Bx_oberhausenとArtria_SEM_Vを徹底比較して見えてきた両者の違い

違うメーカーから同じタイプのソフトシンセが出ていたらちょっと気になりますよね?やっぱり自分が使っている方がちょっとでも音がよかったら嬉しいなーって私は思ったりします。そこで今日はSEMをエミュレーションしているBx_oberhausenとArtria_SEM_Vを比較してみたいと思います。

SEMって何?

1974年にトム・オーバーハイム氏が開発したシンセモジュールSynthesizer Expander Moduleを略してSEMでといいます。そのSEMを2つ載せたTWO VOICE PRO SYNTHSIZERが最近発売されていました。

これをソフトウェア化したのがArturiaのSEM-VとBrainworXのBx_oberhausenです。さてどちらが優れているのか?というのは正直気になるところです。

というわけでここでテストです!まずこちらの音を聞いてください。

ArturiaのSEM-VとBrainworXのBx_oberhausenによる同じフレーズのテストです。これらの違いを聞き分けられましたでしょうか?

耳に自信のある人は挑戦してみてください。ちなみにひっかけの可能性もあり両方とも同じ場合もあります。

正解は「さいごに」で載せさせていただきます。

SEM-VとBx_oberhausennの共通項目

SEMをエミュレーションしているので基本仕様は実機と同じ2VCO 1VCF 2VCAという仕様です

これを元にSEM-VとBx_oberhausennの共通項目は次のようになります。

  • 同時発音数は最大32まで増やせる
  • エフェクターを搭載している(種類は異なります)
  • アルペジエーターを搭載している

また一番わかりやすい違いとしてSEM-Vにはサブオシレーターが搭載されています。

SEMをモデリングした内容は同じようにみえて実際はかなり異なる部分があります。では次にその具体的な違いについてお話させていただきます。

SEM-VとBx_oberhausennの違い

デフォルトでの音量の違い

そもそもここを統一させる必要はないのかもしれませんが、まずSEM-Vの方がBx_oberhausennより4.5dB程度音量が低いです。このため同時に音を鳴らすとSEM-Vの方が元気がないように感じます。各メーカーのデフォルトでのボリューム設定にはどういう哲学というか考えがあるのか気になるところです。私としてはちょっとくらい大きい方がいいような気もしていますw

各パラメーターの値が異なる

これはどちらが実機に即したエミュレーションなっているのかわかりかねますが、かなり値がかなり違います。そのため同じ音作りができる範囲とそうでない範囲が出てきます。

SEM-VBx_oberhausenn
ボリューム-80dB〜+24dB-20dB〜+20dB
VCF20Hz〜15kHz37Hz〜24.35kHz
RESONANCE0〜100%-9.7dB〜26.30dB
ENV1 Attack0ms〜7.00s4.36ms〜7.36s
ENV1 DECAY0ms〜14.00s5.00ms〜26.50ms
ENV1 SUSTAIN-60dB〜0.00dB-34.00dB〜0.00dB
ENV2 Attack0ms〜7.00s4.10ms〜7.57s
ENV2 DECAY0ms〜14.00s5.00ms〜21.50s
ENV2 SUSTAIN0ms〜7.00s-36.03dB〜0.00dB
LFO20.01Hz〜13.00Hz0.050Hz〜50.000Hz

フィルターの動き方の違い

SEM-VBx_oberhausenn
VCF20Hz〜15kHz37Hz〜24.35kHz

両者にはフィルター領域が異なるため、同じ速度でオートメーションをかけても閉じきるまでの時間がことなります。

エンベロープの違い

ENV1 DECAY0ms〜14.00s5.00ms〜26.50ms

音の伸びを得られるDECAYは数値も違えば同じ1秒であっても効果も違います。

下記の画像はSEM-VでDECAYを1.02秒に設定したものです。

続いてBx_oberhausennでDECAYを1秒にしたものです。

お互いに0.2秒の幅があります。しかし音作りをするうえではかなり大きな差とも言えます。

オシロスコープに見る両者の違い

SEM-VとBx_oberhausennを同時に鳴らし、その波形の違いをオシロスコープで確認してみました。

ある周波数帯域ではかなり似たような振幅になり両者の音色はほとんど区別がつかない部分もありますが、高音域になるにつれて振幅の仕方に変化が見られます。

またこれらはアナログモデリングなのでRR(ラウンドロビン)による波形の切り替えはありませんが、アナログモデリングによって同じ音が出ないというRR的なエミュレーション効果は両者に見られます。

搭載エフェクターの比較

Bx_oberhausennに関してはお家芸とも呼べるPAクオリティの簡易版と呼べるエフェクトを内蔵しています。また、並び替えもできるのでより効果的なエフェクトサウンドを扱うことができます。

SEM-Vはオーバードライブ、コーラス、ディレイでシンプルなものです。個人的にはアナログシンセ系にはリバーブが内蔵されていてほしいのとPAクオリティのエフェクトを扱えるBx_oberhausennの方がエフェクトでより音作りの幅が広がるように思います。

CPU負荷について

  • パソコン         :Macmini2018
  • CPU          :Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
  • メモリ          :32GB
  • システム         :OS10.14.6 Mojave
  • Audio/IF         :Motu896HD
  • バッファー    :64
  • DAW                :LogicProX10.4.8

Bx_oberhausenn

SEM-V

デフォルトの設定この負荷ですからBx_oberhausennの方が 重い印象を受けます。オートメーションを触っているときにBx_oberhausennではフィルターの開閉がうまくいかない時があり瞬間的に高負荷になっているのがわかります。しかし、この負荷をもってどちらが良い悪いとは決められない範囲の負荷レベルです。

さいごに

じゃあ結論として「どちらがいいの?」という話になるのですが、正直に言うと「どちらも良い!」です。正直周波数帯域で見ても、オシロスコープで見ても「機材の個体差」と言われてしまえば納得できる音の違いでしかありません。

ですが、今回の音源に限らずアナログモデリング音源のの選び方のポイントは動的による音色の変化が好みかどうか?というのが重要な比較ポイントのように思います。

さて最初のクイズの正解は?

最初がSEM-V

後半がBx_oberhausennでした。

どうでしたか?わかりました??

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください