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SSL Fusion Transformer レビュー 類似製品と比較してわかった5つの魅力

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DTMの中級者として、作曲やミックスのスキルが向上すると、音質に対する要求も高まります。特にデジタルオーディオの冷たさや平坦さを感じることはありませんか?そんな時、SSL Fusion Transformer Plug-inが解決策となるかもしれません。

このプラグインは、アナログトランスフォーマーの特性を高度にエミュレートし、音に深みと独特のキャラクターを加えます。「Shine」や「Amount」の調整機能を使えば、高級アナログ機器のような音質を実現できます。さらに、低周波のハーモニクスを増加させ、音に温かみを加える能力も持っています。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
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SSL Fusion Transformer 概要

SSL Fusion Transformer Plug-inは、デジタルオーディオワークステーション(DAW)内でアナログトランスフォーマーの特性をエミュレートするプラグインです。このプラグインは、高周波の位相シフト、追加の高調波歪み、および自然な低周波のロールオフを組み合わせて、音楽プロダクションに独特の「魔法」をもたらします。

CPU負荷も低くソフトシンセと併用できるレベルです。

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オーディオファイルにSSL Fusion Transformerを1つだけ挿した状態のCPU負荷
CPU負荷詳細補足

ほぼ負荷はないレベルと言えます。またECOモードではCPU負荷さらに軽減できます。

画像

ECOモードはオーバーサンプリングを停止する機能になります。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

SSL Fusion Transformer サウンドレビュー

SSL Fusion Transformerではユーザーがトランスフォーマーの特性を微調整できるのが特徴的です。トランスの種類は一種類だけですが、音に気品を与えるに十分な音質を誇っています。

7.5dB近く上がっていますが実際のところそこまでのブースト感は感じないので、設定には注意が必要だと思います。

では、実際どのような音質になるのかをチェックしてみましょう。以下の2mixにSSL Fusion Transformerを使ってみます。

SSL Fusion Transformer dry
SSL Fusion Transformer wet

設定は以下の画像のようにしています。

画像

この画像では上にある画像の結果に繋がりますが、そこまで耳に痛いようなブーストにはなりません(もちろん超高域に敏感な人はそうでないのかもしれませんが)このあたりの音質の変化が魔法と言われる部分なのかもしれません。

実際はここまで派手にかけることはありません。個人的には高域に関してはこれの半分くらいが私にとってベターな質感だと感じます。

使い方として、トランスエミュレターによるほどよい歪感はボカロやsynthsizerVなどに使用することでほどよいエッセンスになるように感じました。

では他のトランスフォーマーエミュレタープラグインも試してみます。まずはXln Audio RC-20 Retro ColorのディストーションカテゴリにあるIRON(トランス)で試してみます。

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Xln Audio RC-20 Retro Color

Xln Audio RC-20 Retro Colorは汚し系で使うことを前提としているので音質面ではSSL Fusion Transformerと正反対な質感です。

音を汚すという目的で使うのには効果的ですが、実機特有の品格のある音を目指すには不向きです。

次に私が好んでよく使うKazrogのTrue Ironです。

画像

kazrog True Ironは6つのトランスフォーマーを選択が可能で、アマウント量やパラレル設定などを調整できるトランスフォーマーエミュレータープラグインです。

トランスによって音質は異なりますが、私が好きなのはフラットな特性をもつ4001Bです。

画像
True Iron

ただ、SSL Fusion Transformerの方が音が伸び全体的な透明感が高いように感じたので、今後はSSL Fusion Transformerを使うことが多くなりそうです。

ドラムバスに対して過度に使用すると、音が過度に前面に出過ぎる可能性があるという話があります。これはアマウントによる倍音の付加の量が原因の一つだと考えられます。

例えば60Hz付近のサイン波形に対してアマウント量を増やしすぎると強烈な倍音が発生します。このことから、ドラムのバス・トラックなどでは意図しない倍音による音色への影響が考えられます。

また設定次第では超高域がかなり持ち上がってしまうため、このあたりの影響も大きいように感じます。

画像

以上のことから音質面では次のような問題を解決できる可能性があるように感じました。

  1. 低周波のハーモニクスを増加させることで、音に温かみや厚みを加える
  2. デジタル音源にもアナログ特有の質感を与える
  3. ユーザーが音の特性を微調整できるため意図した音質を作り込める
  4. 低周波がトランスフォーマーを通過する際にロールオフする問題に対処するための特別な機能がある(LF EXTNDボタン)
  5. ドラムやボーカル、楽器トラックに立体的なニュアンスを与えられる

以上のように、SSL Fusion Transformer Plug-inは多くの音質に関する悩みを解決するための高い柔軟性と機能を提供します。ただし、その特性を最大限に活かすためには適切な設定と注意が必要です。

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機能性および操作性

SSL Fusion Transformerでトランスの質感をコントロールできるSHINEとAMOUNTがあります。

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SHINE機能はトランスによってもたらされるハイエンドの光沢と位相シフトを増減します。100% を超える値は元の回路を超えた効果を強調し、100% を下回る値は効果を軽減し、AMOUNT機能は高調波歪みを増加または減少させます。100% を超える値は回路をより強く駆動し、100% を下回る値はレベルを下げます。

ミックスに不慣れな人の場合、あまりこれらのパラメーターの変化幅はわからないかもしれません。その場合、スペクトラム・アナライザーとテストトーンオシレーターでサイン波に使うと音の変化がわかりやすくなるため、併用することをオススメします。

まとめ

メーカーSSL
製品名Fusion Transformer
システムマック
macOS 11 Big Sur – macOS 13 Ventura  
(64 ビットのみ) (M1 Mac をサポート)
2.4GHz以上で動作するIntelデュアルコアMac
最低 4 GB の RAM (8 GB の RAM を推奨)
AU、VST2、VST3、AAX ネイティブ

ウィンドウズ
Windows 10 – Windows 11 
 (64 ビットのみ)
2.4GHz 以上で動作する Intel Core 2 (または同等の) CPU
最低 4 GB の RAM (8 GB の RAM を推奨)
VST 2、VST3、AAX ネイティブ
認証方式iLokアカウント認証
認証数2
マニュアル英語(Google Chromeにて日本語に翻訳可能)
価格218.90ドル→29.99ドル

SSL Fusion Transformerのトランエミュレーションは私が今まで使ってきた中で一番ハイファイな印象でした。

このあたりの品質はさすがSSLと言ったところでしょう。さらにSHINE機能やAMOUNT機能により音質の作り込み度も自由があり、ITBミックスにアナログ的な質感を取り入れたいユーザーにはこの製品はオススメです。

音質:高品質、グレードの高いハードウェアの質感が再現されている

機能性:SHINE機能とAMOUNT機能によりトランスエミュレーターのかかり具合を細かく調整可能

操作性:少数精鋭のプリセットにA/B比較ボタン、デフォルトプリセットもあり

安定性:CPU負荷は低い、ECOモードではさらにCPU負荷を低くできる

価格:通常218.90ドルがセールで29.99ドル、お買い得な価格!

SSL Fusion Transformerはミックス中級者〜上級者の人ほどその価値と意味を見いだせるプラグインですが、ボカロやsynthsizerVなどのAIボーカリストに使うことでSSL Fusion Transformerの価値を見いだすこともできます。

バス・トラックなどでは設定次第によって意図しない音質になる可能性もあるので、かんたんなパラメーターであっても設定はシビアにしていきたい印象です。

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