都市のリズムを指先で操る – Klevgrand Slammerが奏でる新たなビートの世界。スタジオで録音された通常のドラムキットとは一味違う、
ストリートの雰囲気を纏った独特なサウンド。それがKlevgrand Slammerの魅力です。従来のドラム音源では物足りなさを感じていた音楽制作者にとって、Slammerは新鮮な風を吹き込む存在となるでしょう。
都会的でエッジの効いたビートから、少し荒削りながらも個性的なリズムまで、Slammerは幅広い表現を可能にします。その独自のサウンドデザインは、あなたの楽曲に新たな次元の躍動感をもたらし、聴き手の耳を惹きつけるユニークな音楽体験を創出します。
Slammerとは
Klevgrand Slammerは、ドラム音源とエフェクトを備えたバーチャル・ドラム・インストゥルメントです。ドラム音源であればそこまで珍しくはありませんが、Slammerはニューヨークのストリートでなどで聞けるリズム演奏を彷彿とさせてくれるドラム音源です。音色の存在感だけで言えばEZDRUMMER3や高級なドラム専用音源に引けを取りません
主な特徴
- 2000以上のサンプルを使用した30種類のマルチサンプル・インストゥルメント
- 12のサウンドスロットを搭載し、各スロットで個別の調整が可能
- 8種類のディストーションアルゴリズムを持つコンプレッション・ディストーションセクション(DIRT)
- プリセット付きのリバーブ
- 豊富なファクトリープリセット
- グローバル・トーンコントロール
カスタマイズ機能
- 各サウンドのピッチ、フィルター、エフェクトセンド、ディケイタイム、ベロシティマッピングなどを調整可能
- DIRTセクションとリバーブの量を楽器ごとに個別に設定可能
- ベロシティカーブの調整機能
Klevgrand Slammer レビュー
Klevgrand Slammer使っててみた印象として、このストリート感のある音色は他では中々見つけられません。素朴でありながらも、リズムトラックとして圧倒的な存在感を作り出せます。
かんたんなデモを用意してみました。
また、音色アサインはC1キック、D1スネア、FGAとタム、F#ハイハットといった基本GM音源のドラムマッピングと近いものがあるので、リズムを組むのにどこに何の音があるのかわからない!という苦労はありません。
使い方のコツとして、基本ドラムと変わりませんが、アルペジオやランダマイザーを使って適当に打ち込んだ方が逆にストリートっぽい感じになるかもしれません。
またベロシティによる音質の違いがもそれなりにあるので、抑揚をつけた打ち込みでよりリアルな雰囲気を出せます。
鍵盤で打ち込んでみるとわかるのですが、すべての鍵盤に音色がアサインされています。しかし、音色アサインは1オクターブであり、それ以外は同じ音色が並んでいるだけであり、例えばC1とC2を同時に鳴らすと同じMIDIデータが発音されるため、予期しない不愉快な音色になるので注意が必要です。
プリセットがいくつか用意されています。デフォルトではバランスの良いオーソドックスなストリートドラムいった感じですが、金物だけや、歪ませたものなど、色彩豊かなストリートドラムサウンドが楽しめます。
エフェクトは、歪みとリバーブとイコライザーだけですが、下手にモジュレーション系をつけるよりは簡素にまとまっており、ストリートドラムという世界観を壊すことはありません。
各パーツはそれぞれで、音色の選択、ゲイン、パン、ピッチ、などが調整可能なので、より好みの音色に作り込めます。
また、リバーブと歪みへの量を調整できるAUX的なパラメーターも便利です
改善してほしいポイント
何度もお伝えしますが、Klevgrand Slammerの音色はこれでしか出せない雰囲気があり、個人的にはEZDRUMMER3などの高音質なドラム音源と匹敵するくらいにお気に入りです。
ただ、次の二点で少し残念な気がしました。
- パラアウト不可
- MIDIパターン非搭載
まず1つ目はパラアウトができないということ。それぞれの音色をDAWに送って自分の使いたいエフェクトプラグインでさらに音色を追い込みたいという人は手間になりますが、必要なだけKlevgrand Slammerを立ち上げるか、個別にオーディオデータに書き出すしかありません。
また、ストリートドラム特有のMIDIパターンがあればよりこの音源のポテンシャルを深く感じ取れたのではないか?という気もしています。
価格がそこまで高くないのがセールスポイントでもありますが、多少高くなってもその2つが搭載されていたらさらにうれしかったです。
システム
- VST、AU、AAXフォーマットに対応
- Windows 7以降、macOS 10.10以降で動作(M1プロセッサにも最適化)
- 比較的低いCPU負荷で動作
まとめ
Klevgrand Slammerは万能なドラム音源ではありませんが、良い意味でクセが強く。これでしか出せない世界観を持っています。そのためハマれば他のドラム音源では追従できない楽曲クオリティになります。
ストリートドラムのような世界を作りたい場合や、楽曲のちょっとしたアクセントしてKlevgrand Slammerを使うなどここぞ!というシーンでKlevgrand Slammerを使ってみてください。
満足できる結果を得られます!