無機質なシンセサウンドを有機的な変化を与えることで野暮ったい感じがなくなり聞き込みたい音に変化します。
そう言われても「有機的な変化をつける」なんてちょっと難しそうだと思いますよね。Logic ProユーザーはStep FXを使えば簡単にその有機的な変化を手に入れることができます。このクラスのプラグインは市販されていれば5,000円以上はします。それがLogicProXには最初から入っているわけなんでLogicProXは本当にお得です。
Logic Pr Step FXとは
一言でいえば「FXプラグインとステップ・シーケンサーを組み合わせたチャンネル・ストリップ」です。チャンネル・ストリップとはフィルター、コンプ、イコライザーなどをまとめたものです。Step FXとは音が大きく変化する以下のプラグインをステップシーケンサーでコントロールします。
- MOD FX(コーラス効果)
- DELAY(LRバランス対応ステレオディレイ)
- FILTER(ビットクラッシャーを含む34種類のフィルター)
- DISTORTION(エキサイター)
- REVERB(リバースリバーブを含む8種類のリバーブ)
Step FXのメリット
ひとつひとつのプラグインはLogicに付属しているプラグインです。それらをオートメーションを大量に書き込み続ければStep FXと同じことはできますが、それを1つのプラグインで管理できてしまうので作業効率の時短になります。
デメリット
それらを1つにまとめてコントロールするためCPU負荷がかかります。負荷については後述します。
使い方
シンセやオーディオトラックにエフェクトプラグインからStep Fxを選択します。プリセットもあるのでその中から選ぶのもいいですし、自分で使いたいパラメーターだけ選ぶのもいいでしょう。このプラグインの効果的な使い方のポイントはステップーシーケンサーへのパラメーターの割当です。
Step FXは独立したステップーシーケンサーが3トラックあり、それぞれに好きなパラメーターを割り当てられます。ステップ・シーケンサーによってエフェクトのかかり方の大きさと長さをコントロールできます。
本来アナログシンセやエフェクトプラグインに付いているステップシーケンサーは16〜て32ですが、Step FXは128ステップ・シーケンサーなので音の変化が幅を長くコントロールできるのが特徴的です。
ステップ・シーケンサーのコントロール
ステップシーケンサーは、ステップモジュールによってそのかかり方の長さと量をコントロールします。
ステップモジュールではLFOカーブを(サインやスクェア)を割り当てることもできますし、ランダム設定も可能です。Depthによって設定したパラメーター位置からプラス値で動かすかマイナス値で動かすを決め、Rateによってビート(8分音符や16分音符)を決定します。Swingはそれらのハネ具合を調整します。
青いバーの上部を下にドラッグすると下がり、右側から左にドラッグすると短くなります。またステップ同士は連結することも可能なので、連続したなめらか変化を作ることも可能です。
しかしStep FXはエンベロープジェネレーターを搭載しているのでさらに音の立ち上がりや長さをコントロールできます。Step Fxはオシレーターを積んでいないシンセサイザーと呼べます。
サウンドデモ
シンプルなノコギリ波でコードとメロディを弾いたものにStep FXを使ってみます。前半4小節はバイパスでで後半4小節がエフェクトがかかった状態です
フィルターの開閉とリバースリバーブ、そしてエキサイターのコントロールをしています。リズミカルに音色が変化しているのがわかります。
以前紹介したGlitch2の簡易版みたいな感じですが、これだけでもかなり凝ったことができます。
CPU負荷
- パソコン :Macmini2018
- CPU :Corei7 3.2GHz 6コア
- メモリ :32GB
- 使用DAW:LogicProX
- Audio/IF :896HD
- バッファ :128
複数のプラグインを同時に管理しそれらをオートメーションしているわけなので、それなりに負荷はあります。
気をつけたいポイント
エフェクトエディット時にステップ・シーケンサーは止まりません。なのでスタート時のステップシーケンサーの音を確認しようと思うと、一度DAWを動かしてやればステップシーケンサの頭に戻ります。この辺りの使い勝手がもう少し柔軟だともっとわかりやすいプラグインになったようにも思います。
改善希望点
次回パップデートでは、ボコーダーなどのプラグインも取り入れることでもっとおもしろい変化をつけられるように思います。というか任意のプラグイン選べてしまった方がよりクリエイティブでアクティブなプラグインになってくれそうな気がします。
まとめ
付属のDAWでもここまでの音の変化を有機的に楽しめるプラグインはあまり少ないように思います。工夫次第ではかなり複雑な変化ができると思うのでLogicProXのユーザーは使い込む価値がかなり高いプラグインだと思います。
コメント