍または4倍でも十分だと思っています。

またオーバーサンプリング使用時にはレイテンシーも発生します。

オーバーサンプリング率遅延(サンプル単位)
2x31
4x38
8x41
16x42

この表は、オーバーサンプリングを行った場合のレイテンシ(遅延)をサンプル単位で示しています。オーバーサンプリング率が高くなるほど、遅延はわずかに増加しますが、それでも比較的低遅延を維持していることがわかります。 ​

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格3.5

価格は為替レートに影響します。

通常セール
価格$109.99$65.99

Distinct Pro!の購入ポイント

Distinct Pro!は通常$109.99です。Distinct Pro!の購入のポイントはアナログライクな質感を得られるサチュレーション、と効果がわかりやすい3バンドフィルター、そしてディストーション、のドライブセクションとトランジェントにコンプレッサー、そしてそのコンプはフィードバック圧縮とフィードフォワード圧縮を調整可能、

最後のメーターセクションでは3タイプの異なるサチュレーションを選択可能、これらの機能の1つ1つが単体販売されてもおかしくないレベルのもの

それらの機能を使うことで楽曲内のトラックの存在が使う前と後で全然異なるサウンドに仕上げられるのが魅力です。

それらを$109.99で購入するのは正直むずかしいと思います。

またそれが期間限定ですが、$65.99という価格で購入できるのも大きな魅力です。

Kiive Audio

PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。

4月の無料特典は

Audiified U78 Saturator または Excite Audio VISION 4X Lit

画像
注意点
  • Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外
  • Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
  • 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
  • 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
  •  取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
  • このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
  • この製品のコピーを別の製品と交換することはできません。
  •  この製品のコピーを再販することはできません。 
  • このプロモーションでは、製品の 1 コピーを請求する資格があります。
  • 1 回の取引につき 1 つの無料製品のみを請求できますが、複数の無料ギフトの場合は、すべての無料ギフトを取得するまで個別のトランザクションでこのオファーを引き換えることができます。

U78 Saturatorについてはこちらで詳細を確認できます。

PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!

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Distinct Pro!は誰におすすめ?

ここではDistinct Pro!を購入するメリットのある人とない人について解説しています。

おすすめする人:

  • プロデューサーやミキシングエンジニア: 音の質感を重視し、アナログ感をデジタルで再現したい人。
  • 実験好きなクリエイター: サウンドデザインにおいて新しいテクスチャやエフェクトを探求したい人。
  • 音楽ジャンルを問わないアーティスト: ロック、エレクトロニカ、ポップ、アコースティックなど、様々な音楽に温かみや深みを加えたい人。
  • 1つのプラグインでサチュレーションもダイナミクス処理もすませたい人:

おすすめしない人:

  • 基本的な機能のみ求める人: シンプルな圧縮やEQだけを求める場合、Distinct Pro!の提供する豊富な機能は過剰に感じられるかもしれません。
  • 直感的な操作を好む初心者: Distinct Pro!は多くの調整項目があり、初心者にとっては操作が複雑に感じられることがあります。
  • 狭い範囲のサウンドを好む人: 特定の音質やエフェクトのみを追求している場合、Distinct Pro!の多機能性は必要ない可能性があります。

Distinct Pro!は、音楽制作におけるサウンドの質感やダイナミクスの管理に深い関心を持つユーザーには非常に価値がありますが、シンプルさや特定の目的のみを追求するユーザーには、他の専門的なプラグインの方が適しているかもしれません。

まとめ

音質4
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)3.5
安定性(CPU負荷)3.5
価格4
総合評価3.8

Kiive Audioの製品はいつも良い意味で私の期待を裏切ってくれます。NFuseのときはSSLのFusionだけではなくNEVENoMTBも選択可能にしました。

Distinct Pro!で言えば、ドライブ機能とダイナミクス機能を独立してパラレル処理が可能な点、コンプはフィードバック圧縮とフィードフォワード圧縮を搭載しています。

細かいAtoBなどのコピー機能がないのは残念ですが、それ以外は文句はまったくありません。素晴らしいプラグインだと言えます。

Kiive Audio
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