
DW Soundworksのドラム音源ってどんな音?



全体的なバランスもよく使いやすいドラム音源だよ



GUIが古臭いって聞いてたけれど?



確かにそのような見方もできるけれど、作業中ずっとGUIを見ているわけではないから、そんなに気にしなくていいと思うレベルだよ
メリット | デメリット |
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超高精細サンプリング(88.2kHz/24bit収録) 豊富なコアキット&拡張性 強力なミキシング環境 Roland Cloudとの統合 | 容量が非常に大きい 動作環境の要求が高い GUI及び操作性に若干の問題 |
DW Soundworksとは
DW Soundworksは、スタジオやライブでの使用に対応したパワフルな電子ドラム・オペレーティング・システムで、DAW(AAX/AU/VST対応)に対応したプラグイン形式で提供されます。
DWの工場にて、最高品質のマイクやプリアンプ、EQ、コンプレッサーを用いて録音された、非常にリアルなドラムサウンドが特徴です。
サンプルは最大15マイクで収録、88.2 kHz/24ビット(出力は44.1 kHz/16ビット)、最大30音色を同時に扱える高い拡張性、ベロシティレイヤーはアーティキュレーションごとに最大16レイヤー
コア・ライブラリにはDW Pure Maple、Maple Mahogany、50th Anniversary、Pure Almond、さらにGretschや1958年Don Lombardiのスリンガーランドなど多彩なキットが含まれます。さらに、Roland Cloud Manager経由でExpansion Packsを購入・追加でき、カスタマイズ性・音の幅も広がります。2024年初頭にはバグ修正・安定性向上を目的としたバージョン1.0.1もリリース主な機能
機能カテゴリ | 特徴・内容 |
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高精細サンプリング | 最大15マイクで収録、88.2kHz/24bit。DW工場スタジオ収録で生ドラムに迫る質感を実現。 |
豊富なドラムキット | DW Pure Maple、Maple Mahogany、50周年モデル、Gretsch、1958年製Slingerlandなど名機を収録。 |
詳細なミキシング環境 | マイクごとの音量調整、EQ、コンプレッサー、リバーブを搭載。DAW内で完結可能。 |
DAW連携 | AAX/AU/VST対応。MIDI打ち込みやe-Drums接続に最適。 |
DW(Drum Workshop, Inc.)とは
DWは1972年にカリフォルニアでDon Lombardiによって設立され、当初は教育機関でしたが、ドラマーのニーズに応える製品開発からスタートし、現在では「世界最高峰のドラムメーカー」として認知されています。ビジョンは常に「ドラマーの声に耳を傾け、最高の楽器を届けること」に一貫しています。
- 創業年:1972年
- 創業地:アメリカ・カリフォルニア州サンタモニカ
- 創業者:Don Lombardi(ドン・ロンバルディ)と、後に共同経営に加わるJohn Good(ジョン・グッド)
当初は「ドラムの教育スタジオ」としてスタートしましたが、教育用に必要だったハードウェアを自作し始めたことから製品開発に発展しました。特に「DW5000ペダル」が高く評価され、次第に世界的なドラムメーカーへ成長し今ではプロアマ問わず多くのアーティストに支持されているドラムメーカーです。
DW Soundworks レビュー
- 超高精細サンプリング(88.2kHz/24bit収録)
- 豊富なコアキット&拡張性
- 強力なミキシング環境
- Roland Cloudとの統合
- 容量が非常に大きい
- 動作環境の要求が高い
- GUI及び操作性に若干の問題
はっきりとした音像感とアタック感が使いやすい
DW Soundworksの音質は非常にクリアです。24ビット、88.2kHzでサンプリングされたハイクオリティなドラム音源です。通常多くのドラム音源は24ビット、44.1kHzでサンプリングされているのでその点から見ると2倍的な情報量の音源です。
有名なSD3の出音とは異なる質感です。雰囲気的にはDAWのソフト音源というよりは電子ドラムの専用音源的な雰囲気が強く感じました。
キックやスネア、タムなどの皮の雰囲気もよく出ており、オケの中でもほどよく馴染み存在感をはっきできるため多くのユーザーにとって使いやすい存在になると思います。
では、実際にどのような音色なのかを聞いてみます。今回は購入時に搭載されているすべてのキットを同じパターンで再生してみます。












ドラム音源ではキットによってはスネアやタムが小さい場合などもある中でDW Soundworksはどのキットも基本的に安定した音質が得られいているのも大きなメリットです。
また、電子ドラム用の音源を想定しているためなのかシンバルのSwellがかなり自然です。ちなみにEZdrummer3と比較すると次のようになります。(両者のMIDIベロシティはまったく同じです。)
シンバルをロールをしながら音量を大きく(クレッシェンド)していく奏法
今回のデモではシンバルだけですが、ハイハットやライドも同じく自然なSwellが得られました。
各パーツはそれぞれにアーティキュレーションが豊富に用意されていますが金物系はその中でも特に多いためリアルな演奏及び打ち込みが可能になります。


冒頭でもお話しましたが24ビット、88.2kHzでサンプリングという容量のためキット数のわりにストレージ占有容量が高めになります。


音作りが行いやすいシンプルなGUI


DW SoundworksのGUIは他のドラム音源とほぼ同じで、ドラムキットの画像または単体のキットを並べたものの二通りの表示が可能です。
個人的に便利だと思ったのはQuick Controlです。これは個別の音量、エフェクト。パンニング、チューニング、ダイレクト出力の量感、オーバーヘッドやアンビエンスを変更可能です。DAWなどで左端にミキシング画面が表示されるそれとどこか似ています。
エフェクト的にはそこまで量はありませんが、DTMで使用する場合多くのユーザーはDAW上で音色を作り込むと思われるため、必要最低限+αを揃えた印象ですが、十分にイメージした音色を作ることが可能なエフェクトです。


GUI的にはそこまで問題はありませんが、ただドラムキットを変更してもドラムキットのデザインが変更されないのは少し残念というか名前からしかキットを判別できないのは少し残念な気もします。
また、例えばタムを変更したい場合、そのキットを選択してから選ぶことになります。他の音源ではタムならタム、キックならキックで一覧で表示されているため、そのあたりの操作性と比較すると、若干のストレスに感じるかもしれません。


マルチアウトについて
DW Soundworksはステレオおよびマルチアウトはステレオ16出力となっています。DW Soundworksに用意されてたミキサー機能もシンプルで使いやすく操作方法で迷うようなことはありません。
ただステレオ16出力についてはLogic(AUプラグイン)環境だけの可能性もあります。その理由はマルチアウトの表示ではモノラルアウトが表示されているためです。ひょっとしたらVST環境ではまた異なったマルチアウトの出力が可能なのかもしれません。


ちなみに、Logicでモノラルアウトを使用すると、ステレオの半分だけが出力される形になりためまともに使えません。
ドラムパターンのエクスポートについて


DW Soundworksも他のドラム音源同様にドラムパターンがいくつか用意されています。ただそこまで数はそこまで多くないのがユーザーによっては少し気になるところかもしれません。
そして、当然それらのパターンを書き出し可能なエクスポート機能も装備しています。MIDIパターンのエクスポートはPATTERNと書かれた名前の部分をドラッグ・アンド・ドロップすればDAWに書き出せますがオーディオファイル化しての書き出しは下の方にあるEXPORTというボタンをクリックします。ただこちらはDAWへの書き出しではなくオーディオファイル化するだけのボタンになります。
CPU負荷について(安定性)
DW Soundworksはキットによって異なります。リバーブを多用するようなキットではCPU負荷が高い傾向になります。
現在私はM4MAXの環境で使用していますが、バッファ64では最大で95%、最小でも30%この間を激しく乱高下します。CPU負荷対策としてはエフェクトプラグイン等が何も使われていないオーディオトラックを選択するとマルチコアへの負荷分散が有効になるため、そのような使い方をするのがおすすめです。


また、これも私だけの環境かもしれませんが、たまにサンプルの再生がおかしくなる(具体的にはF#1はハイハットオープンなのにクローズが再生される)突如ビープ音が発生するなどの不具合が見られました。
このあたりは今後のアップデートでの改善を強く望みます。
まとめ
メーカー | DW (ブランド的にはRoland) |
システム | 最小 CPU:クアッドコア i5 (PC) | 2019 Intel (Mac) OS: Windows 11x | MacOS ベンチュラ 13x メモリ: 16GB HDストレージ(SSD): 256GB 外付けHD接続: USB 2.0 | Thunderbolt 2 DAWプラグインフォーマット: AAX | VST2 | VST3 | AU 推奨 CPU: クアッドコア i7 (PC) | M2 (Mac) OS: Windows 11x | macOS Sequoia 15x メモリ: 32GB HDストレージ(SSD): 1TB 外付けHD接続: USB 3.0 | Thunderbolt 3 DAWプラグインフォーマット: AAX | VST2 | VST3 | AU |
認証方式 | シリアル認証 |
マニュアル | なし |
価格 | £113.98 |
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Intel Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
好き嫌いが分かれるようなドラム音源ですが、個人的にはかなり気に入っています。やはり全体の質感が安定していてなおかつ、ローエンドの心地よさが大きな理由です。
GUIに関してはデザイン自体が少し古い印象があったり、ドラムキットのデザインが変更されないなどの不満はありますが、ずっとGUIを見て作業するわけでもないのでその部分は切り離して評価できます。
快適な操作感(安定感)を損なう挙動もありますが、その部分を許容できるのであれば、使える音源ではあると感じました。
価格は£163.18が現在セール中ににて£113.98(日本円22,648.77 円2025/08/23現在)すでにSD3等を持っていても追加で購入してもよいとは思います。