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Techivation T-Saturator レビュー 無料クオリティの常識をぶっ壊してきたサチュレーションプラグイン

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音楽制作の世界では、サチュレーションプラグインはトラックに温かみと豊かさを加える重要なツールです。

しかし、ほとんどのサチュレーションプラグインは入力レベルに依存し、信号のダイナミクスに大きく影響を受けるため、設定が難しく予測不可能な結果をもたらすことがあります。

そんな中、Techivation T-Saturatorは一線を画し、レベル非依存のサチュレーションを提供します。これにより、入力レベルに関係なく一貫したサチュレーション効果を得ることができ、トラックのキャラクターを精密にコントロールすることが可能です。

何より驚くのはこのプラグインが無料でリリースされているということです。「無料プラグインなんてどうせ大したことない」と思う人は少なくありません。しかし、このプラグインは無料レベルではありません。完全に有償レベルといえます。

この革新的なプラグインがどのように他のサチュレーションプラグインと異なり、どんなメリットをもたらすのか、詳しく見ていきましょう。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
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概要

メーカーTechivation
製品名T-Saturator
特徴ダイナミックなサチュレーション
シンプルな操作
高品質なサウンド
8倍までのオーバーサンプリング
無料配布
システムWindows
7 and up as 64-bit VST and VST3, and
64-bit AAX (PT11 and up).

Mac OS
10.11 (OS X El Capitan) or higher as 64bit VST,
VST3, and AU, and 64-bit AAX, Intel, and Native M1 & M2
認証方式シリアル認証
認証数2
マニュアル英語
価格フリー(無償)
備考アンインストール場所
MAC OS
AU: /Library/Audio/Plug-ins/Components/
VST: /Library/Audio/Plug-ins/VST/
VST3: /Library/Audio/Plug-ins/VST3/
AAX: /Library/Application Support/Avid/Audio/
Plug-Ins/ その他のデータ: ~/Library/Application Support/Techivation

WINDOWS
VST: Custom path from installer
VST3: \Program Files\Common Files\VST3\
or \Program files(x86)\Common Files\VST3
AAX: \Program Files\Common Files\Avid\Audio\Plug-Ins\

Techivation T-Saturatorは、音楽制作におけるサチュレーション効果を提供する無料のプラグインです。

一般的なサチュレーションプラグインの挙動はアナログ機器(例えば、真空管アンプやテープマシン)で見られる現象で、入力信号が一定のレベルを超えると、信号が「飽和」し、歪みが発生します。

これにより、信号のピーク部分が丸くなり、ハーモニックディストーションが加わることで、音がより温かく、豊かに感じられます。

それに対して、Techivation T-Saturator入力レベルに関係なく、サチュレーションレベルを動的に調整でき、トラックのトーンとキャラクターを正確に制御します。プロフェッショナルな音質を簡単に操作できるインターフェースで実現しているのが大きな特徴になります。

レビュー

音質4.5
機能性(オリジナル性)4.5
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4.5
価格5
総合評価4.5

音質4.5

上品かつ使いやすい即戦力的な音質

T-Saturatorは、音質に関して非常に柔軟かつ多用途なプラグインであり、さまざまなサチュレーションアルゴリズムを使用して幅広い音色を提供します。一聴するとわかりますが、様々なサチュレーションプラグインを今まで触ってきましたが、それら比較しても十分なクオリティであり、これが無償レベルで出てきたことに驚きです。

正直な印象として、GUIにさえこだわらない(リアルグラフィックを施されたもの)のであれば、サチュレーションに関してはわりとこれで賄えるのではないかと思うレベルです。

ではかんたんに音質チェックをしてみましょう。

詳細については機能の項目で紹介しますが、 T-Saturatorには4つのサチュレーションモードが搭載されているので、それらを一つずつ切り替えながら確認していきます。

まずは何も使用していない状態、

T-Saturatorはドラムバスに使用します。まずはTUBEから

続いてTAPE

次にClip

最後に、Fold

個人的にはTAPEが一番気に入りました。これが本物のテープサチュレーションかどうかは別として、重心の低さだけではなく、画角のクリア感などが使いやすく、リッチなドラムトラックがかんたんに出来ました。

次にお気に入りなのは、TUBEはギターエフェクターのチューブスクリーマー的な雰囲気を感じる音質で、ギターのエフェクターとして使っても面白い効果があると思います。

Clipに関してはそこまで色づく感じはありませんが、ほどよいクリア感があり、癖がつよくないクリッパーとして使うことができそうな雰囲気があります。

FoldはTUBEと音質傾向は似ていますが、Foldの方がやや暗めな印象があり、これもシーンによっては使える音質です。とりあえずパッと聞いただけでも「これが無料…」と唸ってしまう音質です。個人的にはUADからリリースされた、無料扱いになりつつある。Verve Analog Machines EssentialよりもT-Saturatorの方が好みです。

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機能性4.5

入力量に依存しないサチュレーション機能

「Saturation」コントロールは、プラグインに入力された信号に適用される高調波歪みの量を調整します。

T-Saturatorは入力レベルに関係なく動作し、信号全体に均等にサチュレーションが適用されます。このため、設定した「Saturation」の値に基づいて、信号の音量に関係なく一定の倍音が生成されます。

この特徴により、T-Saturatorは、エフェクトの強度が入力レベルに依存する通常の静的サチュレーションプラグインとは異なります。

静的サチュレーターは、信号の大きなアタック部分に多くのサチュレーションを適用しますが、この効果は音楽的に望ましい場合もあります。T-Saturatorは、「Smash」コントロールを使用することで、トラックのキャラクターを正確にコントロールしながら、同様の効果を得ることができます。

しかし、中には入力量に依存するようなサウンドをほしいユーザーもいるかもしれません。その場合はスマッシュコントロールが有効です。

画像

Techivation T-Saturatorのスマッシュコントロールを使用することで、入力量に依存するサチュレーション効果を擬似的に再現することは可能です。これにより、トラックのキャラクターを柔軟に調整し、ダイナミクスを強調することができます。ただし、完全に同じ動作を再現するわけではないため、使用する目的に応じてプラグインを選択することが重要

4つのサチュレーションモードについて

T-Saturatorの音作りの決定する4つのサチュレーションモードには次のような効果があります。

サチュレーションモード説明
Tubeトライオード真空管の非対称応答をモデル化し、
非常にアグレッシブなディストーションを提供します。
Tape駆動された磁気テープの温かみと豊かさを再現します。
Clipソフトクリッピングとエキスパンダーのようなエフェクトを組み合わせ、
ダイナミックレンジを拡大します。
Fold穏やかなウェーブフォルダーであり、設定に応じて倍音が増加します。

個人的にTube+Tapeというモードがあれば嬉しかったのですが、十分過ぎる音質とわかりやすい音質カテゴリによって使い勝手が悪いと感じることはありません。

無料ということを考えると「高望みし過ぎ!」ですね。

T-SaturatorのTはトラック使用を前提としているので、できればM-Saturatorなるものを作ってマスタリングクオリティのサチュレーターを見てみたいと感じました。

サチュレーションモードを決定したらスマッシュコントールとクランチコントロールで微調整をする流れになります。

コントロール説明
スマッシュコントロールトランジェント(信号のアタック部分)へのサチュレーション量を調整します。正の値では強くサチュレートされ、負の値では控えめになります。
クランチコントロールサチュレーションの強度とキャラクターを調整します。低い設定では温かく、高い設定では攻撃的なディストーションが得られます。

スマッシュコントロールは絶妙な効果ですが、あるのとないのとではトラックの中での存在感が変わってくるので、地味に重宝しました。

また、サチュレーターとして面白いと思ったのは、Frequency Rangeです。

画像

これはTechivationの他のプラグインにも搭載されていますが指定したレンジの間で効果を発揮するというもの、例えば、キックやスネアの基音のみに使うといった方法もあります。

考え方として、wavesfactory spectreと近い使い方ができそうです。

これらを最終的には中央のノブでサチュレーション量を決定します。

画像

少しわかりにくい?オーバーサンプリングの表示名

T-Saturatorにはオーバーサンプリングが搭載されています。しかし、オーバーサンプリングという名前ではなく、Qualityという左端上のStandard〜Ultraがそれに該当します。

オーバーサンプリング名倍率
Standard1倍
High2倍
Supreme4倍
Ultra8倍

慣れてしまえばどうってことないですが、最初はこれはなんだろう?って感じになりましたね。

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操作性4

使用感は特に問題ない

操作性はTechivationが誇るシンプルイズベストでありとても快適な操作性が得られています。

Techivationの他のプラグインにも搭載されている。A/B比較機能&コピー機能、アンドゥ・リドゥ機能、プリセット機能にGUIサイズの変更などもしっかりと搭載されています。

無料だから機能を省いたということはありません。本当に素晴らしいですね!

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安定性4.5

オーバーサンプリによって異なるCPU負荷

T-Saturatorはサチュレーターということもありそこまで負荷が高いわけではありません。しかしオーバーサンプリングのクオリティによってCPU負荷が異なるので注意が必要です。

ソフトシンセと併用時にはとくにオーバーサンプリングの設定に注意したいところです。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格5

Techivation T-Saturatorの無料で手に入る魅力

  1. プロ品質のサウンドデザインが手軽に
    T-Saturatorは、無料でありながらプロフェッショナルな品質のサウンドデザインを提供します。高価なプラグインに匹敵する機能を備えており、どなたでも気軽にハイクオリティなオーディオ処理を楽しむことができます。
  2. 多彩なサチュレーションモードで無限の可能性
    無料でありながら、Tube、Tape、Clip、Foldの4つのサチュレーションモードを搭載。それぞれ異なるキャラクターを持つため、さまざまな音楽ジャンルや制作スタイルに対応可能です。
  3. 使いやすいインターフェイス
    T-Saturatorは、シンプルで直感的なインターフェイスを提供。初心者でも簡単に操作でき、無料でありながら使い勝手の良さを実感できます。
  4. リアルタイムで音質をチェック
    無料で提供されるにもかかわらず、リアルタイムで入出力レベルを確認できるメーターを搭載。音質の変化をすぐに確認し、最適なサウンドを見つけることができます。
  5. オートゲインとスマッシュ機能で柔軟なサウンド調整
    T-Saturatorは、オートゲイン機能とスマッシュ機能を備えており、トラックのキャラクターを自由に調整可能。無料でありながら、プロフェッショナルな仕上がりを実現します。
  6. コストパフォーマンス抜群
    無料でこれほど多機能なプラグインは他にありません。Techivation T-Saturatorは、費用をかけずに最高のサウンドデザインを実現したい方に最適な選択です。

無料で手に入るTechivation T-Saturatorは、コストパフォーマンスに優れた強力なツールです。プロフェッショナルな機能を備えたこのプラグインを使えば、誰でも簡単にハイクオリティなサウンドを作り出すことができます。

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このプラグインは誰におすすめ?

以下に、Techivation T-Saturatorをおすすめする人とそうでない人をまとめました。

Techivation T-Saturatorをおすすめする人

  1. 予算を抑えたいプロデューサー
    • 高品質なサチュレーションプラグインを無料で利用したい方に最適です。
  2. サウンドデザインの初心者
    • シンプルで直感的なインターフェイスにより、初心者でも簡単に操作できます。
  3. 多様な音楽ジャンルに対応する必要がある人
    • 多彩なサチュレーションモード(Tube、Tape、Clip、Fold)を使って、幅広いジャンルに対応できます。
  4. 柔軟なサウンドコントロールが求められる人
    • スマッシュコントロールやクランチコントロールなど、多機能な調整オプションを求める方に適しています。
  5. プロフェッショナルなサウンドを求める趣味の音楽制作者
    • 無料でありながらプロ品質の音質を提供するため、趣味でも高品質な作品を制作したい方におすすめです。

Techivation T-Saturatorをおすすめしない人

  1. ハードウェアエミュレーションを求める人
    • 特定のハードウェア機器のエミュレーションに特化したプラグインを求めている方には、T-Saturatorは向いていません。
  2. シンプルなプラグインを好む人
    • 多機能なプラグインを使いこなすのが難しいと感じる方や、シンプルな操作性を重視する方には適していないかもしれません。
  3. 非常に特殊なサウンドデザインを求める人
    • 特殊な用途やニッチなサウンドデザインのために、特化したプラグインを必要とする場合、T-Saturatorだけでは不十分かもしれません。
  4. 既に高価なサチュレーションプラグインを所有している人
    • 既に高価で多機能なサチュレーションプラグインを所有している方にとっては、追加の価値が少ないかもしれません。
  5. 非常に軽量なプラグインを求める人
    • オーバーサンプリング機能など、高い処理能力を要求する機能を持つため、非常に軽量なプラグインを求める方には向いていない可能性があります。

また、シンプルなGUIではモチベーションが上がらない!という人にもあまりおすすめはできません。ただ、そういう人であっても一度はT-Saturatorの音質を聴いてから判断すると良いと思います。

まとめ

音質4.5
機能性(オリジナル性)4.5
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4.5
価格5
総合評価4.5

無償のプラグインは、気に入っていてもメーカーが作るのをやめたり、倒産した場合そのまま使えなくなるリスクがありますが、今勢いのあるTechivationではそのような心配は当分のところないでしょう。

T-Saturatorの音質に関しては、本当に素晴らしく、文句のつけようがありません。ただ、サチュレーションプラグインという特性上あまり使いすぎるとミックスが飽和しやすくなるので注意が必要です。

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