作曲に耳コピは必要というけれど耳コピをやってもうまくできない。という悩みを持っている人は多いです。私も耳コピはすごく苦手です。
その中でもさらに苦手なのが「ベースの耳コピ!」もうなんとかルートの音だけとれても音程が動き出したらお手上げ!という人は私を含め多いのではないでしょうか?
そこで役立つのがizotope RX 8のとある機能です。しかし、その機能を使ってもまだわかりにくいという人もいるでしょう。そこでさらにそこからベースの音を聞きやすくするための裏技を紹介します。これでかなりベースの耳コピは楽になります。
これらの方法はひょっとしたら私だけに合った方法かもしれませんが、耳コピコンプレックスを持ち続けている私がこの方法を実践することで作曲に役立ているので参考になると思います。
耳コピとは
耳コピとは曲の要素となる部分を聞いてDAWや譜面等で再現していくことです。ここで大切なのは再現という部分です。なぜならばその音がどんな音でどんな意味を持っているのか?は聴いて耳コピしただけでは理解できないことが多いからです。
例えば、ドレミ ドレミ というメロディを耳コピしたとします。
それがどんなスケールなのか、どんな譜割り(メロディにおけるリズム)かはわかりません。またメロディだけを耳コピできたとしても作曲的なスキルはあまり向上しません。他の音との兼ね合いで初めてその音がより音楽的な意味合いを持つようになります。
これらを聴いてDAWなどで再現することで、作曲に必要な音程感が養われていきます。
ちなみに作曲とはメロディを書くことです。よく音楽全体を作り上げることを「作曲」と思っている人が多いですが、作曲はメロディを書くことでそれ意外の作業は編曲になります。
最近ではミックスさえも編曲という概念で捉えている場合があります。
作曲に耳コピは必要なのか?
作曲能力を高めるためには耳コピは必要ありません。耳コピができない(していない)人でも作曲ができる人は大勢います。
ただ耳コピをすることで音程感が養われるのは事実です。耳コピを続けることでサビとAメロの音程差を意識できるようになったり、転調したときに転調前の音がどんな音から転調したのかをしることもできます。
なのでできた方がプラスには働くといえますが消してできなければいけないという話ではありません。そして今回紹介するようなソフトを使えば耳コピはかなり簡単にできるようになっています。
「そんなことじゃ練習にならないのでは?」と思うかもしれません。しかし、闇雲にやって間違うよりもガイドを参考に耳コピをした方が正しい情報を得ることができますし、回数を重ねることでだんだんとソフトに頼らなくても耳コピのスキルはあがっていきます。
耳コピは完コピじゃないといけないのか?
耳コピが得意な人はいいのですが、私は苦手です。そもそもバンドのオケでなっている楽器を一つ残らず完璧にとることは私にはできません。複雑なテンションのボイシングはほとんどわかりません。これらの楽器をすべて耳コピすることを完コピといいます。
しかし作曲するだけであれば完コピは必要ありません。完コピはむしろ編曲を勉強する際に必要な方法です。
どんなコードでどんなリズムで、どんな音色なのか、これらは作曲ではなく編曲の世界です。挑戦することは素晴らしいです。しかし、できない自分を見続けるのはかなり体力/精神力が必要です。
なので作曲に絞った耳コピをするのであれば、すべての楽器を忠実に拾わないと行けない!という意識をすてて作曲に特化した耳コピをしていくのがシンプルで効果的な方法といえます。
完コピは必要ない
ガイドを有効活用する
耳コピの目的を理解する
何を耳コピすればよいのか?
では、作曲に必要な耳コピとはなにか?答えはメロディとベースです。作曲に必要なメロディとそのメロディに意味づけできるベースを耳コピできれば、間違いなく作曲スキルは上がります。
なぜならば、ベースとメロディの2つがあればメジャーやマイナーといった音程感を作り出すことができます。コードがなくてもそれらしい雰囲気は感じ取れます。
ベースがC(ド)でメロディがE♭(ミ♭)の場合、この状態で考えられるのはこのメロディはマイナーであることがわかります。
もちろんここにあと一音入る音でコードがA♭になるのか、Cmになるのかという問題はありますが、ベースとメロディが取れてしまえば、自ずと最後の1音に全集中すれば聞き取れるようになります。
またこの方法を試していけば、自ずとコードの響きも捉えられるようになってきます。
まとめると、
作曲に必要な耳コピはメロディとベースを優先することで作曲に必要な音程を理解できるようになる
ベースの耳コピがわかりにくい理由
人の耳は高い音の方が早く認識できるようになっています。なのでベースの音がうまく聞き取れないのは能力がある無しではなくそういうものだ!ということを知っておくのが大切です。
でないと「自分にはやっぱり耳コピの才能がない…」と落ち込み続けてしまいます。
これらは一言で言えば「慣れ」の問題です。ベースを弾き続けている人はベースの音の特徴や周波数を体感し続けた結果ベースの耳コピは慣れていない人に比べて割と簡単にできてしまいます。
「でもベースの音に慣れるとか難しそう」という人もいるでしょう。実際私も「難しそう」と捉える一人です。
しかし、このご時世、ありがたいことにテクノロジーがそれらを補ってくれます。むしろそういうテクノロジーがあるのに使わないのはもったいないですよ。
「でもそういうの使わない方がいい、耳コピも鍛錬だ!」みたいな空気感がある。
という人もいるでしょう。実際、耳コピは体育会系ののりがあります。数を重ねてナンボ!みたいなところです。
しかし!私は声を大きくしていいたいのは、テクノロジーを使ってでもベースの音域等になれていけば頭に情報が蓄積されていきます。その結果数をこなせば「慣れ」になり、ベースの耳コピもできるようになります。
耳コピにおすすめのソフト
さて、メロディとベースを取ればいい、という話になっても「そんな簡単にはできない!」メロディは500歩譲ったとしてベースなんてそんな簡単に聞き取れない。という人は多いでしょう。
わかります。私もできません。そこでオススメなのが以下で紹介するソフトです。
Ozone RX8 Standard
オーディオ波形編集ソフトのOzone RX8 Standardはボーカル、ベース、パーカッション(主にドラム)そしてそれ以外の4つの楽器のボリュームを調整できます。
多少の音質劣化はありますが、ボーカルやベースだけを抜き出すことが可能です。(その逆も可能)
これでボーカルとベースのトラックだけを作れば、通常の耳コピよりはるかに楽にできます。
こちらからでもRX8 Standardを購入できます。
使い方は簡単です。
耳コピしたいパートだけを残して後はフェーダーを下げてしまいます。次にQualityからGood Better Bestを選択します。このQuality選択で書き出し時の時間が変わってきます。出来る限り良い音で書き出したいのであればBESTを選択するのをオススメします。
さて、書き出しが終了すれば、ほぼベースだけを抽出したファイルが作成されます。
さて、この状態でもオケの中から耳コピするのを考えればだいぶ楽になります。
Melodyne
ピッチ編集ソフトの代表格と言われるMelodyneですが、これの何がおすすめかというと読み込んだオーディオ波形をMelodayneのピアノロールで表示してくれます。
かなり細かいところまで表示できてしまうため逆に不自然になる部分もありますが、これだけでもリズムと音程に関してはかなりのガイドになってくることは間違いありません。
またこちらも制度はそれほど高くはありませんが、Melodyne EditorにはMIDI出力してくる機能もあります。
\ Melodyne購入はこちらでできます! /
MelodyneにはEssential、Editor、Assistant、Studioというバージョンがありますが、単音の耳コピ用途であればEssentialでも問題はありません。ただ作曲していくうえでMelodyneの必要性は多く出てくるので、Editorバージョンを持っておくのが良いでしょう。
機能面の違いはこちらの画像が参考になります。
ただ現状で「Melodyneは買えない」という人は制度は落ちますが、DAW付属のピッチ編集ソフトでもピアノロールに音程を表示させることができます。
Logic ProのPitch Flexを適用したもの、
さて、MelodyneやLogic ProのPitch Flex機能を使うことでさらに耳コピはやりやすくなりますが、それでも「これって本当に音あってるのかな?なんかピアノロール通りにやってもうまくいかないことがある」という場合も多々あります。
そこで、裏技として、DAWやプラグインのトランスポーズ機能を使います。Logic ではメインウィンドウの左側にこのような表示がされていると思います。このトランスポーズで1オクターブ上の音にしてやることで、かなり音が取りやすくなります。
こすることで馴染みのある音程に近づきベースのフレーズがかなり聞きやすくなります。
RX8にもピッチ機能がありますが、書き出しに時間がかかるのと、どうしてもRX8を使わなければいけないほどの音質差ではないので、DAW標準のトランスポーズ機能で十分だと思われます。
まとめ
究極的にはバンドスコア等があればそれを確認しながら打ち込むのも耳コピです。そもそも耳コピの目的は音に慣れて作曲情報を頭にストックしていくことと私は捉えています。
自分の耳コピ能力に不安があるならばガイドとなるスコアを持っておいて、自分の耳コピをしたとに答え合わせをする感覚です。このときも基本はベースとメロディの関係を意識することで、作曲スキルは向上していきます。