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Nomad Factory MAGNETIC IIレビュー10年経っても現役のサウンド!

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「最近の音に温かさをくれるプラグインもいいんだけど」中田ヤスタカ氏が言っていた「デジタルサウンドの黎明期的な音」が気になるという人は多いのではないでしょうか?デジタルサウンド黎明期といえばSONYのデジタルオープンリールレコーダー3348や一時期業界のフォーマットとなったADATなどを思い出す人もいるかもしれません

しかし、そんなプラグインしらないですよね?でもあるんです。実は十年近く前から…

それがNomad Factory MAGNETIC IIです。

「えっ?それってめっちゃ前のやつじゃない?」と思うかもしれません。そうです、めっちゃ前のテープエミュレーションです。MAGNETIC IIはテープエミュレーション数もさることながら実はデジタルオープンリールの最高峰DASHフォーマットの音質をエミュレーションしています。細かく言及はされていませんが、おそらくSONYの3348の音をエミュレーションしたものと思われます。

まさに「デジタルオブキング」のサウンドがDASHサウンドです。音のぬくもりを追いかけ続けながらクリアなデジタルサウンドになる。DASHサウンド!今だからこそこの部分にスポットをあてるべきだと私は思ったので記事にしてみました。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
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Nomad Factory MAGNETIC IIとは

最近はテープの取替ができるエミュレーションをよく見かけますが、

MAGNETIC IIは8台の実機自体をエミュレーションしています。

Otari MX-80 2インチ 24トラック

Otari MTR-90 2インチ 24トラック

Ampex MM1200 2インチ 24トラック

Ampex ATR-102 ハーフ・インチ 2トラック

Tascam ATR60-16 1インチ 16トラック

Studer A80 Mk II 2インチ 24トラック

Studer A827 2インチ 24トラック

Studer A820 2インチ 24トラック

MCI JH24 2インチ 24トラック

今でもこれだけのテープデッキをエミュレーションしているプラグインはMAGNETIC IIだけだと思います。そして先程からお話している。今見直すべき最大の特徴であるのがデジタルオープンリールのDASHもエミュレーションです。

発売当時は、複数のオープンリールのエミュレーションに注目が集まりDASHのエミュレーションはそれほどでしたが、今ではこのサウンドに惹かれる人は多いと思います。

では次からMAGNETIC llの主なパラメーターを確認しながら詳細に迫っていきたいと思います。

テープマシンエミュレーター戦国時代

一昔まえと比べるとプラグインの技術が格段にあがり、クオリティの高いオープンリールのエミュレーションサウンドを作るれるようになりました。また、その一方で近年はカセットテープサウンドを再現したプラグインやVHSサウンドを再現したプラグインもよく見かけます。

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いわばテープエミュレーション戦国時代!どのプラグインが天下を取るか!という状態になっていますが、実は密かに勝ちもせずに負けもせずにその存在感を保持しつづているのが今回紹介するMAGNETIC IIです。

基本的なテープエフェクトパラメーター

REEL SPEED

テープ・マシンの回転速度をコントロールします。左にまわしきる(とラジオボイスのような音色になり、右に回しきると(DASH)80年代〜90年代に流行ったデジタル的なサウンドになります。これが先程お伝えしていた3348のエミュレーションになります。

ちなみにDASHにした場合、テープデッキの選択はMAGNETICしか選べません。A820とMAGNETIC II DASHの聴き比べてみましょう。

A820

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DASH

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DASHの方が全体のフォーカスがあっている印象を受けます。ほとんどパラメーターを動かしていないので、他のパラメーターまだまだ音を作り込めます。ドラムだけなんでわかりにくいかもしれないですが、

シンセサウンドが入ったバンドサウンド系に使うと90年代の懐かしいサウンドを作れそうです。

ちなみにDASHとはデジタルレコーダーのフォーマットである[Digital Audio Stationary Head]の略したものです。ざっくり言うとパソコンで言うところのWavやAifみたいな感じです。最後に実機を触ったのが10年以上前なので、なんとなくしか覚えていないのですが、デジタルサウンドの代名詞みたいな明るく抜けの良い音が印象的でした。

SATURATION

Tubeサウンドやアナログ・テープのサチュレーションを得られます。Tube-Tape両方を適用することも可能。色の付き方は最近のテープエミュと比べると非常にエフェクティブな効き方ですが、ドラムのバスに通しても、ほどよくまとめてくれるので慣れないバスコンプを使うならMAGNETIC IIを使った方が気持ちよくまとめられるかもしれません。

TAPE COLOR

Natural、Vintage、Modernの3つのテープ・コンプレッションが得られるパラメーターです。個人的にVintageの潰れ方が「いかにも!」って感じで好感が持てる人は多いのではないでしょうか?

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Modernに関しては普通の「コンプかかってるな」という印象です。ナチュラルはModernに比べリリースが短くタイトな印象をうけます。

LOWS:

低音域のブーストカットで、Body、warm、Lushの3つの低域を選べます。アナライズ画像はピンクノイズでパラメーターはMAXに振り切った状態です。

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緑がBody 赤がWarm 青がLushです。およそ200〜800Hzに差があるような感じです。

HIGH

こちらもLOW同様detail、Focus,Brillianceの3段階で調整できるんですが、すごいです!!!!

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緑がdetail 赤がFocus 青がBrilliance

どこがdetail(細部)やねん!w

こんなざっくりなEQしりません全力でツッコミを入れたくなるざっくり感ですw

GAIN BOOST

ブリックウォール・リミッターに送る信号のゲインの調整が可能です。言うならばマキシマイザーみたいなものです。

本物ではないけどホンモノ

今のプラグインの方がクリアでです。テープ独特のサチュレーションの感じも最近の方が遥かに自然です。しかし、MAGNETIC IIは多くのプロが使い倒しました。デジタルサウンド全盛期のJPOPをこのプラグインが支えたと言っても過言ではありません。そういった意味でホンモノです。

押しの強さだけで強引に持っていく音

ゲインブーストの量にもよりますが、全体的に押しが強いので音にわかりやすい迫力が生まれます。それがMAGNETIC IIの売りのひとつともいえます。またREEL SPEEDによってかなり音がわざとらしく変わるので使い方次第では面白い効果も作れます。

最近のテープエミュレーターが96kHzまで出力可能なVAソフトシンセとするならば、MAGNETIC IIは90年代後半のPCMサンプリングシンセのようなものです。リアルという点において使える範囲は決して広くないPCM音源ですが、そのぶん使える僅かな範囲の説得力は格別です。それと同じ説得力がMAGNETIC IIにはあります。

初めて私がこれを触ったときには「すごいな!もうコレ以上のものは出てこれないのではないか?」と思いとにかく使い続けた結果見事にパツンパツンに飽和しましたwカードローンもMAGNETIC IIもご利用は計画的にですね。

最近色々なテープエミュが出ていて私が気に入ってるのはSoftubeのtapeなのですが、久々にこれを使うと違った意味でテンションが上がりました。

テープエミュに迷ったらSoftubeのtapeをオススメする5つの理由

なぜ一昔前のプラグインにそれだけのテンションを湧き起こす力があるのかを考えたときにそれはMAGNETIC IIから聞こえる音が、夜も眠らずゴハンも適当に食べて若さのエネルギーだけで突き進んでいたあの頃を思い出させてくれたからだと思います。

Nomad Factory MAGNETIC IIの価格

メディア・インテグレーションでは13,400円

JRRSHOPでは99ドルなのでJRRSHOPの方がお買い得にように思いますが、掲載されている画像がⅡではなくⅠなので少し不安が残りますが、おそらく大丈夫だと思います。

まとめ

比べれば比べるほど最近のテープエミュは本当にクリアです。実機を知らないのでどこまで似ているかはわかりませんが、サウンドの質感はジャンルを問わないと思います。

一方でMAGNETIC IIは色が付きますwとにかく、わかりやすいほどにつきます。エミュレーションの完成度というよりMAGNETIC IIという1つのエフェクトであると言ってしまった方が個人的にすっきりします。

久々に使うと音の元気のよさを感じました。まるで盗んだバイクで走り出して校舎の窓ガラスを叩き割ったあの日を思い出します(嘘ですw)キレイな音もいいけど、元気もりもりなテープエミュとデジタルサウンドの黎明期であるDASHサウンドを堪能してみるのもいいかもしれません。

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